朱に交われば赤くなる。されど朱くはなれませぬ。
登場人物&設定
※必要のない方は読み飛ばしてください
※すでに描写されている範囲で簡単に記述します
※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします
一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。
次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。
以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。
(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)
【登場人物/三人称】
地球側呼称《神父》
現地側呼称《道化》
?歳/男性
:合衆国海兵隊少尉。国連軍軍政監察官。カトリック神父。解放の神学を奉じる。野戦戦闘服か制服にサングラス。ときどき咥えるコーンパイプや葉巻はネタ。
地球側呼称《曹長》
現地側呼称《騎士長》
?歳/男性
:国際連合軍/陸上自衛隊曹長。軍政部隊の中心。
『佐藤』『芝』
:主人公『俺』の部下。選抜歩兵(物語世界での選抜射手)であり、異世界転移後の実戦経験者。曹長に次ぐ軍政部隊戦闘作戦の中心
【用語】
『軍政部隊』:「俺」が率いる増強分隊。司令官(俺)、監察官(神父)の二人の将校と下士官一人、兵十名(選抜歩兵2名、衛生兵一名)。独立した作戦単位として活動する為に軽装甲機動車と3 1/2tトラック各ニ台、KLX250(軍用バイク)二台、偵察ユニット四機と機動ユニット、各種支援装備が配備されている。
「友達いないんですよ」
大きなお世話だ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・居るよ?
ホントに。
三佐的なオトモダチばかりじゃなくてね?
三佐に言われて初見の親友に会って来たことはありますが?
三佐みたいに先祖代々政治家だとそれぐらいフツーフツーっていうけどね?
「だーれが、たいちょーの友達不足を嘆きましたか」
俺のことじゃない?
「おんなが、み~んな自分のことを心配してくれると思ったら大間違いですよ?それで嫌われないところは徳ですけれど、友達作りにはつながりませんね」
得なんかいらねーよ!!
貧乏くさい。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジ?」
友達いるって!!!!!!!!!!
「男女間の友情なんかありえませんよ?」
いきなり俺の友人を半分にするな!
「NONONO、SEX Friendはオトモダチ」
「去れ!!!!!!!!!!バカ!!!!!!!!!!」
「主はイワク!!!!!!!!!!バカと言う汝はバカ也」
小学生か
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見ちゃいけません。
「てっきょ~~~~~~~~~~」
「2chは剣より強し???????????
暴力反対マルチアカウントFlamingでSNSネットリンチ!!!!!!!」
ドワーフたちが神父を運ぶ。
リアル暴力にオンラインで対抗するVirtual War!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ネットのヘビーユーザーにしか効かないけどな。
SNSばっか見て勘違いして自爆した政治家は数多い。
人間は視界に入るもの、それだけ、のみが世界の全てと感じる。
判っていても、解らない。
だから、世界の大半がインターネットにアクセスしたことがない、とわからない。
ローマ元老院が、首都ローマの民意、それだけしか目に入らず共和国を滅ぼした。
――――――――――そんな感じ――――――――――
もちろん、神父は物理的に撤去。
神父の工作でどこかが炎上中だろう。
年単位でしか会わない友達に、何でも頼めるキラキラネームには通じない。
その配下仲間であるドワーフ達には言うまでもない。
「友だち、って言ってるだけで、カレカノと変わんないですから
――――――――――その話じゃなくて」
編集カットされてないのに途中から。
「キラキラネームを付けるヤツって、友達がいないんです」
そりゃ、付けられたほ
――――――――嘘だから居るからきっと憐れみじゃなくて本当の被害者仲間が。
「ふぐぅ・・・・・・ぇう・・・・・・・・・・・・ひぃく・・・・・・・・・・・・うぇ」
――――――――――マジ泣きすんな!!!!!!!!!!
大丈夫大丈夫大丈夫(中略)大丈夫。
相手次第で捨て置けるのに、まったく、わかったわかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・解ったんですね」
おぉう。
「何が解ったんです」
来やがった
――――――――――涙がひいたら、計画的に泣かしてやる。
つまり、キラキラネーム。
親にまともな友人がいれば、やめさせてるよな。
そんな親子がどーでもいい、端で笑って楽しもう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そーいう、他人しか周りにいないから、キラキラネームが生まれるわけだ。
よその家庭に口を出さない?
