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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十章「異世界の車窓から」

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368/1003

Damage Control.

【用語】


『アムネスティ』:日本の異世界転移後、国連より早く再建された国際的な人権団体(NGO)。売春合法化の実地試験を兼ねて、日本で育成した娼婦を雇用し異世界大陸国連統治下で営業している。なおアムネスティの「売春合法化論」は現実に準拠しており小説上の設定ではない。ただし、支部ごとの独自性が強い団体なので全体の総意と言えるかは微妙。

(詳細は第28部 「アムネスティ」 より)


『アムネスティガールズ』:太守領にやってきたアムネスティの人員のうち娼婦の10人。他に管理職、料理人、専門医、エステスタッフなどがいる。

名前が出ているのはシュリのみ(第35部 「奴隷市場ろうどうしじょう」冒頭 )。




【登場人物】


地球側呼称《三尉/マメシバ/ハナコ》

現地側呼称《マメシバ卿》

?歳/女性

:陸上自衛隊医官/三尉。国際連合軍独立教導旅団副官。キラキラネームの本名をかたくなに拒み「ハナコ」を自称。上官の元カノが勝手に「マメシバ」とあだ名をつけて呼んでいる。

最近、日本医師会会長の孫娘と判明した。


『シスターズ』:エルフっ子、お嬢、魔女っ子の血縁がない姉妹同然の三人をひとまとめにした呼称。


魔女っ子、ちっちゃい。

お嬢、ちっちゃくないと主張。

エルフっ子、ベスト3の大きさ。



たいちょーにとって、「かわいがる」ってなんですか?


『は?』


お得意の時間稼ぎは、無しですよ。

疑問符で返して相手からヒントを誘いだそうとしたり、気の利いた返しを考える時間を稼ごうってのは、ミエミエですからね!


『目の届く範囲に置く。かまわない。気が付いたら撫でる』



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?


『時間稼ぎか?』


――――――――――――――――上手いこと言ったつもりですか!!!!!!

ってか、それ、子猫子犬子ども扱いじゃないですかそれ!!!!!!!!!!!


『他に何を可愛がれというんだ』


そこからですか底からですか其処からですか????????????

女ですよ女!!!!!!!!!!!!!!


はい。

冷静に。

完結に。

即答。


『獲物』


「たいちょーにとって、女とは何か」なんて聞いてません!

好みの範囲外は獲物じゃないんでしょうから逆説的になりますけどそれも―いいです!!


『苦労してるな』


わかりました。

増援を呼びます。


センセー!

どうぞ!!


『手拍子で用心棒呼ぶってオマエ、おじいちゃんと時代劇見て過ごしたクチだな』


《標本カウンセリング記録a》




【国際連合統治軍第13集積地/白骨街道/ランドクルーザー車内/中央席/青龍の貴族】


よーし。

わかった。


俺が責任を取らざるをえまい。


そりゃ、エルフっ子。

絶望顔にもなるってもんだ。



照れ顔。


ポーカーフェイスで取り繕うのに失敗。

クールビューティーが、可愛くはにかむレア表情。

俺から見れば心が暖かくなるようなそれ。



ソレを、ちびっ子たちに直視されてしまったんだから。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。


カッコつかないよね。

それだけで絶望顔ってのもあれだが、子どもにはよくある。


たまに見ます。

年下の前で、おねいさんぶっている子。


がっつり、すなおに、甘えている時もある。

はっきり、子どもたちに見られる時もある


俺のせいじゃない。

とも言い切れない。



泣かした、というと、おかしいが。

エルフっ子を照れ転がしたのは俺だしね。


だがまあ、責任は取ろうじゃないか。

誰のせいでも関係ない。

ごまかしてない。




黒歴史確定!

俺じゃなくて、エルフっ子の。


照れて取り乱してそれを外に出せないので大混乱。

――――――――――――――――――――わ・か・り・や・す!!


すっごく追い打ちしたい。

一生もののトラウマを造ってあげたい。


だが、ここは、ぐっと我慢する俺。

大人だから。



エルフの寿命、事実上無限のことを考えたら支えきれん。

俺が死ぬ。


今際の際にツッコまれそうだ。



女は忘れないからね。

良かれ悪しかれ。

本当に覚えてるか検証できないが。

俺は覚えてないから。


でもすっごく詳細で、その時の気持ちから気温室温から質感まではっきり明瞭に言われると、そうなのかなとも思うわけで。


あのとき。

そのとき。

このとき。


あれをされた。

これをされた。

それをされた。


苦情にダメ出し、セットで繰り返されるリトライ要求。

繰り返しを繰り返し要求されるエンドレス。

強制終了しますけどね。



僅かな人生経験でも、こんだけもちこまれるんですよ。


それをまた、軽くあしらって愉しむこともできますが。

それはそれとして、スペックに驚く。


女はすごいな~。

そこまで来ると騙されてるような気もするが、まあ、別にいいのだが。

無視したりあしらったりは、手間でもない。


それはきっと、多世界共通。


すくなくとも、俺が出会った子たちはそうだ。

と思われ。



エンドレスが始まるんだろうな。


どうせ俺、日本に帰るから。

なんて安心はできない。


距離と時間を克服した現代社会。


SNSを断固拒否する俺でも、メールはあるわけで。

ナンパは対面でしかしないのに、この類の苦情持ち込みは電子化されてるんですよ。


いえね?

