地図情報:第十三集積地
この話は参考情報であり、定期更新の一話には数えません。
話中の挿絵にするよりも確認しやすいと思い、独立させました。
第六章「南伐」以降のローカル情報ですので全話の冒頭ではなく、そしてある程度話が進んでからの方が解りやすいと思いこの場所に投稿します。
掲載位置のご意見などありましたらご一報ください。
『第十三集積地』
:正式名称「第十三鹵獲物集積地」。
国際連合軍は異世界大陸各地で多くの鹵獲物資を管理する羽目になった。
これらはすべて帝国資産である。
動産が学術資料美術品貴金属通貨穀物畜産物農作物鉱産資源に有価証券、兵器船舶奴隷、不動産が工房鉱山城塞港街道農場などなど。
不動産は封印、もしくは既存の管理者にそのまま委任。元々が維持管理体制が整っているのでリスクもコストもそれほどかからない。
しかし動産は移動可能であるだけに流出のリスクを抱えており、それが混乱している異世界経済を破綻させることになる。ソレだけの物量が、圧倒的な量があるという意味。
帝国は異世界大陸でもっとも豊かな沿岸部一帯から「次の戦争の為に」莫大な戦略物資(動産)を収奪していた。征服自体はほぼ10年前に終わっていたが、聖都陥落で正式に終了したのが昨年末。その間に蓄積された膨大な兵站物資は、西方戦争の為に移送されることになっていた。
昨年秋に当面は最後の収奪を終え、冬の間に物流拠点に集結。春の農繁期が終わってから領民を総動員して夏の間に帝都、すなわち西方戦争最前線拠点に運び込む予定であったという。
つまり沿岸部各地に集積が終わったタイミングで、国際連合軍が奇襲をかけてきたのである。かくして戦力温存を優先した帝国軍の行動で、一世界が十年間ギリギリまで蓄積した動産が放置されることになった。そしてもちろん、汚染源である物資は地球人には無価値である。
そして国連軍は廃棄コストより管理コストが少ないために、いくつかの集積拠点を設けてソレを抱え込んでいるのである。
第十三集積地はその中でも一番特殊な部類になる。
動かしようがない不動産である聖都。
動かすことで異世界社会を壊す動産、徴集領民。
それが一か所に集中しているのだ。
よって国際連合安全保障理事会は、軍事参謀委員会の作戦を承認。
徴集領民という帝国動産/鹵獲物を、徴集解除により異世界住民/自然物へと還元。
従来の環境へ返して無毒化する。
と考えている。
今のところ。




