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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第八章「天獄に一番近いここ」

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虚構兵器

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします



本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。

他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。


文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。

よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。


・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。

・【語る人間の居場所/誰視点】とします。

・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。

・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。


以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


嘗て(かつて)


生真面目さをうたわれた文化がある。


誰が見ていようが、見ていまいが。

利益が上がろうが、上がるまいが。

それを誇れようが、恥をかこうが。


己が技量の粋を尽くし、完全を目指すこと。


目的ではなく、手段が尊い。

結果ではなく、過程が本義。

評価ではなく、満足を追求。


そんな人々が「いた」らしい。


千年以上使える建物を建て。

車検などなくても走り続ける車を造り。

客が気づかぬように工夫を凝らしておく。


その文化の最盛期。


過ちを犯した貴族には、その罪が露見する前に通知したという。


もちろん、知らせに行くのではない。

耳に入るようにささやくのだ。


自刃する間を与えるために。



それを許すことはない。

許せば名誉になり、不名誉を許すことになる。


ゆえにそれを赦すのだ。

赦せば不名誉は不名誉のまま、赦される。


けじめ。



それは最期にも表れている。

その世界の指導者たちは、野蛮人の棍棒が振り下ろされた時。

それを受け入れた。


同朋同士が相争うよりはマよい。

数世紀の平和を、保身のために乱してはならない。


以後、棍棒は民の頭上に降りそそぐ。

数百万の同胞を戦争の地獄に落とす歴史を造ったのだが。

何も生み出さず、過去の残滓を食いつぶし、何もかも失った。


そんなことは想像もできなかっただろう。


彼ら自身がどういう存在であろうと、他人の中に自分を見る。

嘘吐きには嘘吐きが見え、ドロボウにはドロボウが見え、野蛮人は野蛮人しか見えない。


人類共通の「仕様」であるのだから。





さて。

1867年に、その世界は滅びた。

それを継承している世界はあった。






それはまだありますか?







