ＶＳ

「ちーっす、シュリでーす」

「「「「「「「「「「みんないるよ～」」」」」」」」」」

ふっふっふ。

ちょーしに乗れるのもここまでです。

アムネスティガールズのみなさん！

『プロフェッショナルを呼びやがったか』

「天敵どーしだね♪」

そーなんですか？

「そだよ」

「男と女だもん」

「ヤルかヤラセルか！」

「イかせたときの充足感は異常」

「わかるわかる♪」

「どっちもいいよね？」

「どちらかというと、イくほうがいい」

「すてがたいけど、イかせるほうがいい」

「うちらは誰の挑戦でもウケる！」

「男だったらね♪」

！！！！

「「「「「「「「「「女は無いって」」」」」」」」」」

『あそこ「は」、そーいう店じゃないから』

「お客さんは男じゃないしね」

？

「お客さんはコメムギヤサイ天の恵み的な」

「お店は畑か田んぼかな」

「うちらは農婦みたいなもんだね」

「客には愛着もあるよ」

「お客さんは大切大切」

「おひゃくしょうさんにとっての作物くらい」

「お客と菜種は絞れば絞るほど」

「乳しぼりみたいな感じ」

「絞っているのは……」

「金」

おコメ一つぶにたくさん神様がいるってノリですね。

じゃ、金づる、いえ、収穫の話は置いておいて。

プロフェッショナルの目から見て、たいちょーは？

「「「「「「「「「「獲物」」」」」」」」」」

鏡に映したような関係ですね（棒）。

『文句が出るかと思ったが』

狩猟とみなそうが釣とみなそうがどーでもいいですよ。

相手がどうあれ、自分の心に愛があればいいんです。

『一方通行でもか？』

愛に応えは必ずあります！

『答えがあるとは限らんが』

答えを求めるのは遠回りしてるだけですよ。

愛って答えに気付く為。

『負けた』

当たり前じゃないですか。

どーせ勝ち負けなんか気にしてないくせに。

というわけで、先生方。

「まーかせてー、処女(マメシバ)には処女(マメシバ)の、うちらにはうちらの役どころってのがあるわけよ？」

「可愛がられるか」

「可愛がらせるか」

「甘えにいくか」

「甘やかされるか」

「抱かれるか」

「抱かせるか」

「押し倒されるか」

「押し倒させるか」

「どっちがどっちってこともないけどね」

それは、あの娘たちに教えた方が良いのでは？

「もっちろん」

「でもさ、狙われてるって判れば、男になるから」

「女に狙われるから、男」

「男に狙われるから、女」

「狙ってるほーは、オケ」

「狙われてるほーが、エヌジー」

だから、か。

「そそ」

「その『抱く』とこの『抱く』は行為が違うぞーって」

「そこからそこから」

「ま、うちらはあとでいいから、さ♪」

『むしろいますぐがいいんですがだめですかそうですか？』

《標本カウンセリング記録ｂ》

【国際連合統治軍第１３集積地/白骨街道/ランドクルーザー車内/中央席/青龍の貴族】

俺は決して逃げているのではない。

２５６歳児の真っ赤な涙目を、見つめていてはいけません。

エルフっ子の手をわずかに強くはっきりと撫でさする。

俺がついてるぞ～。

役に立つとは言いませんが。

すべすべ。

剣士戦士弓手。

そんな手じゃねーぞこのすべすべの肌は。

エルフの恒常性維持機能、か。

しっとり潤い、柔らかく俺の手になじみ、指が絡んで離れない。

ほぼ握手？

俺の意図は伝わっているようだ。

窓越しで見ると、いつものポーカーフェイスを造るべく努力しているエルフっ子。

うむ。

努力してるのはわかる。

結果は推して知るべし。

だが、ほらあれだ、俺以外が、つまり付き合いが浅い赤の他人から見れば、平静な表情に見えるんではないかと。

さすが天下(おれの限定)のエルフっ子。

緊急措置だけで何とかなるとは。

惜しむらくは、この車内、視界の範囲にはエルフっ子にとって付き合いの浅い他人がいない、ということだろう。

ツいてない時はしょうがないね。

それでも努力をあきらめないところは好きです。

俺にはない資質。

努力は才能。

そんなエルフっ子を応援してあげたい。

俺に出来ることはなんだろう。

ハンドサイン以外で。

常ならば？

がっちりと抱いてよしよしするところだが。

それはかなり恥ずかしかろう。

二人っきりならいいんだが。

エルフっ子(おかん＆長女)を見つめるちびっこ目線。

ちびっこ二人の前。

恥をかかせてはいけない。

弱さは恥だ。

気持ちはよーく解ります。

俺も大変なんですよ？

女の前、子どもの前、民間人の前、兵士の

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・世捨て人になろうかな？

何処で気を抜けというのか？

俺の人生らしくないよこれは違う？？

ともかく！

目下の前で泣いたりわめいたり凹んだり溜息をついたりしては絶対にいけないのである！

カッコ悪いから！！！！！！！！！！！！！

士官将校大人男の常識。

大人。

それはつまり、エルフっ子もギリギリ適用範囲に入るわけで。

大人の。

相対値ではね。

２５６歳？

俺から見れば精神年齢１７歳の子ども。

幼女童女(ちびっこ)から見れば保護者。

子どもにとっての大人。

それは世界そのものと言っていい。

その役目を、この激烈な世界で十年繰り広げていたエルフっ子。

その面目を、この一時なぬるま湯の時間で傷つけてはいけない。

いつまでも俺がいて、エルフっ子をカバーできるわけもなし。

いえ、任務中は助けてもらってるばかりですけどね？

いつまでも俺が居ようがいまいが、護れるわけでもないしな。

