十字砲火

親愛なる同僚議員諸君。

ここから関連質問

「異世界のライフサイクルは？」

に派生させます。

産まれるとすぐに共同体で育てられます。

村や街、支配階級では氏族ですね。

以後、基本的には人口の９０％を占める村落共同体での一般的なサイクルを紹介します。

例外については捕捉文章を読み込んでください。

十歳までには共同体の成員となります。

役割が生じる、といっていいでしょうか。

この年齢が早くなることはあっても遅くなることはありません。

役割を得られ無い者は、それ以前に死亡したものです。

女性は十代の間にできる限り多くの子供を産みます。

その間、母子、まあ母という意識はないでしょうが、を共同体でぐるみで守ります。

幾ら守っても、出産関係で死ぬのは防げませんが。

男性は体力や資質に応じた仕事を割り振られます。

特に重要視されません。

一応念のため。

婚姻という概念はありませんからね。

類似したものはありますが、そのものは支配階級にもありません。

続けます。

人口調整その他で売られるのはこの十代であり、主に男性から売却されますね。

正規の奴隷、という身分になるのはすくないようです。

実質、譲渡ということも多いとか。

二十代になると労働力の中心となります。

子供や母親、その予備とは居住場所が別れます

決まった年齢ではなく、体格で決まるようですね。

そもそも年齢をカウントしていないようです。

三十代から指導層をえり分けていきます。

様々な作業の指揮や、長の補佐などですね

四十代まで生き残ればそこが節目です。

生活場所が移され、二線級の労働力になります。

労働負担が軽くなるために、時間が取れるようになる。

それを生かし、一部の者だけは村長などの指導者になっていくこともあるようです。

大半は労働力としての価値に見合った待遇を受けるだけです。

それでも生き続ければ、そのうちに打ち切られます。

四十代は働き盛り。

そんなことが言えるのは、現代先進国の人間だけです。

地球の現代文明に丸々背負われているからこそ、肉体の劣化を糊塗できます

経験というアドバンテージを生かせるわけです。

それがない世界。

まずもって労働力の価値は、手足「のみ」を使った労働力の価値。

異世界、あるいは先進国以外の地球世界においても、それが常識です。

まずもって動力機器はおろか工具や道具さえ乏しい。

ただ生きるというだけで、多大な肉体的負荷が必要。

肉体の劣化や損耗を補てん補強回復する余地はない。

その余剰労力「のみ」で共同体と繋がり合う。

その結果。

餓死。

いわゆる「姥捨て」のような、現代になってから創作された逸話の様に、ロマンあふれる物ではありません。

切羽詰まらない限り、わざわざ殺したり隔離したりしません。

当然、誰かに惜しまれたりもしないが、本人たちも淡々としているようです。

渇きの無い餓死というものは、あまり苦痛を伴うものではありませんから。

実例を挙げましょう。

日本においては生活保護殺人による餓死が頻発しております。

それは厚生労働委員会委員諸氏にはご存じのとおり。

木っ端役人風情が、財政均衡狂信者の財務官僚から命じられて、余多の同胞を餓死させた事件ですが。

犠牲者はなぜ、理不尽な殺害を従容として受け入れたのか？

生存を希求する生物一般の本能からすれば、おかしな話です。

受給打ち切りの担当者が生存できていることは、あまりにも不自然だ。

つまり、そういうことです。

飢餓状態こそ生物の常態です。

現代先進国住民という一部例外を除いては、ですが。

生物の生態構造は飢餓を受け入れ順応するように設えられている。

ゆえにこそ例外的な状態では不適合と病質が生じます。

飢餓状態を前提としているハードウェア(身体)。

飽食環境を自明としているソフトウェア(精神)。

故にこそ生じる病理。

栄養過剰摂取と過剰消費、ないしは自作飢餓状態。

ダイエットですね。

異世界に、あるいは地球世界でも常にあった日常的間引き。

この殺人、先進国風の基準での、はダイエットよりは合理的と言えましょう。

老衰で死ねる野生動物はいません。

老死というのは檻の中だけで叶うのです。

それこそ、老死を待つ現代の老人と全く変わらない感覚、とＵＮＥＳＣＯの研究者はレポートしています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見届けたんですね。

個人的な親交関係や、人徳で生き延びる者がいる。

つまりタブーやルールではないということになります。

まさに現代社会でいう自然死と同じような扱いでしょう。

《衆議院事務局インターネット配信/衆議院第一別館/衆議院厚生労働委員会》

【国際連合統治軍第１３集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス/出入り口付近外部給水所/青龍の貴族】

