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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第五章「征西/冊封体制」

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鏡像

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。


『僕』

地球側呼称/現地側呼称《若い参事、船主代表》

?歳/男性

:太守府参事会有力参事。貿易商人、船主の代表。年若く野心的。妹がいて妻の代わりに補佐役となっている。昔は相当な札付きであったようだが、今は特定の相手以外には紳士的。



【用語】


『参事会』:太守府を実質的に支配する大商人たちの集まり。五大家と呼ばれる5人が中心メンバー。


『シスターズ』:エルフっ子、お嬢、魔女っ子の血縁がない三姉妹をひとまとめにした呼称。頭目の愛娘を加えるときは「+1」とか「+α」などとつける。


『佐藤』『芝』

:主人公『俺』の部下。選抜歩兵(物語世界での選抜射手)であり、異世界転移後の実戦経験者。曹長に次ぐ軍政部隊戦闘作戦の中心。


『Colorful』:ハーフエルフの最高級愛玩奴隷たち。髪の色がいろいろなために神父により命名。一人一人の名前も髪の色に合わせて白・朱・翠・蒼・橙と主人公に名づけられた。前領主(帝国太守)が奴隷商人に発注し、引渡し前に戦争開始。占領軍の太守資産接収に伴い軍政司令官に引き渡された。軍属として雇用契約を結んでいるので日本の労働法が適用される。


『ハーフエルフ』:エルフと人間の間に生まれた混血種族。エルフに似た美しい容姿と不老、不妊、それ以外は人並みの種族。異世界全体として迫害される。



アナタの周りはどんな他人(ひと)


人は自分以外が判らない。

他人を見ることは自分を見ることだ。




嘘つきには嘘つきが見える。


偽善者には偽善者が見える。


お人好しにはお人好しが見える。


どいつもこいつもバカばかり

――――――――――――――――――――――――――――――などと見えたりはしないかな?






【太守領中央/太守府/王城内郭/正面広間】


彼らは常に、僕らを見ている。


――――――――――敵として――――――――――


恐れではなく。

不信でもなく。

侮蔑でもない。


青龍の眼に浮かぶのは、期待、いや、確信かもしれない。


いつか、いや、今すぐにも、僕らが青龍を凌駕する、出来る、する。

彼らが僕らに振り返る都度、不思議そうに見るのは、錯覚ではないだろう。


―――――――なぜ襲いかからない?―――――



無言で、そう言われている。


彼らと僕ら、その力の差は圧倒的だ。それを一番正確に知っているのは青龍だろう。青龍は相手の力を読み取ることに手間を惜しまないし、誤解するほど愚かでもない。

自らの力を把握して周りの力を推し測る彼らに、判らないはずがない。



だから、彼らは断定する。


僕ら程度の力があれば、強者である彼ら、青龍を凌駕することはできる。

ほんの少しの工夫と、意欲さえあれば。

だから、僕らが彼らに挑むであろう。

どちらがどちらを倒すか判らない、強敵同士として。


――――――――――なんという、傲慢――――――――――



愚か者ならば、意外に青龍は自分に自信がないのだな、と思う。

自分を基準にするからだ。


だが、違う。


天才に特有の、暴力。

僕には、僕らが持つ力で彼ら青龍を倒す術が思いつかない。だが、彼ら青龍は、僕の力を覗き込み、自ら

の力を見比べて、勝負になると断じている。

彼らにとって呼吸するより容易いことが、僕らにとっては空を飛ぶほど不可能だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・コレが暴力でなくて、なんなのか。


天才は、自分が出来ることは誰にでも出来る、そう考えるという。

だから、あらゆる凡俗を自分の目線に持ち上げて、可能性を見せつける

――――――――――それが僕らを灼き殺す。



しかるのち、彼らは僕らに失望するか?

挑みかからない腰抜けと。

意地のない弱虫と。

力をみずから捨てた奴隷と。


――――――――――ならば、いかに楽なことか。



彼ら青龍は、僕らが期待どおりに挑まない、それを見続ける。

強敵になるだろうという、期待を裏切られ続ける。

すると

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ますます期待を高めるのだ。



青龍は自らの知識と予見に自信がある。

予想が外れたのなら?


僕らならば、予想が間違っていた、とそう考えるだけだ。

彼らならば、予想を上回っている、とそう考えてしまう。


つまり、青龍に力を見込まれた僕たちは、青龍の予見を覆すほどの力を見せたことになる。


なればこそ、青龍は期待を高める。

いつか、いずれは、いつだろう。


僕らと戦うのは、いつだろうか?


この、彼ら青龍の感覚に気が付くのは、よほどそばにいる者だけだ。


侮蔑されるよりも。

期待されるよりも。

応えられないこと。




【太守領中央/太守府/王城内郭/王乃間/軍政司令部】


俺は仕事が終わって、ホッと一息。


だってそうだろう?

