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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第八章「天獄に一番近いここ」

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温故知新

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします



本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。

他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。


文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。

よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。


・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。

・【語る人間の居場所/誰視点】とします。

・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。

・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。


以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)




【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿/たいちょー》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。




これから話すことは、事実に基づく。



Travail(トラバイユ)


すなわち「牢動」、いや日本語では「労働」が推奨表記だったか?

いずれにしてもその語源は同じようなもの。


Tortura(トルトゥーラ)

すなわちラテン語で「拷問」を意味する。


な?

同じだろう。



「世の中に、寝る程楽は無きものを、知らぬうつけが起きて働く」

「寝るは楽。起きて地獄の夢を見る。寝続けにするこれぞ極楽」


江戸時代の賢言である。

当時の年間労働日数が現代日本の半分程度。


働きたくないと思った者が思い立ち、「俺は働きたくない!」と大通りで叫んでいたらみんなが金を恵んでくれて働かないですんだ。


高等数学が和算という形で発展したのは、農閑期の農民たちによる娯楽として。

ありとあらゆる学問と芸術は趣味として消費されていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三百年前から現代(いま)まで、どこで道を間違えたのか。


ま、良くはないが、まあいい。




そんな実在のアルカディアの話。

実在した以上、再現できる。



なーに、時計の針を三百年くらい巻き戻して、時計を壊せばいいだけだ。

我が人生是にしかず。



そう思っていたこともありました。





若人よ。

学習しなさい。



それは苦痛だ。



あらゆる知性体にとっては。

知性がない者には快楽だが。




学習とはなにか?

訓練、反復、単純労働。


頭が悪い奴はそれを「勉強」と呼ぶ。

頭が悪いんだから、仕方ない。


「学習指導要領」っていうだろう?

「勉強指導要領」って言わないだろう?



キミたちが強いられてるのは、ソレ。

無理やりやらされているのは、コレ。


実はな。



――――――――――勉強と学習は違うんだ――――――――――



学ぶ。

習得する。


意味は真逆。


知って考えて理解して結論付ける。

勉強。


真似て繰り返し考えずに体得する。

学習。


――――――――――勉強と学習は無関係、というより、逆――――――――――


勉強ができる者は学習ができない。

学習ができる者は勉強ができない。


前者は創造的な行為に向いている。

後者は単純反復作業に向いている。


経験を生み出すものと、経験をなぞるもの。

創る者と造る者、科学者と技術者、戦争を行う政治家と戦場を闊歩する軍人。




ひたすら穴を掘って埋める。


古典的な捕虜虐待の拷問。

これを繰り返すと、狂う者と馴染む者が居る。

君はどちらかな。






「学習」指導要領に並べられた拷問の数々。



それは軍事的、心理学的、教育工学的に確立され寒い国々で実践極められた

――――――――――人間の精神を破壊する手順。



旧ソビエト連邦では、反体制派への処置として定着。


あの国だって、いきなり真夜中に連行してばかりじゃない。

ソビエト体制下でも暴力に批判的な人々は少なくない。


「同志。正しい思想を正しく教育できないのは、キミの思想に問題があるのではないかね?」

「同志。教育が成功しないのはイデオロギーの問題かな?党の問題かな?キミの問題かな?」

とかなんとか。


シベリアに送ってもいいが、看守だって寒い。

銃殺しても死体処理には金も手間もかかる。


誰だって、もっともっと楽な方法がほしい。


どこかの政党の比例選名簿順位決定に使われる党員獲得数。

どこかの大司教選定基準に使われる異端者の改宗数。

どこかの大企業が自衛隊に納入した銃身の検査数。


それはあたかも世界大戦中に米軍が撃墜した日本機の数が当時日本で生産されていた航空機数を超えるがごとく。

そんな直球な方法もある。


独裁国家に対する間違ったイメージ。

「反対派は殺してたんだろ」

とうい迷妄は晴れたかな。



もちろん、そんな文化的な方法を嫌うまじめな人もいる。

崩壊寸前の前線に向かう増援の足を止めてでも、アウシュビッツ行きの列車は止めなかったA氏のように。


命令を字義通りやり遂げる人もいるのである。

それが究極の思想学習。




良くある手順。

朝から晩まで睡眠時間を削らせて、起きている間は絶え間なく質問を繰り返し答えさせる。


「あなたの名前は何ですか」

「あなたの性別は何ですか」

「あなたの出身はどこです」


同じことを繰り返し繰り返し。

回答の拒否を赦さず。

同じ事を繰り返し繰り返し答えさせる。


単調で無意味な刺激を繰り替えし繰り返し繰り返し、それを与えられる相手も与える側も無意味だと知っていることを繰り返し繰り返し繰り返し

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すると、いずれ人格が破壊される




この処理を施された人間は、外部からの刺激に反応しなくなる。

自律動作はできるが、思考力や能動性は失われる。


知性がなくても知識は残っているので、命令には従う。

これにて廃人(ニンギョウ)の出来上がり。


筋金入りの反体制活動家なら何年も耐える者が居たそうだが、通常は数カ月くらいで処置が済む。


ロボトミー手術のような外科的措置より手間がかからない。

誰にでもできる単純な手順で人道的に社会の敵を更生させられる。

しかもこれなら快適な都市部で処置する方もラクチン。



生徒諸君。

スターリンもビックリ。

キミたちが日々体験していることだな。


可哀想に。




しかし、それを乗り越えてこそ従順な廃人の演技を身にまとえるのである!!!!

そうすれば一流企業に入れるのである!!!!!!!!!!

そうすれば立派なリストラ部屋が与えられるのである!!!!!!!!!!


