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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第六章「南伐」

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神聖喜劇(戦前)/Commedia♪

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【用語】


『シスターズ』:エルフっ子、お嬢、魔女っ子の血縁がない三姉妹をひとまとめにした呼称。頭目の愛娘を加えるときは「+1」とか「+α」などとつける。


『Colorful』:ハーフエルフの最高級愛玩奴隷たち。髪の色がいろいろなために神父により命名。一人一人の名前も髪の色に合わせて白・朱・翠・蒼・橙と主人公に名づけられた。



当日申告にて有給としたのは、パニック状態にある子供を保護するため、だったわね。


「おっしゃる通りです」


足元にしがみついている子供は落ち着いているようだけれど。


「警務隊の紳士淑女諸氏の尽力により無事解決しました」


貴男の子供じゃないわよね。


「自分は未婚で在り、婚外子の存在は確認しておりません。家庭の事情と解釈されたのは説明不足であり、反省しております」


確認はしていない、と

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰の子か把握している?


「通勤途上で確保しました。児童の移動範囲で聞き込みは完了しております」


保護者は。


「子供を扶養するために働いていると側聞しております」


保護者に連絡を取らなかった理由。


「当該家庭の経済的破綻について、自分は対処できませんので」


それが欠勤の理由?


「あるいは国防の義務として出勤扱いを申請するべきであったかもしれません」


その子はわが国民ではないようだけれど。


「ではPKO手当を申請いたします」


よろしい。

その子の人生は私が保障します。


「さすがは三佐殿。自分は感激に耐えません」


貴官には特別演習参加権を付与しましょう。


「さすがは三佐殿。自分は体調の悪化によ」


三宿(駐屯地)へ連行。

診断書をとったらそのまま長野へ。



《警務隊尋問室利用時記録:某年某月某日》


※三宿駐屯地:自衛隊中央病院所在地

※調書をとっていないために事件性はないものとして扱われる





【国際連合統治軍/第13集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス】


決して枕向きの体格じゃないんですが、俺。


お世辞にもせよ、鍛えてある、とは言わない。

だが、なまってはいないから、堅い。


事務しかしないのに、基礎訓練は必須だからね。

軍隊、のような自衛隊。


一応、戦場に出る可能性は捨てていなかったのだよ。


俺は捨ててたけどね?



捨ててなかったのは、戦争をしらない老人たち。

だから、訓練時間がある。


定期的かつ規則的に毎日、毎週、また時々。


戦争を今後とも知る可能性が無く、知られても居合わせる若者が迷惑なだけの爺さん婆さん以外。

つまり訓練するのは、若い奴らだけだが。



大切な書類整理時間を捨てても、だ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――残業などしない、もちろん。



ああ、当たり前だが実戦を想定したりはしない。


銃を持ち出したりしません。

実弾なんか見たことありません。


訓練弾なんか貴重品です。


そんなことも知らない世間知らずは、新人の中でも百人に一人くらいだろう。

そーいうヤツに限って、訓練で消えるが。


邪魔だから消している。

とは、自衛隊時代、訓練教官の言葉。



だから募集担当が苦労する。

だから訓練担当が苦労する。


採用係と教育係。

この反目は永遠に不滅です。



あなたの若い命が必要です。

三自衛隊志願者募集中。


知識がなく、常識があり、コミュニケーションに長けた方限定。


未経験優遇。

一度追い出した経験者はご遠慮ください。


信念がなく、拘りのない日和見で、嫌なことを忘れやすい方。

貴方、貴男、貴女に異世界の運命がかかっています。


異世界や異種族や戦争に、事前知識が無い人を求めています。




まあ今の志願者は、知識欲のクリーチャーばかりだ。

ユネスコは志願なしのスカウトばかりだからね。


異世界の文物を調べられる、っていうと自衛隊経由国連軍かな

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何でそう思ったし。


異世界を調べるために戦争してんじゃないから!!!!!!!!!!!!

異世界と戦争するために調べてるだけだから!!!!!!!!!!!!!!


調べるどころか見聞きもできないよ?



国連軍兵士は大規模駐屯地の中で、異世界の地面となら仲良く出来ます。

無許可掘削も昆虫採集も禁止です。


虫がいるか疑問だが。

化学熱学消毒ずみだからね。



本来の意味で戦闘職への志願者皆無。

日本人は賢明だな~(棒)。



まあ異世界にくる前から元々、陸上自衛隊の実戦任務なんか、せいぜいがPKO。

それは限られた専門家が、僅かな実戦装備をかき集めて送られる場所。


レア中のレア。



政治家の中でも特殊なアレが、そんな貴重品を消耗しようとしたりもする。

――――――――――んが、そこはそれ。


上に無謀あれば、下に穏便あり。



PKO常連の各国軍とは話が付く。

軍は軍同士。


微妙な警備任務に、素人を連れていく奴なんかいない。


素人じゃない?

