It's A Good Day To Die!/死にふさわしい良い一日を!
【用語解説】
『スターシップ・トルーパーズ』
合衆国海兵隊推薦映画にして異世界から転移してきた戦意高揚映画。
同じく推薦映画でありこちらは現世界映画である「地獄の黙示録」がビル・キルゴア中佐の登場をもって終了するのに対して、本作はシリーズ鑑賞が義務化されている。
内容は「地球人類固有の領土に先住していた異星人を無視して正当なる入植活動を強行した結果、異星人はいきなり神聖不可侵な地球本土に隕石攻撃を行うという蛮行に出たために地球人は自存自衛の為に異星人絶滅を誓って始まった十数年にわたる恒星間戦争(終了未定)」である。
戦闘シーンはあたかも朝鮮戦争後半における米軍兵士(VS人民解放軍とは関係ない中国人民志願軍)、イラン・イラク戦争最盛期のイラク共和国兵士(VSイスラム革命防衛隊)の体験談の如くリアル。
「撃っても撃ってもきりがない!」ってそんな感じ。
「地球連邦軍ニュース」は映画本編であり、地球連邦軍の勝利に満ちた戦況を正しく伝達し地球人類の進むべき道を正しく広報し反地球的活動(反戦活動や平和主義)の末路を知らしめてくれる。
なお地球連邦軍軍人以外は市民権がないのだが、志願すればすぐに付与される。地球連邦軍は地球人類の意志の代表なので「神が存在するかどうか」や「一人一人が今すぐすべきこと」などを司令官が決めてくれるのだが、それも地球連邦軍ニュースで広報される。
ちなみに神はいる。
「異星人死すべしと神が言っていると地球連邦軍が承認した」のだから間違いない。
なお「娯楽の中にこそ最高の宣伝がある」とゲッペル○博士が言ったとか言わないとか諸説あるが、地球連邦軍ニュースもその辺りは抜かりがない。
地球連邦軍司令官が最高のステージで披露する「今日は死に日和」は名曲であり、フルコーラスエンドレス鑑賞が義務といっても過言ではない。
聞いていれば人類の為に今すぐただちにすべてをなげうって死ぬべきであると納得できるだろうから、納得できるまで聴くこと。
もちろん地球連邦軍は倫理観や道徳の規範となるどころかその物なので、年端もいかない子供たちを最前線へ無理やり投入したりはしない。
歌い踊る地球連邦軍司令官はイケメンの壮年男性である。
いやしくも名誉ある地球連邦軍にいずれ志願すべき地球人に産まれながら、成長してから自主的に宇宙艦隊に喜びをもって志願するに決まっている少女を敵前敵中に特攻させて歌い踊らせるようなことを考えたら銃殺の名誉は与えられず、平和主義者たちと一緒に絞首刑にされるだろう。
そういえば地球連邦軍ニュースで放送されていた処刑シーンでつるされていたあのデブは業界関係者だったのかもしれない……。
HE――――――――――Y!
Men!!!!!!!!!!!!!!!
AMEN!
Central!!!
North!!!!
South!!!!
ALL FRONT Brother!
イキてるな?
今日も戦死者Zero march!
勝手に死んでる子はいねーがぁ?
非実在戦友はスルー推奨。
WHOを覗くと深遠が見えちゃうぞ?
إن شاء الله
※御心のままに(アラビア語)
水曜日、最初のニュースは、ダンジョン攻略開始。
接収した未踏破ダンジョンの燻蒸処理 が完了。
大気より軽めの神経ガス。
ダンジョン密閉後にコンプレッサーでぶち込んだアレ。
最深部へ多分、届いた。
解放し一週間かけて喚起ガスをぶち込んで、ガス抜き。
アガりがやっと今日なんだな!
JGSDF川口一尉率いる探検隊が踏破に入る。
最初に偵察ユニットが入るから、川口探検隊長の前人未到第一歩から中継が入るぞ!
