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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第二章「東征/魔法戦争」

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36/1003

奴隷市場(ろうどうしじょう)



シュリでーす!得意なプレイは~、あ、違う?アハ!

ゴメンゴメン。

そーいや、公開しないんだっけ。


うん。

ここ来たのはさ、ガッコやめて、親がウルサくて、男いなかったから。

いや、男のとこに居たけど長居は、ん?

あ、ちがうちがう。いなかったのは彼氏。

めんね~。

で、あれ、ヤドカリしてズルズル出来ちゃうなんてヤだし、トモツレで応募。

友達は、逃げちゃった。

いや、基礎訓練で、ムリーってさ。

びびったびびった!週一検診に走り込み、ザガクに監禁、あ、外出禁止だったからそー呼んでたの。

いつでもやめられるんだけどね。

いや、あたしらは気にいった!水泳部でスポーツ好きだったし、金がいいから、早寝早起きくらいはアリだし、ザガクが大笑い!


実践娼婦技能!!!


なにそれー!

バカすぎー!

ありえねー!


有り得たんだな、コレが。いや、スッゲー感動もん。

マジ、役に立つ。

セイリガクセイシンイガクを駆使して・・・・・・なんか、男をイかせる。

バイコースもあったな。いや、ムリ。女同士は有り得ない。シジイの方がマシ!!!


でもほら!男ってもさ!

ただ任せときゃ勝手にイくじゃない?だったのよ!てきとーに併せときゃ男なんかさ!


ちげーよ!って。

極めれば、EDでもテクで救える!

医者か!あたしら医者か!


いや、まてよ!アムネスティってなに!サイコー!


まあ、あの、アムネスティとは思わなかったけどね。どっかで聴いた、ぐぐった、あーイケナインダ、ほんもんかよ!ってね。


後は接客業の基本も仕込まれたね。

奉仕、敬意、配慮、

お客様は神様です、ってコッチが思ってると、思わせりゃ、どうにでもなる。

あたしらは楽、儲かる。

お客様は楽しく気持ちいい。

ま、Win―Winってヤツ?

実際に楽しんでる人を見てると笑えるしね。


他?

あ、繰り返したな~、労働法の基本。

こっちにいるときは関係ないのにね。


手間暇かけず、良い目を見る方法が、世の中には溢れてる。

簡単、合法、選び放題。

なのに、親も友達もみーんな知らない、だけ。

まあ、プロの娼婦に仕込まれるまで、あたしら知らなかったけど?


授業聞いてなかっただけかもね。


バカは最後までバカをみる。

「仕方ない」ってヤツ。

この世に「仕方ない」なんて「ありえない」♪

それは、オマエ「だけ」がドウショウモナイ。


でも、繰り返した割に、分量は少なかった、かな。

まあ、簡単だから、だろうけど。


知ってるか知らないか。

やるかやらないか。

それだけだしね。


あたしらにはふよーかな~。これからのあたしらには。

一財産つくれるし、てか、日本に戻んなくてもいいしね。暇つぶしに、ブラック企業カモるのも良いけどね。


あ、アリアリ。

期間限定の今の仕事、わかってる。


見学に来てたセンセ、党だかの、あ、オバサンばっかね、がなんか、コテイヒョウじゃないと弱いってかなんとか。

客をコミでみれるかなんたら、って、いままでのお客さんの数きーてたな。


まあ、此処なら、男捕まえてもいいけど、他の仕事だっていくらでもあるし。


例えば、ほら、ココのセクレタリー軍団。


いやいやいや!

使い方間違ってるだろ~!

そこハーレムだろ~!

みんな笑ったわ~~~~~あんなエロエロエロカワ奴隷になにしてる、んにゃナニさせないかな~~~~~~!


あたしらに色目使ってる場合か!!!!!!!!!!

いや、店来たら、説教するわ!!!!マジ!

店貸切。

あたしら総出。

司令官正座!!!


ロリから合法ロリにてんこって、ヘタレヘタレヘタレ!


ビームでてんじゃん!

いけよ!女に恥かかせんなよ!


ってね。

まあ、あのご主人様なら、出島より楽しいかも。


あ、あれか?

あたしらなんぞをわーざわーざ、んなとこまで送ってきたのは、そーいうことかも。

現地交流的な?

雲の上の誰かさんが考えてんのかな?


