嘘つきの条件

果たして正しい生産数はいくつだろう。

計画にある８千万か？

報告書にある５千万か？

自分が思いついた１億か？

はたして生産されたのか、どうか。

一番ありそうなのは、

――――――――――「誰も知らない」――――――――――

――――――――――――――――――――ことだろう。

《ジョージ・オーウェル『１９８４年』より意訳》

「嘘つき」は信用できる。

事実を知らなければ嘘をつけないのだから。

その意図を把握すれば、事実を引き出すなぞ容易いことだ。

「嘘をつけない」なら信用に値しない。

その言葉は現実と接点をもたない、願望なのだから。

ソレから事実をひきだせば、立派な診断書が出来上がる。

前者は社会に寄生するだろう。

後者は社会を規制するだろう。

では。

国会議員(しろうと)すら騙せない数字を議会に持ち込んで、恥をかく。

それを繰り返す、日本をかってに背負っている諸氏。

霞が関の入院患者。

彼らから、引き出せるのは？

【国際連合統治軍第１３集積地/白骨街道/ランドクルーザー車内/中央席/青龍の貴族】

俺は一安心。

小さい二人が窓外を観ないから。

チラチラと、視線を逸らしても長続きしない。

子ども特有の一点集中。

つまり俺にかぶりついてるが。

で、幼女と童女だけではない。

俺の両サイドを固める少女たち。

俺の正面に並ぶ女の子たち。

エルフっ子、Ｃｏｌｏｒｆｕｌのことなのではあるが。

全員、先生に注目。

つまりは引率の、俺。

よろしいよろしいおおいによろしい。

事実なんか見なくてよろしい。

真実なんか知らなくてよろしい。

俺が知らないろくでもないことを、体験してるんだろうが。

忘れてしまえ。

俺が知らないろくでもないことは、俺に教えておいてくれ。

後は任せろ。

誰かに押し付けとくから。

だから今だけ、眼をそらすことは許さない。

だから今だけ、眼をそらさないと赦さない。

はい、こっちみる。

そう、そっちみない。

以心伝心。

仲良くなったもんだよな、俺も。

普段であればちょっと困ることもある。

子どもの目があると脊髄反射でカッコつけてしまうので。

今はともかく。

気を抜けないのもアレだし、アムネスティガールズを誘ったりできないし、駐屯地の女性自衛官にアピールするのもさりげなくなるし、盗賊ギルドの頭目みたいなイイ女で目の保養もしにくい。

今だけにして。

カッコつけるのが嫌いとは言わないけどね。

見栄を張るのは、それが楽しいからやるわけで。

いろいろ複雑なのだよ

普段は。

今は歓迎！

注目を引けなければ、ハンドマジックでもしないといけないところだ。

コインとカードにダイスとロープにハンカチ。

常に常備しています。

ハトは検疫の関係で持ち込めないが。

日本に居るときは、主に女の気を惹く為。

たまに子供をからかうため。

騙される気満々の女が相手より、好奇心満々の子どもの方がひっかけにくい。

だから事前の仕込みが重要なのではあるが。

そんな手間はかからなかったぜ。

異世界では。

ガン見、いや、ガン見られ。

エルフっ子は俺に寄りかかってるし、Ｃｏｌｏｒｆｕｌの白も続いた。

胸が両腕に押し付けられているが、圧迫感はあまりない。

すっごく柔らかくてフワフワだからですね。

補正グッズで固めてないとこうなります。

大変固くて縄跳びしても揺れないソレも、嫌いじゃないですけどね？

大きいことは良いことだから、大きく魅せることも良いことです。

もちろん元から大きくて柔らかければ最高です。

服の上から見るだけでも楽しい。

１００％天然ものだと一目で判る。

まあ直接見ること触ることもちょくちょくあるというか一日一度以上

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・？

いやいや、子供相手に何を感じているのか。

一安心で気を緩めるのは良いが、変調をきたしているな。

俺。

やはり４７日にわたる欠乏が健康をむしばんでいるらしい。

太守府派遣前、命令から出発までの間に別れを惜しむ時間もなかった。

さよならムードという最強のカードを全く切れずに、チヌークに送り込まれたから。

日々積み重ねた布石ははるかかなたの出島４の中。

国際連合軍の巨大物流拠点であれば、女性兵士も普通に居たしね。

むしろ後方勤務地帯だけに、男女比はかなりマシだった。

軍政官訓練の苦労話を土産に、せっせと苗を植えていたのに。

自分が刈り取られては出荷されるとは。

三佐のせいで。

おかげでヤバイ。

面目がヤバイ。

この子たちに、俺はどう見えてる？

信用できる、お兄さん。

信じて頼られる、ところまではいかないが。

なんだたいしたことないじゃん、と思う勿れ。

凄いことですよ？

俺。

異世界の、けっして恵まれてるばかりじゃない、むしろ人間不信になってもおかしくないような、子供たち。

シスターズ。

親を殺され、その元凶である大人に利用されてきた、十歳児。

奴隷としてしか生きられない場所に留まり、家族を守った少女。

頂点に近い地位を袖にしてでも、三人で生きると決めた、十二歳。

女の子。

年齢制限が無い世界では、それだけで危険がバイプッシュリレイズノーリミット。

いえ、異世界っていうか、地球先進国ローカルルールを持ち込むつもりはないけどね。

それでも、この子たちが全力無警戒で全身で甘えてくる、となったら、アナタ。

パパと呼んでもいいんだよ、とか言い出しそうになるまえに、頭目の娘さんには呼ばれているが。

さておき。

そんな子たちが、心を許してくるんですよ。

懐いてきて、食事もお風呂も布団も一緒ですよ。

俺、初対面ですよ？

いや、凄いことが起きたもんだ。

カッコつけたくなるよね？

少なくとも、失望させるわけにはいかない。

断じて！

だからいつの間にか衣食住全部面倒を見て貰っているのである。

俺が。

あれ？

そこも含めて愛されキャラ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カッコいいかと言えば、微妙だが。

