表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第九章「神様のいない天獄」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

330/1003

自愛他愛



5月16日。


この日、なんの日?



日本列島が異世界に転移して142日が過ぎ、143日目。

国際連合軍が武力制裁活動に入って104日が過ぎ、105日目。


軍政司令官である国際連合統治軍大尉が、異世界大陸東部北辺の太守領に派遣されて、少女童女幼女と出会ってから45日が過ぎ46日目。




とある小説の文字数2,168,139文字目が投稿を終え、2,168,140文字目から2,168,146文字目。






Sクラス

:国家公務員の中で総合職試験・上級甲種試験又はI種試験・司法試験に合格した者、および事務次官会議で承認された推薦枠。


Aクラス

:Sランクに属さない常勤一般職国家公務員、および各省令にて承認された推薦枠。


Bクラス

:各審議会に所属する博士号以上の資格所有者並びにその推挙した推薦枠。特別職国家公務員全般。


Cクラス

:第一次、第二次産業並びにエネルギー関連基幹産業常勤従事者のうち18~50歳以内の者。


Dクラス

:第一次、第二次産業常非勤従事者並びに常勤でありながら年齢枠に無い者。第三次産業に常勤従事者のうち18~50歳以内の者。


Eクラス

:第三次産業に非常勤従事者と、常勤ながら年齢枠に無い者。


Fクラス

:A~Eに適合しない者。年齢18~35歳までを「F+」、それ以外を「F-」と呼称。




付箋1

選別対象者の二親等以内の親族はリスト内として扱う

※リスト内であっても異世界渡航を必須/禁止とするものではない

※二親等以内がDランク以下の場合は世帯/家族単位での渡航とする


付箋2

永続的異世界渡航はDクラス以下を使用。

※Cクラス以上は原則本土でのバックアップとする

※指導教育役としての一時滞在は考慮する

※Bランクの自衛隊関係者は必要に応じて派兵


付箋3

原則として日本国籍以外はリスト外とする。

※異世界の統治権に第三国を介入させないための措置

※植民活動に各国の支持を得るための措置


付箋4

C/D/E内部のランク付けは異世界転移前の生涯納税額により生産性を認定するが、各ランクを逸脱しないものとする。

※生産性の高いものを指導的地位とする


付箋5

D/E/Fの交換比は一ランクごとに10対1と想定

※F(-)は恒久的ゼロカウント

※F(+)は将来的にカウント開始の余地あり

※Fの消耗は個別計測せず五年ごとの統計とする


付箋6

なぜ一番上がSなのか?

※準備委員会内部で確認中……



≪植民地省設立準備委員会/想定動員概算≫







【国際連合統治軍第13集積地/除染場/シスターズの包囲下/青龍の貴族】


はい、すみません。


背中をつつかれる、俺。

つつくエルフっ子。


人を指さしちゃいけないのかどうだか、異世界の習慣は知らないが。


指差してはいない。

指刺してはいる。


俺の背中は決してキャンバスでも画板でもないのだが。

のの字を描いているように感じるが、これは日本語がそこまで普及したとみなすべきだろうか。

それとも人間と同じような体であれば、こういう時の動作も決まっているのか。


UNESCOに知らせると強制執行部隊がやってくるから、知らせないでおこう。

あの知りたがり屋たち、再現実験につき合わされてはたまらん。

どうせドック・タグを通して記録してるだろうが。




【聖都南端/青龍の軍営外郭馬場/青龍の貴族、背後/エルフっ娘】


あたしは、気持ちを切り替える。

というか、そのように努めた。


つまるところ、まあ、あの娘を大切、ううん、愛する彼、青龍の貴族が、あたしの前で、あの娘を可愛がり、あの娘が甘える姿を、ず~~~~~~~~~~~~と、見せつけられただけ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――それだけなのだけど。



本来、あたしが気にするようなことじゃない。

はず。


あの娘が喜んでる。

それは、あたしも嬉しい。


あの娘が大切にされている

それは、あたしも安心。


あの娘が愛している男は、あたしが好きな男。

それは、あの娘の目が確かってこと。


あの娘が、あたし以外に甘えるのだって、多少悔しくはあるけれど。

それほどではないわね。

気持ちはわかるし。


うん。

うんうん。


問題ないわね。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ダメ。



も~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

なんなのよなんなのよなんなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


認めない!!