第一さ、アムネスティ職員から国連職員って、笑えない?


あたしら娼婦ナンですけど~!


キャハハハハハ!


ほんと。

あの娘ら見ると、ビクビクと母性愛盛り上がるしさ、真面目に就職活動しよっかな~。


もちろん、カラダ使わないよ?三人以上に刺されるし、ね。


《インタビュー04withアムネスティ》




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/軍政司令部中央】


俺のすぐ後ろには若い参事、お嬢の兄貴、ハーフエルフのお母さんな頭目。


いや、お母さん。

休んでも良いんですよ?


「お任せください」


と、声をかける前に肯かれた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだろう?


しょっちゅう、目つきがアレなチンピ・・・・・・ある種の不自由業な方々が、走り寄り走り去る。

まあ、お嬢の兄貴や若い参事の場合はお供(同業者)を引き連れているのだが。


そう。



ここは硝煙たなびく港の倉庫街である。

1930年代モチーフのギャング映画でもないのに鼻につく硝煙臭。

気のせいかもしれない。


三度言おう!

硝煙は何故か!

そう!コイツ・・・・・・・・・元カノはレーションのハンバーガーをパクついている。


いや、まあ、別に責めないけどね。

ここは感謝するとこ


「お礼は?」

にっこり。

・・・・・・・・・・・・心からの感謝が声にならないのはなぜでしょうか?


アリガトウゴザイマス。


「やーだ!あなたとあたし!二人の仲じゃない!!」


ほっとこう。

部隊宛感状申請で十分だ。

つーか、なぜにどうして、魔女っ子シスターズの肩を抱いてほおずりしながらアピールしてる?

俺に背を向けて。

いや、いいけどね。

誰にアピールしてんだ?

魔女っ子が静電気を受けた猫みたいになってるぞ。




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/青龍の貴族右】


わたしはご主人様を見上げました。

・・・・・・・・・女将軍さんのことは、ご主人様に助けていただいたので、仕方ありません。


ご主人様を狙う怪しい方々が撃ち取られた、とか。

思えば初日から狙われていらっしゃいます。

帝国の刺客が来るのは当然ですね。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・相手の事情は、わかります。

非難は出来ません。


でも、辛いです。


ご主人様も敵には寛大でいらっしゃいます。

まったく動じる事もなく、倉庫を見回して。


ご主人様に、なにかあっ、た、ら――――――――――――――――――――。




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/軍政司令部中央】


メディ――ック!

子供が倒れたぞ!!

小児科医!!!


あれ?スッゴくしっかり握られてる俺の手。


俺は途方にくれる。

魔女っ子が立ち眩み。

支えたら、腕から離れない。


すがりつくように、ってか、俺にすがりつく魔女っ子。

エルフっ子とお嬢が魔女っ子の顔を俺に向けている。

目に光が戻った、ってか、焦点があったのか。


ふーん、目に光が消えるってのは、焦点を失うことなのかな?

顔色が良くなっていった。


「も、うしわけありません」


いや、無理に立たなくても・・・・・・・・・・・・あ、泣かれるパターン?


よし、そこにいろ。

俺は魔女っ子を抱えこんだ。


「どうぞ、お仕事を」


お、おぅ。

大丈夫か?エルフっ子とお嬢が頷いた。

うーん、この子らがいうなら、まあ。


さあ、お仕事を考えよう。

考えないと、ちょっと、恥ずかしい。


大勢の前で子供を抱きしめたがら、どうだというわけじゃないんだが、アレだ、遊園地で子供をあやしてるところを取引先に見られる感じ?



いや、仕事だ。


周りは4階建て相当の建物。

倉庫、ってか、倉。


前後左右、倉倉倉倉。

倉だけの街。


物量は正義!

なら、15人しか戦力がいない俺は悪だな、うん。


元カノはニヤニヤとしている。


一個旅団の指揮官。ほぼ私兵状態の戦力を好きに使える主。

何人か知らんが。


三佐なら?



私を知っているかしら。

良かった。自己紹介が必要かと思ったわ。

どうする?



以上、三佐の口調でした。

広く世に知られた政界の黒幕(意味わかんないよね。大丈夫!マスコミの日本語もどきは普通わかんないから)・・・・・・・・・の娘。


代々続いた政治家の家柄で、兄弟姉妹が自衛官ばっか。

なんでそんな奇怪な事になるのやら。


俺はもちろん、三佐と違って横車がデフォな権力者じゃない。

この港には前太守最大の資産が集積されている。

主に穀物や鉱物などかさばる代物ばかり。


さて、手持ちのカードを数えよう!

