幼姿媚態

「カ、イ、コ、ク、シテクダサーイ！」

やかましい。

打払令発動準備！

歴史のトラウマに触れるんじゃない。

「ヤンキーゴーホーム！」

オマエだ！

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って言わせたいんだろうがその手にはかからない。

神父はアフリカ系じゃん。

ヤンキー(ＷＡＳＰ)じゃねーだろ。

白人じゃねーし。

ニューヨーク近辺出身じゃないよね。

そんなツッコミどころ満載。

ブラインド越し、朝日に浮かぶ四肢の影。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・？

四肢の影？

長い手足が気味が悪い。

ヤモリが張り付いているみたいだ。

人間サイズの。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まて。

なぜ、窓に全身？

全面が窓じゃないぞ？

窓は腰あたりから上だ。

どこで体を支えてやがる。

四肢が窓枠についてない、だと！

ホラー？？？？？？？？？？？

「ヒシャクヲクレー」

舟幽霊か！！！！！！！！！！

窓に張り付くな！！！！！！！！！！

舟幽霊に謝れ！！！！！！！！！！

ヤモリ人間が窓に張り付いたら子供が怖がっ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・てない。

スルーして着替えてる。

あんまり慣れないよーに。

悲鳴を上げてもいいのよ？

「ホーイチホーイチ、ドコですか～～～～～～～～～～」

やっぱり中身日本人だろ！！

似非アメリカン！！

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小泉(ラフカディオ)八雲(・ハーン)だって喰いついてるから、いいのか？

「Ｂｏｔｈ ｅａｒｓ見えどもＳｕｔｒａは見えず 」

お経なんか書いてないから。

ブラインド閉じてるだけだから。

耳だけ持って行こうとかキモイから。

覗こうとかキモイで済まないから。

「ナニもシマセン、指一本フレマセン、ＲＥＣるだけデス」

子供が着替え中は立ち入り禁止だ！！！！！！！！！！

俺はプレイヤーを開きＨｒｄａｙａ(The Heart) Ｓｕｔｒａｍ(Sutra)を流して対抗。

※般若心経サンクスリット語版

「Ｗｕｒｙｅｅｅｅｅｅｅｅｅｅｅｅ！！！！！！！！！！！！」

良し！

効いてる！！

「Ｍｅｄｉａ ｖｉｔａ ｉｎ ｍｏｒｔｅ ｓｕｍｕｓ.Ｑｕｅｍ ｑｕａｅｒｉｍｕｓ ａｄｊｕｔｏｒｅｍ ｎｉｓｉ ｔｅ, Ｄｏｍｉｎｅ♪」

グレゴリオ聖歌だと！！

かくなる上は坊さんを召喚！！

重誓偈(じゅうせいげ)を唱えさせん！！

※浄土真宗のお経？経文みたいな物

「モーシモーシ！マイネームイズメリーサーン！アナタノナカニイルノ」

怖気が走って、頭が冷えた。

此処で宗教戦争を始めるわけにはいかない。

クールに、クールにいこう。

「Ｆｕｃｋｉｎ Ｇｉｒｌｓ？」

「「「「「「「「まだです！」」」」」」」」

曹長。

発砲を許可する。

ＢＡＭ！

ＢＡＭ！

ＢＡＭ！

ＢＡＭ！

ＢＡＭ！

ＢＡＭ！

シスターズ＆Ｃｏｌｏｒｆｕｌ！

相手にするんじゃありません！！！！！！！！

【国際連合統治軍第１３集積地//ゲストハウス/卓袱台の前/青龍の貴族】

俺でも知ってる名台詞。

Ｉ ｌｏｖｅ ｔｈｅ ｓｍｅｌｌ ｏｆ ｎａｐａｌｍ ｉｎ ｔｈｅ Ｍｏｒｎｉｎｇ.

