味方というモノ

『目には目を』では世界が盲目になるだけだ。

素晴らしい世界に変えたいならば、素晴らしい貴方におなりなさい。

世界を変えるのだから、貴方から変わりましょう。

――――――――――モーハンダース・カラムチャンド・ガーンディー

然り。

故に『発想の転換』が必要です。

『目には目を（限定報復）』

では互いの消耗を招くのみ。

『目には首を（無制限全面報復）』

など考慮にも値しない。

『やられたら、やりかえす（報復）』

では、いつまでも争いが無くなりません。

すべて考慮に値しない、愚かな考えです。

まずは目を。

先制全面無制限攻撃は、あるべき世界を創ります。

【太守領西部/西の山/その麓で一番風光明媚な隠しスポット/青龍の貴族、その右ゼロ距離】

わたし、わたしたちは、わたしたちみんなが、理解していました。

わたしのような、何もわからない者までが、解らないままに判ってしまいます。

最初から、最後まで。

ここにいる者すべてに関わりがなく、ここにいる者すべてに関わること。

煙獣。

煙のお化け。

青龍だけが使役する魔獣。

それを西の山にあふれださせたのは、ここにはいない誰か。

かくあれかし、と信じて託したのは、このにおられ、いらっしゃるお二人。

当たり前でさえあれば、起こらなかったことが、当たり前でないから、起きた。

それを起こした、起こしてしまった、西の山のみなさんは、恐ろしい恐ろしいことになっているでしょう。

報い、とは、思えません。

わたしには、思えません。

でも、赦せようはずもなく。

裏切られた、裏切らされた、ご主人様と、西の山のドワーフさん。

ご主人様の眼に浮かぶのは、嘲りと憐れみ。

ドワーフさんの眼に浮かぶのは、恥と悔恨。

誇り高い、ドワーフの戦士長さん。

仲間思いで、仲間を自らのように誇り、仲間を自慢して、仲間に裏切られた。

この方のお仲間さんたちが、恥知らずだったとは思いません。

ただ、少しだけ、今、一時だけ、皆ではなく一握りの、もしかしたらたった一人だけが迷ってしまったのかもしれません。

弱い、弱くて弱くて、何もできない、わたしが、それを非難できようはずがなく。非難したところで、しなかったところで、何もしなかった時と変わりません。

それでも、抑えられない、あふれてしまう。

わたしもいつそうなってしまうかわかりません。もうそうなっていてきがついていないだけなのかもしれません。

だからだからだから、

――――――――――ご主人様を失望させた方々を、赦すことはできませんでした。

【太守領西部/西の山/その麓で一番風光明媚な隠しスポット/青龍の貴族、その前】

あたしは跳び上がりそうになって、かえって固まった。

なによ！！！！！！！！！！

背後、青龍の貴族が、あたしの髪に触れたんだけど。

さすがに腹が立った。

今じゃないでしょ？？？？？？？？？？

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダメじゃないけど。

あたしの前には、ドワーフの戦士長が胡坐をかいたまま。

あたしの後ろに、青龍の貴族が座り、膝に乗っている妹たち。

あたしは膝をつき、半ば身を起こし、剣をいつでも抜ける、けれど、抜かない。

今は。

ドワーフの戦士長が攻撃に転ずれば、あたしが片付ける。

力ではななわないから速さで。

斧をとって振る前に、あたしの剣が首を裂く。

それは、出来る

――――――――――集中すれば。

なのに！

なのに！！

なのに！！！

あとで文句を言うんだから！！！！！！！！！！

どーせ無視されるか、からかわれるか、もっと跳びあがることをされるだけだろうけど

・・・・・・いけないいけない。

落ち着いて落ち着いて落ち着いて

――――――――――え゛――――――――――

あたしは彼に抱き据えられて、包まれて、あたしはドワーフから隠される。

ちょっと、これじゃ、彼があぶない！

青龍の貴族は、腕一振りで敵を砕くけれど、視線ひとつで相手を貫くけれど。