鬼がでるか邪がでるか?
どっちにしろ食えそーにねーな。
そーいや練馬のニンジャ、服部一佐が証人喚問。
野生DRAGONをバーニング!
卵を食った歴史的偉人。
まったりか?
コクがあったか??
叫んだのか???
オンセンeggじゃねーだろ!
Dragon Omeletだろぅ~~~~~~~~~~?
議員諸氏にはそこんとこYOROSIKU!!!!!!!!!!
では一曲。
『今日は死に日和』
合衆国海兵隊推薦映画「スターシップ・トルーパーズ」より。
おーと、地球連邦軍最高司令官閣下の美声に惹かれて間違えるなよ?
国際連合軍は多世界最強
――――――――――ハラカラ声ダセ!!!!!!!!!!
ナムアミダフツ!!!!!!!!!!
〈JOIN UP NOW?〉
《国際連合軍ニュース/軍事参謀委員会観測室》
館。
実質籠城中。
偵察ユニットは八の字飛行。
エンジンを起動して高度を稼ぎ、エンジンを切って音を最小化。
位置エネルギーと大気抵抗を生かして徐々に降下。
上空滑空を繰り返し、複数街区を低空偵察。
近接偵察時は滑空で音を殺して敵に気が付かれないようにする。
それは定石であり、自動モードで扱えばそうなる。
あえてエンジン音を響かせて暴徒の頭上を掠めさせる。
という方法もあるが、ミラー大尉はその手を使うのは最期と心得ていた。
威圧になるか暴発につながるか、反応が読めないからだ。
暴徒たちは、帝国を敵に回している。
しかもなぜか、国際連合を後ろ盾にした気分で。
国際連合の偵察ユニットを見て、かえって調子に乗るかもしれない。
ミラー大尉としては、バカな誤解を怒鳴りつけてやりたい。
だが、出来ない。
UNESCOの資料回収任務以外で言えば、警告を与えること自体が軍規違反だからだ。
最悪、低殺傷型ミサイル代わりに暴徒たちに突っ込ませてもいい。
全力で突入させればGBU-44/Bバイパーストライク以上にピンポイント攻撃が可能。
その威力は炸薬20kg(GBU-44/Bの弾頭)ほどではない。
だが、だからこそ部下を守りやすい。
だがそれは、今ではない。
ミラー大尉はそう考えていた。
館の外。
暴徒の数は増え続け、館の外壁、方形の地所をすっぽりと囲んでいる。
その上でさらに増え続けている。
正面の通りに千余り。
左右に隣接する館の脇道に百前後。
背後の裏通りには数百程度。
街区全体で見れば、数千余り。
当の館を見られない範囲にも、押し合いへし合い進むに進めぬ芋洗い。
他の邸宅も門扉を閉じて息をひそめている。
暴徒たちが「手近な館に押し入ろう」などと思わぬように、刺激をしないように。
屋内で物音ひとつ立てず咳きひとつも上げず。
武装して出入り口付近に潜み、ことに備える。
門や壁を見張り、暴徒に狙いを付けられれば跳びだせるように。
そうなれば柵を越えられ門を抜かれる前に、威圧して追い返さねばならぬ。
多くの邸宅にはそれなりの家人が詰めている。
だからこそ、暴徒の主目標にならなければ対処可能。
普段であれば、貧民など視線ひとつで追い払う。
日常であれば、住民など背を打ちすえて追い立てる。
暴動であれば、暴徒に目を付けられない事だけを工夫する。
だが、暴徒の唯一目標となっている館。
普段から目立たぬように、揉めないように振る舞っているセーフハウス。
だからこそ、暴徒たちには狙いやすい。
暴徒の先頭を切っているのは、都市特有の貧困層。
失うものがなく、決して満足できない心の飢民。
その大半は、飢えてはいない。
邦全体が飢饉にでもなれば、真っ先に飢えるだろう。
だがもちろん、数年来続く豊作であれば心配はない。
都市に貧困層が現れるのは、都市なら生存が成り立つからだ。