なにも命令されない、なにも期待されない、なにも求められない理想郷。

自分と一切関係がない遺産を食いつぶして潰れかけている、ブランドだけは換金できる、辞めなければどーということのないパライソ。


ヤバくなれば税金で補填されるからヘーキヘーキ。

会社が潰れる時にフケれば失業保険から生活保護へのバージョンアップも固い!!


目指そうアルカディア!!!!!!!!!!

楽して暮らそう一度きりの人生!




――――――――――これは――――――――――



青春を遊び倒した者からの、伝言だ。



ああ!!!!!!!!!!

受験勉強してればよかった~~~~~~~~~~



《生徒が仕掛けたとある自衛官の母校OB講演より抜粋》





【国際連合統治軍第13集積地//ゲストハウス/卓袱台の前/青龍の貴族】


俺は懐かしさを感じていた。


あれは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14くらいの頃か。




それは、ふと甦る中学時代。

午睡の微睡みから醒めた後。



誰もいない教室。

さわやかな陽光。

昼休み完全終了。


それは、体育の時間。


そりゃ、教室に誰も居ないわけだ

――――――――――放置。



クラスメートは、先に行ってしまったらしい。

俺が寝てるうちに、みんな着替えたんだな。

荷物だけがそこかしこの机の上にある。


寝てる俺を置いて

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・起こしてくれ、とは思うまい。




起こしてくれそうな女子は、隣の隣のクラス。

寝てる相手を起こすのって、親しくないとやりにくいよね。


でもない?

寝込みを襲ってきそうな元カノは反対隣のクラス。

いや、当時は付き合ってないけど。


貧乳だったし。

毎日プロポーズを断っていたけど。

貧乳だったし。


つまり、寝過ごすのもやむを得ない。


男子はさっさと隣のクラスに移動したのだな。

昼休みが終わらぬうちに、飯を食って移動して、時間のまえにさっさと着替えて移動開始。

ジャージでまったり時間をつぶし、自分の教室には戻らず授業へ向かう。



だから、俺の熟睡に気がつかなかった、と。




中学生時代。


決して俺が嫌われていたわけではない。

虐めた覚えもないが虐められた覚えもない。


金を借りた覚えはないが金を貸した覚えはある。

返してはもらわなかったが、賭けで巻き上げたから同じようなもんだ。


つまりそういうこと。

平和な生徒時代。


寝てるのも仕方がない。



体育会系部活の生徒に、不評をかったことはある。

俺が非公認応援団の首謀者扱いだったからだ。


おはようからおやすみまで、常に生涯誰かを応援して終わりたい。

そんな俺に相応しい部活。


頑張るみんなに終始一貫絶え間なき感謝を送り続けたい。

そんな俺に以下略。




他人の努力は素晴らしい!!!!!!!!!!

頑張るのに向いて無い人もいるんですよ??????????


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・などとは言わなかったのに。


だから仕方なく、ほとばしる思いで自主活動。

面白さの無い人生なんて、つまらない。



炎天下の影すら見えないグラウンド。

寒風吹きすさぶ広く開けたトラック。

蒸し風呂か氷室のどちらかになる体育館。


同年代のドM(部員)。

中学生趣味のドS(指導教師)。


そんな貴重な現象を目にした好奇心いっぱいな中高生、俺たち。


子供は好奇心で出来ているからね。

仕方がないね。


ちゃんと学校側の責任にならないように、暑さ寒さに対する備えを固めた。

意外に影も日向も探せばあるよ?


暑いときは多量の水分とアイス完備し、団扇に携帯扇風機。

寒い時はカイロ準備で熱く着こみ、美味しい鍋をつつきながら。

もちろんできる限り外部の過酷な環境から隔離される屋内を利用。


もちろん学内活動に必要な体裁は用意していた。


アウトドア系同好会を自称したりしなかったり。

天文同好会設立準備会として空を観測することにしたり。

映画動画研究活動の試験と称して撮影していたり。



もちろん運動部のプレイ、いや、練習を邪魔なんかしない。


青春の汗と涙と、時々血を眺めていた。

決してSMショーを愉しんでいた訳じゃない。

心の中で応援していただけだ。


プレイに水を差すなんて野暮だよね。

個々人の性癖、いや嗜好、というか趣味は自由だし。



せいぜいが一クラス分程度の人数。

見学者としては多からず少なからず。

プレイの励みになるが邪魔にはならない。



試合となればトトカルチョなど嗜みながら、音で声援を送ったこともあった。

文化祭ではトトカルチョに一喜一憂する俺たちの姿を公開しようとしたくらいである。


フィクションと断りを入れたモザイク入りで。


しかも公式試合では予想だけに留めた。

金品財貨労働など対価をやりとりしなかった。


不祥事によるゲーム、いやいやいや、オッズの変動、ではなく、ほらあれなんっだけ、試合中止をおそれたのだ。

全額払い戻しは御免だし、親の総取りは気が退けるじゃないか。



いや、ほんとに嫌われてない。


一年も続ければ、運動部諸君も慣れる。

いや、文科系の活動も勝敗さえつけば

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん、嫌われてない。




昔の人は偉かった。

継続は力なり。


人間の適応能力は、なんだって出来る。

苦笑で済むようになるのだ。


自然(人間)は偉大だな~。

つまり嫌われてないわけだ。




寝落ち放置は、自然現象。


単なる公立校。

いわゆる更衣室などない。


体育のような着替えがいる授業は、二クラスひとセット。

男女で教室を別れて屋内で着替える。



俺は放置されざるをえなかった。


俺のいるクラスの教室が、女子側だっただけ。

だから男友達は、早めに隣へ移動。


誰が悪い訳じゃない。

まあ、どーでもいい、青春の1コマ。



どーでもいい、そんなことを思い出したのは何故か。



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