（朝のナパーム弾の匂いが大好きだ/地獄の黙示録より）

朝の硝煙は最高だな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺はそこまで上級者ではない。

退くわ～～～～～～～！！！！！！！！！！！

リアルで感じると、退くわ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！！

映画館じゃ匂いはしないからな。

硝煙は花火大会だけで十分だ。

浅草の夜は堪能した。

今年は行けそうにないが。

どうしてこうなっちゃうかな。

親の因果か？

先祖の悪行か？

社会が悪いのか？

俺が潔白なのは間違いないが。

事実がそれしかないなんて。

真実は常に一つ！

って大抵の探偵物で言ってるな。

フィクション特有のそれだから、三佐は嗤ったりしないが。

――――２+２は、３にも５にもなるし、すべて兼ねることもできる――――

それもフィクションのセリフだが、三佐が言うとシャレにならない！

いや、発想の転換が必要だ。

ネット中継を３Ｄ表示させれば、みんなで見られるじゃないか。

勿論、人を選ぶのは判る。

普通の住民に魅せたらショック死しかねない。

人は概念すらわからないモノを見せると恐慌状態に陥る。

そのことを現場の人間は、体験してやっと知ることができた。

街ひとつ、滅ぼしてしまえばね。

俺たち、いや、未知の何かって言いうのは、存在するだけで相手を傷つけるだけじゃすまない。

滅ぼしてしまう。

その辺りは士官クラスで情報交換が進んでいるが。

将官から上の階層では把握しているだけにとどまる。

どうでもいいからだ。

作戦上の問題にはならない。

士官が慌てて情報交換しているのも、任務の必要性からではない。

あくまでも、気分の問題。

それは良心とか倫理観とかいうモノなのかもしれない。

だから上層部には備わっていない。

なんか末期的な気もする。

だが、俺の回りの子たちなら大丈夫。

火薬の無い世界の子供たち。

硝煙と銃声になれている子供たち。

フレーズおかしいが。

そのために左遷されたのだと言い切れる。

スケジュールチェック。

さて。

仕切り直し。

もちろん、神父は部屋に入れない。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌが着替え中だからな。

朝飯だけで満足するがよい。

爽やかでないといかんのだ、朝は。

【聖都南端/青龍の軍営/青龍幕舎/青龍の貴族左側/魔女っ娘】

わたしは、ご主人様にいつも目を捕らわれてしまいます。

ご主人様は一度に多くの者を見ていらっしゃいます。

わたし、わたしたちだけじゃありません。

わたしたち。

青龍の騎士の皆さま。

お城に奉公している方々。

参事さまに街ゆく人たち。

それはとても良いことだと判っています。

皆さま、それを恐れていますけれど。

青龍の方々さえ、いえ、青龍の騎士さまこそ、恐れていらっしゃいますけれど。

ご主人様の気に触れる事なんて、まずありません。

むしろ楽しんでいらっしゃる。

ご主人様が眼を留める。

それは見るべきところがあるということ。

それは素敵なこと。

みなにとって。

わたしにとっても。

判って、は、います

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でも、時々、気になってしまいます。

今もそう。

ご主人様の、視線の先

――――――――――Ｃｏｌｏｒｆｕｌさんたち。

僅かな仕草。

微かな姿勢。

幽かな揺らぎ。

歌舞音曲を極めた、Ｃｏｌｏｒｆｕｌさんたち。

皆を魅せることも。

一人を惹きつけることも。

皆を惹き付けながら独りに魅せることも。

極めていらっしゃる。

それは男の人だけではなく、女の人にも通じるように躾られた

――――――――――のだとか。

それが今、たった独りの男の人、ご主人様に向けられています。

ただ着替えているだけなのに、何かが違います。

五人とも、どこがどうとは言えないのに、ご主人様を意識してるのが解ります。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌさんたちが言っていました。

