法は三条で足り、解は一文で成る。
登場人物&設定
※必要のない方は読み飛ばしてください
※すでに描写されている範囲で簡単に記述します
※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします
一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。
次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。
以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。
(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)
【用語】
『シスターズ』:エルフっ子、お嬢、魔女っ子の血縁がない三姉妹をひとまとめにした呼称。頭目の愛娘を加えるときは「+1」とか「+α」などとつける。
『Colorful』:ハーフエルフの最高級愛玩奴隷たち。髪の色がいろいろなために神父により命名。一人一人の名前も髪の色に合わせて白・朱・翠・蒼・橙と主人公に名づけられた
この世界で一番たやすいのは解決策を創ることだ。
この世界で一番むずかしいのは解決策を行うことだ。
【国際連合統治軍/第13集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス】
俺はdiskを見終わって、頭を抱えた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・心のなかで。
いや、子供たちの前では、困らない悩まない迷わない
――――――――――フリは得意です。
下から見上げる碧眼は、俺の顎下3cm。
なにが困ったって、距離の近さっていうより、いつもよりゼロ距離
――――――――――――――――――――違う違う。
逃げてはいけな、くはないが、自分から逃げるのは好みじゃない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いけない訳じゃない。
ここ重要。
つまり!!!!!!!!!!
重要なのは、disk1~5の覚え書き。
――――――――――銃身の加熱に対策要――――――――――
一文。
あっれ~?
俺は斜め上下左右から覗きこみ、一文を読み込む。
目の錯覚ではなかった、と。
いや、網膜投影だからどの角度から見ても大丈夫!
では、暗号か?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
おい、まて、そこか、それだけ?
いや、確かに、見てて気になった。
照準システムのリソースが、えらいことに。
いや、自動機銃の管制システムは、それこそ自動に拡張されるけどね。
哨戒気球の通信中継を経由して届く範囲。
異世界に侵攻した国連軍の戦車、自走砲や軍用機のシステム。
出島や師団連隊から小隊指揮所の据置システム。
俺のパソコンから、兵士一人一人の端末まで。
いや、理論的には本土の類似機器を含む。
それら全てで自動機銃一器の射撃管制が可能。
拡張制限がかかってるけどね。
だから、誤射のたびに素早く照準調整。
だから、銃身の過熱と磨耗にもかかわらず、驚異的な命中率を保っていた。
手動じゃ無理だ、機械万歳。
兵士が撃っていたら?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・調整以前に、そんな連射、車載しても腕がもたん。
だが、しかし。
万歳な機械でも限度がある。
というよりも、プロセスが多いだけでアクションは一つ。
計算量が多い、ってだけ。
――――――――――まあ、こぴゅーたーなんぞ電子計算機だからね。
電卓モドキは仕方がないね。
命中率が高い、ってだけ。
――――――――――100%ではない。どころか目指してすらいない。
意外かもでも仕方がないね。
悪環境なのに、ってだけ。
――――――――――設計時に誰も想定してない悪環境。戦場あるある。
あるあるネタだけに仕方がないね。
そもそも、銃ってものはそういうものだ。
個体差は銃自体にも、銃身などの部品にも、弾丸にもある。
だから、狙撃手は作戦前に試し撃ち。
一定間隔、戦場移動、分解整備のたびに繰り返し繰り返し。
もちろん、同じ銃に同じ射手で、だ。
それで軍事的には大丈夫だが。
この現場的にも大丈夫ではあるんだが。
それを知らない人はともかく、知ってる一人。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな弾雨の中に、よくも留まれたもんだ。
第13集積地管理責任者と、帝国騎士。
その眼前で弾け飛んで、弾かれ続ける標的。
それは一つ間違えれば、いや、いずれ訪れる二人の姿。
もちろん、その二人とは、管理責任者と女騎士。
日本固有の表現で言えば、湯水のようにバラまかれる。
日本固有の文学的表現で言えば、溢れ満ちたる死の真ん中。
照準設定がシビア過ぎ、多少の誤差で二人とも死ぬ。
実際、掠めている。
多少の誤差のど真ん中。
自動機銃は機械制御。
自動機銃は機械だけに、照準から着弾まで観測、調整と連射を平行作業。
都度都度、フィードバックされ調整される。
んが、調整中にも撃ち続ける。
調整後に撃ったりしない。
どんなときも、射界にIFF応答があっても。
気温風向き大気密度に湿度、反動まで計算されている。
が、弾頭の出来不出来、環境の揺らぎまではフォローしていない。
いや、システム上出来ない、する気などない。
センサーの感度、コアの処理速度、プログラムのボトルネック。
上げようと思えば、上げられる。
だから、必要ない。
100%完全を求めるより、欠陥不良で出す犠牲。
後者の方が安くつく
――――――――――――――――――――どこまでいっても、異世界にきても、決して変わらぬ合衆国の生産思想。
これは実のところ、工業技術の限界ではない。
機械的な限界を極めるつもりがそもそもない。
いや、信じたいよね?