絶対に認めない!!

こんなことありえない!!!


あの娘に見せられないし、妹分には相談できないし、彼にも気づかれたらイヤ!





あたし

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こんなに、度し難い性格だったかしら?



まあ、判らないことばかりなのは、仕方がないかな。

最初で最後たから仕方ないわよね

――――――――――男に惚れたのが。


ん?

ということは?

あたしが甘えているときは?


あの娘や、妹分、Colorfulも、こんな気持ちな

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・悪いのは、彼。



みんなに見せ付けるのが、悪い。

時偶にだけしかかまってくれないのが、悪い。

焦らせて弄んではっきりと安心させてくれないのが、悪い。


愛してると思い知らせて、なお

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――お預けなのが一番、悪い。





【国際連合統治軍第13集積地/除染場/シスターズの包囲下/青龍の貴族】


あーわるいわるい。


俺の脚に背中を預けている。

もたれかかる、お嬢。


無意識に安心できる姿勢をとっている、のではなく意識してるのが良くわかる。


俺がわざと意識を逸らす。

よりかけた背中を弾ませてアピール。


俺の体は安楽椅子でもロッキングチェアでもないのだが。

いやまあ膝に座ってくる子たちからしたら、椅子の一種であり、夜になれば布団か抱き枕の扱いか。

こればかりは大人と子供、地球も異世界も変わらぬ、多世界共通自然な動作。


元カノみたいなポジションに知らせると、強引に再現しようとするから要注意。


TPOさえある程度わきまえれば、協力したいのだが。

通常であれば、TPOなどこちらで整えなおすのだが。

あーあれでしょ、とかなんとか言って抱き付くのだが。


TPOって言葉しってる?

ってのが、元カノ・クオリティ。


男がムードにこだわることは絶対にないと断言してもいい。

一途にひたすらストーカーにならない程度にキミを想う男という性は存在しないと、言わなくても判ってくれるのは歓迎する。


だが子供の前とか人前では止めるように。



ではなく。

とある成人女性への苦言ではなく。


寝具扱いは別に構わないということ。



俺だって嫌がられない限り、女子供を枕にすることあるしね。

枕にされていやがったことも無いが。

親しき中には礼儀無し。


儀礼とは、人を遠ざけるモノと見つけたり。




【聖都南端/青龍の軍営外郭馬場/青龍の貴族、左/お嬢】


わたくしは、気を逸らせましたわ。


つまらない、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ということにはなりません、とっても重要なアレコレから。


そう。

最初からず~~~~~~~~~~っと、ご領主様にはお見通し。

わたくしの気持ちなど、容易く操られてしまいますわ。



今、この時も。

うなじに指先を誘われ、わたくしの全身が惹きつけられます。


意地悪ですわ。

絶対に無視なさらない。

わたくしを、常に、気にかけてくださる。


そうやって、わたくしの気を惹いて。

だからすぐ、わたくしのことながら、とてもたやすく惹かれて。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すると、ご領主様は背後に集中。



わたくしを惹いたまま、わたくし以外を惹き寄せてしまわれます。


御背中。

ねえ様の指先、だけではなく。


わたくしがいまだ持ちえないモノを、あえて楽しまれるように。

わたくしが代われないところだけを、あえて見せつけるように。


その大きな、触れるばかりに迫る胸先に、背を触れさせます。


いえ、存じておりますけれど。

ご領主様の嗜み。


あの娘。

わたくし。

自信を持っておりますわ。


小さいは正義!!!!!!!!!!


わたくしは胸を張ります。

マメシバきょーかんもおっしゃっておられました。


愛する方の趣味こそが一番正しい!!!!!!!!!!!!!


