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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第六章「南伐」

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252/1003

認めちゃいなさいよ/東京地検特捜部準拠

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


『魔法翻訳』

:地球人と異世界人の間のみで発生する自動翻訳機能。聞くことと読むことに対して認識内部で互いの意図認識が瞬時に置換される。互いの文化に類似概念が無い場合や固有名詞に関しては単純な音で認識されるのみ。置換も言葉で表現している範囲の表層的なモノであり、背景となる概念が伝わることはない。だが、この効果のおかげで転移してきた地球人と異世界人は意志疎通をはかることができる。ただしその翻訳は感覚的なモノであり、聴く者や読む者、話す者や書く者が抱く心象や感情、気分の影響を強く受ける。「ばか」と書いたときに、後刻その言葉を読んだ者に執筆者のニュアンス、親愛・侮蔑・怒り・失望などなどが伝わる。さらに受け手の意識も影響する為に「とって」という依頼が、聴いた相手が怖れを抱いている場合「とれ」という命令形に聴こえたりもする。聴こえた瞬間、見えた瞬間に意識に変換する為に、良かれ悪しかれ「聴こえたいように聞こえてしまう」危険性がある。

この効果は魔法ではないかと推測されることから「魔法翻訳」と名付けられた。だが国連軍と帝国が確認した限り、そういった魔法は異世界には存在しないらしい。



再現性、ってあるじゃないですか。


科学の原則ですよ。

同じ条件で同じ過程を勧めれば同じ結果が出る。

絶対に、100%です。


全く同じ条件を創れるかどうかって話は別にして、ね。


つまり「必ず成功する」ってことは「仕掛けがある」ってことです。

そうなるように、しつらえている。


そして、人は「仕掛け」を畏れない。

そりゃそうでしょう。


誰にでもできるなら、自分にだってできる。

科学がもつ普遍性は、誰にでも平等です。


出来る者。

出来ない者。

持つ者。

持たざる者。

知る者。

知らざる者。


そこに生じるのは支配であって、崇拝なんかじゃありません。

権力は生まれても、権威にはなれない。


だから、時々失敗して見せるんです。

「仕掛けじゃない」って見せかける為にね。


もちろん「まぐれ」だって思われたら、身も蓋もありません。

ほとんど成功させて、失敗は一度。


する、あ~ら不思議。

手品が奇跡に成り代わる。


占い。

予言。

霊感。

超能力。


失敗したからといって、絶えたモノがありますか?


どこぞの宗教の教祖だって、捕まって恨み言を喚きながら処刑されたじゃないですか。

そううことです。


タネも仕掛けもない。

だから失敗する、時もある。

ただし、誰もマネできない。


だからこそ「奇跡」なんですよ。

昔からお馴染みの手口だ。



みんなさんも、偶には無罪判決を確定させるでしょう?


全部有罪じゃ、裁判なんか誰も信じなくなりますからね。

あのスターリンだって、同じくらい気を使ってたぐらいです。

せめて皆さんにもヒトラーくらいの優しさが欲しいですが。




どうです?

ここにいる哀れな囚人を、無罪放免してくれませんかね。



逆転無罪!

っとなれば、司法権があるように見えるじゃないですか。

役に立つでしょう?



実践的な経験から、教えて差し上げてるんですよ。

迷信、おっと、神様の作り方を。



――――――――――――――――――――植民地省宗教創設諮問委員会議事録。



参考人:<削除>/超能力を装った手品師/詐欺罪他の容疑で収監中。

参考資料:刑事裁判有罪率(日本/スターリン・ソビエト)比較。



《東京都立川市緑町10-1 総務省自治大学校内植民地省仮設庁舎資料室より》




【国際連合統治軍/第13集積地/駐屯地居住区/共同浴場】


さーますます、盛り上がってまりました。

俺の処刑フラグ。



「わ、わかりましたわ」


ナニを??????????

ふやふやと入浴を楽しんでいた、お嬢。


(いますぐに) (お願いします)


覚悟完了した碧眼。

お嬢が無理に立ち上がろうとして、失敗し俺にしがみつく。

いつもの上目遣いではなく、うつむいたまま。


おいおい。



(ひっちゃ)――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――」


悲鳴??

あの、誤解だから、スッゴく泣きそうだから、俺が。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・ (あのあのあの) (いまびんかんで) (おきになさらず) (……はやく)



こんなに仲良くなった、お嬢。

逃げ出そうとして転けて、俺に掴まれて悲鳴って

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ!


遠征から入浴、寝床まで付いて来た、ヒヨコのような子が。

お嬢が俺にむっちゃ強くしがみついてますよ?


背後から魔女っ子エルフっ子が俺にしがみつく。


(あなたは落ち着くまで) (まちなさい)


まてまてまて。


(ずるいずるい!) (今日は一番!!!!)


お嬢を襲ってない!!!!!!!!!!


年端もいかない童女を襲ったようにしか見えないけれど、違います。

それでも俺は、ヤってない。


(立つこともできない) (じゃない)


(でもでもでも)


(じゃあ、支える?)


