開戦手順の一般教養/Memorial Day!
【用語】
『ダグラス・マッカーサー』：日本で一番有名な合衆国軍人。先祖代々子々孫々まで軍人家系。合衆国戦争史の化身。尊大で傲慢で自信家で貴族的な軍人で、国籍を問わず共産主義者を見付けると独断で戦車を突入させたほどの反共主義者。
士官学校で優秀な成績を収めたエリートながら、目立ちたがり屋で規則違反と独断専行の常習者。しかもその結果、前線指揮や諜報紛いの作戦に秀でて実績を上げ続けた。故に士官学校出身の机上でしか役に立たない参謀将校からの評判は最悪で、机の上で書かれた人格を否定する文献資料回顧録は山のようにある。「○○に書いてある」しか言えないミリ○タが鵜呑みにするのも無理もないというべきか無理があるというべきか。
日露戦争当時は父親のコネで勝手に観戦武官に潜り込み、日本陸海軍関係者の追っかけツアー。第一次世界大戦では派兵軍編成から派遣先での前線指揮まで仕切り、死傷率が一番高い場所で一番多くの戦果を挙げる。太平洋戦争では日本陸軍と一番殺し合い、一番大きな敗北と一番大きな勝利を得る。日本占領中は赤狩りと日本軍再建を推進。朝鮮戦争に乗じていつものように対ソ対中全面戦争（オール共産主義へ戦車を突入）を画策。日本軍と原爆を満州と極東ソ連に突入させようとしたところで、トルーマンに解任された。現職大統領に「俺が解任するまで辞表を出させるな！」とまで思いつめさせた軍人は最初で最後であろう。なお命令しても聴くタイプでもなく、だれにも止められない。しかたなくトルーマンが「マッカーサーが辞表を叩きつけに来る前に」というわけで真夜中に「解任する！」と記者会見した。これを「シビリアンコントロール」と主張する向きもある。
当たり前ではあるが「戦争の最中に最高司令官を更迭」した影響は破滅的なものとなった。無目的な朝鮮戦争は泥沼化。それはその後のソビエト勢力圏拡大、米国陣営の連続敗北を招いた。トルーマンは批判の渦にのまれ現職大統領でありながら再選挑戦自体を諦めさせられる。そしてルーズベルト以来長期（ほぼ一世代）にわたった民主党政権が崩壊した。
「リメンバー・ パールハーバー」
ねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぷっ！
――――――――――失礼――――――――――
キミたちには、笑い事じゃなかったね
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・名誉ワシントン市民には。
ああ、もちろん。
バカにしてるわけじゃない。
わたしのせいじゃないからな。
類例を挙げよう。
「生きて虜囚の辱めを受けることなかれ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だったかな？
戦後、知られるようになった言葉。
実際、太平洋戦争中の捕虜たち、その尋問記録にはない。
わからない？
――――――――――同じ、同じ。
「リメンバー・パールハーバー」？
正しくは
「ホワット・パールハーバー？」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん？
間違いじゃないが？
「ＷＨＥＲＥ」 ｏｒ 「ＷＨＡＴ」？
何処？
ではなく。
何？
そもそも合衆国市民、いや、各州民が、パールハーバーなんか知っていると？
なぜそう、思うのかな？
１９４１年当時で考えて、だ
――――――――――ボストン湾ならいざしらず。
ハワイが知られたのは、リゾート地として。
戦後、合衆国市民が泡銭を稼いだ後。
さて、そんな当時、パールハーバー攻撃さる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だから？
ハワイなんぞ、州ですらなかった。
海上戦略上の重要性、それが、民意に影響を与えるとでも？
大陸国家の合衆国で！
アリゾナ、フロリダ、テネシー、キリがない、他色々。