故にこそ、今この歳で、お逢いいただけましたことに感謝を。

とはいえ、こうもおっしゃっておられました。


一番があれば二番もある!!!!!!!!!!!!!


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――で、ございましょうね。


唯一無二であろうなどと、思ったこともありません。

代わりがいないから、なんて思われるような物乞いではございません。




きょーかん。

わかっておりますとも。


おんりーわんよりなんばーわん!!!!!!!


生涯を貫く戦い。

相手は、わたくしが認めた二人。


あの娘。

ねえ様。


常に優位を保てるはずがありませぬ。

後塵を拝するときもありましょう。

ただ今、この時のように。







平気です。

嘘ですけれど。



わたくし

――――――――――嫉妬とか、羨望とか、焦燥とか、いろいろごさいますが。

ソレをあらわになど致しません。



それで嫌われることなど、ごさいませんけれど。

実害がなければよいなどと、見栄を捨てる女ではありませんの。


たとえ見栄を張るこのやせ我慢、ソレがまた、ご領主様の感興を誘うにしても。

それを良しとはいたしません。




そーいうふうに、わたくしを愉しまれますのね。

そんな愉しまれかたは、わたくし不本意ですわ。

それを肢体で、わたくしは精いっぱい示します。


だからこそ素知らぬふり。

それができているとは申しませんが。

見透かされいると承知で、見栄を張ります。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これは、正解なのかしら?



なんにせよこのままでは、いけません。


ご領主様にますます愉しまれてしまいますわ。

そうなると更に、肢体をもて余すことに

――――――――――ダメダメ。



ここは青龍の世界。

興味を惹かれることは、たくさんあったじゃない。


一刻も早く。


そう考えれば、気を逸らしませんと。

それに、これから続く、長い長い末永い生涯。


ご領主様の、青龍の世界を知ること。



それは睦逢うため、大切なことよね。




【国際連合統治軍第13集積地/除染場/シスターズの包囲下/青龍の貴族】


俺は深呼吸。

陽はすっかり昇っていますが、まだまだ早朝。

済んだ空気が気持ちいい。


人がおとなしくしていた間に舞い落ちた粉塵が混ざっていない。

もう駐屯地は動き出してはいるけれど、動きは少ないからね。

24時間騒々しいのは偵察ユニットの離発着畳くらいか。


とはいえ、そこは小さいながらも軍事基地。

あと、ほんの30分で騒々しく埃っぽくあわただしくなる。




夜勤が順次待機に入る。

通常勤務が朝食に向かう。


今、一番騒がしかったのは食堂。

過去形。


早々に退散したから。




【聖都南端/青龍の軍営外郭馬場/青龍の貴族、右/魔女っ娘】


わたしは先ほどまで覗いていた、青龍方の厨房を思い描いていました。

やっぱり、わたしには向いてます。


目の前で立ち働く青龍の料理人さんたち。


失礼ながらそれよりも、気を惹かれましたのは大きな氷室に沢山の竈。

水も火も氷も使い放題です。


艶かなおコメに小麦♪

瑞々しいお野菜♪♪

熟したお肉♪♪♪


いっぱいそろえられた香辛料♪♪♪♪

干し上げられ、凍らされたお料理♪♪♪♪


輝く金属でしつらえられたいろいろな料理道具の数々♪♪♪♪♪♪♪♪

火を使わずに隅々にまで火を通す、なにがなんだか判らない魔法まで♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


すごいです。

一目見ただけで圧倒されてしまいました。


わたしに必要な物。

わたしが捧げられること。


ご主人様の、身の回りを、できるだけ任せて頂けますように。



王城に開いて頂いた、ご主人様用の厨房。

マメシバ卿に譲っていただけた、調理保存器具。


お料理だけ、でも。

お洗濯や繕いもの、仕立て。

湯浴みも、給仕も、お掃除も。


いつか、いつか、あの

――――――――――赤ちゃん、その、お世話も。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