止めに入るな余計危ない。

なぜ危ないかと言えば、主にエルフっ子が原因。

大変に豊満なスベスベした肢体で背後から。

実質、絡みつかれているような。


(ずるいです、ずるいで) (す、ずるいです、最初) (にお願いしたのに) (~~~~~~~~~~)


(きいてないけど!)


(いつのまに) (抱いてください) (ってお伝えしたの?)


魔女っ子参戦。


前から俺にしがみつくお嬢、側面から魔女っ子。

俺の敏感な部分が反応したら、人として終わりである。


エルフっ子は、肢体が大人だからね、仕方がないね。

もう256歳だから、良いんじゃないか

――――――――――口説いても。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おいおい、今この場の問題解決に間に合わんだろ。


口説くのどんだけ時間がかかると思っている。

おかん気質のエルフっ子、その妹分を襲ってると誤解されてるんだぞ?


誤解を解くのに三日。

それから好感度を戻すのに半年くらい?




いやまて俺。

口説く前提を考え直そうか!


ここは一気に力ずく。


「ごりょうしゅさま」


正面に抱きついたままのお嬢は抱きつかせたまま。


「ふゃ!」


しがみつく魔女っ子を左腕で抱える。


「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


で、エルフっ子の顔を強引に、引き寄せた。




【聖都北辺/青龍の軍営/幕舎内湯殿/青龍の貴族/背中側】


彼の瞳。

見抜く、貫いている、視線。

あたしを、そのすべてを解体してくみ上げて玩んで愉しむ。

とうぜん、あたしは、抗えないわけで。

やっと、待ちに待った瞬間。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?


妹分が先じゃないの?


まだしてない、でも、抱きついたまま気絶してるし、彼の嗜好なら意識が無い肢体なんか興味ないわよね。

目覚めて、はっきりと意識がある相手に、十全に状況を、最初から最後まで理解させたうえで理解させ続けけ、つまり、その、それはつまりそのつまりその

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だから!!!!!


あ、あああああたし??????????

まままあああだとうだけれど!!!!!!!!!!


どうすれはよろこんでくれるのかしら??????????

なんでなぜべんきょうしたのになにもおもいだせないの~~~~~~~~~~???????????




【国際連合統治軍/第13集積地/駐屯地居住区/共同浴場】


俺は再び、エルフっ子の瞳を見る。

じっ~~~~~~~~~~と、見る。


最近よくエルフっ子の瞳を見ている気がする。


うっかり押し倒さないように。

いえ、どう考えても潜在性犯罪者の発想です。

犯意が問題にされる日本では裁判ではとっても不利になります。


結果が同じでも故意か過失か偶然か、で天国と地獄。

思いを裁かない欧州に生まれたほうがこの点だけは良かったような気がしないでもない。


しかし行動に移さなければよくは無いけど誤魔化せるので下を視てはいけない。

押し付けられひしゃげた双球が見える。


バスタオルはどうしたのかな?

いや、肢体を洗うときはまとわないだろうけどさ。


小さい子たちを洗う手伝いについてきたんだよね?

ついでに俺の背中を流していたような気もするが?


何故より先に現状把握。

国際連合統治軍大尉は慌てない。



だから、見えないように慎重に。

爪を立て俺の腕を掴むから、痛いです。


お嬢にもつかまれてるし、爪痕だらけか俺は。



まっすぐに俺を見返してくる、エルフっ子。

身じろぎして肢体を離そうとしているような。


無理もない。


親しき中にも礼儀あり。

混乱させたかな。


緑瞳。

やっぱりきれいだな。



うん。

落ち着いて来た。

やっぱりエルフっ子だな。


肢体が大人でも、子供だ。


意図を感じられない、瞳。

肢体が大きいだけなら、170cmの小学生だっている。


実話だ。

幼稚なのか、幼いのか。

それを見誤らなかったおかげで助かったことがある。


よって、目利きに自信があるのだよ。

間違えたら社会のレールを踏み外してしまう。

小学生にはキツかろう。


もちろん、大人の真似してナンパスポットにでてこないようにしたが。



――――――――――異世界では目が利かないけどね?


油断していると、メイド長十代重大疑惑!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんてことが起きる。




異世界人と先進国現代限定地球人の違い。

それは国連でも注目されて、研究されているらしい。


だが、俺の体感で言えば、これだ。


精神年齢、っていうか、知識や知覚以前のところ。

おそらく、独り立ち、しているかどうか。

一人、じゃなくて、マジ独り。



野生動物と家畜や愛玩動物との差

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・優劣じゃないし、幸不幸でもない。


間違いなく、家畜の方が野生動物より幸せだ。

愛玩動物なら比較にもなるまい。


野生動物にあるのは、孤独と孤立。


それを自由という奴もいるが。



俺たちが望む自由ってのは?