あたしを抱きしめる両腕。

あたしを見つめる眼。

いくら彼でも、背中で敵を殺せるとは思えない。

そして、青龍は、守りが苦手。

ドワーフの戦士長が、彼の背中に斧を振り下ろしたら！！！！！！！

あたしは、彼の腕をふりほど

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・青龍の貴族が、あたしの顎に手を添えた。

クイッっと上げた。

唇にぃぃぃぃぃぃぃぃぃ

――――――――――――――――――――？？？？？？？？？？

【太守領西部/西の山/その麓で一番風光明媚な隠しスポット/青龍の貴族、その左密着】

ふゃゃゃゃゃゃゃゃゃ――――――――――？？？？？？？？？？

わたくしたちの頭上で、ね、ね、ね、ね、ね、ね、ねえ様、ま、ま、ま、ま、ま、が！！！！！！！！！！

ご領主様に唇を開かれ、目蓋を、開かれ

「覚えているな」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・？？？？？？？？？？？

【太守領西部/西の山/その麓で一番風光明媚な隠しスポット/青龍の貴族、その右ゼロ距離】

わたしたちは、その、ご主人様があの、なさるのかと、びっくりいたしました。

でも、違いました。

「水で目と喉を浸せ」

ねえ様を見つめる、ご主人様。

干された杯を置いたまま。わたくしたちを膝に載せて。

胡座をかいたまま。

おっしゃいました、間違いなく

――――――――――ドワーフの戦士長さんへ。

【太守領西部/西の山/その麓で一番風光明媚な隠しスポット/青龍の貴族、その前】

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そりゃあ、そうよね。

あたし、どこまで惚けてるのかしら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でも、仕方ない。

全部、彼、青龍の貴族が悪い。

あたしは、がっかりしながら、自分に言い訳。

青龍の貴族に、唇を開かせられ、目蓋を抑えられた。

でもそれは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたしに語りかける、ふり。

語るのは、治療法。

山を満たしたであろう、青龍の毒獣。

煙の魔獣は、人の眼球と肺が好物。

そして

――――――――――水が、嫌い。

その効力を、あたしは街で見ていた。

新議長のとりまき。

体だけは立派な、屈強と言っていい男たち。

それが煙獣の餌食になって、涙を流してせき込みながら、のたうち回る様。

そして、なんの変哲もない、川の水で癒やされていく様子。

今、煙獣の餌食にされているであろう、西の山のドワーフたちを救う為には、どうすればいいのか。

青龍の貴族はドワーフの戦士長に、伝えはしない。

――――――――――聴かせる。

それは、伝わる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・敵の施しを受け取るオマエであるまい、と。

青龍の貴族は、敢えて、一度は断ったドワーフ酒をのんだ。

ドワーフの戦士長、面目を失った相手と、同じ高さに立つために。

そして、山のドワーフたちを救う道を、あえて、ドワーフの戦士長に目撃させた。

教えるのではなくて、聴かせた。

青龍の貴族から見た、ドワーフの戦士長から見た、山のドワーフたち。

それは、侮蔑している相手からの施し物を嬉々として開ける姿。飢えているわけでもないのに、施しを受ける姿。

それは浅ましい、のでしょうね。

青龍の貴族、ドワーフの戦士長、二人から見れば

―――――――――――――死すべき程に。

あたしは、ドワーフは嫌いだけれど、殺すほどの事には思わない。だからといって、彼、青龍の貴族を止めようとは、思わない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それが、あの娘との違い。