欠陥だって
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃなかったら?
動作が判れば、目的も解る。
自動機銃の管制システムは、敵に弾頭を命中させる為にある。
味方を救うことなど、ハナから考えられてはいない。
味方を射線が避けるのは、障害物を避けている、だけ
問題です。
どっちがいい?
悪意と手抜き。
自由選択。
国連軍の装備は基本的に合衆国製品。
だから、仕方がない。
50年前基準、まだしも第三次世界大戦仕様だからマシ。
だからこそ、選択の自由がある。
それこそ湾岸戦争(第一次)仕様、30年前基準だったら悲劇だろう。
故障、不良、所在不明。
相手がソビエト連邦軍じゃなくてよかった
――――――――――とは当時の合衆国軍人、その本音。
ソビエト連邦軍とは、莫大な不良をただただ物量で凌ぐ方々。
合衆国は質だけでそれに対抗してきた、半世紀。
同じ土俵では、勝負にならない。
相手が第三世界相手だから、世界最強(笑)を守れた?
異世界転移後もそんな感じ?
いやいや、違う。
そう判断する一群の人々。
それが、俺たちの戦争指導部。
脅威のウチにも入らないテロ支援国家が相手じゃない。
ソレを滅ぼして本当のテロ運動を造ってしまったマヌケじゃない。
当然、真面目に戦争中。
剣と弓と魔法と竜に、全火力投射。
もちろん新しいデッドストックは、順次廃棄中。
ベトナム以降の小火器とかね。
別に困りゃしない。
古いデッドストックが溢れかえった日本列島。
当時の全人類を真面目に殺せる備蓄弾薬。
日本固有の例え無しに、湯水のように使っているが、まだまだ余る。
それで済ませる気も無くて。
何の後とは言わないが。
それでも次の戦争の為に、鋭意準備中。
正確には戦争ではない、らしいです。
戦後処理計画の柱たる、AK-47Jがプレスされまくっている。
消費の当てもない大規模コンビナートが、一つ残らず停止中。
その最中、下町の中小工場がフル稼働し、兵站拠点化。
古くて新しい兵器を生産中。
まあ、別に雇用は増えない。
基本的に日本列島の産業全体が過剰生産なのは変わらない。
日本が世界に誇っていた、各種製造業、そのうち大規模なモノは相変わらず不必要ない。
巨大すぎて、かえって効率が悪いから。
まあ、また、まさか、あれを目指すのではないかと思ったがそれは杞憂だった。
一人一丁の世界!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・死の商人のスローガン。
もちろん無視されている、日本兵器産業。
異世界転移前から見切られていた、転移後破綻処理中。
とうの昔から見切っていたのは?
国連軍の兵站を仕切る在日米軍補給部門。
いや、在日米軍それ自体が補給兵站組織なのだが。
彼らにしてみれば1945年8月28日から続く任務の一環として、常に最優先で取り組んできたことだ。
日本とは合衆国、いや違う、合衆国軍にとって常に後方であり兵站の要。
それが単なる兵器廠では足りない。
その程度で済んでしまっては、惑星規模で戦争を続ける合衆国軍が維持出来ない。
それは兵器工場でなくてはならなかった。
故に、可能なあらゆる手段で日本の軍事産業を支援してきた。
国防総省以下のクソ官僚どもが自分の縄張りの外にできる利権に執拗に反対しても。
キャピトル・ヒルに楯篭るウォール街の豚の足どもが独占産業を守れと絶叫しても。
故に、日本の軍需産業は無価値なゴミ以下の代物になったが。
それでも軍人はあきらめない。
世界を指導しなければ、と正気で叫ぶ主を持つ限り、あきらめれば兵士が死ぬ。
ペンタゴンが何を叫ぼうが。
連邦議会が何も考えなくても。
軍組織の生存本能は決して消えない。
合衆国と合衆国軍。
時にそれは、互いに戦いすらする、別組織。
互いに利害が一致していないのだから、当たり前。
幸いにして日本の産業は順調に発展し、主にアメリカ本国で発明されて産業を進展させて、しかる後に速やかに忘れられてきた品質管理を導入して世界を制した。
通商産業省の、日本経済は俺が育てた、というドヤ顔。
その妨害をうまくスルーして発展した日本の製造業。