別な親子の間に口を挟めない?
親と子供、本人たちに任せた方がいい?
――――――――――親が子供を愛する、守る、大切にする。
んなもん、錯覚だ。
「ふむふむ」
科学的根拠なんかない。
例によって、結論ありきのこじつけだけは溢れてる。
そもそも、その手の風潮が蔓延したのも、最近。
いわゆる先進国だけ。
一昔前の世界中、現代になってから地球の広範囲。
親子の愛情なんか、概念自体が存在していない。
子供という資産に対する執着。
親という生命線確保への努力。
それを、無理に読み替えてるだけ。
自分たちの信仰を守る為、ただし根拠を理論ではなく現実に求めるのはよくあること。
どーやっても論理的整合性が取れないからね。
――――――――――普遍でなくてはならない――――――――――
さもなきゃ、薄皮一枚で保たれている妄想から覚めてしまう。
みんながそうしているからそれが正しいに違いない。
って、理屈。
のふりをした強弁。
夢にもいろいろあるけれど、人を魅了する不可能は悪夢でしかない。
「なるなる」
悪夢から覚めて、支障があるとも思わんが。
そうしなきゃならないからしてる。
そうしたいからしてる。
前者は破たんするが、後者は持続する。
義務を求めるのは人を信じる理想主義者。
権利にすり替えるのは人を嘲る現実主義者。
子殺しなんかありふれてる。
古今東西、未来永劫。
無くなるわけねーじゃん。
人間は、本能以外からは自由なんだから。
だからこそ昔から、社会単位で子供の面倒をみていた。
抑止力として、受益者が資産を守っていたわけだ。
社会にとっての資産が子供なら、私物化なぞ共同体への反逆だ。
裏切者は皆でリアル炎上村八分。
そもそもフランス革命まで私有の概念自体が、控え目に言って曖昧、実際には存在しなかったけれど。
現代、ここ、四半世紀は?
個人という不可能幻想によって、社会が中途半端に分断された。
いっそ完全に個々人になりゃマシだったんだがな。
挙げ句の果てに、家庭という密室が遺された。
子供が被害者となる犯罪の99%は家庭の中で起こる。
知らない人は安心で、知ってる人は危険です。
ってぐらい。
そんなものは異常でも何でもない。
自然の成り行きだ。
誰も介入しない密室に大人と子供、強者と弱者を放り込む。
犯罪が多発して当たり前だって。
「それからそれから?」
えーと。
以前の選挙でネタになった、学費の無料化、ってやつ。
「うん?」
子供にかかる費用を社会が負担する。
金を出すから口も出す。
子供を社会に吸い上げる。
その一歩。
それはつまり、俺たちが日々見ている中世、異世界そのものだ。
家庭とは。
再利用不可能な廃棄物。
故に破壊して、実績ある旧来モデルに回帰する。
それが与党連合の方針だな。
野党が反対するのもそこだ。
家庭とは。
代替不可能なパーツ。
故に修理して、実績ある従来モデルを維持すべし。
性悪論と性善説の戦いか。
表だっていいやしないが、社会モデルの奪い合い。
そのうちに、成人したら自分の名前を決められるようになるかもな。
今でさえ命名権は本人のモノで、親はそれを代行しているに過ぎない。
・・・・・・・・・・・・・・自覚してない親が多いけどね。
中世回帰派が勝利すれば、親子関係の再定義に進む。
元服と同じく、親子関係に距離、と言って悪ければケジメをつけることは重要なテーマになるだろう。
だからキラキラも未来があるよ?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そーだったのかー」
そーいう話じゃなかったんかい!!!!!!!!!!
《とある日のとある太守領とある太守府とある王城の監視記録》
【国際連合統治軍第13集積地/駐屯軍区域徒歩移動中】
俺は眼をそらす。
いえ、怖くありませんよ?