などと俺が善後策を考えていると、視界の隅に動く影。

いや、影は動かない。

あれ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・赤い光点が、俺の両手に集合。

レーザー・ポインターかな？

狙撃照準って、それ自衛官が狙ってるよね？？

誤解の気配がしますのですが？？？

話せば判る？？？？

エルフっ子を離せって？？？？？？

【聖都北辺/青龍の軍営/青龍幕舎/出入り口内側/お嬢の背後/魔女っ娘】

きれい。

わたしは眼で追いました。

光の丸。

たくさん付いた、ご主人さま。

手、額、肘、肩、膝、足の甲。

均整がとれた、お肢体。

それが浮き立ちます。

ねえ様を撫でながら、光はずれません。

ご主人様の手先指先に沿って、光が動きます。

まるで。

まるで。

ご主人様。

ねえ様。

二人の逢瀬を彩るように。

青龍のみなさんは、こんなふうに愛し合うのでしょうか。

朝の光の中、赤い光に飾られた二人。

先に抱かれる羨ましさを忘れそう

――――――――――忘れられませんけれど。

順番は、巡り合わせなんですね。

やっぱり。

でも、これなら、ねえ様をちゃんと見ていられます。

もっと、その、恥ずかしながら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・生々しいものかと思っていたのです。

でも、蜃気楼みたいです。

昔々、港街で一度だけ見たことがあるのですけれど。

これが青龍のみなさん、その睦合いなのですね。

お外で、光を集めながら。

――――――――――わたしの時は、何色かしら。

【国際連合統治軍第１３集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス/出入り口付近外部給水所/青龍の貴族】

俺に迫る最終的解決。

元凶をを殺せば万事解決。

異世界的発想で解決とは

――――――――――国際連合的？？？？？？？？？？

俺の手の甲に赤い光点。

手の動き合わせて、動く光点とエルフっ子。

俺の手じゃなきゃ、面白いのだが。

猫と遊ぶ日光反射。

鏡を持ち出して遊んだ遊んだ。

懐かしいな

――――――――――いや、違う。

逃避するまでもない。

恐れるに足りない。

レーザー照準というものは、本来照射点が見えない。

レーザーって普通は発光しないし。

肉眼では見えず、スコープ越しにしか確認不能。

レーザー暴露用の煙幕を焚けば別だが。

でなきゃ、標的に逃げられるからね。

当たり前だね。

フィクションでは赤い光点が浮かぶ。

あんなものレーザーじゃない、ペンライトだ。

噴煙を引くミサイルやジェット機と同じく、リアル兵器が軌跡を追えるようになっているわけがない。

架空の演出。

でなきゃ、視聴者観客に見えないものね。

当たり前だね。

でまあ、そんな謎技術。

帝国魔法使いたちがやるわけ無い。

つまり地球人の仕業。

仕業ってほど大げさな話ではないか。

だからつまり、俺を狙っている、ように見せかけた、光点は？

確認動作。

赤い光点が浮かぶ、自分の手を動かしてみる。

エルフっ子の腰から下に向かうと数が増え、髪を梳くと数が

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・躊躇いがちに、増える。

――――――――――迷いがあるな？

つまり、威嚇、脅し、虚仮威し

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、狙撃銃構えてる人、はっけーん。

フェイクポインターだから、位置特定余裕。

ふ、虚仮威しを。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・？

俺はとっさにエルフっ子を引きはがす、のに失敗。

エルフっ子は俺より腕力が強いのだ。

遺憾ながら。

いっそ強く抱きしめ、エルフっ子の全身をより包み込む。

位置を入れ替えれば、エルフっ子は死角に入る。

ここまで力づく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・銃口はリアルでした

あ、は、ははは、はははははははははｈ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――！

落ち着け落ち着け。

子供が見てるぞ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちびっこにＣｏｌｏｒｆｕｌまでが。

死ぬに死ねない死にたくない。

いやな死に方を考えたことなど今まで一度もなかったが、三佐の示唆に従わされた時だけこのまま行方知れずになったらどうなるだろうとコワかった体験くらいしかないが、たいていは死ぬ死ぬ詐欺でサボろうとしていただけだが、人生初体験。

今初めて悟る、手遅れな真理。

絶対避けるべき最悪の死に方。

―――――――――――子どもの前で殺される―――――――――――

よーし。

避けよう。

逃げよう。

考えよう。

今できることはない。

なぜなら体が動かないから。

いつもの緊急時ハングアップ。

俺の人体の不思議で表情筋すら動かない。

ブルースクリーン状態と言っていい。

死んだふりをすると熊に喰われるだけだという。

狸寝入りは俗説だった？？？

刹那を惜しむ戦場では絶対に避けたい機能である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・良く生きてこれたな俺。