誰がハワイの為に悲しむ？
各州民にとってマニラもホノルルも同じようなもの
――――――――――海の彼方の植民地。
そこから糧を獲る奴らは、ウォール街にしかいない。
合衆国海軍太平洋艦隊が壊滅した
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だから？
合衆国は陸軍国。
しかも欧州大戦の失敗と世界恐慌の追い討ち。
軍への支持が最悪、それが２０年は続いて定着した時期。
孤立主義というのはジョークではない。
そりゃまあ鳴り物入りで参戦し、貧窮退役兵を生んだ大戦。
その死刑執行命令となったウォール街の自滅。
その手先にされた軍
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不評なんてもんじゃないな。
そう
――――――――――祖父は全部に関わっている。
まあ、そんな市民にとって、海軍とはなにか。
貧しい皆を見下す豊かなインテリども。
軍拡の恩恵で安定した仕事があるスノッブ。
家族親族だれもいない、市民と乖離したエリートども。
軍が一定の敬意を受けるようになったのは、戦後、ずいぶん後、ほんの一時期。
あれが勝ち戦だった、と歴史書が改竄された後。
「また」負けを誤魔化すのにしくじるまで。
知ってはいるかようだが。
欧州大戦で軍を率いた祖父。
傷痍退役兵の暴徒を戦車で挽き潰させた。
それが１９３２年。
それから十年とたっていない。
それが軍
――――――――――誰が同情する？
天安門事件直後の人民解放軍に等しい。
Ｒｅｍｅｍｂｅｒ Ｐｅａｒｌ Ｈａｒｂｏｒ！
Ｒｅｍｅｍｂｅｒ Ｐｅａｒｌ Ｈａｒｂｏｒ！
Ｒｅｍｅｍｂｅｒ Ｐｅａｒｌ Ｈａｒｂｏｒ！
連呼されたのは間違いないな。
何故かわかる？
でないと忘れられるから。
忘れられたら幸運か。
リメンバーの前に、認識したかどうかが怪しいもの。
日本帝国のニワカ学徒兵しか知らない戦陣訓と、同じ。
日本帝国中枢が抱いている特殊な妄想。
当時の日本人一般から乖離した、共同妄想。
もし、それが、日本帝国中枢の機能不全が判っていたら。
ダレスの対日講和工作は前倒しされたでしょうね。
知らなかった、だから、いつまで待っていた。
――――――――――日本からの講和提案。
当たり前だろう？
勝っている側から申し出られるわけがない。
ましてや、あの、ルーズベルト。
あのくたばり損ないに、そんな指導力はない。
あれ。
景気よくファシズム打倒を叫んだ
――――――――――から、退けなくなった。
そもそもニューディールの強行で不人気をかこっていた。
しかも失敗し、政治的致命傷を負う。
レームダックとなった二期目末の大統領。
ナチスのポーランド侵攻が半年後なら、順当に引退した。
史上最低の大統領として。
開戦で首の皮が繋がっただけ。
慣例法を無視して三期目、それだけで批判が集まった。
ファシズム打倒を叫んだからって、人気がでるわけがない。
一部の好事家からは「ファシストはオマエだ！」と批判されていたからな。
まあ「ファシスト」なんて言う単語自体、しられてはいないが。
はは！
ファシズムが大人気になったのは、戦後のこと。
当時は？
ムッソリーニがファシズムを叫んで、どれぐらいたった？
ヒールとしての価値どころか、Ｗｈａｔ Ｆａｓｃｉｓｍｏ？
ふふふ。
われながら「？」が多いこと。
全体主義はは民主主義にしか見えない。
軍国主義は植民地主義にしか感じない。
大虐殺なんか、当のユダヤ人だって信じなかった。
ファシズム自体が欧州、中欧東欧の発展途上国の、ローカル・イデオロギー。
やり玉に挙げれば、インテリ層のごく一部が喜んだ。
政治家がやりそうな、失策の一つ。
大衆の支持を得るために、大衆と無関係な奴らの話を聞く。
ルーズベルトが、やりそうなことだ。
ルーズベルト三選（１９４０年）は、消去法。
分裂した共和党が潰し合い、金だけしかない金持ちを候補に据えた。
しかもそのバカ。