エルフっ子の切れ長で冷たい侮蔑の視線は怖くありません。
怖いっていうより
・・・・・・・・・・・・・・・いやいやいや。
――――――――――帰ってこれなくなるぞ――――――――――
そう、帝国軍との会議をおもいだす。
なんとかかんとか全力で思い起こす。
で、まあ、両軍首脳。
そのまま街道上を移動。
程よい場所で仕切り直し。
人目の無い場所で遠慮なく、再度の打ち合わせ。
井戸端会議。
ならぬ路上軍議。
野戦ではよくあること。
野戦じゃないけれど、まあ、捕虜とのお話は戦闘任務の一環だから。
軍政官は24時間戦闘任務だけど。
給与的に。
俺に限った話じゃない。
第十三集積地の管理者責任者も同じだろう。
給与の話じゃなくて。
帝国軍捕虜との相談は、街道上で行う。
ここ聖都のような捕虜収容所では、だが。
解放型の強制収容所では違うけどね。
逃げ損ねた帝国人で、生存していた者。
貴族や騎士の家族、文官など。
しばしば領民に虐待されて、心身ともに療養が必要な捕虜。
三佐のような鬼悪魔が、村々街々、都市を焼き払ってガスって脅して狂わせて回収した、サンプル。
そんな方々が収容されるのが開放型。
そーいう人々には、ここまで警戒しない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フリ。
実は解放されてないけど。
バイタルチェッカーと監視器機で雁字搦めにして。
自由気ままに感じるように、制限に気が付かないように設える。
遭難できるくらいに広く敷地をとってあり、仕切りと監視装置を見えないようにしているだけで。
領民とは一切接触されないように、地球人スタッフが世話をする。
なお、国連軍は帝国領土と領民を否定していない。
攻め込み奪い壊してるが。
あくまで占領であり領有ではない。
軍政であり施政ではない。
異世界は国際連合、地球人類、日本の責任範囲じゃないからだ。
大変に幸いなことだが、国会議員の大半は正常だった。
わーざわーざ異世界を背負い込むなんてたくさんだ。
異世界に冠たるニッポン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なこと言い出したらクーデター不可避。
霞ヶ関に突入する決起部隊を心から応援する覚悟。
いつでも異世界と縁を切れるように、国際連合旗を振り回してるんだからな。
さておき聖都は、強制収容所ではなく捕虜収容所準拠。
捕虜との距離は、物理的に空ける。
これ、鉄則。
打ち合わせに帝国軍司令部内?
帝国の資料や経験豊富な兵参謀が揃っている。
便利は便利だが、捕虜に近すぎる。
表敬を装った監視以外、国連軍関係者は接収済みであっても帝国軍施設には立ち入らない。
哨戒気球に偵察ユニット。
自動機銃の照準カメラは、帝国軍捕虜にも、にこそ向けられている。
諜報防諜の常識的で言えば、機械監視は心もとない。
だが適宜半分ランダムに、自白剤でチェックしてるからね。
現代地球文明の標準パワー。
ただし倫理的理由、内心の自由を侵すべからず、でおおっぴらに使えなかった手法。
まあ、精神を蹂躙するのは肉体へのそれと大差ない。
だから、効果的。
だから、今は解禁どころか推奨、よりまえに義務化。
よって捕虜監査もその程度で十分なのだ。
もちろん、自白剤の危険性はある。
人間は思いこむモノだ。
しかもそれは伝播する。
誤認誤解誤謬錯覚妄想。
嘘をつかないことは、事実の証明ではない。
だから必ず情報源は複数からとる。
同じ情報を知っていなければならない者。
同じ事を別な者が別な言い回しで。
同じ場所には居合わせない者に。
そしてもちろん、物証も。
記録や痕跡、直接接触しない方法で。
とかくと大したことに聴こえるが、よほどの情報が出てこない限りはルーチンワーク。
え?
危険性?
それはもちろん、誤謬を侵す危険性。
肉体や精神への悪影響など考慮していない。
国連軍駐屯地に呼びつける?
ないないない。
尋問は帝国軍の施設内ないし車両の中、もしくは路上で行われる。
一見すると、お茶を飲んでるようにしか見えないから、集積品への悪影響も無い
国連軍の陣地、その中を、わざわざ晒すものか。
俺はともかく俺たちは、そこまで馬鹿じゃない。
ただでさえ優秀な敵、帝国軍。
うろつかせたら、何を見出すがわかったもんじやない。
いや、だいたい判る
――――――――――――――――――――――――――――――俺たちの弱点を見つけるに、決まってる。
え?
帝国軍を恐れてる?