いえ、戦場では防衛陣を補完してもらってますけどね？

だからこそ、御恩返しが必要なわけで。

エルフっ子が、俺の前で気を抜けるのなら結構なこと。

時々でもね。

それに貢献できるのであれば、俺の自慢です。

俺って、大人だから。

そして、それを、ちびっこから隠してあげる配慮もできるんですよ。

俺って、大人だから。

エルフっ子。

気が抜ける時間。

秘中の秘。

今ではない。

撫でて抱いて転がすのは。

何処かの密室を用意してから。

今は最小限で立て直す。

無理やりにでも建て直す。

雰囲気だけでも俺が建て直す。

肉体精神的に十代後半ならば、振る舞い方を知る頃合。

目下の子たちの前での見栄の張り方。

良き大人になるために。

俺が言うかって話だが。

俺の見せかけは参考になりますよ？

俺の外向き態度は自慢です。

エルフっ子なら大丈夫！

偽物を見本にして本物が生まれる。

美術界ではよくあることだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・建て前っぽい？

いやまあね。

嘘ではないが、逆の誘惑もある。

自重自重。

【聖都南端/白骨街道/らんどくるーざーの中/青龍の貴族の右隣/エルフっ娘】

む――――――――――やな予感。

あたしは自分の指を彼の、青龍の貴族の指に絡めなおす。

彼はあたしの指を挟むように、撫でるように弄ってくる。

ふーん。

わざとなんだ。

知って、それで、あえて、か。

あたしは力を入れて、ワザと指を応えさせない。

うん。

全然、気にしてないわね。

知ってた。

不愉快！

彼の指。

戦い合う戦士の手ではなくて、一方的に殺しつくす虐殺者の指。

大きくて、太くて、長くて、広い。

艶があり、すべすべして、あたしの肌によくなじむ。

大胆で繊細で、素早く指先を走らせ一気に攫む。

手を取り合うのではなくて、一方的に従え所有する支配者の指。

攫まれると心地いい。

そうそうくれないけれど、ね。

その指を与えられたのだから、それで満足すべき、とは思う。

反射的に耳を澄ませてしまい、それをこらえて、やりなおし。

あたしは教訓を胸に、周囲を警戒していたのだけれど。

らんどくるーざー、その周り。

なのに。

ついつい無駄な努力をしてしまう。

自分の向きが彼に向いてしまう。

気持ちに引きずられてしまう。

気が付いたら彼を聴いていた。

そんなことをしても、何もわからない。

鼓動。

呼吸。

仕草。

それよりも意識して、周りに耳を欹てる。

【国際連合統治軍第１３集積地/白骨街道/ランドクルーザー車内/中央席/青龍の貴族】

エルフっ子と俺。

これからなが～く続く付き合いを思えば、ソレは得策ではない。

一時の愉悦で気まずくなるのは避けよう。

これからなが～く、引きずられ続けるからな。

愉しみは末永く。

何もかも知ってる親戚のお兄さんのノリ。

小学生以下から把握している子が高校生を超えるくらいになると、ちょうど遊び頃です。

大学生や社会人やらになったら、もっと面白いでしょう。

その子が結婚して子どもを産んだりして、さらにその子どもが思春期を迎えたりしたら、親子セットで楽しめます。

たぶん。

そのつもりで仕込んでいるので。

地球では、だが。

近所を中心で面白そうな子に、結婚式に参加させろ、って伝える根回しは順調。

二つ返事でＯｋされるしね。

まあ先々の話過ぎて、判ってないんだろうが。

一度ＯＫされていれば、押して参れるだろう。

俺が犯罪者にでもならない限り。

三佐の都合しだいか？

後悔はさせない。

お母さんの黒歴史を知っているジジイへジョブチェンジ。

子供で遊ぶのは、二度おいしい。

老後の楽しみです。

まさか異世界でも、そんな楽しい苗を造れるとは。

人生は判らないもんだ。

異世界転移なんて、わからなくて当たり前か。

日本でせっせと植えている苗に、異世界を加える。

そのために、今は、ほどほどに。

未熟さで遊ぶのも、やりすぎると大人げないしね。

歳上の相手に、あえて大人ぶる俺もどーかと思うが。

末永くよろしく。

エルフっ子。

などと計画されてると、夢にも思わないのだろうな。

うん。

指先をにぎにぎしてくるエルフっ子。

これは相当へこんでますね。

しかし。

エルフっ子よ。

気に病むことは無い。

いや仕方がないよ。

真っ正面から、可愛い、とか褒められる。

それをがっつり受け止めて、愉しむ。

女ならできるんだけどね～。

出来ん奴もいるが。

そのうち出来るようになる。

どんなお世辞も、あらゆる本音も、取捨選択して楽しめるようになる。

楽しんだうえで流したり打ちかえしたりして、逆に相手を愉しめるようになる。

それを突破して、スリーポイントやハットトリックを決める。

それが楽しいのだが、まあ、それは男の事情として。

女の話ね。

特にエルフっ子。

永遠の美女、ってか、美少女。

そして俺たち地球人。

異世界人との距離感、その間合いが判らん余所者集団。

その影響を受けざるを得ない異世界。

今まで以上にあからさまに、今まで以上に明瞭に、今まで以上に大量に。

エルフっ子に賛辞が集まるだろう。

世界が終わるのが先か、エルフっ子が飽きるのが先か。

どっちだろうねぇ。

そんなオレ的には愉しい未来。

それを愉しむためには慣れさせないとな。

トラウマを与えて逃がしてはいけない。

すこーしずつ、すこーしづつ、ちょっとずつ、ちょっとづつ。

トラウマ管理はそれを与えた者の特権、いや、義務です。

だからいまは、スルー推奨。