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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第六章「南伐」

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255/1003

一方通行/scramble crossing .


『青龍』:地球人に対する異世界人からの呼び名。国際連合旗を見て「青地に白抜きでかたどった《星をのみほす龍の意匠》」と認識されたために生まれた呼称らしい。

異世界側(の中でも一部の知識層)から見る地球人とは、すなわち国際連合軍(含む国際連合統治軍)のこと。国連軍は自衛隊を主力として前衛を在日米軍、補助戦力として各国軍兵士が混在している。そのために実際の人口比より非日本人の割合が高い「多民族帝国」とみられている。

最大多数で指揮官クラスが多い黒髪黒瞳が主要民族(自衛隊)。

異世界人と近い外見で戦に特化した傭兵民族(在日米軍)。

国籍を問わず非モンゴロイド有色人種はその他民族(国籍問わず)。

地球側の国旗国章は民族氏族の紋章と理解されている。

中世準拠の文化を持つ異世界では、支配民族以外の被支配少数民族氏族から軍司令官や宰相などが任命される例は多い。よって対等に戦場に立っている、むしろ自衛隊が遠慮がちである国連軍の在り方に違和感を感じていない。



「Long long 大昔?」


疑問形?


「へー」


反応薄いなマメシバ三尉。

いや、応えるだけマシか。


「どーしたの?結婚する?」


オマエがどーした!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・元カノは俺の眼前3cmで平常運転。


「カルヴァン・ダ・スイス」


いやいやいや、ヴィンチ村のレオナルドみたいに言うな。

スイスは仏独伊語混合とはいえ、正しいのか?


「カルヴァンは背教者デス」


それプロテスタントのカルヴァンか。

まあ、カトリックから見ればな。


「へー」

「どーしたの?子供創る?」


神父の相手をしてるのは、俺だけか?


「背教者の背教者たる所以」

「へー」

「どーしたの?アタシからするほうがいいのね」


シスターズ&Colorfulが掃除や洗濯や料理で出払っていてよか

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、異世界人への布教は禁止か。


銃殺である。


もちろん、地球人兵士への布教活動は禁止されていない。

だからって、やるやつは少ない。


確かバチカンはじめ、日本国内の宗教勢力は自重を求めているはずだ。

誰もそうとは言わないが、対異世界戦争の真っただ中で宗教戦争を始めるわけにはいかない。


そんな自制が働いているのだ。


なお、言うまでもなくバチカン市国は日本列島に再建済み。

日本在住枢機卿でコンクラーベを行い、教皇も選出している。



「カルヴァンは年の差カップルを火炙りにバーニング!」

「んな!!!!!!!!!!」


お、喰い付いた。

恋バナは聴き逃さないマメシバ三尉。


「――――――――――じゃ始めよっか」


ちょっとだけ惹かれたな?

元カノ。



「カルヴァン曰わく、男女間の極端な年齢差はFull problem」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言ってることは、判るが。


「なんて悪いことを!!!!!!!!!!

どーしますかたいちょー!!!!!!!」


いや、どうかとは思うけどね?


「火炙りにされていいんですか!!!!!!!!!!!!!

たいちょーを火炙りにするために生まれてきたようなカルヴァンじゃないですか!!!!!!!!!!!!!」


なんでだ!!!!


「愛に年齢制限なんか有り得ません!!!!!!!!!!

憲法違反です!!!!!!!!!!」


改憲せな。


「愛は年功序列よ!!!!!!!!!!

年上優先!!!!!!!!!!

実質小中高校生は後の後の後の後!!!!!!!!!!

アタシが先!!!!!!!!!」


元カノ超展開。


「たいちょーを30代が口説いたら、だんちょーはどうするんですか??????????」


いいだろ別に。


「姦婦姦婦をまとめて一つのバーベキュー!!!!!!!!!!」


カルヴァンか!!!!!!!!!!

そこは姦婦姦夫だろーが火炙りはイヤだが。


「然りシカーリ」


神父、話、聴いてるか?


「ことほどさようにプロテスタントは、枯れ専熟女ロリショタの敵なのです!!!!!!!!!!AMEN!!!!!!!!!!!」


ん?

それたしか

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ファイヤーカップルの年齢は?


「新郎は20歳の将来ある若者でした

――――――――――――――――――――神々も御笑覧アレ」


笑覧は無いが。

女の方の年齢は。


「70代と聴いております」


なぜ敬語。

70代ね

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご婦人の資産は?


「OH!良いクエスチョン!なんと身分違いの恋も、火炙りの原因ネ」


大変な資産家だった、ってヤツだよな確か。

若い貧乏人と富豪な末期高齢者の結婚ね

――――――――――それって、カルヴァンの癇に触ったのは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


superbia(傲慢)!!!!!!!!!!!