たとえスルーするために製造業本社社員の主要業務が、霞ヶ関に通って邪魔をたくらむ官僚の足をなめることであっても。
最初から死んでいる防衛産業。
輸出禁止があるからばれないだけで、兵器産業としての能力はない。
代わって、部品から製品までが各国軍隊に納入され続けるのが、日本の各種民生品製造業。
それがまた、20世紀末から始まる官製不況で、死滅を避けられなくなってはいたが。
その歴史を見つめていたのは日本人ではない。
その破滅を許容できないのは霞が関ではない。
その責任を背負っているのは合衆国ではない。
在日米軍だ。
軍の装備とは銃弾や砲弾ではない。
車両であり工作機器であり部品で工具。
潜在であっても生産力とは、動員可能戦力と同じ。
それを使わず、消耗せずに、それに備える敵に消耗を強いることができる。
だからこそ毎年毎年毎月毎月毎日毎日、調査と査定を積み上げてきた。
企業にも人と同じように、勃興期と安定期、衰退期がある。
それが人為的錯誤により生み出されたのであれ、すでに回復の見込みが無いのであれ、末期に向かいつつある日本産業。
そこで戦争を経済を回すプランを常に策定してきた。
彼等からすれば狂喜乱舞する工場群が、日本にはある。
異世界転移後、政党幹部から国会議員、地方議員につながる指揮系統で速やかにプランは実行される。
なのに世界標準っていうより、安全基準皆無の官営オモチャ工場を使う訳がない。
冷戦後の合衆国兵器産業が不正の塊なら、創設以来の日本国兵器産業はジョークグッズ。
日本の不得意分野はわずかなもの。
それは合衆国軍、その他の同盟諸国軍が融通すればいい。
日米物品役務相互提供協定(ACSA)は、その為にある。
この場合、政府なんぞ関係ない。
軍は独立して機能し得るように作られている。
特に、遠征軍はそうだ。
移動国家として機能する、合衆国各方面軍。
その中核である在日米軍。
それが決めていた。
異世界転移よりはるかに前に。
何をすべきであるかを。
投げ捨てるほど有り余る米軍装備で、日本軍を武装させる為に。
大日本帝国陸軍の末裔なら、ソレで何とかなる
―――――――――朝鮮戦争以来の、妙な信頼感。
こりゃ、マッカーサーの視点だな。
日本帝国陸軍の最盛期から末期まで、実際に銃を交えたのは独りだけ。
そして在日米軍、戦後冷戦、合衆国陸軍の根幹部分を創った軍人政治家。
合衆国陸軍の生きた伝説。
ミリオタには不評ふんぷん。
要は士官学校上がりの参謀たちに不評。
山のような批判中傷当てこすりが文書化されて遺されてる。
そりゃまあね。
軍事官僚と軍人は、絶対肌に合わないだろう。
政治として戦争を考える。
それは官僚にはできないこと。
それは将官には必須のこと。
史料をそらんじるタイプには、マンシュタインみたいな空虚な霞が一番理解しやい。
いや、まあ、なんにもないから理解したことにしやすい、か
おかげで、というか、第13集積地管理責任者は無事生還した。
1万発以上連射したM-2やM-240が国産だったら、銃身が破裂していただろう。
そして今後、その技術的な問題点は米軍管理下の工場群が解決する。
水冷にするのか?
ファンでも付けて強制空冷にするのか?
そもそも摩耗は避けられない。
連装式になるのかもしれない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃなくって。
【聖都北辺/青龍の軍営/幕舎内/青龍の貴族/背中】
ふーん。
あの、黄色い領域、おふぇんす・ぞーんのゴーレムはこんな動きをするのね。
あたしは青龍の貴族があたしにだけ見えるようにしている過去を、一緒に見た。
彼があたしに押し付けてくる背中。
あたしが胸で強く強く彼を押し返す。
肩越しに見える光。
光に目を凝らすと、それが過去の風景だとわかる。
そして方に顎を乗せ、耳を凝らさず肌を合わせる。
耳の奥に音が響く。
それは心地よい感触と温かさとは異質な、人の声がしない阿鼻叫喚。
たしかに、あの娘には刺激が強すぎる。
妹分やColorfulは、興味を持たないでしょうけれど、好きじゃないわよね。
だから、皆の眼に触れないように見て、皆の耳に聴こえないようにしている。
青龍の貴族は、相変わらず。
啼かせるのは好きなくせに、泣かせるのは嫌い。
あたし?