都市にしかいない富裕層が、有り余る財を集める。
都市にれば、その飛沫を浴びることができる。
富裕層あってこその貧困層。
都市機能として、最底辺の労働力でもある彼ら。
死体処理、汚物廃棄、中層住民の不満解消。
汚れて傷つき傷つけられる。
何を手にしたとしても、決して幸福にはなれない。
どれほど望外の幸運に恵まれても、決して喜ぶことはできない。
手の届くところに、何もかも手に入れている姿があるからだ。
目に入るところに、生まれついて死ぬまでも満たされた者がいるからだ。
都市の貧困層。
それは眩い燭台の真下。
手の届かない光。
光を見あげる特等席。
死ぬまで約束された、絶望と羨望。
彼らが先陣を切るのは、当然といえるだろう。
彼らがためらわないは、当然といえるだろう。
文字通り「頚木の他に失うものなどない」のだから。
とは言っても頚木を失うような幸運は決して訪れないのだけれど。
そんな彼らが向かう先。
帝国貴族が隠れるという館。
未だにそれを確認した者はいない。
皆が皆、心の目で見出しているだけ。
だが、そこは襲いやすい場所だった。
責めやすい構造というわけではない。
目立つほど豪華なわけではない。
内通者がいるわけでもない。
高級な邸宅が並ぶ街区。
その真ん中にある、目立たない館。
もちろん、富裕層の持ち家が並ぶ場所。
それなりに贅を凝らし、工夫してあり、守りも硬い。
つまりは街に溶け込んでいる、その辺りでは平凡な館。
非凡なことは、暴徒の先頭を走る、結果として先導している貧困層とのかかわり方。
彼等が忌避してしまうような経験。
彼等が打ちすえられた経験。
彼らが威圧された経験。
この館だけは、それがないからだ。
虐められた側は、虐められたことを、決して忘れない。
生涯にわたって恨み恐れて、怯えて過ごす。
虐める側。
虐められる側。
それは生涯変らない。
だからこそ、虐められたことがない相手になら、襲い掛かれる。
だからこそ、安心して無力そうに見える相手に、襲い掛かれる。
被害者が切望するのは復讐ではない。
加害者になることなのだから。
それは何も、道義や倫理の関わる話ではない。
単なる自然の摂理。
社会性動物は序列の順に生き残りやすくなる。
上から下へ、生から死へ。
傷つき疲れ失って、序列を下げたとしよう。
あるいは序列の上位、優位なものに奪われたのかもしれない。
それは死に近づくこと。
どうする?
下がった立ち位置を回復する方法は?
同列に近いものを引きずり落とすこと。
序列が下の者から奪うこと。
自分が成長し強くなる必要は、まったくない。
相対評価が世界の常なら、他人を弱くすれば事足りる。
復讐など徒労に過ぎない。
既に明白な力の差、故にこそ奪われ傷つけられた。
再度、挑むなど自殺行為。
人は復讐する動物か?
否。
八つ当たりする動物だ。
そんな自然の摂理に目を背け、息をひそめていた館
危険極まりないゲストを迎え、単に目立たぬよう動かぬようにとしていただけ。
それこそが風説風聞に基づく暴徒を、寄せ集めてしまうことになった。
それは水が低きに流れるようなモノ。
いっそ程よく、物乞いを半殺しにしておけばよかったのだろう。
邸宅街には富を当て込んだ物乞いが集まりがちであり、それをどうしようと街の者たちは気にしない。
多くの館では、警備の者たちが打ちすえる。
何をやろうがやるまいが、眼にしただけで半殺し。
だがこの館は、目立たないために物乞いや貧民を黙殺していた。
だからこそ今。
館を狙う暴徒には貧民だけではなく、物乞いも加わっている。
敵を増やしてしまったわけだ。
では味方は?