AMEN!!!!!!!!!!!」


「へー」

「どーしたの?婚姻届けは常備してるわよ」

「だんちょー、それ一番嫌われるパターン」


んー、ちょっと話聴こうか?


「プロテスタントは年の差カップル、身分違いカップル

――――――――――愛の敵デース」


二人とも火炙り

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・キリスト教原理主義者としては、赦せなかったんだろうな。


信仰への冒涜。



結婚は宗教儀式だからね。

宗教がない異世界には存在しないくらい。




実際、シスターズに訊かれたくらいだ。

結婚とは何ぞや?


で一応、説明したが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もの凄く嫌そうな顔をされた。


「どーしたの?子ども創ろう」


宗教ネタへの反発かと思えば、全くちがう。


「だんちょー、それも一・二を争うくらいに嫌われます」


「サササ、Reduction in price!お得な免罪符5枚セットがったの銀貨30枚!!洗礼名はサービスサービス」



処女童貞から始まって、生涯最低数百年を共に過ごす、一夫一婦のエルフ。

そんなエルフっ子の薫陶厚い小さな二人。


永遠の愛を誓う、ってネタはウケるかと思いきや

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・気味が悪い、と。


例によって、シスターズの人の良さに付け込んだ、俺。

口ごもる三人に無理に言わせたんだが

――――――――――愛を誓う、ってのが理解出来ないらしい。


忠誠の誓い。

商いの誓い。

同盟の誓い。


それなら判るが、愛の誓いは解らない。


曰わく、誓いのせいで一緒に過ごされたら耐えられない、とか。


義理や誠意のために、耐えてもらっているんじゃないか?

っと、心配で心配で死にたくなるとか

――――――――――言われて見れば、そりゃそうか。


異世界のちみっ子たちが感じている嫌悪感。

それは、俺たちが奴隷制度を見たときに感じるソレに近い。


生理的嫌悪感。


他者の侵害から身を守るために生じる、本能的な拒絶感情。

それを社会的な禁忌で抑え込んで、儀式として維持している。

いまのところは。



俺たちは、なんでそんなおかしなことをしてるんだろうな?


《太守府日常会話2》





【国際連合統治軍/第13集積地/駐屯地居住区/共同浴場】


俺を見るメンゲレ大尉。

何度目だ、これ。

慣用句か。


いや、何回じゃなくて、ず~~~~~~~~~~と、見つめられてるのか。

テレルナ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・睨まれてるだけですねはい。



金髪美女とお風呂で見つめ合うなんて、それはそれは素晴らしいことを想像してしまいますが。

本来そうあれかし、とそう祈念してやまないんですけれども。


軍政官なんぞに任命されたせいで、機会が増えても全然素晴らしくないことに。



太守府のメイドさんたちは風呂場にもついてくるけれど、入浴補佐の仕事だしね。

介護なんかいらんのだが、この世界の常識らしい。

作戦上の邪魔にならない限り尊重しろ、というのが偉い人たちの命令。

勝手がわからないから、風呂場で手足も伸ばせない。


なんか湯舟までついてくることが増えてきたColorfulたち。

何度も繰り返し聞いても、自分たちの職務に入浴補助は含まれてないと理解してはいる。

これ以上ないってぐらい、家事代行も俺の装備整備も任務じゃないと説明済み。

ならなんでということだが、そういう教育を受けたんだろうな。


好意を持ってくれている、持ってくれていたシスターズ。

この子たちの場合は初日からずっと一緒で、日に日に距離が詰まっている。

前はエルフっ子までは湯舟に来なかったような気がするのですが、まあ、親しんでくれるのが嬉しいは嬉しい。

が、違う嬉しさも欲しいんですよ俺は、等とは口が裂けても子供には言えない言ってたまるか。


そもそも対等な立場じゃないから、異世界住民は口説けないしね。

立場を越えても、防疫制限があるから口説きやしないが。



まあ子供は防疫制限以前の問題だからいいんだけど。

メイドさんからColorfulからシスターズまで、子供だから許されている。

さすがに大人を洗ったり湯舟に放り込んだりはしない、できない。


元カノとマメシバ三尉は勝手に入ってくるのだが。


だからこそ制限がない相手、具体的には地球の女、その触れ合いは大切にしたい。

元カノとマメシバ三尉以外。


元カノ相手だと、二度と戻ってこれないところに引きずり込まれる。

マメシバ三尉なら、寸止めでからかわれるのが目に見えてる。


だから期待のニューフェイス!

メンゲレ大尉!!


もちろん、お触り禁止で上等ですよ?

何もかもそこから始まるものです。



「わかってるんですか?なにをしているか?」


let’s repeat!