たりめーだ。
きっとそれも戦争原因の一つだろう。
帝国軍、異世界人の優秀さを信じている、俺たちの指導者。
そして、同じように現代地球文明の強さを信じていない。
知り尽くしているからこそ、懐疑的な俺たちの指導者。
――――――――――なわけで、何処でもない、何もない街道上で会議。
実質協議だけに、互いに互いへ遠慮なく疑問質問をぶつけあう。
誤解しかねない周囲が居ないから、遠慮なく。
疑問符感嘆符を飛び交わし、首をかしげて頷いて首を振り、資料を見せ合いとっかえひっかえ。
まあ、周辺の領民からは見えなくもない。
が、居住区から500m離れた街道上。
ランクルと騎馬の影。
わざわざ居住区外壁を越えて、覗いたとして何が見える訳ではない。
だから安心して誤解を解きほぐした。
いや、解すもなにも、と言われるかもしれない。
実際、まとめれば三行で済む話だし。
三行にまとめてくれたのは、主に帝国軍将官だが。
手慣れてますね?
――――――――――面目ない。
いや、俺も貢献したけどね?
ほんのちょっと心持くらいは?
一番貢献したのは、俺でも帝国将官でもないが。
帝国側と言葉一つ一つを摺り合わせ。
都度都度、エルフっ子やColorfulに確認。
こういう時、魔法翻訳に頼るな危険。
つまり共通概念が無い、差違が甚だしい、意味合いが広い場合。
魔法翻訳が通じなかったり、同じ単語が通じたり通じなかったり、完全にすれ違ってしかも互いに気が付かなかったりする。
うちのエルフやハーフエルフはマルチリンガルだから、こういう時も頼りになる。この子たちが介入してくれれば、言い換えや認識の補正誘導が出来るからな。
結果、問題なく打ち合わせが出来るのだ。
特に、物怖じしないエルフっ子。
エルフっ子が主導してくれなければ、Colorfulは技能を生かせなかっただろう。
Colorfulは皆、仕方がないが、怖がり。
地球人の視線さえ怖がるくらいだ。
ふと、俺は隊列を見回した。
もちろん、今は国連軍駐屯地内。
軍政部隊の兵士たちは、行軍隊形ではなく行進隊形。
行軍体系だと中心に非戦闘員、つまりシスターズ&Colorfulを置き、散開した兵士が囲む。
行進隊形だと戦闘に指揮官、つまり俺をおいて非戦闘員が続き、兵士たちの隊列が続く。
まあ、実質指揮官の曹長はどの隊形でも先頭。
戦闘中なら先頭の佐藤と芝、選抜歩兵コンビだが警戒中では、シスターズ&Colorfulの近く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前等、イヤらしい視線で見てないだろうな?
「隊長」
俺は曹長に視線で謝る。
思い出し笑い、でもなく、思い出し怒り、でもなく。
思い出し疑惑。
なんか、隊員たちが凍りついてる?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺の目は時々怖いらしい。
「OH!レイ・クロックがマクドナルド・ブラザーズを見る目デース!」
マクドナルドの味を造った奴なんか誰が判るというのか。
※レイモンド・アルバート・クロック
ファーストフードを滅ぼした男。
ジャンクフードの創造主。
:お客様第一/従業員の為/健康でおいしく。それを掲げて成功し世界初のファーストフードを築いたマクドナルド兄弟。彼等が生み出したモノを奪われ、大切にしていた理念を踏みにじられ、人生を破滅させられていく実話は映画化されており、涙無くしてみることができない。「スーパー・サイズ・ミー(マクドナルドで食生活をまかなうと人間がどうなるかを実験したドキュメンタリー)」のような映画はこの実話無くして生まれなかっただろう。その映画を見て「レイ・クロックは何か悪いことしてるの」と素で発言する経済アナリストが日本には溢れている。
「殺っちゃいますか」
「隊長の女に色目を使うとなりゃ反逆罪で」
「ヤっちゃいますカ!!」
佐藤、芝が便乗して隊員たちに流し眼。
苦笑する隊員たち。
そして腰をグラインドさせる神父。
凍り付く隊員たち。
キミたちノリいいね。
うちの子たちにノリが良すぎるとお父さんが許しませんよ?
だがしかし。
カトリックは同性愛禁止だろーが。
禁止だけ??
以降は曹長任せ。
うちの部隊のお父さん。
俺はお兄さんなので。
まあ、子供がみんな、笑ってるからいいだろう。
Colorfulまで俺の周りに集まってきて、なんか、はにかんでるし。




