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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第八章「天獄に一番近いここ」

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一進一退

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします



本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。

他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。


文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。

よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。


・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。

・【語る人間の居場所/誰視点】とします。

・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。

・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。


以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)



委員長より各委員へ。



各委員より事前に質問された基礎情報を説明します。


これらの情報は国際連合事務局に対し衆議院議長より開示申し入れを行い、国際連合総会の承認を得て回答を得たものです。


この回答に伴い、国際連合分担金凍結決議の採択は、週明けに延期されました。


詳細は事前配布済みキーを使いアーカイブを参照してください。

すべて一般公開済みですが、改竄情報やダミーデータをフィルタリングする手間をかけることはありません。


基礎データ以外を利用する場合は、利用する委員自身の責任において行っていただきます。




本日審議する情報は厚生労働委員会関連のモノのみとなりますので、関連付けを希望される委員は該当情報と関連項目を随時提案してください。


ただし、追加希望は次回審議前日までとします。

提案先は私、委員会委員長までとします。




審議前に毎回の注意ですが、各委員の随行員には発言を認めません。

委員への助言はメモ書きで行ってください。


委員以外の不規則発言は委員長判断で退出となります。


随行員の退出は自由、交代も自由ですが、それを理由とした審議中断も再質問も認められません。

安全確認の必要性から、入室時には時間がかかりますので注意してください。



本日の審議は、

「開示された情報の蓋然性を認め審議の基礎とすること」

を認めるかどうか、ということです。


委員長の私が説明し、質疑の後、採決になります



有効性の承認決議が可決された場合

「現在開示済みの情報を正しいものと仮定して」

次回審議に入ります。



国際連合開示情報の前検証は、各議員各党ともすませていますね?

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――よろしい。


では審議前に質問は在りますか?

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――よろしい。


これより、審議を開始します。




《東京都千代田区永田町一丁目7番1号/衆議院第一別館/衆議院厚生労働委員会》






【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス/出入り口付近外部給水所/青龍の貴族】


俺はエルフっ子に集中。

かつ、意識をそらす。


高度なテクニック。


よーく考えなくても、胸周りの下着は無い世界。

古代ギリシャでは薄いリボンでウエストからバストまでを巻いて固定した、などともいうが、それはさらしをまくのとあまり変わらない。


いまも自衛隊支給品を身に付けてはいないのがわかる。

渡されても、慣れないから気づかなかったのか。


いかんいかん。

女の泣き顔は可愛いが、大好物だが、相手は女の子。

そうじゃなかったら口説いてますけどね。

おっと、それじゃ銃殺か

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――忘れてた。




緊張感がなさすぎる。

俺たちにとっては軽いジョークでも、傍から見ればそうは見えないかもしれない。


仲が良い女の子を口説くふり、口説かれるふり。

定番の遊びだ。


だが。

兵士一人一人についている首輪(ドック・タグ)は認識票であると同時に、傍目を記録する監視装置。

それをリアルで、あるいはレコードで見聞きするのは、洒落が通じる相手とは限らない。


子供をからかっている。

大人を受け流している。


そんな理想的な関係を、真顔で受け取る相手がいないとは限らない。

何処で誰に見られているのかわからないのだから。


この子たちを、誰かが常に見張っている。


それはとてもありがたいことなのだけれど。

それがとても恐ろしいことになりかねない。




【聖都北辺/青龍の軍営/青龍幕舎/出入り口内側/お嬢の背後/魔女っ娘】


ふと、わたしは硝子にうつる自分の表情を見てしまいます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大丈夫、でしょうか?


あさましくはない、と思います。

ものほしげでもない、ですよね。


でも、ちょっとだけ、ダメな感じです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・改めて意識しているからでしょうか?


もっとダメな表情をしていないでしょうか??