大切なことなので以下略。


メンゲレ大尉の澄んだ碧眼は湯気に潤んでたいへんよろしい。

これで熱い情感がこもっていれば大いによろしい。


絶対零度の凍り付き固定されて微動だにしない視線は心に刺さります。


その眼は生理的嫌悪感にみちみちみちみち

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――そう、あたかも性的潔癖症の女がロリコンが築いたリアルハーレムの中心部に常駐し法律の範囲外でかつ当事者からの救援要請がなく介入ができず逃げ出したいが万が一の救援義務への責任感が許さないためにクライマックスシーンを最初から最後まで視聴体感せざるを得なくなったかのような。


屍山血河阿鼻叫喚狂瀾怒濤地獄絵図

――――――――――どんな状況だそれは!!!!!!!!!!




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ナイナイ。


よーし本題。



設問。

自分の行動をわかっているか?


まるでそれは、戦傷者に衛生兵が訊くような問いかけ。

回答は?



――――――――――さて俺が選ぶべき、最適解はなんだろう。

つまり怒られない、機嫌を損ねない、音便に解決する、ややもすれば金髪美女(地球産)の高感度がアップしそうな。




例えば?


俺は無実だ弁護士を呼べ

――――――――――――――――――――――――――――――有り得ない。


それは法治社会にしか通じない。

国連軍の法規は別に定めない限り、日本国準拠。

日本が明治国家の伝統を引いているかぎり、無駄だ。


よーし、認めよう。

法は無力だ。

っていうより存在しない。



では、俺とオマエの私的自治で片付けるべき、だな。


日本で談合=話し合いが流行った理由。

ここ150年ばかり法の概念が無かったからだ。

法律を自称する何かはあったけどね。


ならばつまり問題は、キミと俺で通じ合う。



メンゲレ大尉と俺の関係

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無関係、終了。


いやいやいや、手はある必ずある。

見つからないだけだから

――――――――――見つからないのは、無いのと同じ、終了。


OK!

OK!


見つからないなら、近い何かを探すまで。

近い状況、対処の履歴、成功体験さあさあさあ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・類例なし、終了。



よーし、わかった、認めよう。

これまでの人生を逆さにふっても、役に立つ経験はでてこない。

残念無念

――――――――――これまでの人生でペドフィリア扱いされたことはない。


それは幸いだろう。

不幸だというやつはいないはずだ。

それが手詰まりを招いても。

それを幸福というやつがいないだけ。



なら、参考になるものは?

時間がないぞ?


無駄に検索時間をとったから?

すぐに思いつくのは――――――――――?




【聖都北辺/青龍の軍営/幕舎内湯殿/青龍の貴族正面】


あたしの肩越しに火花を散らす、青龍の貴族とメンゲレ卿。

あたしから注意をそらさないでくれる?


女を湯殿で抱きしめて、何をしているのよ!

と、自覚を求めるメンゲレ卿に、同意しないでもないけれど。

でも、流れに水を差さない欲しいわね。


「わかってやっているが」

「確信犯ですか!」


ふーん。

やっぱり、慣れてるんだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・湯殿で玩ぶのが、お気に入りなんだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日は妹分ばっか

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だめだめ。



彼の、青龍の貴族のそーいう過去を聴いても仕方がない。

そりゃ、まあ、面白くないけれど。


できれば、産まれた時から独り占めしたいけど。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見透かしてる、クセに。



あたしには、今ココにいる女の中で、あたしにだけは、闇がある。

きっと、青龍の貴族には知られてる。


あたしが抱く、間違った独占欲。


その歪み、それを気にもしないで眺める彼。

馬鹿にするでも、叱るでも、責めるでも、好きにすればいいのに。


無視されたら耐えられない。

無視じゃないから堪えられる。

知られて隠せず眺められ。



すっごい、屈辱。


でも、あからさまにすれば、もっと愉しまれるだけ。

だから、あたしは、それを無視する、ように努力する。

だから時々、彼は、ああして、あたしの嫉妬を煽るのよ。



メンゲレ卿。


青龍の貴族に言いつのる女青龍。

目になじむ髪と瞳の色。


たぶん、あれよね。


青龍の帝国、その一員。

青い瞳と金の髪が、青龍の中で示す意味。

支配民族に仕える、傭兵を生業とする民族。


何を知ってるのかしら?

あたしが知らないなにもかも?

それを知る日が来るかしら?



あたしは妬みの色を消す。

男も女も、エルフも人も。


惚れ込んで、気に入られる。


惚れた相手。

気に入られた自分。


互角なわけない、わね。

だからこそ、奪われ続ける、あたしの気持ち。


惚れる相手に惚れるのが、自分だけな訳がない。


今でさえ、両手の指で余るほど。

エルフなら最後は二人になれるのに。

人は、青龍は、違う。


その片方が自分じゃなかったら、仕方がない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わけが無い。



「大尉もこい」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ナンですって!!!!!!!!!!




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