家畜の保護を満喫しながら、屠殺されないこと。

そりゃ、叶わんわ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・野生も家畜も、喰われることには違いない。


ま、俺たち、であって、俺は違うけどね。

いつか役にたつフリをして、時間を稼いで時間切れ

――――――――――これよ、これ。



良い感じに雑念を玩んでいると、俺もみんなも落ち着いたようだ。

順番に絡まった状況を解きほぐす。



お嬢に当たらないよう、少しずらしてポジション調整。


エルフっ子を見つめたまま、視線誘導。

この子は俺の視線を追ってくるからやりやすい。


大人の部分を覗くのは、まだ早い。

むっちゃ年上にいうことじゃないか。


そして、ゆっくりと手を伸ばし、エルフっ子の頭を撫でた。


エルフっ子が、ぴんっ!

と耳を立てて俯く。



照れ隠しである

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うむ。

嫌がられないな。

女の子、女性は友好的じゃない相手に触られるのを赦さないから。



現在の好感度を図るときは、ゆっくりと解りやすく距離を詰める。

一番簡単な方法ですが、状況次第で関係が修復できなくなります。

初心者は、距離を詰めるだけにしましょう。




頭に触れるのを赦してくれた、ってことは、嫌われずに済んだようだ。

いや~あせったわ。


一時はどうなることかと思った。

すっかり湯冷めしたし。

暑いほどじゃないけど。

軽く浸かってさっさとあが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



エルフっ子、下を見たままフリーズ中。

釣られて俺も下を見て固まった

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、うん。


エルフっ子と俺。

距離、30cm。


撫でる為に向き合い、離れ、正面から斜め下をみられると。

俺はとっさに前を隠した。

エルフっ子で。


いやいや、変なことはしていない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・抱きしめただけだよ?


ほぼゼロ距離ならかえって見えない。

エルフは胸が大きいから、真下は死角なのだ。


エルフにひんにゅーはいないそうです聞いた話では。

役に立たない豆知識。


油断した

――――――――――風呂場にタオルは御法度。



日本の常識従い、俺は身を隠すものなんか用意してない。

俺もエルフっ子もしゃがんでいるから、方向転換もままならぬ。

お互いに固まって、同一視界で永遠に等しい30秒。


「ご主人様?」

「ごりゃうふはま」


「国際連合統治軍大尉殿」


最期の、いや最後の声が冷たいこと

――――――――――さ、無かったことにしよう。




【聖都北辺/青龍の軍営/幕舎内湯殿/青龍の貴族/背中側】


あたしちがうのよちがうのよちがうのよちがうのよちがうのよちがうのよちがうのよちがうのよちがうのよちがうのよちがうのよちがうのよちがうのよ。

みたことないわけじゃないしそんなことないしそんなことないしでもきにしたことなんかないしあたりまえだし。



「わかったな」


男の言葉。

何か考える前に、あたしは頷いていた。


我ながら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なに驚いてるのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


驚くけどダメじゃない。

いずれというよりもいついかなる時でも備えておかないと。

そうよ、でも、わかったわ。


次は、動揺しないのは無理だけど、ちゃんと落ち着いてはいないけど、対処できる、わよね。


そう。

はじめてを全く覚えていないようなことになったら大変だわ。

それは絶対にイヤ。


千年経っても忘れないように、されてしまいそうなきもするけれど、一方的にっていうのはどうかとおもう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


結果として、そうなるとは思うけれど。


「いい加減にしてください」


場違いな、というか、彼の女、それ以外の声。

慌てて顔を引き締める、あたし。


「貴男の女あしらい、よーく、判りました」


あたしを見る、メンゲレ卿。


彼、青龍の貴族、の女、って、まあ、そうだけど、青龍全体に認められてると思うと決して悪くない。


っていうか、嬉しい。



見届け役である、メンゲレ卿が、じれてしまうのも判る。

さっさとやれ、って言いたいんでしょうけれど。


そういうモノでもないし。

そうされても困るし。


時間をかけすぎ、っていうのは、思うけれど。

あたしは、メンゲレ卿を訝しんだことを後悔していた。



あたしたちを弄りまわすことばかりで、ずっとお預けにする青龍の貴族。

あたしたちの右往左往と地団駄を愉しみすぎる、青龍の貴族。


それを、同じ青龍、同じ貴族であるメンゲレ卿なら、たしなめてくれるかもしれない。

役目柄とはいえ、ソレに振り回されるのは彼女だって同じ。


それは楽しいことではないはずだ。



その可能性は、大いにある。

じっさい、それで不都合はないはずよね。


青龍の貴族。

その趣味。


女をイジメること。


あたしたちは生涯かけて遊ばれるんだろうけれど。

それは、お預けにしなくてもできること。




メンゲレ大尉は、皆を見回して、そして青龍の貴族を睨む。

皆、つまりは、妹たちにCColorful。


彼の女たち

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・たち、っていうのは、仕方がない。


あの娘、妹分までなら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん、ムリ。


出来るだけ近づいて、誰よりもそばに。

――――――――――――――――――――もちろん本音は独り占め。


ソレに自分がふさわしいか。

それが自分にとって幸せか。

ソレが彼にとって一番なのか。


わかってるわよ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんなこと。


それでも望まずにはいられない。


唯一でありたい。

一番でありたい。

我儘になりたい。


そんなあたしに、彼は言う。

いつもいつも、機会があるごとに、けしかける。


――――――――――ワガママになれ。



いじわる !!!!!!!!!!




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