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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第六章「南伐」

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242/1003

贈り物

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。


『あたし』

地球側呼称《エルフっ子》

現地側呼称《ねえ様》

256歳/女性

:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。姉貴分。ロングストレートなシルバーブロンドに緑の瞳。長身(数値不明)。革を主体とした騎士服にブーツに剣が常備。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/幼女》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女》

現地側呼称《妹分/ちいねえ様/お嬢様/愛娘》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。



【用語】


『シスターズ』:エルフっ子、お嬢、魔女っ子の血縁がない三姉妹をひとまとめにした呼称。頭目の愛娘を加えるときは「+1」とか「+α」などとつける。


『Colorful』:ハーフエルフの最高級愛玩奴隷たち。髪の色がいろいろなために神父により命名。一人一人の名前も髪の色に合わせて白・朱・翠・蒼・橙と主人公に名づけられた。前領主(帝国太守)が奴隷商人に発注し、引渡し前に戦争開始。占領軍の太守資産接収に伴い軍政司令官に引き渡された。軍属として雇用契約を結んでいるので日本の労働法が適用される。



政治シビリアンによる軍事支配コントロール



前線と後方が交わってはならない。

交えるのは私と貴男。

頭の中だけだ。


――――――――――合衆国大統領の言葉――――――――――




「国際連合統治軍」

:まあまり知られていないが国際連合軍とは別組織である。ただし国際連合軍も国際連合統治軍も、軍事参謀委員会から助言を受ける安全保障理事会の指揮監督下にあることは変わらない。

国連軍が国連憲章第七章に基づく武力制裁実行組織なら、国際連合統治軍は憲章第一章にある国際連合の目的「国際的な平和と安全を維持すること」に基づく統治組織となる。

とある活動家の表現による「国連軍が平和を強制し、統治軍が平和を強制しつづける」といえばわかりやすい。

もともとは国際連合平和維持作戦(United Nations Peacekeeping Operations/PKO)から始まっており、それ行う軍隊を国際連合平和維持軍(United Nations Peacekeeping Force/PKF)だった。

PKOにはもともと「暫定統治作戦」が組み込まれており、文民を含む非軍事専門家の参加と軍人を含む準軍事的な指揮組織を作ることができる前例がある。

異世界に対する武力制裁活動に伴う作戦領域確保には広範な戦闘後方地域が必要である。それは単純な軍政で維持できる範囲を超えている。

軍事参謀委員会は事前偵察の結果、そうした分析を報告。

それを受けた安全保障理事会はPKO活動の最大事例を緩用、国連軍からも資材と人員を割く形で統治軍という形式を編成。

その作戦理念には安全保障理事会が、様々な形で招聘した専門家の意見を政治的に解釈し、その結果に基づいている。




【国際連合統治軍第13集積地/駐屯軍区域徒歩移動中】


と言うわけで、問題は解決しないが、解消した。



――――――――――平常運営――――――――――



いろいろあったけれど。

国際連合、地球人類を束ねる組織は、常と変わらず元気です。

俺も見習わないとね。

嘘です。



というわけで、俺は全く努力も何にもしていない。

そーいう才能は無い。


努力は才能だよ?


やればできる、っていうじゃん。

やる、って思えるところが、すでに才覚だよね。



リスクを背負ってこそ、手に入るものがある!!


わーお。

暗愚の証明、無料タダの幻影。

喰われるために生まれてきた、有難い豚の証。


リスクを背負う者の後ろでは、リスクを背負わせている者がいるってのに。

そして、リスクを背負わせている者の後ろには、ただ口を開けて待っている行列がある。


中の一人が、俺。

俺の目が黒いうちは関わった子供にそんな貧乏くじは引かせない。

俺を見習っても困るが。




努力。

苦労。

辛抱。


そう、人には向き不向きがある。

それ、俺の担当じゃないから。

でも、解決してくれた。



平和と水と豊かさ、他いろいろ。



口あけていると降ってくるものです。

降ってこないのはイイ女だけです。

それ以外はだいたい落ちてます。



努力してまで欲しいもんなんかないだろう?





俺と帝国軍捕虜の間に生じた誤解。

それはめでたく問題の少ない誤解に切り替わった。



ほらね?