子供扱いになれているせいだな。

つい、日本に居るときと同じように動いてしまっているんだろう。

そこは、それ、今後の巻き返し。

ドック・タグの監視記録を検証したほうがいいかもしれない。

自分の姿を見つめなおすために。

のまえに、あらぬ疑いを現実化してはならん。

禁欲生活を続けると異常性癖に目覚めるっていうし。

ソースはバチカンの研究レポート。

ロリコンとかショタコンとかペドフィリアとかいろいろ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――こわ！

まだだ。

まだ終わらんよ！

派遣期間が終わる前にアムネスティガールズに全財産を投入する。

派遣期間が終わったら本土に戻る前に口説けるだけ口説こう。

派遣期間が終ったら準備態勢を再建して口説きなおさねば。

ま、健全な性活再建は、それとして。

この子たちの健全な生活を再建しないとな。

迫りきてすでに通過している俺の腕を包み込んでいる胸よりなにより

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・考えてることがばれるのもまずい。

エルフっ子。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌの白。

肢体だけ考えたら大人だからね。

そして、なにがとは言わないが、そして。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌの四人、橙・緑・碧・朱も、前のめり。

俺に向かって。

やっぱり手品やったほうがいいのかな。

芸人さんの気持ちがよくわかる。

ともあれ都合がいい。

俺の位置は車体中央。

この視界なら外は全く見えない。

どうせこの辺りは収容所居住区の壁しか見えないし。

不審を抱かせないように、ランドクルーザーの速度は維持させてる。

本当ならスプラッタゾーンから全速離脱させたいが。

下手に速度をあげると、また周囲を刺激しかねない。

何がきっかけで虐殺が起きるかわからんので。

しばらくこのままでいいだろう。

魔女っ子は人死にに気が付くと、凄く凹むしな。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌはある意味、温室育ち、っていうかビニール栽培というかで、殺人になれてるとは思えない。

歴戦のエルフっ子。

場慣れはしているらしい、お嬢。

それでも、見たがっていないことは判る。

中世では、そして異世界でも、処刑は娯楽の代表だというのは変わらない。

つまりは、この子たちは変わり者、ってこと。

余計なモノを見ないでおれだけみてればいいからね。

「俺以外見るな」

「「「「「「「「はい！！！！！！！！！！！！！！！！！」」」」」」」」

って、声に出してましたか俺。

テンパってるな。

通常動作だと、フリーズして自動再起動までのカウントが長いんだが。

だいぶ進歩してきたな。

寝ている間に書類が片付く日が来るかもしれない。

てか、たまにあるけどね。

妖精さんが片付けてくれたのかと思うと、意味不明の暗号が打ちこまれていることがある。

寝てる間に靴を造ってくれるのは、小人さんだったか。

ファンタジー生物は書類仕事が苦手ということだけは判った。

【聖都南端/白骨街道/らんどくるーざーの中/青龍の貴族の右膝/魔女っ娘】

わたし、わたし、わたしどどどどどどうにかなってしまいそうです！！！！！！！！！！

きゃ～～～～～～～～～～♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

オチツイテおちついて落ちついて落ち着いて。

１，２，３，４，５，６，７，８，９

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

はい。

だひじょうぶ、です、大丈夫。

わたしは、ちょっと、いえ大分、幸せをかみしめておりました。

ご主人様に肢体を抑えていただいております。

護っていただいている。

それはとても不甲斐ないことだと思いますし、ねえ様みたいに自分の身は自分で守れるようになるべき、だとは思うのですが。

でも。

それはそれとして。

嬉しい、です。

あぁぁぁぁぁぁぁ～～～～～～～～～～～～ダメですダメですダメです！

甘えろ、って言われてその気になってますか、わたし！！！

ダメですダメですダメです！

好きに楽しめ、って言われてその気になってます、わたし！！！

いけませんいけませんいけません！

で過ぎれば潰してやる、って言われて嬉しいです、わたし！！！

ご主人様が、わたしを従えようとして、くださる。

わたしをつかまえていてくださる。

うぅ～～～～～～～～～～～～～～～～～

どうしましょう？

どうしたら、ご主人様に喜んでいただけるのでしょうか？？？

【聖都南端/白骨街道/らんどくるーざーの中/青龍の貴族の左膝/お嬢】

わたくしのせかいにいろがもどってまいしまいりました。

そうですわ。

何を、余計なことを考えていたのかしら。

ただただ、見ていればいいじゃありませんか。

男と女の間に、それ以外の何が必要でしょう。

わたくしは、ご領主様の物。

すでに召し上げられているのですから、小細工など必要ありませんわ。

なのに、わたくし、いただくことばかり考えてしまって

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ！！！！！！！！！！！

不束な身を愛してくださり、ありがとうございます♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

この上は、わたくし自身以外の何を捧げられましょうか？？？？？？？？？？？

何をさせていただければお役に立てるのでしょう♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