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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第八章「天獄に一番近いここ」

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317/1003

当然以前

【用語】


『国際連合』:the United Nations/連合国、の超訳。異世界転移後の人類社会の総意を体現する組織。と国会で決まった。加盟国のほぼすべての外交防衛権を委託されている。黒幕は日本の一衆議院議員であるとマスコミに報道されている。


『国際連合軍』:国連憲章第七章に基づく人類社会の剣と盾。と国連総会で決まった。黒幕は元在日米大使の合衆国大統領であるとマスコミに報道されている。


『軍事参謀委員会』:国際連合の参謀本部。安全保障理事会の補助機関。国連憲章第七章に基づく国際連合の軍事力行使の指揮を執る。


『安全保障理事会』:国連実質的決定機関。その決定は国連の決定に等しい。しかし国連憲章において、彼らは誰に対しても責任を負っていない。


『常任理事国』:合衆国(米)、連合王国(英)、第五共和制(仏)、共和国(露)、統一中華連邦(中台合併)、日本。


『WHO』:World Health Organization/世界保健機関。異世界転移後、国連とともに再建される。組織の主目的は全く変わっていないが、未知の生態系から人類を守るための防疫活動が主任務になった。その必要上、化学戦部隊や生物戦部隊を傘下にもち、除染作戦において国連軍より大きな権限を持つ。



我ら大和民族は民主主義を経験したことがない。


朝廷の君主制。

鎌倉の封建制。

室町の連邦制。

徳川の絶対制。

明治以降今日に至る科挙(官僚)制。


のう?

民主主義だけがなかろう。

おいおい、ファシズムは民主主義であろうが。

それみよ。

ないじゃろう。


それ以外は極めておるというのに。

望んで極めたわけではないモノまでやらされたがな。

二度とやらされてたまるか。




ともあれ、最悪の下じゃ。

知らぬで良いならしなくてよいものを、誰ぞの趣味でプロフェッショナルの業を見よう見まねで、ヨチヨチ歩き。



アマチュアと素人の間には致命的な差がある。


「知ってるつもり」と「知らない自覚」。


もちろん死ぬのは、アマチュアだ。






では?

わが国では?


義務教育で民主主義の基礎知識こそ叩き込まれておる。

無論、骨身とするは無理なれど、理解は出来て良いだろう。


本来ならば、知識と現実の乖離に目を剥いて、

あるべき姿を問い直すところであったろう。

実際のところは、常識と実態の落差に目をそらし、

あるべき姿を見失っているのではあるが。


諦めて捨てれば、まだマシだったのだがな。



愚か者はどこにでもおる。

民主主義者ではなくても、民主制度は理解できる。

しかるに。

議会制度すら理解できぬのに、民主主義者をきどる。

馬鹿なのだから黙っておればよいものを。



やつばらは言う。

議員の仕事場は議会である。

議員の仕事は審議である。

議員は議会に日参せよ。


は!

そも議員とは生き方よ。

政治活動とは全生活である。

議会とは手段の一つでしかない。


立法権を刃としてかざすから立法府。

剣を役割として生業として義務とするなら、キチガ○である。


ましてやそれに給与が生まれておると?


人に値をつけるとは、何処の山奥に生えたのやら。

明治以来積み重ねられた、反民主主義教育の成果とはかくも恐ろしくあるか。


人を愚鈍にしてくれる。

持ち直せぬほどに。




フィリバスターを知っているかね?


演説だ。

議会とは言論の府。


故に言論を否定することはできない。

故にこそ言論が続いている間はそれを打ち切ることができない。

故にその必然として採決ができない。


合衆国連邦議会の常道だ。


少数派をもって野党という。

野党の役割は議案法律を成立させないこと。

それがかなわぬなら修正させること。

当たり前のこと。


であればこそ、命を賭して採決審議を阻害する。

演説のネタが無くなれば法律文を読み続けてもいい。

俳句を読もうが、人生を振り返ろうが自由だ。


誰も邪魔せぬ。

当たり前。


言論の府なのだから。


論者は休まず食わず中座せぬ。

当たり前。


言論が続かぬならば議会ではない。

故にこそ、24時間を過ぎて弁じ続けた者もいる。


それにより議案が成立せず時には廃案にさせられる。

多数派のことを与党という。


どうなったと思うね?