切り替わるまでの道筋を要約すると、こうなる。



帝国軍捕虜:おんなじ人間(異世界人)じゃないか?

俺:差別主義者なんで指定地域出身者以外いらない。

帝国軍捕虜:あー気分の問題、なら仕方がないね。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあいい。


あの時、つまり半日前。

帝国軍将官と俺が手探りで誤解に気が付いた瞬間。



何百人かの帝国軍兵士たち。

我らが軍政部隊13名。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今気がついたが、不吉な数字?


それにシスターズ&Colorfulで8人。


目で見て。

背中で気配を探り。

俺に頬ずりしてまで。



みなさんが注目中。

俺たち指揮官に。



いや、無理もないけどね?

作戦中に指揮官を意識するなって方がムチャだろう??


その指揮官がどれほど頼りになるベテラン将官だろうと。

この指揮官がなんちゃって将校嵩上げ大尉であろうと。


だがその瞬間、指揮官同士で解りあっていた。

お互いに誤解自体には気が付いたが、具体的には判っていないということを。

この姿を部下や民間人尉見せてはならないということに。


とはいえ、どうやって誤魔化したらいいか?


その刹那、お互いに譲り合って鍔迫り合い。

だからなんとも間抜け面を部下にさらすところ。

危ない危ない。


かなりきな臭い、三歩くらい間違えると人が死にそうな展開。



仕切り直しに大活躍してくれたのが、お嬢である。

常に俺の右隣。


たいへんフリフリなドレスに身を包む。

の、わりに軽やかなフットワーク。


本当に12歳か疑わしく感じる知性。

やっぱり小学生なんだと納得する行動。


全力で背伸びしているのでワシャワシャとしたくなる。

っていうかしている。


この子が巧みに立ち回ってくれたのである。

成人女性がことごとく我が道を突き進んで読んだ空気を無視するというのに。

何故に小学生(相当)女児が軍と政治の狭間を取り持てるのか。



銃剣ひとつですべて片づける元カノ。

毒ガス各種ですべて片づける三佐。

情熱一つですべて恋愛にする三尉。



あれ?



経験値の違いか。

海千山千の商人富豪が出入する園遊会が遊び場。

一邦を差配する大商会の熟練番頭が遊び相手。


敵意と隔意と無関心の中心。

魔女とエルフに義姉妹の契り。


現代社会から離れると、人は早熟になるのが常とはいえ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれあれ?


お兄さん、目頭が熱くなってきたよ???



よし判った。


お嬢。

礼とも報酬とも感謝とも違う。

なんかしてあげたくなった。



何でもしてあげよう。

そんな気がする。

希望を言え。


昼寝したいとかゲームしたいとか映画観たいとか音楽聞きたいとか。

人類の娯楽コンテンツはすべて電子化されつつあるからね。


娯楽以外も進んでいるが。


著作権?

何処の話?

ってくらい。


なにしろAK47Jが量産されてるしね。

トリガーガードが開放型で太い指でも楽々連射!


子供向けではない、ドワーフ向けの話題。


ゲームと映画は無理か。

背景となる世界観が異質過ぎるからな。


人が死ぬクライマックスでポカーンとされたり。

不倫に悩む山場で何故に悩むか悩まれたり。

剣と魔法のファンタジーにいたっては

・・・・・・・・・・・・・・・・可哀相なモノを見る眼でした、ハイ。



そんな黒歴史を頭の隅に追いやり封印思い出さない。

では、どうする?


プレゼントを用意するのは俺のスタイルじゃない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だいたいガックリされるので。



部下、平和な時代の時、有給を算段してあげたら返上されました。

三佐のとばっちりで残業に付き合わせる羽目になって心が痛んだ。

肌荒れを気にしているのを見ると、責められてるみたいに感じた。


責められたんだろうけどね?


姪っ子の宿題を片付けてあげたら怒られました。

自分でやらないと意味がない、とかなんとか。

どーせ、高校の勉強なんぞ役に立たないのに。


結局、三倍の時間をかけて一緒に解くことになってしまう!


近所のシングルマザーの子供たち、その面倒を見たことがあるのだが。

お母さんを気遣う子供たちの手助けを、近所のゲーム大会のついでに。

お弁当まで用意して、子供たちごとサバゲ―大会見学にいらっしゃる。


母娘が険悪になってしまいフィールドに逃走したのは俺?



