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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第六章「南伐」

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205/1003

Mission complete!so……

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。


『あたし』

地球側呼称《エルフっ子》

現地側呼称《ねえ様》

256歳/女性

:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。姉貴分。ロングストレートなシルバーブロンドに緑の瞳。長身(数値不明)。革を主体とした騎士服にブーツに剣が常備。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/幼女》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女》

現地側呼称《妹分/ちいねえ様/お嬢様/愛娘》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。




アンタはどっちの味方なのよ!!

――――――――――――――――――――と聞かれることがある。


聞くようなことか?

――――――――――って話だが。


俺は俺の味方に決まってる。





【太守府/王城内郭/王乃間/青龍の本陣食卓/主人の背後】


「征服完了ね」


あたしが耳を澄ませていると、青龍の公女が言った。

さっきまで、Colorfulやあの娘、妹分相手に料理談義をしてたのに。


香草や香辛料、チーズや小麦の話から、まつりごとの話。

脈絡が無さすぎない?


まっすぐに、青龍の貴族へ向いた、眼差し。


「東を征した」


まあ、そうだけれど。

東っていうのは、港街よね。


青龍の貴族に、女として惚れ込んでいる、盗賊ギルドの頭目。

青龍が海を征している限り裏切れない、海運船主を仕切る若い参事。


二人に加えて街が半壊したことで、青龍を基軸とした街に再建されたみたいね。

その辺りは、頭目から聴かされているわ。


「西を従えた」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でしょう、ね。

西、西の山、ドワーフたち。


実際、ドワーフの戦士長は、青龍の貴族に臣従した。


部族を分けていた有力氏族、その長老による話し合いで成り立っていた

――――――――――が、その首はことごとく刈り取られた。


そして、新しく誕生した、氏族。


元々は各氏族の強い戦士たちが、必要に応じて戦士長の下に派遣されていた。

それが西の山、その、軍。


でも、昨日で変わった。


戦士たちは、出身氏族を捨てた。

――――――――――戦士長を戴く、最強氏族になった。


西の山には氏族がまだまだいるだろう。

でも中心を失って、戦士を失って、対抗しようとするとは思えない。


ほどなく戦士たちと、青龍の貴族に任せられた財宝が帰還する。

緩やかな馴れ合いしか知らない、西の山。


初めて、ギルドや参事会のような頭目が生まれる、ってこと。



実際、遅い荷車を後にして、西の山のドワーフ騎兵は先行して帰ったらしい。

というのは、見張りを付けている若い参事からの通報だけど。


それは、あたしにも閲覧を許された、青龍の使い魔も確認していること。


頭を失った軍勢。

その指揮は、真っ先に動いた者が握るモノ。

それだけでドワーフの戦士長が、戦慣れしていることが見て取れる。


なら、このまま西はまとまる可能性が高い。



そして、西と東がまとまれば?

青龍の公女が言うまでもない、この邦の中央。


参事会も、建て前で静観しながら、西の山が新しい形でまとまるように動く。

あからさまに干渉したりしないのは、うまいとは思う。否定であれ肯定であれ、外から口出しをするのが逆効果になることをわきまえている。


まあそれを若い参事は、青龍の貴族、その人の耳に入れて欲しいわけね。

あたしから、自分を青龍の貴族に売り込むつもり。


金に興味がなく、女は足りている(に決まってる)。

だから、彼の役に立つ、それだけでしか貢げない。

皆がそれを競っている。


それはお金や女と違って、貢いだからと言って減るようなものじゃないわ。そして青龍の貴族に貢献した事、それ自体を誇示することで、邦の中で立場が強くなる。


まるで、形のない金貨をばら撒かれているみたい。



あら。

じゃあやっぱり、征服しちゃったんだわ。

ううん。

征服されちゃった、っていうべきかしら。

この邦。


先月、この邦にきて。

ほとんど一人で。



後は何が問題?

青龍の貴族が、臣下の離叛を招くような事を、するわけがないわよね。

・・・・・・・・・・・・・っていうか、臣下はおろか、領民にさえ、何も求める気がないし。


それは、すこし、思うところがなくはないけれど。


せめて、あたしには

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・視線は感じるから、大丈夫。


だから、いつまで、焦らして、あ・そ・ぶ・つ・も・り



「この邦が、頭をたれた、貴男に」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。


青龍の公女の、軽い、言の葉。


懐かしい悪寒

――――――――――――――――――――――――――――――危険。



微笑む、青龍の公女。

王国でも、帝国でも、あったこと。



国を必要とせず、国に必要とされる、異能者。

国権に依らずして、ある一人に対する従属。

国にとって、最も、危険なこと。



王のもとに王がたつ。



それを滅ぼすために、国を傾けることすらある。

そこまでして、取り除くべきなのかは、わからない。


あたしは追い、狙い、滅ぼす側には、なったことがないから。

――――――――――――――――――――逐われたことしか、ない。


青龍、も?