ここは邸宅街。
物乞い、貧民、便乗した下層民。
普段であれば半殺し、追い立て、一殴り。
周りの館にはそれぞれ、家人が詰めている。
暴徒になっている連中を敵視している者たちが。
誰も助けようとはしない。
普段から地域活動ゴミ掃除に付き合わない館。
当然、近所では浮いており、この時一番の支援は見込めない。
主の意向がどうあれ、現場は現場同士。
家人のレベルで付き合いがあれば、隣家が威圧して暴徒を少しくらい引き受けてくれたかもしれない。
強い相手と仲良くし、弱い相手を虐めないとこうなる。
それは多世界共通なのだろう。
故にこそ、地球世界でもそれは同じ。
だとすれば
「国際連合の方針は何なのか?」
ということになる。
恨みをかったら殺す。
恨みをかうまえに殺す。
恨みの可能性があれば殺す。
国際連合軍のドクトリン。
いやいや、恨みをかう以前の問題。
そもそも、相手を傷つければ恐れられるだけ。
嫌われるどころか、恨まれなどしない。
では、なぜ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・現合衆国大統領の性格、いや、性質だろう。
殴られたら殴り返す。
殴られそうなら殴る。
殴られたそうなら殴る。
強者の理屈。
虐められたことがない、虐められる可能性などない。
産まれる前から死んだ後まで、普遍不動の真理でしかない。
殺されたとしても、揺るぎもしない。
強者の発想。
報復。
攻撃。
殲滅。
彼我の強弱など無関係。
周囲の環境など問題外。
敵が誰かは考慮しない。
格差がどれだけあろうと、対抗手段ならいくらでも考えつく。
自分出来ることは誰にでもできる。
物理的に可能なことが人間にできないはずがない。
そう感じているが故に、そもそも強者の自覚がない。
「産まれは争えない」と言う。
人類世界一の軍事強国、その有力軍人一族、カリスマ軍人の孫娘。
合衆国大統領は、総領娘として産まれ育ってきた。
絶対者である祖父を仰ぎ、祖父の威光に照らされた。
従ったことはあれど、従えられたことはない。
長じてなお、様々な知識や経験に覆われても、本質的な部分は変わらない。
頭で理解してなお、心で感じることはできない。
何処かの軍政官が
「異世界に子供という概念はない」
と知ってはいても、
「子供扱い」
を止められない、自覚もないのとまったく同じ。
疑問すら持たないし持てない。
ある種の無邪気さだ。
だからこそ、彼女は探してしまう。
全力で抗う者たちを。
必死に抵抗する者たちを。
永久に戦い続ける者たちを。
その指揮下にある者たちが、そのように行動するのは必然だった。
当の場所。
弱者の原理に囲まれた強者の論理。
その狭間。
望まぬ運命に立たされた人数は少なかった。
不幸な人間が少ない。
それは、幸いなことなのか?
それとも、不幸なことなのか?
館の内情を漏らさぬように、信用のおけるものだけが配置されている。
故にこそ、館の守りに割ける人間は少ない。
「二人以上が知れば秘密は保てない」
などと言う。
保てなくとも保てるように。
最悪でも漏えい源を特定できるように。
関わる人数を絞るのが基本。
今は?