いちま~い、に~まい、何時だ?ごま~い、(中略)じゅ~うごま~い。


「ブラーザブラザー!数え直して増えるのは歳の数だけダゼ?」


葉巻を加えてキメ顔神父。まあ、火を点けてない、か。

「オーケー?」

「OK!」


わかっちゃいるか。

現地人の居る場所で薬物は禁止。影響が解らないからな。

小道具細かいよ!




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/青龍の貴族周辺】


あたしが頸を傾げなかったのを誉めて欲しいくらい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰に、って事は無いけれど。


青龍の貴族が右を向けば右に。

左を向けば左に。

後ろを向けば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんの儀式?




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/軍政司令部中央】


元カノは俺をチラッチラッ。

わざとらしく、アピール。


無視だ無視。


右、左、前、後、上かよ!ドワーフ!ノリいいな!持ち上げるなよ!!

だんだん、オフェンスとディフェンス状態に。

っーか、意地になってるな?

コイツ。


「逆カクレンボー?」

違うから。

俺の視線上に回り込んでくんな。


コイツのノリはかわんねー。

わかってるわかってる。


俺が頼む。

元カノが断る、

そんな展開を期待してやがるな。


あれは俺が頼むと


『ヤ・ダ(ハート)』


的な年甲斐もなく十代の美少女にしか似合わない暴挙にでて世界を破滅させる目つきだ。


如何にも書類仕事が得意そうなエルフ達。

地球文明への順応性が高いドワーフ衆。

汎用性知的生物たる異世界人類。

そして何よりASEAN兵は地球人類。


大量の国連アイテムがあるし手順は確率してるから、作業自体は問題ない。

元カノ(と臣下)が手伝ってくれたら、今日中に終わるんだがな~。




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/青龍の貴族一行と黒旗団の間/港の有力者たちの先頭】


わたくしは、少し下がり、さりげなく、お兄様の裾を引きます。

そんな、わたくしを不思議そうに振り返る、あの娘。

若い参事が気がついた。


先をとられる!!


「ご領主様」


慌ててしまいました。

お兄様、どうしたのかしら?


わたくしはお兄様に見切りをつけ・・・お兄様が前に出ました。

わたくしの言葉を引き取ります。


「資産目録は今すぐにお渡しできます」


背中で聞いておられるご領主様。


「実物の確認は我が家の者をお使いください」


やりましたわ♪




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/青龍の貴族一行と黒旗団の間/交易商人の先頭】


僕は魔女の視線に気がついた。


ここか!っと、越された!いや、まだだ!


「我らにもぜひお申し付けを」


僕はお嬢様の動きにのり、一礼。


「船に関わるもの達は、無聊を囲っております故に」


すかさず付け足した。

後ろの船主たちがどよめいた。


そうだ。感謝して尊敬して協力しろ。


お前らを救ってやる。


青龍が沿岸と海を征した為に交易船が出せない。

青龍の判断に見当がつかないからだ。


領主は死んで、領主の家族は逃げ出した。


我らは帝国に放り捨てられた。

とはいえ、曲がりなりにも、名目上はまだ帝国領民。

青龍の支配する海で安全に商売できるようには思えない。


前領主は配下の兵士ごと船団を沈められた。

船を出せば沈められなくとも拿捕されるだろう。

くぐり抜けても、大陸沿岸の港、貿易が可能な場所には青龍の軍がいるようだ。

港に入ることができても接収されるだけだろう。

しかも船ごと。


すでに2ヶ月。

僕ら交易商は仕事がない。


もちろん、この程度で揺らぐ資金力ではリスクが高い交易など出来ない。

だが資金が尽きずとも、信用不安で行き詰まる商会が出かねない。


金は軽く脆く儚い。

崩れる時は一瞬だ。


亀裂が入れば雪崩のごとく。

海に挑むどころか海の果てに逃げる羽目になる。


だからまず、僕の為に、機を伺っていたのだが。

青龍の貴族に切り込む機会がつかめなかった。

機微がわかる魔女をずっと見ていたのだが・・・・・・・。


魔女に感謝の視線を一瞬送った。


だが、頼るのは拙い。

見限られる。

魔女は馴染みのお嬢様経由で両替商に合流してもいいのだ。


第一、青龍の貴族に気が付かれたら?