――――――――――青龍の貴族、も?




青龍は無敵。

青龍の貴族は、強い。

あたしたちが相手であるならば。



でも、彼が逐われること良しとする、とは思えないわ。


殺されるまで、無視する?

鞘をはらって、殺しにいく?

嗤ってなにもかも、ぶち壊し?



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたしとは、違う。



なのに今、青龍の貴族は、無視したまま。

強大な青龍の、絶対力をふるう、最高位の上位者。

その、何気ない微笑みを受けて、コレ。


「うまい」


果実をチーズに挟んで、食べてる場合??????????


「これをとってきたのは」


それ、あたしが森で見つけてきた果物だけど。

ち――――――――――――――――――――が――――――――――――――――――――う――――――――――――――――――――!




【太守府/王城内郭/王乃間/軍政司令部食卓/ゲストの正面】


サラリーマン心得!!!!!!!!!!


ひとーつ。


ノルマ、果たすべからず!!!!!!!!!!

直前にて断念すべし!!!!!!!!!!


ふたーつ。


明日から頑張るべし!!!!!!!!!!

今日はけっして明日に非ず!!!!!!!!!!


みーつ。


やりがいは報酬に非ず、当然なり!!!!!!!!!!

報酬は見返りに非ず、必然なり!!!!!!!!!!

労力より多く得られねば損失なり!!!!!!!!



さあ、繰り返そう。


申し訳ありません(だから黙ってまーす)!!!!!!!!!!

次は頑張ります??????????(達成するとはいってない)


繰り返~~~~~~~~~~し♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい、俺が気合いを入れるまでもなく、常識ですね。



世の中なめんな?

舐められない世界なんか、食えやしない。

護る値打ちがないね。


国防職ですぜ、こちとら。


ハードルを越えたら、次のハードルが高くなる。

手には入るのは、達成感という自己満足、という名の自己破壊。

誰かがノルマを果たせば、皆にそれが求められる。


○○に出来ることは、キミたちにも出来る

――――――――――馬鹿が好きな妄想。


結果、個体差に状況差を無視した消耗戦勃発。

組織は崩壊し、穴埋めを強いられる社会は破綻し、誰一人利益を得られない。


馬鹿ってヤダね

――――――――――頭悪いんだから、首を括ればいいのに。



中央線は彼らの為に運営されていると言っても過言ではない。

意味が判らない人はググろう。


Googleはカントリーローカルで復活したよ?


本社の営業都合(政治圧力)が亡くなったから、検索除外もなくなった。

児童ポルノからウイキリークスまで検索結果に出てきて、みんなビックリ??????????



カテゴライズ可笑しい

――――――――――有害情報ってやつですよ?



大国の国家機密とポルノとの関連性について。


有権者が知るべき宣伝と考えてはならない情報。

やだな~わかってるクセに。


だが年間自殺者数はオープン情報。

毎年恒例、収容所半島の宣戦詐欺より、どーでもいい。



今となっては、何もかもみな懐かしい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミサイル発射詐欺、体制崩壊詐欺、南侵詐欺でも可。


職業柄、って訳でもないが、笑ってたからな。

有り得ないってバカでも判るし。

馬鹿には判らんが。



統合幕僚監部のバカが防衛省のカスと組んで、政治家の中の馬鹿を誑かす。


え?

予算獲得の為ですよ?


決まってるじゃないですか。

で、ネタ不足のマスコミが大防衛省発表を垂れ流してはしゃぐと、危機をマジでとったバカのせいで新入隊員勧誘がしくじる、と。



危険な場所に行きたがるのは、馬鹿しかいない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人手不足は勘弁してほし~んですけど――――――――――命中率実戦論外の迎撃(出来るとは言っていないが努力したことに出来る)ミサイルより、事務職がほしーんだよ、こっちは。



まあ三佐に言わせれば、同志人民軍と同士討ちする訳がない、って話だったが。

収容所人民の最期の一人が餓死するまで、逃がさず閉じ込め続ける為に

――――――――――国際社会が雇っている看守。


それがあの国の体制であり人民軍なのだから。



収容所を維持するために、自国民に銃を向ける看守。


食糧支援も、エネルギー支援も当たり前じゃない?

究極の底辺労働への対価なんだから、と。


嫌な仕事もあるもんだ。

ならばバカも馬鹿も併せてイって欲しい。



悲劇と統計の狭間にlet’s Challenge!


