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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第五章「征西/冊封体制」

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197/1003

パーソナルスペース/Within range.

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿/隊長/たいちょー》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。


『あたし』

地球側呼称《エルフっ子》

現地側呼称《ねえ様》

256歳/女性

:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。姉貴分。ロングストレートなシルバーブロンドに緑の瞳。長身(数値不明)。革を主体とした騎士服にブーツに剣が常備。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/幼女》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女》

現地側呼称《妹分/ちいねえ様/お嬢様/愛娘》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。


『あたくし』

地球側呼称/現地側呼称《メイド長》

?歳/女性

:太守府王城に奉公する女性たちの長。ストロベリーブロンド、碧眼、白肌。異世界でも地球世界でも一般的な、ロングスカートに長袖で露出が少ない普通のメイド服を身にまとう。まだ年若いが、老人の執事長とともに王城の家政を取り仕切る。

初登場は「第11部 大人のような、子供のような。」



【登場人物/三人称】


地球側呼称《三佐》

現地側呼称《青龍の公女》

?歳/女性

:陸上自衛隊三佐、国際連合軍事参謀委員会参謀、WHO防疫部隊班長、他いろいろな肩書を持つ。日本の政権与党を支配する幹事長の娘で、父親と連携して戦争指導に暗躍している。



子供はウザいくらいでちょうどいい。



棄てられることなど思いもつかない図々しさ。

護られて当たり前と信じる厚かましさ。

甘えてねだりごねてキレる傲慢さ。


放り出しても入ってくるし、締め出しても入れろと騒ぐし、登る乗っかるしがみつく。


姪っ子も、近所の中高生も、友達の子供もだいたいこんなもの。

先を読み、ふんづかまえて、抱き上げて。

叩いて騙して煙に巻く。


家に帰ればそんなもの。

―――――――――――――――――――「子供」が、そこに、在る世界。



大人も子供もない世界。


捨てられる?

拾われた事すらない、その眼。


「暑いからどけ」


・・・・・・・・・・・・・・・・言えるかって。





【太守府/王城/王乃間/国際連合統治軍軍政司令官私室/ベットの上】


ここは俺の部屋、に勝手に武力で決めた場所。

広い広いベッドの上。


普段はシスターズと俺だけだから、大の字になって余裕余裕。シスターズは、まるまって寝るのが好きだけどね。


ベッドの上に俺。

俺の上にエルフっ子。

ベッドの脇に三佐。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まな板、食材、料理人?



エルフっ子は慌てて身を起こして、失敗して俺の体に顔をぶつけて、しかるのちに、ゆっくりっ

・・・・・・・・・・・・・大丈夫か?ゆっくり過ぎない?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺の上から降りた。


まあ、このベッド、広いからね。



どれだけ広いかというと、シスターズ&Colorful、ざっと八人まとめてゆっくり眠れます。寝たことはないけれど、と言いたかった気もするが。


いえ、目を覚ますと包囲されていることがあります。


異世界人間種非人間種美少女美童女美幼女に囲まれて台上ベットの上に飾られている。いったい何の召喚儀式なのかと小一時間自問自答したことが、最初の頃は在りました。


最近は、踏んづけないように、起こさないように、ふかふかの足首まで埋まる柔らかいベットと格闘しているだけですが。


概ね敗北します。



すっげー歩きにくいんだよ、このベット。


それ自体は元々の造りであって、シスターズ&Colorfulのせいじゃないけどね。

カンジキなしで豪雪地帯を踏破するようなもの。そこに密集した8人がくるりと輪を描いて、しかもシスターズの小さい二人に至ってはたいてい両腕にしがみついている。


※樏:足底に板みたいな物をつけて雪に足が埋まらないようにするアレ


真似したColorfulが脚にしがみつき始めた日には、どう見ても拘束具ですありがとうございました。

一歩間違うと、ネコふんじゃった状態から布団と子供の融合体へのダイブ。


・・・・・・・・・・・・・あ――――――――――よく考えたら、俺の実家と同じだわ。


寝てると近所のまで合わせてネコが集まって一緒に寝てるから、起きるとき布団から抜け出すのに30分くらいかかる。

あそこに右手をついて、ここで左手を突き、一歩目は左足で、そ~と布団をずらして目を覚まさせないように移動させて・・・・・・・・・・・ってパターン。


暑さ寒さと関係なしに寄り集まってくるところがまさにそれ。

真夏のクーラーが壊れた部屋の日差しのいい場所で、窓を開けはなしても救いとなるような風もなく、意識を放棄した俺の首にしっかりと巻き付いたっていうかはまり込んだ体重5kgのネコ。


名前はチビ。

名前を体が凌駕している代表例。


びっくりしたな~あれは。

目覚めた理由はお察しで、死ぬかと思った。



そんなほのぼのした思い出はさておいて。


で、まるで俺を守るかのように、魔王(三佐)に向かい立つエルフっ子。

よせ!!