というわけで。

何かしたいと思ったら、相手に訊くのが無難無難。

大人の経済力でサプライズ!



国家公務員の待遇を舐めてはいけない。

国民と納税者と有権者には秘密。

国外周知の国内機密。


俺だってその三者を兼ねてるが、きっと仲間扱いはしてもらえまい。

いつか吊るされる、その日までは。

レッツ自分だけホワイトライフ。



で、お嬢の要望は?




【聖都/内陸北側/青龍の陣/青龍の貴族背後】


あたしは頭が真っ白。


「何が欲しい」


彼、青龍の貴族に尋ねられた妹分。

――――――――――――――――――――錯乱、の、一瞬前で踏みとどまって。


深呼吸。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そこ、彼の胸元よね?


妹分は、落ち着いたみたい。

彼の、男の眼を見て、また自分を支えなおした。



何が欲しい?


あたしの頭は静かに沸騰中。


だいこんらんしている、妹分をみて、

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――妬む前に、同情。


ほんとーに、いじわる、イジワル、いじわる!!!!!!!!!!


乾ききった砂漠に縛り付け、渇き死ぬ寸前に、水を差し出すようなもの。


邦中に日々沸き立つ想いを伝えればいいの?

身を投げ出して、地にめり込むほど臥せる?

足下にすがりついて、哀願すればいいの?



笑顔で見透かして、言葉で、態度で示せと命じる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・欲しがれば欲しがるほど、欲しがらせて。



――――――――――くれないくせに――――――――――




【国際連合統治軍第13集積地/駐屯軍区域徒歩移動中】


俺を見あげる、碧い瞳。


「一番お側においてください

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日だけは」


きました。

よーく考えたら、大金持ちのお嬢さんでした。

しかも100年くらい続いている旧家で名家の愛娘。


俺の給与など及ぶべくもない。


よかろう。

お嬢のお父さんに殺される予感がひしひしするが。


おまえがつれまわしてるからだ!

って怒られると思うが。


貴様ごとき若僧が役不足よのぅ?

って嫌味を言われかねないが。



お父さんの代わりに

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お兄さんの代わりに、なってあげようじゃないか。


いや俺、娘も居なけりゃ妹もいないけどね。

姉はいるけど。



さて。

なにをすべきか。

頭を撫でるだけなら、時々してるしな。

一緒に過ごすのはずっとだし。


なので、お嬢を抱き上げて、俺は耳元で囁いた。


「具体的に」



決して、秘密めかした言い方でからかってやろう、と思っただけではない。

いや、この手の言い方でからかうのは好きなんだけどね。


嫌われるから、女にはやらないが。

女友達にはやる、こともある。

だがしかし。


シャレにならない時もある。


「・・・・・・・・・・・・・・・というのは、後でゆっくりと訊かせてもらおう」


何ひとつ訊けませんでした!!!!!!!!!!!!!!!


いや、訊きようがない。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――世界が壊れたかと思ったよ。



お嬢。

耳までどころか首筋から指先まで真っ赤になった。

その上、なんか、眼がトンでた。


魔女っ子。

紅潮した涙目で俺を見あげて、すっごく強く俺の制服の裾を掴んでいる。

掴んでないほうの手でポカポカ叩くのはやめなさい

可愛いから。

止めなくてもいいけど、動画撮って良い?

あ、神父が撮ってる。


エルフっ子。

氷より冷たい目でまっすぐ見てくれました。

何かの扉が開いてしまいそうになりました。

心から謝罪しますので口をきいてください。



俺のその場しのぎスキルで、かろうじて転進成功!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言いきらなかったから、セーフ。



少し振り向くとColorfulが膝をついていました。

腰でも抜けたのか?

ってくらい、それでも互いに支えあって立ち直った。


佐藤と芝が割って入り、曹長が部下たちを制している。

とっさに助け起こしたくなるのは人情だが、Colorfulが嫌がるからね。

あまり人に触られたくないんだ、この子たちは。


周りにいるのが俺たち軍政部隊だけで良かった良かった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――よくねー!!!!!!!!!!!!!!!




何が地雷になったのだろう。

心の琴線をぶち壊す言葉がどこかにあったらしい。




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