自分の女が兄を援けるなら黙認されるだろう。

お嬢様はいくらでも実家を援けられる。


自分の女が女友達を援けるなら歓迎されるかもしれない。

どっちがどっちとも言えないが、エルフが頭目を援けるのはそういうことだ。


自分の女が男を援けようとすればどうなる?

死ぬ。

男だけが。

つまり僕が死ぬ。


魔女に助けられても、青龍に気取られすぎてはいけない。


僕にそんな趣味はない。

最低、自分の妹より年上でないと我慢できない。

だがしかし、それを青龍の貴族に理解させる自信はない。


・・・・・・・・・・・・・・・・理解していただけたら、それはそれで、不興を買いそうだ。


だから、あとは僕の手腕。

魔女が導いた僕らが青龍の役に立つ。

魔女が青龍に評価され、さらに僕らに機会が巡る。


その第一歩だ。

最高に自然に切り出し、さりげなく苦境を伝える。


次は僕らの価値を売り込まなければ。

さてさて、我らが差し出せる、そして青龍が欲する物は?



青龍が本当に必要な物などないだろう。



訓練された幾百の人員。

自在に操る魔法。

莫大な知識。


実際、財物の徴収すらせずに、帝国資産を引き継ぐだけ。

参事会の組織と人を動員しながら、ほどなく大勢の人員を送り込む。


だが、青龍が何も求めないわけではない。


必要ない事を事実として示しながら、僕らに奉仕させるのは何故だ?


忠誠。


忠誠、すなわち、奉仕。


そは。


青龍は支配を欲しているのだ。




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/青龍の貴族周辺】


あたしが見るのは、三者三様、というところ。


妹にせっつかれ、青龍の貴族に出すべきモノを差し出す両替商。

妹分が青龍の貴族に傾倒するほどに、父と兄が気を回す。


不毛ね。

そういう意味の心配は無いのに。

とはいっても、末娘に押し切られるのだから、結果は見えてる。



頭目は誇示しようとはしない。

青龍の貴族が何か始めれば手を貸すだろう。

子供の一件で、青龍はともかく、青龍の貴族は信頼したようだ。


思えば、丸一日なのよね。

盗賊ギルドの頭目と青龍の貴族が個人的な信頼関係を築くまで。


あたしが頭目の信用を得る為に使ったのは?幸運込みで三年か。

知らなかったけど、頭目の男が同族ってのも影響したんでしょうね。


まあ、よし。


そしてこの、最後は厄介者。


何がほしいのかわかる。

何を出すのかもわかる。

何を考えてるのかわからない。


若い参事は同業者の期待を一身に背負い、青龍の貴族に一礼。

青龍の貴族は見下ろしている。

そして、あの娘は固まった。


挟まれた・・・・・・・・ね。




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/軍政司令部中央】


俺は魔女っ子を脇に下げる。

俺の裾を掴んだまま。


いや、ビビるよね。

偉そうなオッサン達が最敬礼すんだから。

現地代表にしちゃったのは俺だしな。


フォローしないと。

ようは手伝ってくれる訳だ。


「任せよう」


ただ働きは拙いな。

日当払う・・・・・・・・・・・・・・・いやいや、船持ちの大商人達だぜ?


中世の貿易商人ったらハンパないよね。

絶対に俺より高給。

え?桁違い?


どうすっかな?




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/青龍の貴族右】


わたしはご主人様と嘆願する皆さんの間。

硬直してしまいます。


ご主人様が優しく手を曳いてくださいました。


「ご主人様、あの・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


いつもと同じ、わたしには優しく見えるのですが、そんな表情で頷かれます。

ひゃ!抱き上げられました。


「どう思う?」


耳元で下問。

あ、そうか、いつものように屈まれたら、青龍が頭を下げたように見えてしまいますね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だからか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いえいえ。


皆さんの希望、は、まあ。

でも、このお話は、わたしより、ちいねえ様が・・・・・・・・・ちいねえ様も頷かれ、てます。

わ、わたしがお伝えするんですか?


えーと、えーと、そう!