【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス/出入り口付近外部給水所/青龍の貴族】


エルフっ子。


最近は部屋着で薄革の服や、寝間着にあたる薄い夜着で過ごすことも多い。

俺の前ではリラックスしてくれているのかと思うと胸厚、いや胸熱である。


邪険に引きはがすわけにもいかない。

それで嫌われたら、たまらん。

一からやり直しではないか。



今は除染シャワー時に渡されたのだろう、袖も裾も長いワンピース。


国際連合関係施設で異世界人に支給する服の定番。

シンプルで着脱簡易、つまり着方脱ぎ方を教えるために接触する必要性が少ない。

男女ともに同じ。


異世界人の反応はと言えば、特に違和感はないらしい。



生産力が限られている異世界社会。

丈やサイズを合わせる形式の服は、貴重な布地を無駄にする。

江戸時代の着物と同じで、フリーサイズで調整しやすいものが好まれる。

っていうか、そうでないと社会が成り立たない。


故にこそ、性差の有る衣服が一般的ではない世界。

衣服ではなく体形で男性女性を示す。


生産力の限界は、一般的な衣服をシンプルなものにする。

つまりは隠して盛って誤魔化す余地がない。

服を飾らなくても一目で判る。


合理的ではあるが、すくなからぬ一部の人々には性差を越えて残酷な時代。

シークレットシューズなど勿論ありませんよ、念のため。



女性専用のスカート。

それは富裕層の贅沢だ。


男がスカートでもおかしくない、というか、脚全体を覆うスカートっぽい衣服。

それは、もはやスカートとは認識されないのだろう。


お嬢のような富裕層が仕立てて用意させるドレス。

王城に行き来するメイドさんたちのメイド服。


そういえば、これらはある程度脚を出していたな。

そこで性差をアピールしてたのか、もしれない。




帝国軍兵士は異世界社会の上層に位置するので、性差のある衣裳衣服に慣れてはいる。

それでも兵卒クラスであれば私服はワンピーススタイルの物が多い。


虜囚の間は私服準拠ということで、国連軍支給衣服に違和感は感じない。

捕虜は戦闘するわけじゃないから不自由はない。



下士官士官レベルであれば、生活レベルも上がる。

帝国軍は給金制なので、俸給に見合った衣食住を整える。


少なくとも、人目に触れるところでは性差の有る服を整えるらしい。

それは社会的なステータスを誇示するためのモノ。


整えない、整えられ無い者は侮蔑されるだけではなく、帝国異端審問官の監査対象になる。


生活困難、俸給の乱費が疑われるような者。

それは軍にとって危険分子だからだ。


でまあ異世界にも無難な範囲はあるようで。


男ならズボンとシャツ。

女ならスカートとブラウス。


地球風に言えばそんな感じ。

とはいえ、国連軍支給の男女兼用ワンピースに不平不満が出るわけでもない。


完全なプライベート、私邸や私室の中では性差のある服なんか着ないからね。

ステータスも何も、捕虜なんだからこんなもの、で納得する。



貴族はさすがに顔を顰めるらしいが、最後は苦笑して受け入れる。


彼等は戦場にも当然衣装箱を持ってくるのだが。

上に立つ者として当然、下に従うものに差をアピールしないといけないので。


だが部下と一緒に捕虜になった時点で、過度なアピールをしない事こそが規範を示すことになる。


わざわざ敵、つまり国連軍と軋轢を起こせば部下もそれに続く。

いずれ帝国軍への復帰を疑っていない彼らは、部下を失わないようにする。

部下と切り離されないように考える。


なら、したがった方がいい。

黙々としていると舐められるから、不満のアピールだけは行う。

それで部下たちへの体面を保ち、どうじに捕虜全体のガス抜きもする。

そういうこと。


捕虜が内部でガス抜きまでしてくれるって、どんだけサービスがいいのか連中は。



解りあえて良かった良かった。

解りあうために解りあえない人たちを殲滅する手間は、最小限で済んだらしい。

知性と理性に万歳三唱である。




ただしここ、第十三集積地は例外の一つ。

徴集領民たちや帝国軍捕虜に国連軍規格品は支給していない。


帝国軍捕虜は、捕虜のまま労務と称して軍務を継続させている。

故に、衣服装備は従来のまま。


装備を整える職人や鍛冶屋まで抱えている。

それでも自作自給できない補充は国連軍の接収品が供与。


徴集農民は?

食料と、もともと聖都に在った工具農具。

それ以外はノータッチ。


そもそも捕虜じゃない。

帝国が管理していて、国際連合には利用価値のない帝国資産。


余剰食糧を利用した行商人との取引まで含め、帝国軍管理時代と国連軍管理時代に大差はない。

もちろん、生活面だけの話。


ゾーン管理による完全隔離。

聖都解体作業から居留地の開墾作業への変更。

必要に応じて行われる虐殺の手法や範囲。


そういった変化はある。

それを背景としているのだが。




【聖都北辺/青龍の軍営/青龍幕舎/出入り口内側/お嬢の背後/魔女っ娘】


わたしは恥ずかしさに堪えて、考えようとします。


ねえ様は、耳まで真っ赤。

ご主人さまの好みはどうあれ、大きいのは良いことなんでしょうね。

ご主人さまだって、時折、眺めて楽しんでおられますし。


でも

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・触っていただく回数は、わたし、ちい姉さまの方が、多いし。


小さい方が、お好きなんてしょうけれど。


ご主人様にお仕えする前は、ねえ様みたいな肢体に憧れていました。

今でも格好いいと思います。


でも、大切なのは、ご主人様の好み。

たぶん、ではダメですね。


はっきり比べていただかないと。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・違った、ら


ぅう~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス/出入り口付近外部給水所/青龍の貴族】


俺はエルフっ子が泣き止むのを、じっと待つ。


本当は全力全開で泣いている方が、落ち着くのも早い。

すすり泣きは持続する。


今のように涙を流さずに涙目となれば、十分以上はかかるだろう。

はてさて。



エルフっ子が着る、化学繊維のシンプルなワンピース。

ウェスト辺りでベルト締めで、足元はこれまたシンプルな医療用のサンダル。

濡れた銀髪が背に流れて、春風にあたっていた。


妖精か。

エルフって言葉の意味は?

妖精の一種だったっけ。


いや、もっとよく見ておけばよかったな。

思いだすにつけ惜しい。


慌てて抱きしめたから、今は全て腕の中。

視線を下げるとつむじ、じゃなくて、上目遣いで見あげてますね。


そのシャープで優美な輪郭の下。

押しつぶされている者が見えます。


もちろん、服の生地、その中に総て包まれてますよ?