ルーズベルトと同じことを、もっとうまくやって見みせます。
っと叫んだ。
馬鹿とバカの背比べ。
与党と同じことを叫ぶ野党は大敗する。
民主選挙の一般常識。
ルーズベルトは「戦争しません」って公約するだけで勝てたわけ。
対日宣戦が議会に支持されたのは、連中が日本とフィリピンの区別を出来なかったから。
これから有名になるパールハーバー直後だったから。
損害も理解してなかったでしょう。
それでもマシな方かな。
日本を調べはしたのだから
――――――――――開戦後に。
日本には、こんな愚かさを笑うことわざがあるだろう。
この場合は貴女たちに失礼だから、言わないけれど。
パールハーバー？
海軍が大恥をかいた。
それだけ。
普通に考えなさいな。
敵に大損害を負わされる
――――――――――やられた方がバカなの。
民間人に犠牲が出る
――――――――――守るべき者が吊るされて当然。
敵を非難するなんて、それからの話。
非難するほど暇ならば。
普通でしょう？
合衆国が戦争をする前には、よく船が沈む。
大損害を受けることなんてありえない。
そんなことがあれば戦争遂行能力に疑問符が付く。
付いたんだけど。
士気が上がったら、頭がおかしいんじゃない？
そもそも、また、そもそも。
当時、に限らないけれど、あえて当時。
国際法が理想とする「宣戦布告」が定着していたとでも？
国際法的にも、世論としても。
戦争が始まってから宣戦布告。
これが常識。
今でもね。
騙し討ちに怒り狂う市民
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワシントンには、いたかな？
そんな純真無垢な奴は、ワシントンにいられないけれど
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・観光客とか？
かくして合衆国市民が一丸になって戦争遂行を誓ったのでした
――――――――――Ｆａｎｔａｓｔｉｃ！Ａｍａｚｉｎｇ！
政治家の妄想。
きっと善き市民であり善き国民なのでしょうねぇ。
何処の畑で取れるのかしら？
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・現実は非情でした！
戦費調達の為、売れない国債を抱えて四苦八苦した小役人たち。
景気刺激を超えて、物質不足が始まる経済。
ユーラシア大陸東西で、戦果の見込めないまま広がる戦線。
戦場で勝てば勝つほど、荒野しか見えてこない。
ルーズベルトが四選したのは、誰も戦争責任をとりたくなかったから。
西はヒトラーが、東は勅撰官僚が。
いつまでも講和に乗り出さない。
太平洋戦線で言えば、１９４２年が利益均衡点でしょう。
どちらが勝つにせよ。
――――――――――ああそういえば、
「日本はワシントンを陥とせないが、合衆国は東京を陥とせる」
だったっけ？
まったく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Ｇｅｅｋ！
日露戦争はサンクトペテルブルグどころか、ロシア領すら触れてないんじゃない？
予算獲得の為にでっちあげられたオレンジプランすらそこまで迷走してないわよ？
合衆国が東京を陥とせるわけないじゃない。
行けって言われたらクーデター起こすわよ。
合衆国としては、阿呆な大統領の保身を反省すべきでしょうね。
でも、無目的に戦い続ける貴国に巻き込まれて迷惑だった、ソレも確か。
ハワイを失えばルーズベルトは失脚したでしょうに。
カリフォルニア州民が、日本海軍の空爆、その可能性に耐えるいわれなどない。
他州民にしたところで、それに付き合う義理もない。
日本人は産まれる前から勘違いをしている。
Ｓｔａｔｅは国家であって、日本語で言う「州」ではない。
あえて誤訳してるのかもしれないけれど。
魔法翻訳が和英英和に適用されれば、すぐに溶けるのに。
スターリンと違って、ロッキー山脈の向こうから本土防衛戦を指揮したりはできない。