厨房を仕切る料理人が2名。
館の整備を兼ねる警備役が10名。
隠れ潜んでいたゲストが1名に、御付きが3名。
あとは闖入者だけだ。
正門前の通りはこの街区、邸宅街の目抜き通り。
郊外ではなく発展余地がない、土地が限られた城壁都市の中。
個々館の敷地を生かすために、通りが馬車留めのスペースとして共有されている。
園遊会の客が乗降するスペース。
館への資材荷物搬入の作業スペース。
などなど、一時的にでも必ず必要なスペースを街区全体で共有すること。
それにより、個々の敷地いっぱいに住居建物をしつらえるわけだ。
そのスペースは暴徒たちが主戦力のたまり場として利用中。
スペースがあるだけに活動しやすい。
鈍器を振り回すにしても体当たりするにしても石を投げるにしても。
今でこそ、すし詰めの暴徒たちが自分たちで自分たちのスペースを埋まっている。
もっと考えて場所を空ければとっくに門は壊されていただろう。
だが、その分圧力は最大。
館の外壁外郭が破られるなら、ここからだ。
警備役は裏門の見張りに2名。
左右の脇道の見張りに1名ずつ。
正面正門前に6名。
正門前の6人は武装している。
だが実質、見張りとしてしか役に立たない。
柵が越えられ門を破られたら、全員屋内に撤収。
ただし、誰も居なければ暴徒はより大胆になる。
暴徒に怯えて逃げ出せば、すぐにでも門を破られる。
彼等は少しでも時間を稼ぐために、暴徒を見据えていた。
館の中。
軍曹は後続を置いていかないように、早歩き。
廊下を進みながら、背後のメイドに命令。
もっともメイドというわりに、命令されることに慣れていないようだ。
メイドといえば使役される役目。
だが、もともとが使役する富裕階層出身の少女。
コレといった目的もなく帝国貴族令嬢に見いだされ、臣下に迎えられただけ。
それも今日という日を想像すらしていない、平和な時代の話。
日の出の方角からやってきた恐るべき侵略者に、世界がひっくり返される?
予想できるわけがない。
メイド、メイド姿の少女たち。
令嬢に対する忠誠心。
令嬢との相性。
それしか見られておらず、コネを除けば特段の技能があるわけでもない。
もちろん、令嬢の逃避行には、そのコネこそが最も大切だったのだが。
縁故を紹介し、嘆願と哀願を行って糸口をつかむ。
その後の調整は家臣たち、今は執事しか生き残ってないが、が行う。
いつしかメイド服を纏うようになった。
正規のメイドや侍女たちが、次々と領民たちに討ち取られていったからだ。
逃避行の最中、不便をかこつ令嬢を最大限支える為に、少女たちが身の回りの世話にまわった。
本来であれば、令嬢の臣下としてメイドたちを監督するところから始めるのだが。
結果、その役目に一番似つかわしい装束を纏うことになる。
それが一番、役目を果たしやすいから。
だからこそ、地球人たちから見ればメイドにしか見えなくなっているのだが。
それでも、それは外見だけ。
軍曹は知らないが、この帝国貴族令嬢は命令しない。
皆が察して奉仕する。
しかも逃避行の間は、皆が令嬢に指示する事が多かった。
指示、というより、伏して願い奉る、か。
軍曹はまるで気が付かず、部屋を出る時にメイドを呼び従えた。
もちろん、令嬢が頷いたから、メイドは付いて来たのだが。
そして軍曹は気が付いていない。
メイドは男に、大人に怒鳴られたことがないことを。
軍曹が端的に伝え、必ず返事をさせている。
それは新兵訓練や、気心が知れていない者を相手にする時。
下士官としての定跡。
それがメイドにとって、怒鳴りつけられたに等しいこと。
故に令嬢ほどではないにしてもお嬢様育ち、であるメイドは怯えてしまっていた。
だからこそ納得以前に従えられる訳で、寸暇を惜しむ軍曹にとっては実に好都合だったが。
そんな背景に気が付かない軍曹。
歩きながら索敵情報を確認。
AC130スプーキーⅢが二機追尾隊形。もはや、エンドレスエイト(八の字飛行)を終了。
爆撃侵入態勢。
フライパスを繰り返して、最終調整。
だが、まだ高度をとっており、速度も速い。
ミラー大尉の時間稼ぎ。
その間を利用して攻撃精度を上げるつもりだろう。
それはこちらもおなじこと。
士官がなにをどうしたのかは、下士官には判らない。
だがそれは上手くいったようだ。
そしてそれは、長続きしない。
だから、この先は現場の責務。
軍曹は走りながら思った。