止めろ!!!

俺を置いて先に行け!!!!


と叫ぶ、俺

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・心の中で。


猫じゃらしを見つけた、サーベルタイガーそのもの、が三佐。


「そそそそんなはなししてません!!!!!!!!!!」

「あらそう?」

「そうです!!!!!!!!!!」

「しなくていい?」

「イヤです!!!!!!!!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はなしのことですからね??????????」

「じゃあ二時間で」

「しなくていいのは、そのはなしです!!!!!!!!!!」

「しないとイヤなのは?」

「うぅ~~~~~~~~~~」


退かば押し、押せば退く。

三佐の拘束消耗戦術。


翻弄されるエルフっ子。

すでに羞恥心をガリゴリ削られ、敗北決定。


三佐は降伏を許すタイプじゃない。

降伏させることでなにがしかの効果が得られない限り、最後の最期まで完全殲滅。

仕事でも遊びでも首尾一貫、ってか、基本的に公私の区別が無い人だしね。



助けてあげられない俺を許して欲しい。


エルフっ子、涙目可愛い、などと思ってすいません。

顔と口撃は三佐に向けながら、真っ赤な耳が俺を追尾しています。

確認するために、部屋を往復してすいません。


え?

さっさとベットを抜け出したのは謝らないのかって?

いや、司令部は常に後方に在るべきなんですよ?


戦況を客観的に把握する為に、俯瞰して指示を出すために。


お偉いさんは安全な場所で勝手なこと言って、っていうのは下っ端のお気楽な定番セリフ。そんなキミたちだって戦闘中、特に敗北中に司令部との連絡が途絶えたら絶望するに決まってる。


死守命令でもなんでも、お偉いさんの命令が聞こえているうちは、敗走する余地があるってことなんだから。


指揮官が常に前線にいるなんてファンタジーライトノベルだけです。

まあ、全戦力5人未満ならいいかもね。



「あ、じゃあ、お食事のしたく、しますね」

姉貴分の自爆を見かねた魔女っ子、フェードアウト。


「わたくしも、お茶の用意にまいります」

ぺこりと一礼する、お嬢。



じゃあ、俺も

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・SOSに見えるエルフっ子イヤー。


いや、これ以上、見ていたら、そっちの趣味に目覚めちゃうからね?

ドSの感染拡大は防がないとね?

仕方ないよね?





【太守府/王城/王乃間/青龍の本陣/扉口】


あたくしは、胸を撫で下ろしておりました。


青龍の公女殿下は、御領主様の上座。

失礼など、有り得べからざること。


しかしながら、この城の、あたくしどもの主は、御領主様。

あたくしが考えるべきは、御領主様の意向のみ。


城外の上下を尊重するは、理の当然。

しかして城内の上下に容喙させざることは、理の以前。



公女殿下は、御領主様を、敢えて適切に表現すれば、可愛がっていらっしゃいますわ。

御領主様も、公女殿下のお戯れをそれなりに受け入れられている様子。


・・・・・・・・御領主様を評すがごときは、身の程知らずにはございますが。



しかして、あれば。

お二方がすれ違わぬよう、ぶつかり合わぬよう、勤めまするのがメイドに御座います。


だからこそ、御寝所に忍び寄る公女殿下を、お助けさせていただきました。


もちろん、刻を見計らっての上で、勤めを果たしたこと言うまでも御座いません。

時選を得られぬようならば、身を捨ててお待ち願います。


房時の最中では不躾になりましょうし、御領主様のお加減もありましょう。

それでは公女殿下も含め、愉しむことなど望めません。



そして、今日、その時、この結果。


正解

――――――――――まさに、メイド名利に尽きますれば。


御領主様は驚きを愉しまれ。

公女殿下は興に乗られ。


側女のエルフさまも、秘めておられた内心を赤裸々に。



こうして日々、御領主様の営みに、あたくしの色を添えてまいりますわ。それと判らぬようにさり気なく、それに満たされるほどあからさまに。




【太守府/王城/王乃間/軍政司令部】


俺は部屋、軍政司令官私室とは名ばかりの、寝室を出た。


実態は何かといえば、託児所である。

ついさっきも権力をもてあそんで、多世界をいじり倒しているジャイアント・チルドレンが乱入してきた。

ジャイアニズム正統継承者。


俺は猫型ロボットを探して旅に出よう。



メイド長が深々と一礼。

うん。

いると思った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・馴れないな~~~~~~~~~~。


――――――――――答礼しなかった。


まあ、今更か。



俺に出会った異世界現地住民の反応。



最大多数

――――――――――視線真下90(270)度。


見物ではある。

飽きたが。


大勢集まった、群衆が、老若男女富貧貴賤、全く統一感のない方々。

ソレが一斉に、唯一最大の一糸乱れぬ統一行動。

まったく同じタイミングで下を向く。

マスゲーム?