ソレは元々、誰にでも通用するように磨かれた芸。

コレは元々、自分自身を守るために身に着けた技。

アレは元々、誰かを捉えて誰かに縋りつく為の術。

そういう時のＣｏｌｏｒｆｕｌさんたち。

御一人に認められてました。

御一人に護られてました。

御一人に繋がれてました。

なら？

そのすべてはいったいなんの、だれ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにも、聞けませんでした。

わたしでも、視ればわかります。

それが、ご主人様に伝わらない訳がありません。

ご主人様は、楽しまれています。

お茶を楽しむように。

お料理を楽しむように。

戦いを楽しむように。

すごいです。

かなわないです。

まけないです。

ご主人様。

その眼をいただくには、どうしたらいいですか？

わたしが、いただくためには、どうしたらいいですか。

【国際連合統治軍第１３集積地//ゲストハウス/卓袱台の前/青龍の貴族】

俺は、お出かけ前の準備。

自分の着替えは終わっているので正座のままだが。

はい、キミたちＣｏｌｏｒｆｕｌは正座しなくていいから。

ムリだから。

今日は脚を使うからね。

しびれさせないよーに。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そこで表情を曇らせない！

一人一人撫でるのが手間なので、誰から先に撫でるのかという視線が怖いので、とりあえずまとめて抱きしめる。

全員、ぐったりと畳に崩れ落ちた。

そうそう。

座るときは膝を崩していいからね。

別に寝ていてもいいが。

あわてて復帰するＣｏｌｏｒｆｕｌ。

マメシバ印の女性自衛官制服。

スカートのスリットを抑えているが、ちょっと深すぎるんじゃないですかねぇ。

などと指摘するわけにもいかず。

モニターを見る。

決してシスターズの着替えから目を逸らす為ではない。

エルフっ子の豊満ボディに関心はあるが。

俺には関係ないしな。

残念無念。

だが、以前の不祥事は御免だ。

ミニスカートの内を垣間見てしまったら、泣かれた

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――きっつ～～～～～～～～～～。

※第５０話〈異なる世界の同じ街 〉参照

以後エルフっ子、ミニスカートはなし。

いえ、いいんですけどね？

似合ってましたけどね？

覗いたりしませんしね？

覗きましたけれど。

いや、ワザとじゃない。

そんな正当性が無意味としれた瞬間。

いや、油断した。

子ども相手とノーマークだったからな。

ラッキースケベ？

なーにが、ラッキーか。

実際に体験すれば解る。

あれは腹を斬りたくなる。

トラウマになります。

俺の。

マジ。

ワザと怒らせたり泣かせたり恥じらわせたり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな心温まる微笑ましい娯楽とは異次元の差。