好きな相手の為以外、指先一つ動かさない、あたし。

見ず知らずの相手の為に、考えなしに身を投げ出す、あの娘。

あの娘が身を投げ出す前に、手を打つ青龍の貴族。

でも、それだけじゃない、か。

彼は、ドワーフの戦士長を気に入ったみたい。

一度、気になった。

だから、試してみた。

そして失望して、捨てた。

さらに見なくなる寸前に、眼を止めた。

ドワーフの戦士長、その、動かない行動に

――――――――――改めて、興味を抱いた、そんな眼をしてるわね。

矜持をかけた勝負に負けた、戦士長。

普通なら、騙された、と叫ぶでしょう

――――――――――自分が勝負を受けたことを忘れて。

そして、襲いかかってくる

――――――――――なにも解決しないのにね。

でなければ、不甲斐ない同朋に八つ当たり？

――――――――――そんな奴らに矜持を託した愚かさを忘れて、ね。

そんな誰でもするような、憎めないけれどもくだらない、どんな動きも取らない。

とれない。

ならば、どうする？

――――――――――青龍の貴族は、見ている。

なのに、戦士長は、動かない、動けない。

己が一族の不甲斐なさに、自らを含めて自滅を望むほどの矜持。

それでもなお、一族を救いたいと願う欲深さ。

二つの思いに縛られた、戦士長。

迷いを恥じて立ち竦む。

青龍の貴族は、ソレを見ている。

間違いなく、興味をもって、楽しんでいる、みたいに。

だって、戻って来ているわ。

彼、青龍の貴族の眼に、関心が。

何もかも忘れてしまったかのように、西の山のドワーフたちを見もしなくなった、青龍の貴族。

その眼に浮かぶのはあからさまに観察する眼。

嘲りも、憐れみも、消えている。

だから、与える。

救われる道を。

・・・・・・・・・・・・・・・・・これは、施しじゃない、わね。

山のドワーフたちを救う方法。

ドワーフの戦士長にも、青龍の貴族にも関係がない連中。

二人の信頼と期待に応えなかった、奴ら。

それでも、戦士長が、助けたい、同朋。

青龍の貴族が、見ているのは、山のドワーフたちじゃない。背後で主をうかがう、山のドワーフ戦士達でもない。

在る一点で、青龍の貴族とお何視点を共有した、戦士長。

どうするのか。

よーく、見ている。

あたしは、伝わる事を祈る。

気がついたときには、祈ってしまったわ。

巫女でもないのに。

竜の加護などバカにしかしていないのに。

ただただ、あの娘に祈った。

――――――――――――――――――――伝わって。

ドワーフの戦士長。

もしかしたら、もしかしなくても、拒絶してしまうかもしれない。

今まさに鉄槌を落とした青龍の貴族、その施しは受けない。

・・・・・・・・・・そう思っても不思議じゃない。

そうなれば、もう見ない。

青龍の貴族は、貴方たちを、視界に映さなくなる。

彼に見てもらえなくなる。

――――――――――それはとてもとても、恐ろしいこと。

他人事でしかない、ドワーフ嫌いな、アタシでさえふるえてしまうような、恐ろしいこと。

施しでもなく、憐れみでもなく、これは、あんたへの、その矜持への

―――――――――褒美なのよ。

【太守領西部/西の山/その麓で一番風光明媚な隠しスポット】

俺は自嘲を抑えながら、希望を込めて見る。

―――――――――エルフっ子を。

いや、ドワーフ怖いし。

いやいや、怖いなら確認しろ！って意見もあるだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もっともだ。