軍政とは名ばかり、軍政官とは肩書きだけ。

帝国資産の接収が終われば、後は現地政府に丸投げ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺だけじゃないよ?



国連統治軍のスタンダードだから!!!

サボってないから!!!!!!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・資産接収はとっくに終わり。

金銀宝飾品、工芸品やらなんやら。

使い道もないってのに。



穀類の類は食べればいいか

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハイ、王城には農場があって畜産もしてるっていうね。


そういえば、江戸城もそうだったね。

城内に耕作するための農民を呼び込むくらいだったね。

徳川時代の江戸城に限らないか?


城は要塞。

要塞は籠城。

駐留したり出撃したり閉じこもったり。


食料保存技術がほとんどない時代なら、自給自足は当たり前。総人口の一割に満たない都市人口だけが、日々の栄養を外部に頼っていたっていうからな。

まあ、何でもあるわけじゃないけれど。



最高品質の食材は城外、珍味は海外。


今まで、古くは王国時代から、帝国の太守まではね。

俺たちはといえば、増強分隊程度の統治軍。三佐が連れてきた施設隊は仕事が終われば引き上げる。実際、だんだんと引き上げ始めている。

・・・・・・・・・・・・・・・偽札工場の施工が完了したからか。


で、まあ、俺たちがどうするか、だが。

正直、兵站物資は現地調達ゼロで有り余る。

まあ、城外からの買い付けを止めると、売り手が困るから続けるが。


海外の売り手は生き残っているやらいないやら。

俺たち国連軍が踏み潰していなければ、残っているだろう。国連軍がいちいち足元、いや、軍靴の底を見るわけがない。


まあ、貿易船も出始めた様だし、そのうち何とかなるだろう。今のところは何ともならないが。国連軍の輸送ルートに現地のぜいたく品や珍味を載せる気もないし。


おかげで王城の料理長は大変な苦労を

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その成果を避けてすみません。


偶には食べます。

っていうか、参事会の皆さんは王城お抱えの料理人たちの腕前を、日々堪能。

それぞれが金持ちで、聴けば美食趣味もあるようだが、お気に入りの料理人を連れてきたりはしなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・流石に、王城の厨房にまで配下を押し込む事は出来なかった、と。



参事同士は、仲間で商売仇で取引相手。


誰かに厨房を任せるなんて怖くて出来ない

――――――――――誰もが相手に命を預けたりは出来ない。


みんなで厨房を共有なんて出来ない

――――――――――責任者が曖昧になれば、誰も生き残れないから。


毒殺とか毒殺とか毒殺とか。



偉い人は大変だよ、まったく。

俺は好きなものを食い、好きなものを飲み、美女に声をかけることもできず、気楽にノンビリだ。



港街の復興は盗賊ギルドと参事会にお任せ。

野盗は殺したし、逃亡農民の帰順は進んでいる。

税金がいらない話は伝えたし、微調整は坊さん役人若い参事に一任。

付随してこしらえる基金つくりの話もまとめて丸投げ。

村々への武器配布と訓練は黒旗団に丸投げ。


幸いに、参事会や盗賊ギルド、村々は自分の面倒を自分で見られる。

丸投げっていうか、そもそも俺はお呼びじゃない



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?


俺、なんにもやって、ない?

魔女っ子に食事を世話され、お嬢にお茶を注がれて、エルフっ子を愛でてるだけか?


やったね!

人生のゴール?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ま、まずい?


ふと近くを見回すと、粒良で純真な子供の目。純粋な尊敬と好意と憧れと他いろいろ。

仕事してるフリしないと??????????







※追記

エルフっ子への視線セクハラを心から心の中でお詫びいたします。二度と繰り返さぬように努めることを検討いたします。


一度、スカートの内側に視線が、いや、言い訳は止めよう。ハッキリ完全に目視したときに、無言で涙目になったエルフっ子。

おまえが言うなと言われても、あえて言う

――――――――――俺のトラウマだ。




【太守領中央/太守府/王城内郭/中央回廊】


僕は昨日の結果に納得していた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・満足はしていないが。



体調不良による脱落者、6名。

園遊会参加者、紳士淑女も当然に察する。


皆がさり気なく移動して、青龍の目から隠す。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・距離を置いた者もいたが。


愚物ごと貫かれるかと恐れた。

それは正しい。


だが、危機感が足りない

――――――――――青龍の怒りは、この邦全てで喰らう危険性があることに。


自分だけ無関係を装ったところで、青龍の怒りの前にどんな意味があるモノか。

とは言え、その時が来るまで正解は判らない。

判った時には手遅れだ。


だから、青龍の怒りの範囲が狭い、つまり離れたら助かることにかけるのが、間違っているとは限るまい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・自分だけ助かろうとして何も起きなかった時、無事だった皆からどう見られるか覚悟しているなら。