一部それなり

――――――――――視線斜め下45(315)度。


日常的に俺と接する参事会関係者、王城に出入りしている住民、現地雇用の奉公人。

これはそれほど一斉に、ではない。

大抵は王城の中の話だしね。


屋内で、俺に気がついたとき。

俺に出くわしたとき。


固まって、時に震えて、無言で、あるいは口をパクパクさせて。俺が近づくと顔面の色合いが人間のそれを越えて青ざめます。


なるべく早く通過するのがコツ。

通過できない時、俺が立ち話をしている時に物陰から出てきて出くわしてしまったときなんか。

俺が気を使うとまた厄介なことになりかねない。


そういう時は、例外にあたる人々が連れ出してくれる。



その例外

―――――――――――同居中のシスターズ&Colorfulのことじゃないぞ。


まあ、代表例は若い参事や参事会新議長。


若い参事は基本にこやか。

必ず近くに駆け寄って、簡潔に、しかし時候をわきまえた挨拶をしてくる。ほとんど常に誰かと一緒にいるので、その同行者もぎこちないながら挨拶してくれるので助かる。


たまに俺に用が無い時でも、硬直している者を見付けると、撤去させてくれる。かなり乱暴だが、まあ、この邦の習慣には口を出さない。


同じような対応をする人も多少増えている。そういう人は、若い参事と一緒にいるところをよく見るので、一党と考えるべきなのかもしれない。



参事会新議長は、ものすごく気さくで付き合い易い。

っていうか、この女性は本当に役付きの人なのかどうか大変疑問です。ある種、天真爛漫で子供がそのまま大人になったタイプの人なんだろうけどね。

おしゃべりは長いが、たいてい若い参事が切り上げてくれるから、まあいいか。



例外そのニ。


お嬢のお父さんは、顔を向けたまま、礼。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヤクザかな?


大変に殺意を抱いた眼で睨まれます。

愛娘のお嬢が連れないのは、新しく出来た悪い友達のせい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺だな。


お嬢の年齢があと5歳上ならば、少女をたぶらかすロリコン扱いだ。

いや、しかし、冤罪である。


日本の特捜部みたいに、ストーリーをでっち上げるの止めて。



お嬢が父親を邪険にするのは、そーいう意味じゃないと思うんだ。一足早い反抗期、あるいは第一次反抗期と考えれば妥当だよな。

そも、親子関係そのものが発生初期の中世に、反抗期があるのかしらんが。


さておき。


問題は、お父さんの敵意に満ちた視線が俺には不愉快ではない、ということか。

いや、変な趣味じゃないですよ?


お嬢を猫可愛がりする姿勢に、共感のような安心感のような。

類型に当てはまらない反応に、心が癒される。

やはり、病気療養休職依頼を

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いやいや、お父さん相手以外にも例外はいる。



例外の三。


盗賊ギルドの頭目。

港街にいるときは毎回突然瞬時に、俺の腕の中に出現し一桁幼女を俺に抱かせる。

一人娘を預けられても困るのだが。


働くお母さんだけに、預かり先を探しているのも解るけどね。

俺が一番暇に見えるのも解るけどね。

しかも一桁幼女はたいていおシスターズが面倒見ていたし、困ることも無かったけどね。


残念ながら、ここ、王城にはいない。


遙か彼方の港街、この邦、第二の都市。

そこの有力者だからな。



まあ、時々連絡が来るけれど。

毎日ではないだけで、けっこつ頻繁に連絡が来るけれど。


港街奴隷市場に設けられた、軍政臨時司令部兼独立教導旅団(黒旗団)司令部。

今は軍政部隊の人員不在。


設備やなんかは黒旗団の副長が仕切っている。

つまり遊びまわっている元カノに何もかも任されている、インドネシアの老人とエルフの美少年(外見は)だ。



頭目は、そこの通信設備を使って連絡してくる。

特段の理由や要件はない。


それは俺の主観ではなく、本人がそう明言している。

ある意味で見習いたい度胸の持ち主。

異世界ヤクザの姐さんは怖い。



そんな無茶をしてまで何がしたいのか、さすがの俺にはお察しだ

――――――――――愛娘自慢。


今は亡きご主人の、つまりはエルフのイケメンご亭主の一粒種。なにやら、聞くも涙、語るも涙の異種族悲恋物語があるようで。


・・・・・・・・・・・・・・・いえ、聞かされてないですけどね。

聞くと泣いちゃいそうだから、聞きません、とは言えないから大変感謝しております。元ご亭主の話も、元カノが強引に聞きだしているのを止めただけです。


チョークスリーパーがほどよくきまりました。


でまあ、頭目。


妖艶系美女。

娘さんも将来が楽しみです

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、今も可愛いよ?