死体袋も持ってない。

衛生兵も軍医も数が極少未経験。

軍隊基準の医療キットも見たことない。


実戦準備を持ってない、想定してなきゃ素人以下だ。

むしろ素人の方が避難が赦されるだけマシ。

そんな俺たちが、銃みたいな粗悪品を掲げていれば尚更。


国産以外を考えていない。

想定戦場皆無で製品テストも怪しい。

どっかの省庁の消化予算配分品っていう自殺グッズ。




第一、PKOやPKFの護衛作戦は難しい。

いや、PKOやPKF自体が難しいんだけどさ。


その中でも警護任務となれば、最悪の任務と言っていい。


普通の戦争なんか比較にならない。

敵味方判然とせず、軍人どころか戦闘員って認識すらない。

お互いに、だ。


それがどんな意味を持つのか?


考えればわかるだろう。

初手国際法埒外のゲリラ戦。


ベトナム戦争中の補給線維持作戦、と思えば判りやすいか?


従来行われていた掃海作戦とは全く違う。

あれは、技術力の無い相手が絶対に手を出せない場所で行うからね。


陸上作戦の場合は、やる気溢れる素人ならば誰でも可能。

やる気溢れる素人がやる気のない素人と混交状態。


初手、末期戦。

考えない者にだけは、わからない。




今、俺たちが異世界で無双できるのは、国連軍ドクトリンのおかげ。


二分識別。

味方/それ以外。


話すな止まるな先に撃て。


見敵必殺対話不要。

そこは地の果て見渡して法律的無人地帯。


俺たちの曾祖父、まだ戦争が在った時より、誰にでもできるように単純化

――――――――――簡単だろ?


異世界での、侵略戦争はね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・防衛戦争なら、もし攻め込まれていたら?


敵の装備が中世レベルでも、こう上手くはいかない。




逆に言えば、難しい。

俺たちが想定を投げ捨てた、地球世界での戦場は。


まあ、21世紀には戦争自体が無くなっていたから

――――――――――戦争によらない戦闘なんて、こんなもの。


人質救出の次に難しい。

破壊工作や制圧のほうが簡単だ。

難しいってより、俺たちには不可能か。


それを素人は理解出来ないわけで。

それを理解したと信じるわけで。


政治家のなかで特別に頭が悪い、ミリオタなみの政治家。

マヌケを奴隷にするためにえさを投げ与え、終生責任という概念に縁がない官僚。

政治家をこき下ろしながら、官僚様にはコメツキバッタな幕僚監部。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・頭を抱える、公務員。


ソレがしでかしたマヌケなアレは、現場(公務員)の判断で片付けられる。

草の根、底辺、個人主義的国際交流。


戦争とはコミュニケーションと抜かしたのはクラウゼヴィッツだったか。

戦場はもっと直接的なパーティーでした。



軍人同士、阿吽の呼吸。

下っ端同士、同志の共感。

人間だもの、保身の論理。



100%安全な場所で、警備ごっこで遊んでなさい、と。


――――――――――お父さんたちは忙しいから、おもてでてなさい、ってノリ。


俺たち事務職は、その辺りを書類でごまかしていた。


バカにバカと悟らせないように。

バカに付き合う貧乏くじの、邪魔をさせないように。



バカにバカということはキチガイにキチガイと言いうようなモノ。

バカもキチガイも悪化して、事態も合わせて悪化する。

大人の解決だね。


戦争を知らないと気がつかずに済む、日本の一部政治家(バカ)全官僚(マヌケ)

警備部隊を護らなくて済む、各国出稼ぎ軍隊からなる護衛対象。

貴重な隊員を殺さずに、有事の備えも何もない自衛隊。


誰にとっても幸せな結末

――――――――――だろ?


かくして。

戦争を知らない軍隊から、戦争を知ったふりをする軍隊へジョブチェンジ。

これこそまさに自ら衛じる隊。


いや、実際は他衛隊か?

異常に肥大化したバカの見栄を、主に守ってるんだから。


つまり俺たちに必要なだったのは?

カウンセリングと演技と交渉術。

過去形だけどね。


軍人は全て過去の戦争に向けて準備する。

と、まあ、おっしゃったのは、大英帝国のブルドック宰相か。



だから訓練が、パワハラの為にあったりしたわけです。

異世界転移前はね。



当時の俺にとって不幸な結末。

当時って言っても、半年前までは、だけどね。

いま五月半ばだから。



基礎訓練だけかと思いきや、普通科の演習に放り込まれたりするし。

普通科って、世界一般でいう歩兵だぜ?


出勤直後退勤間際昼休み中から書類整理中。

予告なしに連行される。


もちろん、一般的な自衛官は、こんな目に会わない。



だから安心して志願して欲しい。


俺の代わりに異世界侵略。

自衛隊は若い力を求めてます。

情熱や正義感がなくて常識と命令に従う貴女貴男貴方。

ファンタジーに思い入れが無ければ大丈夫!