ゆえに、この子たちとの距離の取り方に要注意。

だから、着替えに同席、余裕余裕、いやホント。

なぜか？

っておもうじゃん。

丸着替えの方が、垣間見たスカート内側より、肌面積は圧倒的に広い。

見ている時間も、そもそも一瞬と終るまで一緒じゃ比べることもばかばかしい。

見る。

覗く。

その差は大きい無限大。

一緒にお風呂と覗きは違う。

シスターズが恥じらっていないわけではない。

なければ大変だが。

俺に照れがないわけじゃない。

なければ病気だが。

この程度の気まずさは計算内。

つい今、計算したばかり。

近すぎれば馴染む。

遠すぎれば意識する。

よって慎重に様子見。

エルフっ子。

自分の着替えだけなら、瞬くまに終わっただろうが。

端から見て、簡単な服、いや装備じゃない。

だが速い装着、エルフっ子。

いつもの革鎧。

革のインナー。

ブーツに弓矢。

お出かけでも最低限は武装する。

戦士の鏡だな～憧れないけど感心するな～真似できないけど見習ってほしい

――――――――――部下に。

だが今は、おかんモードのエルフっ子。

おれはつい、笑ってしまう。

下着姿のまま、妹たちの着替えを手伝っている。

肌着だけで表面積が少ない、っていうか、肌着自体が薄い。

そりゃそうか。

防具の下に着膨れたりはしない。

当たり前、当たり前

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無理してるな。

だって、耳がこっち向き。

俺を意識しないわけがない。

同時に着替え始めたのが運の尽き。

ついつい、からかいたくなる。

今、俺の顔。

ビー玉を前にした猫の顔。

エルフっ子がどんなに美女でも、これじゃ台無しである。

なぜこうなった？

お嬢のゴージャスドレス。

足まわりはブーツ。

俺の指示通り。

だが飾り付けは基本。

それ以前に可愛らしい肌着自体が紐だらけ。

紐っていうよりリボンかな？

それもてこずっていた。

一人で着れない、いや、着れるか？

でも大変そうだ。

魔女っ子が手伝ってるのか、二人でじゃれてるのか。

毛糸玉に子猫二匹。

そこに参戦エルフっ子。

おかん気質が盛り上がり、自分の着替えを放り出す。

かくしてエルフっ子は、大変な姿で着付係。

魔女っ子も支援に入っているが、こちらも途中だよね。

母子猫？

やっぱり子猫三匹。

進まぬ着替え。

王城メイドさんたちのような、プロフェッショナルがいないからかな。

まてよ？以

前の遠征中は？

どうしていたっけ？

【聖都南端/青龍の軍営/青龍幕舎/青龍の貴族前/エルフっ娘】

あたしは猛烈に後悔

――――――――――向いてないのよ！！！！！！！！！！

妹分は、いずれ繰り返すこと、という。

まあ、そうだけど。

捧げた貴男に身を晒す

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは、その通り。

納得して、段取りを任せたのだけれど。

でもでもでもでもでもでも

――――――――――無理。

あたしには、身を委ねるのがあってるわ。

それなのに、それなのに、任せると、いつまでも

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彼、青龍の貴族を見た。

はっきりと、見てる。

あたしを、まじまじと見てる。

あたしが彼を見てると知って、見返している。

あたしの肢体じゃなくて、あたしの顔を！！！！！

――――――――――イジワル！！！！！！！！！！

【国際連合統治軍第１３集積地//ゲストハウス/卓袱台の前/青龍の貴族】

俺をチラ見するエルフっ子。

安心安全な笑顔を振りまく俺。

小さい二人の着替えなら、俺にも手伝えるが。

いや、無理か。

二人ともムチャクチャにしてしまいそうだ

――――――――――飾りの構造が解らない。

まあ、まつのも楽しくなくもない。

女の子の準備時間未定につき、予定表も柔軟に。

急かしたりしない。

慌てて事故ると、危ないしな。

畳敷き、卓袱台収納済み。

板張りと違い怪我はしないだろう。

アンラッキー現象に留意。

お嬢の選んだドレス類は、チヌークで山ほど運んでかきたからな。

もちろん理由ありだが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マメシバ・ブランドも混入していた。

攻撃的ラッキースケベギミック満載

――――――――――油断できん。

【聖都南端/青龍の軍営/青龍幕舎/青龍の貴族前/お嬢】

わたくしは、肢体の火照りを惜しみながら考えました。

難しいですけれど

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご領主様の眼がありますから。

そろそろ着付けを終えることと致します。

３・３・４

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご領主様の視線、その割合。

もちろん、それだけで、お好みを量れるとはかぎりません。

とはいえやはり、ねえ様が一番ですわね。

妥当ですね

――――――――――肌が一番、よく見えましたから。

昨夜、わたくしが可愛がって頂けたのは、湯殿。

今はどうしても、ねえ様の肢体に隠れがち。

まあ、仕方がありませんわ。

一人で脱ぐのは不自然てすもの。

わたくし、抜け駆けも辞さない女ですから。

決して、ねえ様は自ら誘惑出来ないから大丈夫、なんて考えておりません。

あの娘はといえば、凄く一生懸命に服を整えていますわね。

わたくしの。

なぜ、ご領主様の視線(本来の目的)を忘れてるのかしら

――――――――――あの娘は！！！！！！！！！！