俺も決して、自分が殺される寸前と、忘れた訳じゃない。

元カノがいくら早撃ちでも、銃には不発がつきものだ。元カノのバケモノじみたスキルならすぐに対処できるだろうが、一撃目だけは危険がある。

まあ、そのリスクをエルフっ子に負わせるわけにはいかないよね。先制攻撃を放棄したのは俺のせいだしね。

我ながら何をやってるんだか。

ましてや此処に、エルフっ子や、魔女っ子や、お嬢がいるんだ。俺がドワーフの斧で挽き肉になるなんて、その光景と血肉を浴びるなんて、トラウマすぎる。

――――――――――こゎ！！！！！！！！！！

想像しちまったぜ！！！！！！！！！！

だから、山のドワーフの方々への救助方法を、聴かせているのだ。

俺を殺す前に、やるべきことがあるよね？

敵討ちは、被害が確定してからにしようよ！

早く、あっちいけ。

とりあえず、見ないようにして時間を稼ぐ。

この行動は、もんだいないだろうか？

いや、エルフっ子を抱きしめてるのは後で謝るとして。

西の山のドワーフたちを、今は殺さない。

つまりは、安全に撤退するために、相手を退かせようとしてる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だから、決して、敵に情けをかけたんじゃない。

メインが保身。

サブが情操教育。

オマケに部隊指揮も兼ねる！

だから、三佐に質問されても大丈夫。

作戦上必要な情報漏洩だったと言い切れる。

自白剤投与は避けられるだろう。

『撃たせていいですか？』

『だーめ』

速く撃たせろなマメシバ三尉。

却下する元カノ。

『ドロボーエルフへのお仕置きは、帰ってからね』

『いや、撃たせるのそっちじゃないですから』

そんな俺の思惑を無視しそうな、不穏な会話。この場の指揮を執っているのは、元カノ。指揮をとれるのはマメシバ三尉も、だ。

キミたちなんかずれてるよ？

元カノの私刑はなんとかするとして。

国際連合軍軍法会議はなんとかなるかな？

やばいか。

国連軍、ローカル・ルール。

いや、国連ルールはグローバルな気もするが。

質問がいわゆる従来の尋問。

尋問は従来にない化学的な手法。

黙秘権？？それ、なんのこと？？？日本人にはなじみがない概念ですね？？？？

・・・・・・・・・大丈夫、大丈夫。収監されないに違いない、。連行もされないとおもう。逮捕されないと、いいなあ。

犠牲を出さないために仕方なかったんです！！！

敵を護っているように見えるのは気のせいです！！！！

――――――――――第一、友軍のドワーフたちが、ゼロ距離で敵ドワーフと混合状態。

近代火力（Ｍ-１３７）の力をもってしても、戦闘になれば、犠牲は避けられない。その犠牲を避ける為にですね？

『うちの子たち、射線に重ならないようにしてますよ、いつも常に』

『いつも撃つからね

――――――――――撃たせんな、まだ殺すな』

しかし！

犠牲が出る可能性はゼロじゃない。

後で記録を見てくださいこの緊迫した状況！！！！！

『チヌークの機長が、催促してまーす。ピクニック再開するなら、いい場所があるって』『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もーちょっと、あと』

・・・・・・・・・・・・・・・・

部隊を、ひいては俺を守る為、仕方なかったのである。

『だんちょーが魔剣で全部斬れば済みますよ』

断じて利敵行為ではない！！！！！！！！！！

さっさと退けよ！！！！！！！！！！

仲間を助けに行け！！！！！！！！！！

山がエラいことになってるぞ俺のせいじゃあんまりないけど？？？？？？？

？？？

頼めないけど頼むから！！！！！！！！！！

【太守領西部/西の山/その麓で一番風光明媚な隠しスポット/青龍の貴族、その前】

「拝領」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一言。

ドワーフの戦士長は、立ち上がった。

あたしは反射的に立ち上がり、そうになって、抱き留められた。

青龍の貴族の腕の中、あたしたちは見る。

ドワーフの戦士長が立ち去る。

併せて、離れた背後にいる西の山のドワーフたちが、立ち上がった。

全員が身振りもなしに、揃って従う戦士長。

彼ら、戦士長を含めた、西の山のドワーフたちは、一斉に自分たちの山に向かった。

「いくか」

座ったままの、彼、青龍の貴族、頭上からの声。

それを聞きつけたように、耳を圧する地を叩く音が響き、花びらが舞って嵐が巻き起こる。

飛龍が、青龍に仕える龍が降りてきた。

【太守領西部/西の山/その麓で一番風光明媚な隠しスポット】

「殺さなかった？」

なんで？

と言わんばかりの、元カノ。

何故に背中に貼り付くのか、まあ、エルフっ子に対抗してるんだろうが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大人気ない。