エルフっ子の服装。

マメシバブランドと違って、国際連合統治軍正規備品。

指向性チラリズムなどというギミックは無い。


ただ、包まれていてもサイズははっきりわかります。

嵩上げ、補正、偽装に捏造、あらゆる努力が不要なそれ。

むしろ逆。

抑え、支えて、隠そうとして包み込む。

そんな努力を無視している双球。




そしてふかふか。


いや、そこだけの話ではなく。

全身がね。


鍛え抜かれた筋肉に、シャープな動きに特化した身体。

なのに、あちこち、やーらかい。


硬いところがなくないか???


俺の手の中。

エルフっ子、普段、寝る時以外は革鎧。

いまは鎧を付けていないからこそ。



革鎧姿もカッコいいけどね。

肢体にフィットして、胸や腰まわりのラインがはっきりわかる。


が、もちろん堅い。

革鎧は堅い。


うん、納得。

改めて撫でると判るよくわかる。

今は鎧がないからね。


こんなに柔らかい肢体が中に入ってれば、鎧は堅くないといけない。


革鎧の胸周りは乳袋、ではなくカップ、ケースと言うべき防具。

形がはっきりわかるのも、アピールな訳がない。


長時間潰したら、圧死するからだ。


だから大きさと形に合わせて、革を成形する。

ピッタリとつくると圧迫感で辛い。

遊びがあると中で跳ねて痛い。


らしい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エルフっ子談。


以前に聞いたのだが、赤面しながら話してくれた。

質問を素直に声に出すべきじゃないと思った瞬間である。




エルフっ子、だけじゃなく、シスターズ&Colorfulたち。

なんか、聞かれたら何もかも答える、と決めているらしい。

止めようとすると、かえって涙目になる。


ので、俺の方で配慮が必要なのだが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・聞き出してしまったものは、仕方がない。



つまり巨乳にしか判らない苦しみがある、らしい。


大きいことは、良いことですけどね?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おいたわしや。




確かに、そういう苦労と縁がない人たちもいるだろう。


走ろうが跳ぼうが飛び上がってさえ、まったく揺れない方々。

まあ贅肉ですらない、周り肉を補正というより強制してれば当たり前。

健康に悪いといえば悪いが、ハイヒールだって悪いしね。


胸に纏う其はなんぞ?

ブラジャーという名の概念をまとっている。

とでも言おうか?




ステータスだなんて戯れ言、女性に言わないよーに。


オシャレは我慢だ!

って言ってたのは誰だったか。

地球世界でよくあるように寄せて上げて固めると、大変にカチンコチン。



大人になれば大きくなる、とか言わないよーに。


女性の成長期は早くきて早く終わります。

ぶっちゃけ中学生で終わる(文部科学省統計より)。


大人になっても、まあ、ほら、あれだ。

男に比べて解剖学的個体差が少ない、のではあるが。

例外部位もあるわけです。


高校生になれば。

中学生にしては。

高校生なのに。


などなどいう奴は、リアル女子と付き合いがなかった選ばれし民と言い切れる。




いや、好きですけどね?

俺は。


頑張ってる姿、じゃなくて。

頑張って頑張って頑張って、どうにもならない瞬間に、暴くのが大好きです。

絶対に部屋を暗くしたりしません。


恥じらいすぎる姿は可愛いと思います。


部屋を暗くするのがいい、って言ったじゃないですか!!!!!!!!!!

と涙ぐまれても困らないのである。


あれ、ウソ

――――――――――――――――――――――――――――――ヤベ!

三佐が染った!!!



さておき、それどころではない。



貧乳時代の、あたしに謝れ!!!!!!!!!!

と叫んで詰め寄った元カノを思い出す。


知らんがな。


だいたい元カノの貧乳時代は、ほぼ中学生時代。

高校生で局所的急成長を遂げた異端者。

たぶん。


高校進学時、あきらめろ、と諭したのは事実だ。

んが、からかったりはしていない。


悪いのは統計であって、俺じゃない。

恨むなら大多数の同性を恨め。


といったら、大きくなるまで相手にしなかったことを謝れ、とかなんとか。

中学生に中学生が手を出すものか。

たぶん、おそらく。


だとすると、元カノの胸には怨念が詰まっているらしい。

それをバネに大きくなった。

目出度し愛でたし。



――――――――――さておき、それどころではない。



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