ちい姉さまのお顔は、悔しそうにしていても、綺麗です。

Colorfulのみなさんも、やっぱり辛そうですけれど、どこか納得しているような落ち着き。

やっぱり、素敵だな、と思います。


ねえ様。

ご主人様。


わたしが捧げられるものは、なんでしょうか。

この肢体だけじゃなくて、まだ御役にたってませんけれど、どうしたらいいのでしょうか。





【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス/出入り口付近外部給水所/青龍の貴族】


俺が泣かせて、おれがたのしんでどーする。

マッチポンプか。


自作自演は好きだが、相手が大人の時に限る。



えーとあれだ。

エルフっ子に集中しつつ柔らかさをスルー。


邪念を駆逐するには雑念が一番。



異世界のメイドさんたちはコルセットに近いものをつけているらしい。

下から胸を支えているのですね。


支えるものがある場合は。


富裕層の女性とは違い、肉体労働なのである程度固定しないと大変だとか。

ただし、上手な固定方法は未発達。



なお、俺はそんな微妙なことは聞いていないんですが。


アムネスティガールズのシュリが雑談のネタによくするジャンル。

異世界女性の風俗、性風俗についてレクチャーしてくれます。


ありがたい話だが、ほんとーに仲良くなってるな。


日本人に慣れている、しかも同性の王城メイドが中心とはいえ。

異世界人と最も友好的なんじゃないだろうか。



プロフェッショナル(娼婦)のコミュニケーション能力おそるべし?


シュリが軍政官やったほうが良くない?


異世界だと職業(娼婦)的な偏見がないからね。

勿論ランク付けはあるけれど。



高級娼婦は高級取り。

若さを失った後は概ね中規模以上の商家に収まり、人脈と交渉術で地位を得て支配人以上に上り詰めることが多い、とか。

一般娼婦は資産持ち。

稼げるだけ稼いで大きな商家に投資して、商家の手代以上の堅い男と暮す有閑マダム、が順当なところ。

低級娼婦は一時稼ぎ。

本業は別にあるが+アルファを手堅く稼いでるだけなので、村や町の決まったポジションからそもそも逸脱しない。



どんな職業にもあります。


戦闘指揮の邪魔にならない平均的な将校。

―――――――――――――――俺、部下に優しくしてもらえます。

サブカルチャーで聞きかじったトンデモ演説を始めちゃう将校。

―――――――――――――――「死ぬな」とか言い出して部隊が崩壊する前に下士官に殺されます。

戦争が上手くて部下一同を地獄の底まで到達させる武将。

―――――――――――――――ほぼ私兵集団になって地獄の黙示録な状態で朗らかに過ごせます。



とはいえ俺の任地。

アムネスティガールズ他地球人との距離が比較的近い。


ほかの土地じゃそうはいかないから、あの太守府だけの特殊現象、らしくはある。

これはアムネスティガールズの管理をしている責任者の女性が言っていた。


元々、アムネスティの売春合法化計画の一環。


国際連合軍の慰安作戦にかこつけて、異世界進出。

実績を積み上げるために、客を含めて完全に管理できる場所を選んだのだとか。


ソレは順調で、さらに可能性を探る必要が出た。

ので、軍事参謀委員会からの提案に乗ったのだという。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言い出しっぺは誰だったのやら。



俺たちのような遠隔地配備の小部隊。

通常の慰安作戦では、常設の娼婦派遣などありえない。


監視を強めて人類への叛逆を防ぐ。

パンデミック・リスクを考えれば、後から銃殺にすれば済むってもんじゃないからね。

そして交代で大規模駐屯地で休暇をとるときに、発散させる。


休暇?

そう、休暇があるのだよ。

兵士には。


軍政官にはないけど。

月月火水木金金だけど。


異世界住民とコミュニケーションをとる立場なので、出来るだけ変化・刺激を避ける。

とかなんとか。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺がかかわっていなければ、納得するんだがな。


やることがない時間も多いけれど。

それも待機時間だから制限付きだけどね



でもいいんだ。

うちの部下には交代がないから。

余りにも遠隔地過ぎて、コストに合わないとかなんとか。


なーかーまー♪


だが。

だが。

兵士たちには、任地消化とは言え休暇もある。


小部隊で警戒要員が足りないから準待機ではあるが、給料出るしね。

作戦中は休暇なしになるのは兵隊さんだから仕方がないしね。

後で清算されるから構わないよね。


ちっ。



慰安作戦どーするのと思っていたら、だから常設の娼婦たちを置く、と。

黒旗団の地球人(ASEAN)兵士向けとセットだけどね。


最初っから、左遷隔離用基地として占領したんじゃないだろーな。


そんなわけで部下たちの問題はないのである。


うーらーぎーりーもーのー!!!!


上官が辛い目に遭っているというのに、同じ釜の飯を食べた部隊の仲間外れの俺が、いろいろ困っているというのに自分たちだけ女遊びか!!!!!!!!!!!