別に命令されたわけじゃなけど。
それはいつものこと。
見るべきは見えるようにする。
聴くべきは聴こえる様にする。
従うべきは従う、あたしたちが。
エルフは風を捉える。
ほんのわずかな揺れで、光の加減が変わり肢体を伝わる振動が判る。
そして、まあ、あたし感覚の相当なところが、そこに向いているわけで。
ふん。
そんなこと、関心ないって顔でいる彼。
そうよね。
あたしがついてくるのは当然だものね。
だから背中に身を預けて、彼が聴いている者をあたしが聴く。
あたしの鼓動や息遣いを、彼は全然気を向けない。
それが嬉しい、あたし。
気を向ける必要が無いほどに、見透かされている。
あぁ、ダメね、もう!!!
【国際連合統治軍/第13集積地/駐屯地居住区/ゲストハウス】
俺はすっかり、気が滅入ってしまった。
背中にあたる革鎧越しじゃない感触で気を紛らわせるぐらいに。
とても良いにおいがして本来は辛抱たまらなくなるべきなんですが。
いえ、いまはまずいですけどね?
股座にはまり込んでいる子がいますからね。
座椅子として責務をまっとうしているときにそんな不純な。
お嬢に質問されたらどうするのかという話ですよ。
Colorfulにふると
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・事実をそのまま解説されそうだな。
しかも、気がついてない子たちに知られたら恥の上塗り。
ああ!
こんな時に安心して任せられる大人の女がいてくれたら!!
すぐにくど
・・・・・・・・・・・・・・じゃなくて、お任せするのに。
俺じゃなくてこの子たちを。
人間は畑で取れるって力説してください!
主にソビエト人民!!
まあ、幸い、幸いじゃないが、衝撃映像のせいですっかりがっくりである。
世の中には知らないほうがいいこともある。
保障する。
大きくなっても知らなくていい。
別にロシア人の作り方じゃなくて。
こんなものとても見せられない。
見せてないけれど。
俺の顎下0cmに密着中のお嬢。
背中に寄りかかっているエルフっ子。
傍らで焼き菓子を用意している魔女っ子。
卓袱台の周り。
休憩を命じたColorfulたち。
魔女っ子の手伝いで料理の下ごしらえが終わり。
後は、お菓子を運んだり、俺に差し出したり。
休めと言ったのですが、これこそ休憩中なのだそうでそうですか。
きゃらきゃらと高い声で楽しそうだからいいんですけれどね。
特にエルフっ子。
吐息、いやいや、呼気だ、うん。
が、俺の首筋から耳の後ろ辺りを撫でるようです。
いかんいかん。
あいては256歳だぞ。
それはもっといかん。
よーく見るんだ。
幻想世界の住民たちとは言え、近距離で瞳の奥を見つめれば、よくわかる。
うん。
間違いない。
高校生くらいの幼さを感じる。
まるで頭の中が空白になって途方に暮れているような感じ。
おれは向きなおった。
背中でエルフっ子が暴れているがそれどころではない。
大丈夫だ。
問題ない。
子供はだいたい暴れるもんです。
うちの近所の子供とおなじ。
中高生は、特に女の子はあんなもんだ。
それよりなによりこれ。
俺が試聴したR-18どころじゃないリアル大虐殺映像。
まるで中高生が遊んでいる部屋のど真ん中でR-18動画を試聴、いやいや、もっとハードに中高生モノのエロゲーを攻略するくらい危険です。
もちろん、配慮済み。
そりゃね。
子供と密着24時間だからね。
映像はパソコンのディスプレイから俺の網膜に投射。
一見するとバイザーすらつけていないのに、俺以外には見えません。
バイザーを付けてると、お嬢だけじゃなくて子供たちが不機嫌になるからね。
音声は、まあ悲鳴を聞く趣味もないから最小限だけれど、これは常に付けてる骨伝導型スピーカーで直接鼓膜に送ってる。
怖がられて嫌われてはたまらない。
シスターズ&Colorfulに。
怖がられて嫌われてる。
第13集積地の領民すべて、他はともかく、これから太守府に連れ帰るべき人々に。
国際連合統治軍のマニュアル通り。
せっかく殺したんだから、キチンと使い切ろう。
わーざわーざ、1万体以上の死体処理に全居住区から100人ずつ、動員。
しつらえられた目撃者にして媒介者。
彼等は作業内容の指示が端的に伝えられただけ。
それ以外、説明も回答も警告も、一言もなし。
恐怖は、一番わかりやすい。
それは撃ち続く銃声に怯えていた人々を、落ち着かせただろう。
何が起きたか知らせることで。
それは一人一人の隅々にまで不安と怯えを叩きこんだだろう。
何をすべきか考えさせる為に。
どうりで、居住者がおとなしいわけだ。
ブードゥー教のゾンビ並みに。