まあ誰が協力しようがしまいが、不敬な輩を隠せたとは思わない。



真上から全景を眺め、遠視透視魔法を操る青龍の貴族。

だが、それでも、意思表示にはなっただろう。


眼汚しを意図したのではない、という誠意だ。理解、というか、許容されたからこそ、皆が生きている。

――――――――――街の連中を選別する意味で、園遊会は良い機会だったな。



より分けられ廃棄されたゴミ。


ハーフエルフだと思い、嘲笑ったバカ。持ち主たる青龍の貴族が、美しいハーフエルフを見せびらかしている前で、その愛玩物を否定したマヌケ。


――――――――――新しい価値観を自得出来ない屑。



それに伴い、断絶した家が4つ。

締めて25人。


参事会五大家が一斉に殺した。要らぬ恨みを残さぬように配慮する。家産は取引がある商家で分配、もしくは共同管理。


まったく手間をかけさせる。


青龍の貴族、その前で、ハーフエルフを嘲笑ったのは世間知らずな娘たち。妬みと侮蔑でのみ同性を計る、標準的な連中。

奴らは奴らで、金のある親か亭主の愛玩人形。

だからこそ、自らの価値を押し付けるために誰かを貶める機会を逃さない。


誰よりも美しく、奴隷商人により最適化した年齢の、値の張る女。それが、最高級愛玩奴隷のハーフエルフ。

女として何一つ及ぶところのない相手を前に、ハーフであることを理由にことさら侮蔑して見せるのは条件反射だったのだろう。



僕ら参事会にとって、危険分子を始末するのも条件反射だが。


手配通り。

素早く皆が壁を作り、盗賊ギルドの殺し屋が背に回り、その場で首を折られて廃棄馬車にのせられた。

巻き込まれた親兄弟姉妹は気の毒なことだ。

子供の躾が出来ていないと、こうなる。



僕もいずれは同じ悩みを抱えるのか

――――――――――他家か親族、妹の子供が育ってから養子を選んだ方が賢明だな。


当主の地位を餌に競わせれば、効率も上がる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな楽しい未来の前に、青龍の貴族に報告しなければならない。


もちろん、街のゴミ掃除の結果などではない。

青龍の貴族が、そんな些事に関心を持つわけがない。無駄に時間をとらせたら、僕の方が殺される。




【太守領中央/太守府/王城内郭/王乃間/軍政司令部】


ノックの音がした。


ま、まずい?

朝っぱらから????

仕事がやって来やがった!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺はとっさに言い訳を考える。


今居ません。

今出ました。

今は察してください。

後日折り返しご連絡いたします。


考えるんだ先延ばし

――――――――――と言う間もなく扉が開いた。



完成したニートライフよサヨウナラ!




【太守領中央/太守府/王城内郭/王乃間の中央】


あの娘が料理、妹分がお茶なら、あたしは視線を楽しんで

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・妹たちが羨ましい、わ。


あたしの肢体(からだ)が彼の関心を惹く。

それはとてもうれしいし、誇らしい。

でもなぜかしら?


あの娘の料理を食べる、青龍の貴族。

妹分が淹れたお茶の香りを味わう青龍の貴族。

それがこんなに妬ましいなんて、ね。


そうと認めるのは癪に過ぎる。

・・・・・・・・・・・・・これでも、年上の自覚はあるのよ。



妹たちは、あたしを羨ましがっている。あたしの肢体(からだ)が彼、青龍の貴族をひきつけるから。

とはいっても、それは誤解よね。

妹たちと、あたし。

これから成長するか、もう成長しないか。


それだけだもの。


妹たちは今から先々まで、歳々のすべてを楽しめる。

そして愉しまれる、青龍の貴族に。

あたしはこの姿しかないのに。


でも。

今は。

今だけは。

青龍の貴族は、あたしを見ることが多い。だから、羨ましがられるのも悪くない。悪趣味とはわかっているけれど、もっと悪趣味な彼にイジメられているのだから許してほしい。


女をイジメるのが青龍の貴族。

誘いかけるような素振り、視線を感じる。あたしがこらえきれなくなると、ワザと視線をそらしてしまう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・誘って焦らして突き放す。





妹たちに羨まれても、困る。

常に身を寄せて、触れられる機会が多い二人の方が恵まれてない?

