夢、様々

「・・・・・・・・・・・・なんという悲劇だ」

ルワンダ民族浄化の記事を読んで

――――――――――――――――――――ボスニアのスナイパー。

《ユーゴスラビア内戦中のニューズウィーク風刺画より》

「同じ国の民を恐怖で統制し、弾圧と強制労働を繰り返すコミュニストどものパラノイア恐るべし！！」

共産趣味者の作品を読んで

――――――――――――――――――――過労死寸前のブラック社畜。

《ＢＧＭ/ＴＨＥ ＢＬＵＥ ＨＥＡＲＴＳ「ＴＲＡＩＮ-ＴＲＡＩＮ」》

【太守府/王城/王乃間/国際連合統治軍軍政司令官私室/ベットの上】

俺が部屋に戻ると、エルフっ子が饅頭になっていた件。

ベッドの上で、掛け布団、的なモノにくるまってしまっている。

傍らの窓際、春の陽光を楽しむ悪魔の影。

三佐の肌が艶やかな件

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いじめられたのか、いじられたのか。

それにもまして精神状態で爆発的に向上するらしいからな

――――――――――三佐の新陳代謝は。

もともとストレスは美容の大敵だ。

ならばその逆は大きな味方にもなるわけで。

女性のみなさん。

不愉快そーにしている貴女は仮面をつけたほうがいいとおもいますよ。

楽しそうにしている貴女は声をかけてもあまり怒らないでください。

まあ、泣き顔が可愛い人もいるけどね？

いえ、特殊な趣味じゃないですよ？

マジ、一般的な嗜好ですから？

俺は特殊で非凡な性癖を持つ女性をチラ見。

「なにもしてないわよ、まだ」

Ｃｏｌｏｒｆｕｌが部屋の隅っこで震えているのは、何でなんですかねぇ～～～～～～～～～～？

「本人が自覚する前の、本当の希望を声に出して自覚させてあげた、だけよ」

布団饅頭エルフっ子が三佐の声にビクビクしてますが。

嘘ではない、だろうな

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・物理的には。

三佐は心を砕くのが専門だし。

射殺する前に、キチンと絶望させるくらいには。

俺は巾着エルフっ子に近づいた、ら、背中に抱きつかれた。

三佐から庇って立ったらこの位置関係。

エルフっ子は顔を伏せて、俺の背中に当てている。

「 《・・・・・・・・・・キライにならないで》」

なんか、言ってる？

ヘルイヤーな三佐が反応。

ふむ、三佐の様子からすると、どんな様子かと言えばますます肌に磨きがかかっている感じ、なのだからエルフっ子は泣いてる感じじゃないな。

三佐はイジメる相手を泣かせない。

それは愉しめないかならな。

だから愉しむために俺に矛先、返り討ち。

「貴男は、その娘を喜んで抱くでしょう？」

「当然」

安直というなかれ。

子供には心音が一番よく効くのだ。

いやあるいは、体温や大きな体に包み込まれる感覚がいいのかもしれない。

理屈は判らない。

効果は実証済み。

姪っ子だの近所の小中高なガキだの友達の子供だの。

ともあれ、布団巻エルフっ子を前にして、なんのナゾかけだか、バカバカしい

――――――――――と、軽く応えたが。

なんか、爪たてられてるんですけど～～～～～しまるしまるしまる～～～～～？？？？？？？？？？

【太守府/王城/王乃間/青龍の本陣/青龍の貴族寝台の上】

あたしは、ゆっくり、腕を離した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つい、取り乱してしまったわ。

そう。

恥じるようなことじゃない。

女なら、誰でも、好きな男に望むこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・たぶん。

だよね？？

ちがうのかしら？？？

あたしだけ？？？？？？

違う違う違う！

他人に言う事じゃない、けれど

――――――――――言わされちゃったけれど。

うぅ～～～～～～～～～～！！！！！！！！！！

大丈夫大丈夫大丈夫。

彼、青龍の貴族には、聴かれてないし。

聴かれて、ないし

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・伝える、べき？

はっきり、きっぱり、俺のモノだって、言われてる訳だし。

あたしも

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だし。

でもでも、流れに任せた方が

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まって。

青龍の公女は、言わない。

あの顔を見ればわかる。

あたしの煩悶を愉しむ為に、絶対に、彼に言わない。

でも、青龍の魔法って、過去の会話やなにかを、自由に取り出せたわよね？

青龍の貴族が、その気になれば、あたしが何も言わなくても、知ってしまうんじゃないかしら？

なら、ならならなら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・退かれたら、うぅ～～～～～～～～～～。