戦場に引きずり出されて一ヶ月半もたつというのに。

運がいいのか悪いのか？

よし。

行動放棄。

観察開始。

知は力なり。

そうのたまわったのはフランシス・ベーコン、あるいはラテン語の格言だったか。

力を手に入れよう。

ＩＧＮＯＲＡＮＣＥ(無知) ｉｓ(は) ＳＴＲＥＮＧＴＨ(力である)。

そんな皮肉もあるが。

俺は信じたい方を選ぶぜ！

狙撃姿勢にある人影。

その一人。

俺の視界に入ってる人。

あれ、陸自のＭ２４ ＳＷＳじゃないな。

基本的に自衛隊が大半を占める国連軍/国連統治軍。

自衛隊の火器、特に国産小火器は使われていない。

信頼性がないからだが。

だが狙撃銃は例外。

戦争を想定しなくても、警備任務などで使用する可能性は高い。

だから狙撃銃のＭ２４ ＳＷＳは米軍貸与品。

これは当然信頼性が高いから、異世界にも持ち込まれていておかしくない。

見たことないが。

んが、あれ、俺に向けられてるのは、違う。

弾倉が見える。

結構大きい弾倉。

５発しか入らない固定弾倉じゃないなアレ。

Ｍ２４はボルトアクションだしね。

軍隊が戦闘任務に使うにしては、火力不足。

治安維持任務でしか使えない。

ってことは。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第１３集積地に、あるわけない、か。

ならあれは、Ｍ１１０ ＳＡＳＳだな。

米軍の最新実用小銃ＳＲ-２５Ｍの狙撃銃。

７.６２ｍｍ弾で、この距離だと、例えば人体が土嚢並みの防弾性能を持っていたとしても、ヤバイ。

貫通する可能性高し。

盾にもなれやしない。

ＳＲ-２５Ｍ自体、数が少ないので今の主力はＭ-１４だが。

一部の強化部隊には集中配備されている。

※Ｍ-４やＭ-１６は口径が小さすぎて威力が問題外なので、基本は日本国内に積棄て。

―――――――――――――――――暴発とか事故とかいろいろあるから、銃口を味方に向けちゃいけません。

そんなの常識ですね。

つまり、味方扱いじゃない、と。

おや、眼がマジか。

迷いがある眼じゃないな。

切れ長で、壁の染みをみるような眼。

スコープ越しの姿。

ショートカットの女性自衛官。

シスターズ＆Ｃｏｌｏｒｆｕｌのサポート担当。

その一人。

お名前も出身地も存じております。

黒髪が素敵ですね。

彼女に限らない。

有志女性自衛官諸氏。

元カノやマメシバ三尉がいない間、代わりというわけだ。

うちの女の子たちに着いてくれる皆々様。

その一人。

まさに子供の世話役に相応しい。

実に説得力がある伏撃狙撃態勢。

おなじような説得力を醸し出している方々、６、いや８か。

ただ者ではない。

間違いなく、人を殺している。

うちの佐藤や芝と同じ。

選抜歩兵だ。

あれ～知が力にならないな～？

ベーコン先生～！！！！！！！！！！！

一番信頼してくれた上官を大逆罪で告発してエリザベス女王に売り飛ばした辣腕をください！！！！

４５歳で１４歳の美少女と結婚したことは忘れてあげますから！！！！！

【聖都北辺/青龍の軍営/青龍幕舎/出入り口内側/お嬢の背後/魔女っ娘】

わたしは、どうしてもチラチラと見てしまいます。

ご主人様に愛撫される、ねえ様。

嫉妬と羨望を隠す、わたしたち。

水場と戸口。

指呼の間ではあります。

でも、遠い遠い距離があるのです。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌのみなさんも、窓に詰め掛けています。

青龍の女騎士さまがいらっしゃるのですから、控えるどころかすぐに打ち切らないといけないのですが。

ちい姉さまはお気づきではないのですけれど、肩をつついても、私に気が付いていただけません。

わたしたちが率先して覗き見

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うぅ～。

でも青龍の女騎士さま、とてもお優しそうに微笑まれるのでつい、御厚意に甘えてしまいます。

やっぱり先に進む、ねえ様に学ぶのは絶対に避けられません。

いろんなことをご存知のＣｏｌｏｒｆｕｌのみなさん。

その上でなお、経験はないので見学させていただきます、って言われておりましたし。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見学する側なのが、悔しいですけれど。

でも、だからこそ、必要なことですよね！

がんばります！！