あたしには触らせても、青龍の貴族からは触らないくせに。



あたしは剣の柄を握り、耳をそばだてた。



「御領主様」


廊下扉脇にたち続けるメイド長。


「参事様がいらっしゃいました」


青龍の貴族、彼はメイド長の声を無視。

――――――――――つまり、肯定。


いつも通り。

命じるまでもない。

主君の意を察して動くのが当たり前。

それが青龍の貴族、その配下。

皆が当たり前にならされる。



あたしがメイド長に頷いた。




【太守領中央/太守府/王城内郭/上層階廊下】


青龍の貴族に報告した僕は、速やかに退出した。

次は、ドワーフ、か。


「ドワーフか」


前から響いた、声。

僕は平伏、しようとして、止められた。


「それは主のみに」


僕の前に立つのは青龍の騎士、二人。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・青龍の貴族の、側、は青龍の騎士長か女将軍だが、この二人もよく見かける。


騎士たちの中では、青龍の貴族に近い二人だ。


常と変わらぬ甲冑に銃、違いと言えば面貌を外していること。

そして領民の拝貴を受けるのは貴族のみ、か。

覚えておかなくては。


僕は深々と頭を下げてこれに替えた。


「名は名乗らないでおこう」


いつもの癖で、僕も名乗らなかった。街で、港で、僕の名を知らぬ者などいないからだ。では、青龍の騎士たちは?


「殺しにくかろう」


質問に非ずして、断定。

僕が青龍の騎士たちを殺しやすいように、配慮してくださった、と。

理屈ではある。

もし殺すとなれば、相手を物と見たほうがやりやすい。

だが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言い訳は諦めた。



「いかがなさいましたか」


僕の声は諦観に満ちていただろう。


「なに、街を歩くのでな」


な――――――――――に――――――――――。


「良い店を知っていよう?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・助かった。


「ご案内致します」


青龍の騎士は、主より表情がある。

面白そうに、僕の表情を見ていた。


参事も参事会も暇じゃない。

だが貴重な僕の時間を削っても、青龍に勝手に出歩かれるよりマシだ。

街は危険で一杯。

住民が殺されるのは構わないが、街ごと参事会が、いや、むしろ僕が殺されるのだけは御免被る。


もちろん、これはこちらの事情。

断られたら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私兵を集めて街路を掃除させるか?



「ならば」

「頼みにしよう」


青龍の騎士二人は鷹揚に頷いた。




【太守領中央/太守府/王城内郭/王乃間/軍政司令部】


俺は隊員のシフトチェック。

これが終わったら、今日はお休みである。

誰が何といってもお休みである。



港街接収から太守府への帰還まで。まっすぐ帰還した曹長以下8名は十分な休暇をとっている。例え戦場でも(占領地は戦場を意味する)週休二日層とのシフトを組むのは上官の基本。


・・・・・・・・・・・組んだのは曹長と坊さんだけどね。


今の太守府自体に三佐指揮下の友軍が大勢。とはいえずっととはいかない。この機会に休ませない手はない。

今後は、半日休暇や準待機時間を駆使してやりくりしなければな。


ここは敵地。

俺たち軍政部隊は増強分隊程度。

しばらく駐留する黒旗団は軍政作戦上は員数外、一応。友軍として支援要請はいつでもできるが、越権専断は望ましくない。

関与を求めたが最期

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・元カノがドヤ顔になる。


だからこそ、休み多めにしたしそれは成功しているのだが。それで休めたのは大半であって全部じゃない。昨日も突然の園遊会、若い参事発案の踏み絵作戦、の警備に繰り出してしまったし。


・・・・・・・・・・・形式だけ満たして、仕事にならないように考えたのに。タダ酒飲ましてやるんだから、ふつー、くるよね??????



結果として新しい作戦(仕事)が必要になったのでやりくりしないといけないんだが。この作戦に不可欠なのは、少数で実戦経験にあふれた、まあ、いつものメンバー。


俺と一緒に南方農村巡りをした佐藤、芝はいつ空くかな?


連続戦闘を繰り返し、ちょうど、今日が休みか。

外出許可を出してある。

俺は今知ったが、俺の名前で坊さんが許可。

給与から現地通貨に両替済み、か。


何気に俺の部隊で、勤務外で隊員を外出させるのは初めてっていうね。


この外出。

隊員個人にはお休みだが、軍政部隊にとっては作戦。

決して一人ではないが、住民の警戒心を下げる程度の少数。軍務ではなくプライベートに住民と接してみる。

さて?

どんな反応が出るか。

それによって、接触数を増やすか接触時間を増やすか、あるいは真逆か考える。


何ヶ月も居座るのだから、俺たちと地元の距離感を測らないとね。

俺と地元の断絶は手遅れだけど。


連休にしてやりたかったが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピクニックは明日だ。








――――――――――俺、これが終わったら連休するんだ――――――――――




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