是非、最寄りの地方協力本部へ。


大事な事なので以下略。



悪いことは全部、三佐のせいだから。

三佐は一人しかいないから、大丈夫

――――――――――遭遇率は少ない。



三佐は訓練じゃなくて、演習に引きずり出すのが、また凶悪。

おかげで俺は、三日三晩徹夜で行軍がギリ出来る。


四回目にできる、と保証しないが三回はできました。


歩くだけの簡単なお仕事です。

敵がいるわけでもないからね。

行軍ってより、行軍ごっこか。



兵隊は歩けて運べればいい。


意外と古典的なんだ三佐は。

国連軍の元締め、合衆国大統領と家族ぐるみの付き合いだっていうしね。



合衆国陸軍、しかも歩兵将校から将官になった女傑。


それを見習って歩兵の本懐っていうなら、自分でやって。

俺に装具一式押し付けるのは止めて欲しい。

重いから。



指揮官が兵と同じ体験などする必要はないですかそりゃそうですね。


家族感覚でいいのは分隊レベルまでで小隊以上は赤の他人です。

誰が家族に死ねと命じられるのかと命じられて受け入れるのかと。

慣れあったら殺し合いできるかさせられるかってやつですね。



だから、まあ、俺の体は固い。

抱き枕に向いてない。


何が言いたかったかと言えば、そういうこと。




【聖都北辺/青龍の軍営/青龍の貴族幕舎内/閨の中】


わたくしは、ご領主様の様子を、こっそりドキドキ覗います。


どうしましょう?

どうしましょう?!

どうしましょう!!!


離すべきですわよね?

離れるべきなのよね??

離せないわ嫌ですわ!!



すっきりとした気分で目を覚ましました。

満ち足りた、過ぎざる、深い眠り。


肢体をほぐし、解き、静かに安らかに過ごした感覚。


何ヶ月ぶりでしょう。

ねえ様、あの娘と過ごす日常。


ねえ様が南に向かわれた、あの日。

あの娘を託されて以来、かしらね。


思えば、あの頃、わたくしは空回りしていたわ。

気負いを楽しみ、自分の無力に気が付かず

――――――――――森での邂逅。


ご領主様に、わたくしのなにもかも、奪って頂いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの娘に遅れをとった、とは自覚していますけれど。


以来、ご領主様の下、甘美な責めを受け続け。

毎夜毎夜、胸を焦がし、寝付けぬままに夢心地。

気の休まる隙も、要りませんでした。


だから、なのに

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたくし、ご領主様に、そっと顔を埋めました。


逞しく、暖かく、規則的な鼓動と息づかい。

安らがせてくださるなんて

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひどい。




【国際連合統治軍/第13集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス】


お嬢を抱いていると、俺は思い出す。

いや、抱っこしているというより、逆だけど。


父親の背中が好きだったな。

叔父にぶら下がるのも安心したし、そーいうものなのかもしれない。


そーいう、とは、お嬢の現状。

ふゃふゃ、といいながら、明らかに目覚めたまま、しがみついている。




母や姉、叔母には感じられない安定。

それがもたらす安らぎ。


抱き枕を兼ねた安心枕

――――――――――俺のポジション。


さて。

さてさて。

さてさてさて。


動けないなら動けない、で、楽しむべきか。

甘えられる方だって、気分がいいものだし。



もっと楽しいこともできる。

魔女っ子やColorfulを含め、みんな寝床に巻き込んでしまえばいい。

一緒に楽しもうではないか。



そう。

久々すぎる、いつだかぶり、軍政開始以来の禁欲解消

――――――――――朝寝。



元々、俺は目覚めがいい方だ。

決まった時間に、アラームがなる前に目が覚める。


だが二度寝。


しっかり目覚めてシャワーを浴びて、朝食をとったら、寝る。

うむ、完璧。


休みの日はね。

遊ぶのは、たいてい仕事あがりだったからさ。

休みに遊ぶことが無いとは言わないが。


遊ぶ、ったって午後だろう?


とまあ、規則正しくだらけていたのだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・のに。




破綻した

――――――――――子供たちとの同居。



ついついついついつい、見栄をはり起きてしまうんだ、これが。

日の出から日の入りまで活動する異世界文化。

おかげで子供たちも寝坊しない。


おかげではないか?


どうやら寝坊とは、科学的照明技術無くして成立しない。

昼夜サイクル破綻がもたらすものだったらしい。


風が吹くと桶屋が儲かる。

なら、夜が明るくなって目覚まし時計が生まれた、としても不思議はない。

俺たち地球人のついでに照明装置がもたらされた異世界。


だからこそ、今こそ!!!!!!!!!!

異世界に朝寝を導入すべきではないだろうか???????????



本来の作戦に取りかかるのは、明後日。

明日は前倒しで準備にあたるとして、今日は?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うむ。


やることは、明日にまわせることばかり。

つまり、今日は何もない。


みんなで夕方まで寝ててもいいよね。


いやハードル高いか?


なら、昼過ぎまで。

そこから徐々に進めよう。


子供たちにとっては小さな一歩だろう。

異世界人類にとっては大きな一歩に他ならない。



いずれはパジャマで朝ご飯、しかるのちに二度寝。

三食三寝の健康で文化的な生活。



本日、シスターズ&Colorfulには異世界睡眠革命の先駆者として

――――――――――エルフっ子は?




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