まあ、それより

――――――――――確かに、殺っておくべきだった。

戦士長とヤツが率いる戦士たち。

決定的な断絶を招いた、あえて敵とは言わない、集団の中核戦力。

西の山、そのドワーフ達と戦う前に始末する。

――――――――――戦闘のセオリーだ。

しかも、国連軍の基本方針が、あれだ。

敵かもしれないなら、殺せ。

かもしれないソレに連なる者を、皆殺せ。

ソレに関わる全てを焼き払え。

まさに

――――――――――アレだ。

そう考えれば、元カノのやり方は、軍令に忠実なんだろう。一見すれば、まあ、社会一般の道理を考えれば、売られる前に買い上げた喧嘩。

まともじゃない。

平和な社会の内側では。

社会の外側で戦争している俺たちの視点では

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヤバい。

俺はしくじってるな。

軍法会議は、死刑以外無い。

社会からの脱落は切望だが、人生からの脱落は絶望だ。

『人殺しはイヤだとか？』

アホか。

殺らせてみて理解してる。

殺す前も殺した後も、特に感想はなかった。

そもそも俺は自衛官だ。

禁忌が虚像でなかろうと、殺すのがお仕事。肉体労働は嫌いだが、事務仕事の結果が殺人につながることくらい理解してる。

仕事したくないのは、殺したくないからじゃない。

楽をしたいだけだ。

でもまあしかし、笑った相手と殺し合うのは、大人になってからでいいじゃないか。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、こいつら、ね』

シスターズを見ている気配。

沈黙が怖い元カノ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・？

『ハハっ！！！

――――――――――――――――――――いーわいーわ、それいーわ』

なに笑ってやがるかコイツは。

『ま、最悪、ウチらが片づけるからさ』

確かに元カノの黒旗団なら、数千程度のドワーフ、を片付けられる。西の山一帯を、誰も住めない場所にしかねないが。

ん？

んん？？

さいあく、とな？？？

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最悪、って、西の山のドワーフ達との戦争だよな？

なら、最悪以外は、妥当な結果なら、どうなる？

戦争以外、あり得んのか？

「ハーイ、美女美少女美童女美幼女巾着袋な、大尉殿。いきますよー」

俺は自分の状況を知っているから、突っ込まない。

「後が美女 （だんちょー）、前が美少女（エルフっ子）、左が童女（お嬢）、右が幼女（魔女っ子）

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うーん」

この邦は北国とはいえ、晴れた春は暖かい。

つまり暑い。

そもそも暖流の影響で、温かい土地柄。

異世界の、惑星の緯度で当然考えるべき日照量から予測される想定気温は、ずっと寒いのだけれど。気候や温度は日照量だけでは決まらないわけで。

――――――――――ちなみに異世界の自転傾斜は地球と同じ。

おしくらまんじゅう、は冬にやるものだ。

戦闘服じゃないから、保温性も防寒性も高くない、陸上自衛隊制服（常装）姿の俺。

みんなの体温が熱いです。

と言うわけで、速やかに解きほぐしたまえ、マメシバ三尉。

ちょっと、元カノと話があるからね。

おもにこの先の展開に平和的解決の要素がなくもないのかどうか、とか。流血の量が減らせるならば戦争も辞さないけれども、俺にはそんな能力もないので頼む、ロハで、とか。

いや、ずいぶん前から戦争中だけれども。

さらなる戦争もアリって意味でね。

「上下と、詰めれば、あと五人くらい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

Ｃｏｌｏｒｆｕｌを詰め込む算段をするな！！！！！！！！！！

人体パズルか！！！！！！！！！！！