SNSで女探すとコスパが悪いんですよ。


接点をとりやすいから、効果以上に手間暇だけ増える。

距離を置いてるから、接触できないリスクが高まる。

接触できないから、取れる手段が限られる。


自分の痕跡は残るわ。

相手の信頼を得にくいわ。

データ過多で選別しにくいわ。


こちとらガキじゃねー。

バーチャルによーはねーんだよ。

ごっこ遊びもロールプレイも、ノーサンキュー。



一応、アウトラインをなぞってみて、すぐに捨てた。

仕事にすらつかえん。


職業柄、自分で発信器を付けるような自殺行為が、喧しく禁じられてるのもあるけどね。

いや電子通信ってだけで、100%追跡は可能なんだけどね。


中でも一番脆弱なところに首を突っ込むなっていう。


スマホなんてありえない。

ジョーク以上のセキュリティ概念が機能上備えられないから。

ガラケーのみ。


勤務中の通信機器は電源OFF。

電源を入れる場合でも通信系は常時OFF。

GPSなんか持ってのほか。


私生活でも同じようにふるまわないと、命取り。

仕事のON/OFF、ネットのON/OFFで作戦行動が特定される。


命を取りに来るのは味方ですが。


敵はむしろ守ってくれます。

便利な情報源を潰すわけないよね。



さすがに軍隊、おっと自衛隊レベルではハードメディアまで進化しないけれど。

諜報関係だとそこまで求められるけれど。



伝令に口伝え、紙に暗号、ラジオに符丁、壁に落書き伝書鳩、中継の背景にライト点滅。

それが業界で常識化してるなんて、意外に知られてないよね。


機密作業の資金プールなんか、町役場の伝票きってるんですよ。

紙伝票にハンコ押して。


過疎村落なのに居るのは爺婆と、背筋が正しい壮年男女がさりげなく暮らしてるとか。

既にギャグ。


マネーロンダリングの中枢が、非電子化手作業オンリーの家族経営銀行になってるような物。

ルクセンブルクとかには、結構あります。


転移前の話ね。

転移後は、領土係争地や船上大使館や在日米軍基地が活用されてるとかなんとか。


とまあ、最先端機器や技術は、概ね重要なことにはつかわれない。

古くて新しい、広く知られない常識。



まあ、子供のおもちゃにはいいかもね。

性教育の前段階って感じで。


それじゃない?





つまり。

異世界が地球に、っていうか、日本に侵食されたら、日本で起こっていることは、多世界間でも起こるわけで。


手紙まで使って、不満を訴えられるんであろうなぁ、と。


で、既にその片鱗を見せている以上は。

この子たちも、当然、そのうち女になるわけで。

成長を喜ぶ気持ちが無いとは申しませんが、愉しくも厄介な問題が生じるのは覚悟完了。

厄介度を下げて、できるだけ楽しみだけ残そう。


そのためには、禍根を残さないこと。



うん。

エルフっ子と俺の間で。

僅かに一か月半ほどの間で。


いろいろしでかした覚えはあります。


泣かせたことなんか何度あったか覚えてません。

今後の展開が読め過ぎて困る。


覚えてないから怒られたり拗ねられたりするんだってことも、予想が付きます。


子どものうちは、適当にごまかしたりできますけどね。

ほどなく、ごまかすのが大変になるのであろうな、と。


嫌われてはいかん。




【聖都南端/白骨街道/らんどくるーざーの中/青龍の貴族の右膝/魔女っ娘】


あの、ちょっと、いたたまれません。

わたしはどうしたらいいのでしょうか。


ねえ様が、この世の終わりのようなお顔です。


潤んだ瞳で、すっごく幸せそうにされてましたのに。

わたし、ちい姉さまが、すっごくすっごく羨んでましたのに。


可愛い。

そんな、ご主人様の言葉。

それに、すっごくすっごく納得してしまう、ねえ様の仕草。


ご主人様を意識してモジモジとされて。

ご主人様のことをチラチラと見られて。

そのたび、頬と口元を引き締めなおして。


それを見て、楽しそうな五主人様。

表情こそ動かされませんが、それは、ねえ様にもわかったはずです。




なのに

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すぐ視線を外されて。


お気持ちは解ります。


肢体は密着しているのに、眼を向けられない。

これで肢体を離されたら、死んでしまいますけれど。

もしつきはなされたら

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ダメダメダメ、想像しそうになってしまいました。


そんなことはない。

そんなことはない。

そんなことはありません。


だからこそ、もうすこし、楽しんでいたきたい。


ご主人様には、ねえ様を。

ねえ様には、ご主人様を。


わたしは置いて行かれている悔しさよりなにより、そう想ってしまいます。



ずっとずっととは、思いますけれど、そうはいきませんけれど。

もう少し、もう少し

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ♪


「「「「「「「「♪」」」」」」」」



さすがご主人様です!!!


羨ましいけど嬉しいです。

みんなが、ちい姉さまもColorfulさんたちも。

眼を見張ってしまいましたが。


ねえ様の手。

指に絡めるご主人様の手。


さすが♪♪♪♪

わたしの♪♪♪♪

ご主人様♪♪♪♪♪




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