まあ年齢一桁くらいの子供だし、なんか可愛いよね。

行儀がよくて遠慮がちだから、邪魔にならないのが、ちょっと心配なくらいだ。


頭目が自慢したくなるのも判る。

だから、日々に近いくらいに連絡してくるのも判る。

俺にしか、地球人にしか自慢出来ないから

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハーフエルフだからな。


最近まで母子と隠して、人目を避けて軟禁生活させざるを得なかった。

バレたら母子揃ってリンチにかけられる。


いやはや。


で、頭目を拉致した俺たちが、娘さんの軟禁施設に乱入してしまった、結果。なんやかんやあって、頭目は娘と母子として暮らすことが出来るようになった。


対外的には実母であることを隠さざるを得なくて、母親代わりとして、だけどね。

道理を踏み倒す権力の力。

つまりは俺の命令でそうなってんだが。まあ、命令ってことになるとは思わなかったが。結果おーらいってことで。

(第32部分 「よいことがありますように」 にて)


ハーフエルフの娘は、やんごとなき方から預かった子供、という設定。


それでも2人っきりになれば、抑圧されていた母性愛を炸裂させているらしい。

その溢れ出す喜びを、誰かに伝えたくなるのは人の常。

ハーフエルフに差別意識が無い相手にしか語れない。


つまり地球人かシスターズ&Colorful。


地球人兵士全般は異世界人への接触制限がある。

黒旗団の副長、インドネシアの老人ならばほとんど制限が無いはず。

だが、頭目とは親しいとは言えない。


個人的な話が出来るほどに親しい、と言えなくもない俺たちは側にいない。


シスターズ&Colorful、の通信環境は制限つき。

狭い範囲の部隊戦闘系で、港街にはつながっていない。


だから、邦全体をカバー出来る通信環境をもつ、俺が指名される訳だ。


軍政官なら、非肉体的交流に制限ないしね。

だから、臨時軍政司令部の通信環境利用申請を出すのは構わない。


申請理由に、思いっきり、主張する

―――――娘がお話をしたがっています―――――

とするは、どうかと思うが。


誰もそれを咎めないのも如何なものか。


え?

俺?

俺が咎めたら、話したくない、っていうみたいだろう!!!!

子供に言えるか!!!!!!


まあ、通信に出てくるのは、頭目本人だけどね、主に。


たいていいつも、ドレスアップしていらっしゃいます。

たいていいつも、肌ね露出が広うございます。


映像、っていうか、無駄に高解像度再現されたホログラフィ付き通信。

操作に慣れているわけがなく、カメラの向きを適当にいじるのは止めて欲しい。

たいてい、霰もない映像から始まってしまうのが、なんとも。


軍政官専用回線だから、俺以外見ていない、かもしれないが。

検閲されてるかされていないかは、誰にもわからない。

から気にしないとしても、大変に目の保養。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・というか、触れない目の保養って、拷問だよね。


これが重なると、再会したときに大変な事になるから止めて。



港街の人魚より、カメラの使い方が下手ってのは、どうなのか。毎日通話している人魚は、日々自撮りが上手くなっているのに。


幸いにして頭目は、間違いなく地球基準で成人女性。


多少、ドキドキしても許される範囲。

まあ、二十歳そこそこの女性に翻弄されたりは、しない、ですよ。


そーいえば、人魚も例外か。

どちらかというと、子供枠、しかも年齢不詳だけどね。



まあ、そんな例外の最後は、やっぱり王城勤めの皆々様。


思えばメイド長や執事長は、最初から物怖じしなかったよね。

皆さん俺を見て、まず微笑む。

しかして、深く、一礼。


答礼しなくなったのも、このせいだ。

ずっと頭上げないからね。


早めに通り過ぎてあげないと、大迷惑。

さすがに俺が通り過ぎるまでじっと頭を下げる、っていうのは止めてもらったが。



さて。

俺は部屋を出て、それと気がついた。


これは一つのアレじゃないだろうか?

久しぶりの一人っきりじゃないだろうか?

リフレッシュタイムなのではないだろうか?


であれば、そう、子供たちが居ない時にしかできないことをしてしまいたいと考えるのは、決して間違っていないのではないでしょうか。



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