そこは上官を誘っておごらせようとか企むところでしょー!!!!!!

なんで俺は単身で子供たちの目を盗んでシュリたちにアタリを付けて時間と場所を工夫しつつ高密度接触を意図した作戦に失敗し続けてるんでしょーねー!!!!!!!!!!!!!!!



そんなわけで俺だけ割を食っているのである。

苦情はNY国連本部あてに毎日したためている。


三佐への嫌がらせに。

どうせ効いてやしないだろうが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・喜ばれてたらどうしよう。



なおこのアムネスティ管理者さん。

大変魅力的で年のころもよく、公私ともに一般的な、つまり露出も少なくないラフな格好ですが、直接業務をしません。


残念。


同じ作戦に従事する別組織の責任者、って間は口説けない。

退役後にゆっくり口説こうと好感度アップ作戦中。



などと、さすがにエルフっ子を抱きながら考える事じゃない、か?

とも思い、意識を腕の中に傾ける。


意識をそらせすぎると、気づかれる。

気づかれると、また泣かれてしまいかねない。


セルフコントロール。

セルフコントロール。

セルフコントロール。




【聖都北辺/青龍の軍営/青龍幕舎/出入り口内側/青龍の貴族とエルフっ子抱擁場所から5m/お嬢】


わたくしは臍をかみながら誓いを新たにいたしました。


ねえ様は、とても単純素朴なドレスの方が映えるのですね。

ご領主様はお気に召しておられます。


やっぱり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・お肢体が単純ではない、からかしら。



めったに言葉にはされなけれど、ご領主様が感じていることは判りますわ。


微かに目を見開かれる。

素早く全身をご覧になる。

時折、眼で追われ愉しまれる。


何よりお気に召された時は、髪を撫でていただけます。

わたくし、わたくしたちが感じるところを知っておられるから。

その頻度が上がることは、恥ずかしいけれど、とっても嬉しいご褒美。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・気を持たせるだけの、いじわるでもありますが。


ねえ様のドレスを仕立てさせなくてはならないわ。

マメシバ卿(きょーかん)は別な衣裳で手一杯。


きょーかんにも認めていただける、わたくしの感性。

手持ち職人の腕前。


もっと、ねえ様の線を浮き立たせるドレス。

薄くて、手触りが良くて、留め具は簡単にして。


掴む前に愛でていただく。

素肌の前に愉しんでいただく。

遅滞なく機会を逃さぬように、ね。


時間を置くと、耐えきれずに焦れてしまう。

ご領主様が気づかれると、もっと焦らして責めようとされる。


結局、剥かれるだけで寝かしつけられたことが何度あったことか!!!!!!!!!!!!!!!!!




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・堪え性がない、わたくしたちが悪いのですけれど。


でも。

でも。

でも。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――並行して鍛えてくださってもいいのに。




【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス/出入り口付近外部給水所/青龍の貴族】


俺はさておき。

エルフっ子。


胸回りが大変なんだな、と。


さらしもどきでもコルセットでも、時間と手間がかかる割にキツかろう。

体にフィットして苦痛のないタイプは、俺たちの世界では19世紀からやっと完成したとかしないとか、マメシバ三尉が力説していた。


俺に。

なぜか俺に。

いや、わかるけどな。

作るから予算を出せと言いたいのだな。

言ったけど。

言われたけど。


Colorfulの分は国際連合から備品として支給されてるけどね。

シスターズの長女、エルフっ子の分を認めるのに吝かではない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8人分各20セット、ぼったくられました。


俺の金じゃないけどね。


なぜだ!

いや、なんだかわからないことを言われて、反論できなかったんですけどね。



マメシバ三尉曰く。


上下はセットです!

バリエーションは基本です!!

髪飾りから首回り胸元バストウエストヒップ脚からつま先までトータル!!!

統一デザインをさらに組み替えて1000通り以上の差別化できる組み合わせを!!!!


et cetera,et cetera.


お、おう。

どう聞いても下着の話には聞こえなかった。


嫁入り道具かな?

だとすると、経費でまかなうのはどーなんだろう?

貯金をはたくべきだったんだろうか?


桁が違う?????




ま、その辺りは丸投げにするとして。


つまりまだ製作が間に合ってない。

服を作るより細かくて大変そうだってのはわかる。

マメシバブランドは手作りみたいだからね。


だからエルフっ子の胸はフカフカなまま。




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