夕方以降は困ります勘弁してください帰宅が遅れます。

朝は是非とも出勤だから何の問題もないな。


もちろん平日

――――――――――さあ!!!!!!!!!!


let’s Fly!!!!!!!!!!


駅のホーム、先頭と最後尾、どちらが(ダーウィン・アワード的な)step up pointに相応しいかと言うと

――――――――――おや?嗤いをかみ殺してる間に

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三佐の話が終わってた。



いえいえ、聴いてましたよ?




【太守府/王城内郭/王乃間/青龍の本陣食卓/主人の背後】


――――――――――鼓動が痛い、あたし。


なにが出来る訳ないじゃない。

あの時

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたしは、失敗した。


しかも

――――――――――そこから何も学べなかった。



権力から自立した者が受ける、猜疑。

ううん、猜疑、じゃないのかもしれない。


だから、あたしは狙われた。


結局、仲間だった皆から逃げて

――――――――――彼、青龍の貴族なら、きっと。




【太守府/王城内郭/王乃間/軍政司令部食卓/ゲストの正面】


さあ、どう逃れる?


三佐のお褒めの言葉、を聞き流した俺。



任務達成おめでとー!!!!!!!!!!

キミだから出来たんだよ!!!!!!!!!!!


――――――――――三佐がアップを始めました。



次の厄介事を押しつける気だな?


あえて工夫のないテンプレートを使ってくるとは。

出典は[新社会人の為の使い捨て要員/アルバイト/派遣/ボランティア激励用語集]より。


まあ雇用形態が違っても、労働法上の権利は同じだけどね。

それと教えられていない、どちらかと言えば騙されてる相手をカモってるだけで。



だが、三佐は違う。

日本国憲法を護って、部下を型に填めてくる。



出世させる気か?

肩書きを増やすつもりか?


任務量と処罰確率を増やして相対賃金を目減りさせるヤツ。



部下がlet’s Flyしたら、(労働)強化し過ぎたか、って片付ける気だ。


今こそ憲法改正!!!!!!!!!!

勤労の義務撤廃!!!!!!!!!!

二十七条即時改正!!!!!!!!!