「皆様、船を出せなくてお困りです」

「ああ、そうだったな」


ご主人様、ちょっと、お芝居がかっています。

すごく、恥ずかしい、です。




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/軍政司令部中央】


そうだった、そうだった。

忘れてた。


まずい。すごく、まずい。

他人の飯のタネを忘れたら死人が出る。


とりあえず知ってるふり。

我ながら・・・・・・・・・・・・いや、いや、助けてくれるシスターズに出会えたんだから大丈夫!


いや、子供に頼ってどうする!

気を取り直す。

と、しゃしゃり出る元カノ。


「あくまでもアタシの仲間(臣下です/部下であります)の手を借りないんだ?」


いや、そんなおどろおどろしい声出されても。

ネタをつぶされ激おこ。

異論が出てるよ?


内輪もめを始めた元カノは放置。


ありがたいは魔女っ子だな。

俺がこの年の時、アネキの彼氏をからかうことしか考えてなかったような。

ボランティア精神なんかとてもとても。


・・・・・・・・・・・・・・・やめておこう。


家族の黒歴史。

義兄さん、ごめんなさい。

乱入したのは洒落だったんです。


「ここは」


ビックリしなくなった俺スゴイ!

背後に忍ぶ丸坊主。

係長か。

おまかせ~。


「ザンゲなさ~い!Amen!!」


おまかせ~。

曹長が神父を確保。




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/青龍の貴族一行と黒旗団の間/交易商人の先頭】


僕らがかしこまる。


「はじめまして」

と、青龍の僧侶が進み出た。

「交易をなさりたい方々は、船の数を教えてください」


色めき立った船主。


「かしこまりました。明後日までに」


僕は声に威圧を込めた。

背後が静かになる。


馬鹿どもが。


無制限な訳がない。

瀬踏みして、割り振って、先ずは第一次、としなければ後が続かない。

さて、止まるか?進むか?魔女が青龍の貴族に目配せ。


だが、しかし。


「いつまでに、となりましょうか・・・・・・・・・・・・」


僕は、語尾を濁した。

魔女がこちらを見た。


しまった!睨んでる!しくじった!!




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/青龍の貴族左】


わたくしは、慌ててしまいます。

その、ご領主様は、寛大ではありますけど・・・・・・・・・・・・・・・失礼、です。

慌てて若い参事は平伏し・・・・・・・・・あの娘が慈悲を請うように頭を下げました。


「そうだな」


幸いに、ご領主様は、あの娘の頭を撫でました。

許してくださいます。

まったく。


「ここでの仕事が終わる頃、か」


おあずけ、ですね。

とはいえ、お取り上げではなし。

期限が決まり、それが働き次第。

悪くありません。


命を張ったかいはありましたね。


まあ、商家の常とは思いますが、あまり馬鹿をして欲しくありません。




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/青龍の貴族一行と黒旗団の間/交易商人の先頭】


僕は平伏する。

ただただ、跪いて許しを請う。

言葉は無意味だ。

一言で死ぬ。



危なかった。

魔女の合図を取り違え、終わるところだった。


魔女越しに、楽しそうに、こちらを見る青龍の貴族。

見るべきではない。


滴。


滝のような汗は、僕が。


「明日から」


声に惹かれ、顔が上がってしまう。


「励めよ」


動けない。

魔女たちとともに、青龍の貴族が歩みさる。


同業者達が駆け寄り、嬉し泣きしながら、僕を励ました。


青龍の貴族が望んでいるのは、手代ですら出来る帳簿整理だ。

船を切り盛りする商人や支配人、番頭には造作もないこと。

それさえ済めば、救われる。

あんたのお陰だ。

お前がそこまで献身的な奴だと思わなかった!

オヤジさんも大喜びだろう!


などなど。


皆の慰めが嬉しかった。

だから余計にムカついた。




【太守府/港湾都市/倉庫街入り口/軍政司令部中央】


俺は日が高いうちに手仕舞いにした。


とはいっても、そろそろ夕方も近い。

不審者の始末、黒旗団他の物質上陸、などとまとめて本業にかかる時間的余裕がないからいいのだが。


本当に決断したのは、今日中に片づけるべき事を、囁かれたからだ。


「ご領主様」


頭目が顔を伏せたまま近づいた。


「確かめて頂きたい、変わった資産がございます」


スッと耳元による。


「奴隷市場にて」


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