宣言のみで行えるようにした。

フィリバスターを、だ。



野党が、別に与党議員でもいいが、誰かが宣言すれば審議は止まり採決は出来ず何も決まらない。

誰もが議事を留めることができ議会を空転させることができる。

そのせいもあって、予算が組めずに連邦政府が閉鎖される。

ちょくちょくな。


あ・え・て。

そのようにしたのだ。


与党は議案を通すために野党を必死に説得する。

野党は議案を潰すために与党を必死に説得する。


結果。

少数派が納得できる形で議案がまとまり通過する。

多数派が匙を投げて議案が廃案となりやり直し。


これを「議事妨害」という。



何処の国でも似たようなものだ。

そこが民主主義国家であるならば、だ。


当たり前のことだが、ソレを批判する者などいない。

議会制を理解していれば、な。


血を流さない戦争ほど愉しいものはあるまい?





当たり前に当たり前を重ねよう。

「議会制度とは多数決原理ではない」

当たり前のことだ。


何処の国でも「議会制民主主義」をとる限り、な。


>>Next


《国際連合/安全保障理事会戦争計画グループ/信託統治理事会戦後処理グループ/聴聞会データ》





【国際連合統治軍第13集積地/射撃場/軍政部隊後方見学席/青龍の貴族】


ともあれまっすぐここに来た。


出動には、いろいろ手順が必要なのだ。

まあ、具体的には一つだが。


ここ第13集積地、試射陣地。


駐屯地、つまりは真っ赤なキル・ゾーン/黄色いオフェンス・ゾーンに囲まれた隔離エリア。


御復習い(おさらい)しすぎて悪いことはない。

成績うんぬんより命が助かりやすくなる。



忘れると殺されます。

地球人に。

うっかりすると殺されます。

地球人類に。

間違いは一切考慮されません。

地球文明に。




国際連合軍基礎常識。

日々一瞬一瞬が異世界への抜き撃ちテスト。


地球人には予習が許されます。

概ね。

出身世界を問わず誰も再試は許されません。

現状、死者再生技術は未完成です。




余談ではあるが今、日本列島では<何もかも何とかなるんじゃないか説>が浸透中。


いや、停止状態でなお持て余している生産力労働力技術力は欠けるものなし。

まあ、異世界転移に魔法の発見とくれば既存の物理法則のブレイクスルーは確実。

で、ありとあらゆる常識と知識を内包した原則法則原理の再生発見新解釈新発見も想定内。


なんだってできるよなぁ。

というのが学者政治家学生あたりの共通認識。


旧い本土の新しい常識が、日本人大半の担当です。

新しい世界の古い常道が、俺たちの管轄だけどね。





キル・ゾーン。

敵味方それ以外何もかも思想信条国籍人種出身世界問わず殺される場所。

オフェンス・ゾーン。

IFF(味方識別装置)で味方以外と判定されれば殺される場所。



赤いライン。

黄色いライン。


囲まれてるのが駐屯地、と異世界徴集農民集積地。


俺たちが今いるのは、駐屯地のほう。

俺たち地球人が寝食公私の生活空間。

その公には準備や訓練も入るわけで。



駐屯地の中央東より。

さらに東は1kmくらいで海に至る砂浜。

南北西の三方向は、駐屯地施設で見通せない。



海の上からなら見える。

確かに。


海上に船でも浮かべて、第七艦隊やら護衛艦隊やらの海上殲滅線を突破できれば。


よほどのことがなければ遠距離攻撃即撃沈で臨検などしないし、臨検した場合も必要な情報が得られたら船も搭乗者も沈めるけど。

まさに殲滅線。


駐屯地沿岸浮遊物を即時攻撃する自動機関砲に察知されなければ。


駐屯地自体にボフォース57mm砲Mk 3:無人制御が複数配置。

Mk 1だと有人制御だからMk 2以降なのだが、その改良型Mk 3が標準。

本来は艦載兵装。


例によって在日米軍のデットストック、ではない。


合衆国海軍の山ほどある現役在庫品。

世界最大級の米海軍補給補充基地である日本列島には、本体も弾薬も山ほどあります。

本体も弾薬も整備要員も山ほど異世界に持ち込まれています。


日本列島東側大洋の調査に、山ほど船が出ているので本土でも引っ張りだこのようですが。

やはり海洋側にも巨大生物が確認されているとかなんとか。






元カノたちが(バラ)して喰って振る舞ったクラーケン(仮称)

※第56話 〈文化侵略(ドワーフ料理)〉参照


あいつらが同乗した護衛艦に御涅(ごね)強請(ねだ)って海に放り込んだ、爆雷爆弾ドワーフ獣人アスロック。


なんか軟体動物門 頭足綱っぽい、ぶっちゃけ烏賊か蛸、あれ。

焼いてバラしたら人魚(すいせいじんるい)が出てきたそれ。


でまあクラーケン。

正式な学名に元カノ以下ドワーフたちの名前が発見順に前から三人分付きそうだとか何とか。

彗星の命名権かな?