そんな可能性を許す世論など、民主主義国家には有り得ない。
もしそうなれば？
連邦を構成する４８ヵ国から離反される。
ルーズベルトは講和の道筋をつけて、辞任というところ。
そのほうが、マシな戦後がかけたかも。
逆にミッドウェー以後、日本が講和を呼びかければ？
合衆国は飛びついたでしょうね。
もったいぶりながら。
わざわざ島伝いにフィリピンまで行く理由なんかないもの。
三国同盟を潰す。
ソビエトを西に向ける。
満州を含む中国市場に日本軍のエスコートで参入する。
それだけ。
合衆国の丸儲け
―――――――――史実では中国市場を完全に失い、欧州市場は自分で焼き払い、世界を抱え込んで自滅したんだけど。
なぜかしらね？
日米ともに、指導力ない、名ばかりの指導者しかいない。
ただただ惰性で戦い続けて、両方破産した。
戦争末期まで、外交をしない不思議。
何のために銃を撃ち合ってるのやら。
ヴェネチア共和国は、トルコと戦いながら大使館は維持してたのだけど。
合衆国は来ない手紙を待ち続ける。
戦争してるくせに外交は停止する日本帝国。
後は知れたもの。
合衆国では？
州民の批判を浴びたルーズベルト派は、後継者トルーマンが落選寸前まで追い込まれた。
チャーチルと違い、生き延びやがったけれど。
なにしろ直前の選挙予測が真逆になった。
合衆国史上、一度しか起きていない。
日本と違って各州各都市各地域に根差した新聞社は民意を掴むことに関してだけは一流だったのに。
日本と違ってジャーナリズムを把握していた「当時の」新聞社が分析し実績を積んだ調査結果だったのに。
誰もが公式には「珍しい事態だった」としか言えない。
誰もが「連邦政府はルーズベルト派の巣窟だった」と言えはしない。
戦時経済と世界大戦で史上最強の統制力を得た官僚機構。
彼らはルーズベルトを正当化できなければ、吊るされる連中の集まり。
当然、非難の的。
当時は。
以後、数十年をかけてルーズベルトは神になった。
トルーマンは法王ね。
Ｒｅｍｅｍｂｅｒ Ｐｅａｒｌ Ｈａｒｂｏｒ！
Ａｍｅｎ！
日本帝国では？
首都を明け渡して国を売って、合衆国と手を組んで生き延びた。
戦争を始める前に最初からやれ、という話。
合衆国軍を、まあうちの祖父だけど、を番犬代わりに反対派を粛清。
ＧＨＱの名前を借りてやりたい放題。
開戦は軍部の暴走によるもので、わたしたちは悪くありません。
軍人は拘束させて処刑させたものね。
開戦はマスコミが煽ったもので、わたしたちは悪くありません。
報道を指導していたのにね。
開戦は民意が暴走したもので、わたしたちは悪くありません。
政党政治と議会選挙を冤罪で潰しておきながら。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダメなところが、そっくり。
お互いに得意なのは、粉飾決算。
戦後に見つかったファシズムの闇を使って、因果を逆転。
誰もが被害をこうむった経緯を「正義」で飾って誤魔化した合衆国。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・行き着いたのは他罰主義のパラノイア国家。
同朋に吊るされるところを、自分たち以外のすべてを売り払って逆転。
失策以前の無為無策を「国力の差」と言い訳して「共同責任」でごまかした日本帝国。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・行き着いたのは責任転嫁のパラノイア国家。
――――――――――赦すもんですか。
さて？
合衆国軍が「奇襲」を忌避するという誤解は、とけたかな？
軍を率いるのは私、合衆国軍最高司令官。
それを支持するのは、日本政界の指導者。
では？
ご安心アレ。
我々は、ちゃんと外交してるから。
でも。
異世界との開戦経緯については、理解出来たと思うけれど。
《東京都港区赤坂１-１０-５/元駐日合衆国大使館/現合衆国大統領官邸「レッドハウス」/大統領執務室》