「ねぇ」


いくら飢えていても三佐の、ねっとりとした声

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・になんか負けないぞ

~~~~~~~~~~!



「OH?Mrs.ブレジデントからhigh130cmヒトケタWitch Girlまで孕ませる性獣は違いがワカルHumanist!」


黙れ神父。

そーいう問題じゃないが受胎圏外だろーが。


「が、頑張ります!」

「まず、わたくしが、あん」

(クイックイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こくっ)


俺は魔女っ子を撫で、お嬢を抑え、背中を摘んでくるエルフっ子を視線で抑えた。


神父はいつの間にか三佐側に立っているな。

不審者対策の曹長を待機させざるを得ない。

大牙虎の威を借るドヤ顔コウモリが

――――――――――――――――――――――――――――――窓外に放り出された。



やったのは三佐付きの将校、綺麗な黒髪ロングなおねーさんである。綺麗なのは髪だけじゃない、念の為。さすがに三佐でも、神父のネタフリが気にくわなかったのか

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身振り一つ無しに、兵士を動かす、ってアンタ超能力者?



「まあ、並行して楽しめばいいわ」


――――――――――気にくわないのは神父だけか!!!!!!!!!!

ネタはいいのかオイ!!!!!!!!!!

そこ止めろよ!!!!!!!!!!



背後の将校がゴメンナサイしている。


いえいえ、貴女のせいじゃないですよ?

ついでに結婚を前提に付き合ってください。


更に背後の窓外で、気にすんな、って手を振るサワヤカ顔神父。


いやいや、おめーのせいだからな?

ついでに物干し台的なそこからダイブしろ。


「で」


まずいマズい拙い、三佐が話を忘れていない。


いやまてまて、まだ勤務時間じゃない。

時間外なら命令される理由はないな。


公務員必殺技!

受付時間内に再度出直してください。

ついでに勤務時間と同時にお腹が痛くなる気がする。


よし!

有給休暇中につき命令を受ける根拠などない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「六法(全書)で防げるのは、22口径までよ?」


月月火水木金金。

何なりとお申し付けください。



はっはっは、国際連合軍事法廷は、日本国憲法と矛盾しませんかそーですか。

書いてありますもんね

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・国際社会で名誉ある地位を得たい、って。




【太守府/王城内郭/王乃間/青龍の本陣食卓/主人の右手】


ご主人様は、急に元気になられました。

良かったです。

口にされるつど喜んで下さり、お食事はお気に召していただけたみたいなのですが。

お食事を終えられたあたりから、上の空に。

ちいえ、ちいねえ様のお茶だけに集中されておられたのかも。


そして、目の前、青龍の公女様を見据えて焦燥感すら感じさせながらおたずねです。


「次の邦は?」


わたしは凍りつきました。

ねえ様も、ちいねえ様も、です。


ここ、わたしたちの邦を征服したから、次。

・・・・・・・・・・・・・・・・つ、つぎ????????????



わゎわゎゎゎたし、たちは、お――――――――――お持ちいただけますよね??????????

ねえ様~~~~~~~~~~。




【太守府/王城内郭/王乃間/青龍の本陣食卓/主人の左手】


――――――――――わたくし、お父様に深く、深く、ふか~~~~~~~~~~く、感謝しておりますわ。

わたくしを産ませ、育てさせ、本当にありがとう御座いました。

遠い空の下から、お父様のことを想い出しますわ。

年に一回は

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平均すれば、ですけれども。


ささ、ねえ様!




【太守府/王城内郭/王乃間/青龍の本陣食卓/主人の背後】


あの娘は怯え、妹分は確信。

あたしは妹たちを意識して、胸を張る。

あたしのことながら

――――――――――バカみたい。


この大きな背中から、でられやしない、のに、それで終わる自由もない。

捨てるも背負うも、自在な、彼。

あたしは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弱かったんだ、な。



【太守府/王城内郭/王乃間/軍政司令部食卓/ゲストの正面】


俺は噛み締めていた。

なんでも無いことが、幸せに感じる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不幸の証明だよ、それ。


思えばツいていたのかもしれない。

不幸中の幸い的に。


何にもしないのに、問題が片付いたもんな。

それは問題が次々発生した、という意味でもあるが。


普通は失敗する、無謀な任務。


失敗しなかったから、生きてる?

失敗しなかったから、帰れない?


もちろん、そんな結果が判る訳がない。

胃は痛くなるわ、夜眠れないわ、子供の将来は心配だわ

――――――――――キミたちに出会えたことは、良かったよ。



しかも、なんか問題が解決したっぽいこの邦。

依願退職で本土に戻るなんて夢を捨て、不当解雇で失業保険なんて理想を捨て、邪魔にならないように隅っこで暮らすのも良かったかもしれない。



うん、やれる仕事ないから無理だね。

仕事造るだけなら、役人使えばいくらでも考えつくだろうけど。


俺も忘れていた、我が軍政部隊の文官No.2(二人しかいない)。

財務省官僚だけに、財政赤字嫌いの財政均衡主義者。収支バランスさえ合っていれば、国が滅んでもOKな典型的官僚だ。


だからこそ掘って埋めたり、造って壊しては得意だろう。


うまくやれば毒にも薬にもならない、その場足踏み的な事を考えてくれるだろうに。

だが、遅い

――――――――――俺は、三佐の宣告をまった。


「見つかったわよ」


ろくでもない任務が、か。

いや、ろくでもなくない任務、って言語矛盾だが。


「探してたでしょう」


仕事を探したこと無いんですけど

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だから特別職国家公務員になった訳で。


「労役に出されていた、十万人」

「え」


お?

背中のエルフっ子が反応した

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、あれか。

そう、あれあれ。



農村から消えた働き手。

帝国がはるか南の戦場で、大規模な土木工事をさせる為。邦中からもっとも良質な労働力を海路送り出した。

一冬、って予定で秋から出発して二月に帰り始める予定で。

俺たちが海から攻め込んだせいで行方知れずになっていた、この邦の若者たち。

※第78部分 <沈黙の春 >


照会依頼を出してはいたな。

あれが、先月の10日くらいか。

今日は6日だから、一カ月前かよ。

※第79部分 <偵察という概念がある世界/The 10th day Briefing >



「まだ生きてる。さっきまでは」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?


「好きにしていいわよ」


窓外から跳び込む神父


「OK!マッカセナサーイ!!――――――――――ファュエ」


神父の鳩尾に刺さる教本に載せたくなるような正拳突き。

三佐付き、大和撫子タイプの女性将校は空手か拳法を嗜むのでしょうか?


「いえ、ボクシングと」

「スキにさせてクダサーイ?」

「クラヴ・マガを少々」


ごきぃ。

ちょっとクビを捻ると凄い音がするのは判りました。


「Wrrrrrriiiiiiii~~~~~~~~~~」


ナニがとは言わないが、曲がったままの神父。

立ち上がったまま軸足をはらって、床にひっくり返して、ストンピングする女性将校。


「λц│╋ёδ∝∫∂∀⊂♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪」


ちょっとナニ言ってるかワカンナいんですけど。



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