うん！！！！！！！！！！

大丈夫！！！！！！！！！！

彼だったら、気に喰わなければ矯正するに決まってるわ。

あたしが矯正され

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ？

あまり変わらない？

でもでもでも、第一、あの娘や妹分にも知られるのよ？

いや～～～～～～～～～～。

【太守府/王城内郭/王乃間/軍政司令部】

この広い部屋の中央を占める大テーブル。

俺はいつも、一番奥、窓を背にした場所に座っているのでそこにパソコンが置かれ、資料やら何やらも放り出されている。

その手前両側はＣｏｌｏｒｆｕｌが仕事をする時に使っているが、仕事が終わると片付けるので今は空いている。

そこをあえて使わずとも、大変大きい、なにやら昔は閣議に使っていたらしいテーブルは広く空いている。よって、皆で食事をすることができるわけだ。

これが隊員との食事なら気楽だったんだがね。

「いただきます」

三佐が菜箸で料理を取り分け始めた。肉、付け合わせ、サラダ、とまあバランスよくしかし各人の好みには無頓着。

好き嫌いするんじゃありません！

って声が聞こえてきそうだ。

オカンか。

三佐も。

オカン気質多くね？

その三佐。

取り分けながら、俺の背後に視線を流す。

背後は隠れて覗かないエルフっ子。

エルフっ子饅頭状態から、俺が布団を剥くと、まっすぐにしがみついてきた。で、三佐を見ると背中に隠れた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それっきり。

暴力を振るわれたのなら、返り討ちに出来たんだろうに。

エルフっ子は戦闘力高いみたいだし。

だが、噛み合わないというか、相性が悪い、悪すぎる。

三佐の得意は言葉のペンチ。

三佐の至福は澄んだ音

――――――――――貴方の心が折れる音。

突っついて、囲って、誘い出し、思わぬ場所に突き落とす。

エルフっ子、俺（保護者）から離れる事すら出来ないトラウマって、何を言わされたんだ

――――――――――と聞いてはいけないらしい。

マメシバ三尉曰わく、己自身に出遭うほどの恐怖はないのだとか。

口先一つで自我を切り裂く三佐の舌技、恐るべし！！！！！！！！！！

（ｂｙマメシバ）

舌技ゆーな

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と考えてしまう俺は左右を見ることが出来ない。

そんな訳でエルフっ子の盾（保護者）役の俺。

右に魔女っ子、左にお嬢。

なんですかその無垢な喜びに満ち満ちた瞳は

――――――――――汚れた大人でスイマセン。

普段通り一緒に食べたいところだが、ちびっこ二人、今朝は給仕に徹するという。

まあ普段も何かと食事中に世話をされているが。

おままごとのような、お手伝いのようで、ほっこりします。

しかし今日は完全に、精神的な距離を置かれて両サイド。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三佐、お客様がいるからだそうだ。

その場合、ホストとゲストを対峙させ、家人は一歩下がるものらしい。

だからＣｏｌｏｒｆｕｌも、三佐の給仕に徹しようとしている。

んが、三佐に顎で使われて、食事の取り分けは三佐独占。Ｃｏｌｏｒｆｕｌ達の分までさっさと取り分けて介入を許さない三佐。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌ自身は、皆に飲み物を勧めたり、注いだり、三佐に言われるままに食事したりと忙しそう。

というかキミたち、勤務時間外だから寝てて良いんですが。

それを言ったら軍属ですらないシスターズはどーする、って話だから今更か。

労務管理の坊さん曰わく、問題なし、とのこと。

国際連合軍、軍人軍属労務規定。

大規模駐屯地以外に配属中、勤務時間外とされる待機時間も給与の対象になっている。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌたちがプライベートな時間に、個人的に親密な人物と過ごすのは自由。それが勤務先の人間であっても同じ。

さらにその相手が迎えた来客をもてなすのは、家庭内でのことなので感知しない。

ん？

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・家庭？

いや、家庭って、こうじゃないかな、と盗み見る俺。

「おぎょーぎわるいですよ！団長！」

すぐ隣のマメシバ三尉。

なお、軍政司令部中央大テーブル、パソコンやらプリンターやら置いてなお広い空きスペース。

俺たちのすぐ隣。

バクバク食べる元カノ、お行儀を注意しながら自分の分だけ取り分けるマメシバ三尉、厨房とテーブルを行き来して、運びながら料理をつまむ黒旗団のドワーフたち、も一緒である。

俺は内心、指をくわえて羨ましい。

とりわけ、骨付き肉に素手でかぶりつき、ガシガシ喰っている元カノ。しかも舌なめずりで口元のナプキン要らず。スープは最初からデカいカップに注ぎ、腰に手をあて一気飲み。制服が脂で汚れる、とマメシバ三尉にどやされて、パンで手を拭って、そのままそのパンを口へ。