陸上騎馬民族帝国の傭兵だった黒旗団。

帝国が沿岸部を征服したのは10年位前から遅いところでは昨年暮れまでかかった。

そのうえ当然、歴史的と言えるくらい常に戦闘は陸上で行われたわけで。


当然なのかたまたまなのか、帝国軍関係者の大半は海なんか見たことがなく。


黒旗団は、その、ど真ん中エリート、選ばれし陸戦団体。

が、海から攻め寄せた国連軍、っていうより元カノに従属したわけで。


元カノが陸自の幕僚監部関係者をぶっ殺した後で、ほとぼりを覚ます小旅行。

※第27話 〈修羅場〉 参照

※軍隊では歴史的な定番である、不祥事の内部処理なので三佐も「元カノの迷いなき反射行動」には「疑問すら抱かなかった」とか。


海が初めてでテンションが上がっていたドワーフ。

周りのテンションを突き上げやすい元カノ。

元カノのテンションに合わせるエルフたち。

なんでもいいから酒を浴びる獣人人獣異世界人他。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三佐の命令とはいえ、乗船させた護衛艦に同情する。



地球異世界の酒やドワーフ他の料理を並べて乗員の非番要員を巻き込んで、朝昼晩と酒盛りしながらクルージングと吊りと海水浴対潜ヘリからノーロープバンジージャンプ他いろいろ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やりたい放題だな。


で、やはり海上慣れしているせいで、烏賊、ってかクラーケンを見つけたのは元カノが最初らしい。


いや、ソナーで遠距離から探知していたので、視認したって意味だけど。

馬だけじゃなくてヨットも慣れてるからなあいつ。


獲りに行く捕りに行く()りに行く!!!!!!!!!!!!


と騒いで航路を調整(?)したのは元カノなので、第一発見者扱いはおかしくはない、のか??

まあ、命名権おめでとうと言うしかない。


なお人魚(すいせいじんるい)の命名権は俺、元カノ、ドワーフの順だとか。

彗星か!!!


もちろん個体名ではなくて、種族としての学名の話だけれど。




あれが他にもいそうだ、いるとなると調査船にも武装は要るわけで。

こちら側は侵略先とは思っていない、相手側には思われること請け合いだからね。

知性体であれば。




知性体でなくとも巨大生物に船が襲われる可能性は極めて高い。



マスコミに出てくる学者崩れはそう言っている。

マスコミに出ない学会関係者は「ねーよ」と言っている。



異世界海洋を往来している巨大生物。

竜的にファンタスティックなものから、地球でもおなじみの種類のバージョンアップまで。

まだ見ぬ相手から、想定されている対象に、出くわしてる相手まで。


異世界大陸を闊歩する巨大生物と同じと考えていらしい。

つまりは人間みたいな小型生物に関心を持つわけがない。


サイズや遭遇時に想定される数からみて、人類は獲物としての効率が悪いから。


異世界の海洋性巨大生物が肉食雑食だった場合。

おなじ海洋生物のやや小型種を食べるか、莫大な数のプランクトン類似種を食べるか。

それ以外考えにくいとかなんとか。


ほぼ同サイズの護衛艦はまず安心。

互角の相手に挑むバカな生物は少ない。

ものすごく少ない。


ロナルド・レーガン(原子力空母) クラスなら相手が逃げるだろう。


漁船クラスなら?

調査船に投入されている遠洋航海用の大型漁船なら、まず大丈夫とか。

いざとなれば?


武装した哨戒機が上空を遊弋中。


なお、哨戒機の所属がWHOなのは意外に注目されていない。

まったく秘匿されてないけどね。


きっと、みんな勘違いしてるんだろうね。

長距離調査航海で病人が出た時に備えている、とか。

帰国する時の検疫対策、とか。


嘘ではないけどね。

病人が出る、可能性があるときに備えてるのは間違いなく。

検疫、みたいなものに対策を万全にしているのも間違いなく。

だから?


ボフォース57mm砲Mk 3を装備している、調査船団に混ざっているWHO武装調査船。

その砲身を、正体が判明している相手に向けているわけで。


人類を守るため。

清潔な地球環境を守るため。


彼らが日々活躍していないことに感謝したい。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すくなくとも、異世界大洋側では。





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