確かに、家庭内だな

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一方、当方。

流石にコース料理な雰囲気ではない。

ローストビーフ（異世界の野牛）を主菜。

チーズをかけ、香辛料のパウダーをふった、ホクホク蒸かしたジャガイモみたいな根菜。

加えてバターで炒めた緑黄色野菜が付け合わせ。

大根かな？

玉ねぎかな？

って感じのシャリシャリした白い短冊切りの野菜に生の葉菜を合わせ、ドレッシングの器を添えたサラダ。

半熟ゆで卵ゴロゴロ。

クリアスープ。

フランスパンを思わせる硬めのパンに、クロワッサン的なパン。

山羊っぽい乳に、どう見ても柑橘類でしかも、伊予柑や八朔的な大玉果実。

果実酒各種に蒸留酒もあります。

――――――――――実に良い、不満などあろうはずもない。

目の前に、ジャイアニズムを体現したチェシャ猫が澄まし顔でいなければ

――――――――三佐だが。

いや、飯は黙って食べるべし。

一心不乱に楽しむべし。

酒も女もみな同じ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、叔父が言ってました。

いえ、俺は、何も言いませんでした、けどね？

きっとそれは誤解です。

話せばわかります。

まずは皆さんの意見から。

俺は後で良いですよ？

【太守府/王城内郭/王乃間/青龍の本陣/食卓の背後】

あたしは彼、青龍の貴族から離れられない。

ぐるぐるぐるぐる、心と気持ちが空回り。

あの女

――――――――――青龍の公女がいる限り。

言わずもがななこと、言わされてしまったこと、あたし自身が初めて気がついた、ソレ。

――――――――――告げられてたまるもんですか！！！！！！！！！！

まだ、奪われてすらいないのに、先に知られたら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダメダメ。

考えちゃだめ。

手順を踏めば大丈夫、よ、きっと、たぶん、おそらく、いずれ。

だからこそ、絶対に耳を離せないわ。

青龍の公女、その魔力を考えたら、あたしを黙らせて、あたしの目の前で、何もかも彼に知らせるなんて簡単でしょうね。

でも、少しだけ判った事があるわ。

青龍の公女は、あたしが居る時以外、やらない。あ

たしは、ずっと青龍の貴族から離れてはいられない。

だから、あたしが隠そうとする事も、愉しむつもりよね。

いい趣味してるじゃない

――――――――――逆手にとって、防いでみせる！！！！！！！！！！

【太守府/王城内郭/王乃間/青龍の本陣/食卓の左手】

わたくしは、果実酒を注ぎながら卓上を差配いたします。

あの娘は基本、ご領主様以外に目が届きません。

だから、集中させればいいわ。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌの皆には、わたくしが目配せ。

公女さまの機嫌を損ねたら、わたくしだけじゃなく、貴女たちもおしまいですからね？

きっと公女さまは、お気に入りの臣下、その女にまで眼を光らせる方。

いつもいつも、わたくしたちを試しているのは、そういう事よね。

わたくしは、わたくし以外の女たちに恥をかかせたりいたしません。

競争相手が居ないから、可愛がられる。

そんな風に、わたくしが見られたら

――――――――――ご領主様の恥ですからね。

もちろん

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたくしの特技を、愛しいご領主様に売り込みたい、と考えなくはありませんけれど。

ま、商家の娘ですからね。

人の差配は慣れてますし。ご領主様の宮廷を差配する

――――――――――この程度は、と・う・ぜ・ん、ですわ。

ご領主様、わたくしを見てくださいませ。

可愛い容姿と、お好みに相応しい幼い肢体、なにもかも全てを捧げる女

――――――――――それだけでは、ありませんのよ？

【太守府/王城内郭/王乃間/青龍の本陣/食卓の右手】

わたしは、ご主人様を見るだけで幸せに

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いけません、いけません。

でも、ご主人様が食べたい物が、なんとなく判るんです。

ぜんぜん役に立たない魔法より、絶対こちらの方が良いですよね。

わたしが取り分けたチーズをかじられる、ご主人様。

チーズも、造りたいな～。

でも、あまり何もかも造ると、ご主人様のそばで過ごす時間が、なくなっちゃう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いけないいけないダメッダメダメ、気が遠く、なりそうに。

マメシバ卿が、以前おっしゃってました。

――――――――――青龍の世界では、多くの食材が、出来上がりに近い形で手に入る、とか。

わかります～～～～～～～～～～！！！！！！！！！！

青龍の皆さんがそうするのも、とっても納得です。

準備をどなたかに、お願い出来れば。

それだけ、好きな方と、その分だけ長く、お側で過ごせますもの♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ああ、でも、その日その日、その時その時、それぞれに合わせたお料理を造りたいですよね。

それは、常に側にいて、準備も早い段階から自分でしないと。

うぅ～～～～～～～～～～肢体が三つ欲しいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん！

だからみんなで分担すれば、できますね♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

うーん、ご主人様がたくさん女の人を惹きつける、理由がわかりました。