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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第四章「後宮物語/奥様は魔女?」

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138/1003

娼婦/Professional.

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。


『あたし』

地球側呼称《エルフっ子》

現地側呼称《ねえ様》

256歳/女性

:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。姉貴分。ロングストレートなシルバーブロンドに緑の瞳。長身(数値不明)。革を主体とした騎士服にブーツに剣が常備。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/幼女》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女》

現地側呼称《妹分/ちいねえ様/お嬢様/愛娘》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。



【用語】


『アムネスティ』:日本の異世界転移後、国連より早く再建された国際的な人権団体(NGO)。売春合法化の実地試験を兼ねて、日本で育成した娼婦を雇用し異世界大陸国連統治下で営業している。なおアムネスティの「売春合法化論」は現実に準拠しており小説上の設定ではない。ただし、支部ごとの独自性が強い団体なので全体の総意と言えるかは微妙。

(詳細は第28部 「アムネスティ」 より)


『アムネスティガールズ』:太守領にやってきたアムネスティの人員のうち娼婦の10人。他に管理職、料理人、専門医、エステスタッフなどがいる。

名前が出ているのはシュリのみ(第35部 「奴隷市場ろうどうしじょう」冒頭 )。




「与える」時の心得。


少しずつ、ゆっくりと。



「奪う時」の心得。


すべてを、一気に一瞬で。



――――政治家兼思想家兼作家兼舞台監督兼農場主にして求職中の失業者、他いろいろ

             ニッコロ・マキャヴェッリ――――――




【太守領中央/太守府門内/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


ColorfulはHMMWVに乗せて、俺はそのまま徒歩。


「AH~腰から下がガクガクYO」


それは俺だ。

ふにゃふにゃになったColorfulを、シートに放り込んだのは俺、俺!


15~17歳にしては発育が良い、西欧なら標準か?な、女の子を一人一人運んだんだからな。

いや、華奢な体だけどね?

けっこう重いよ?

本人には言わないけどね?


お姫様抱っこを夢見る女性全てに訴えたい。

――――――――――――――――――――腰にくるからヤメロ。



それをやり遂げ頑張った!!!!!!!!!!

俺独りで!!!!!!!!!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰も手伝ってくれなかった。



佐藤、芝は俺が命じる前に、全周警戒に入ります!っと、それはそれは見事に敬礼。


ドワーフに任せると、お手玉を始めるから無理。


お手玉禁止はマメシバ三尉が拒否

――――――――――――――――――――――――――――――なぜだ。


元カノは代わりにドワーフに命じるという発想がなかったのか、お手玉禁止が文化的禁忌なのか―――――

「な訳無いじゃないですか」


――――――――あーそう、なら何故だ無視ですかそうですか―――――――


でまあ、元カノがガチバトル後も有り余る体力持久力を生かして、直接持ち上げるColorful運搬役志願したが、何故かマメシバ三尉と言い争い開始



――――――――――放置――――――――――。



上官と物理的に戦うわ、階級が名目一応は上(俺)の質問は聴こえないフリするわ、フリーダムな三尉だな。

という訳で、俺が運ぶしか無くなった。


そんなこんなしている間に、怖い顔をしていたシスターズ。

ほどなくColorfulを見て、頷いて、そっぽを向いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・男には判らない世界がある。



でも、背中が怒ってるよね?

まあ、セクハラ紛いを見せつけちゃったからな~~~~~~~~~~




――――――――――理解されている自信はある。


シスターズなら 大丈夫だ。

俺がColorfulに惹かれ

・・・・・・・・・・た部分は少なくとも多くはなく・・・・・・・・・

・・・・・・・コレってなんて役得だからなるべく長く・・・・・・・・

・・などと頭のおそらく隅っこを掠めたことも無いような・・・・・・・

・・・・・・・・・意図して狙ってワザとやったのでも・・・・・・・・

・・最初は、でも、途中からキスしたのは意図的だが、第一にColorfulの、役に、立つからで

・・・・・・・・・・・・・・・・第二以下は自主規制・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・女の子を弄んでは、いない、とシスターズなら判ってくれるよね?



俺の方が一部完全に弄ばれたのですが、判ってないといいな。



きっと、必ず、たぶん

・・・・・・・・・・・・・・・嫌われてはいない・・・・・・・・・・・・・・・だがしかし。



理解と共感は別だよな。

シスターズ、エルフっ子に限らず、小さい二人も意外に大人

――――――――――――――――――――――――――――――キスの意味が解ればそりゃ怒る、よね。



女の子は警戒的な方が良いと思うので、それはそれとして。

敬遠されるとさびしくて死んでしまいます。

俺の気分が。



理性で納得されてはいる

・・・・・・たぶん・・・・・・・

・・・・・・から余計にややこしいのかもしれん。


かえって怒りをぶつけられた方が、あやしやすい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、シスターズに集中しすぎだろ、俺。

作戦中だってのに。

こんな調子だと、みんな死にかねない。




【太守領中央/太守府門内/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の右】


わたしは、ご主人様をまっすぐに見ることができません。

あんな――――――――――物欲しそうな目で見てしまうなんて!!!!!!!!!!

しかも気がつかれてますご主人様に!!!!!!!!!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はしたない。


でもでも、Colorfulの皆さんだって、あんな風に

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご主人様が求めるのは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・当然ですよね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大きいですし、柔らかいですし、頭がいいですし。


「てぃ!ちょっぷ」


ふゃ!ちょっぷ、ですか?


「いーですか!」


ま、マメシバ卿!!!!!!!!!!


「小さくて瘦せ気味でちょっとくらい固くて平らでおバカな娘が好きって需要もありますが」


そうなんですか!!!!!!!!!!


「輝かない輝かない」


・・・・・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・・・・・・・「


大尉殿は違います」


うぅー。


「だから良いんです!!!!!!!!!!」


??????????


「大尉殿がなぜ貴女を欲しがってるか、判りますか?」


初耳ですけど――――――――――!!!!!!!!!!


「貴女だからです」


え゛


「小さいのが良いんじゃなくて、小さい貴女が良いんです!」


は、はい。


「ストライクゾーンは貴女なんですよ!」


すとらいくぞーん??????????




【太守領中央/太守府門内/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の後】


全員に同じことを言ってるわね。

あたしは呆れながら、でも、マメシバ卿が嘘をついているとは思えなかった。


もちろん、思いたい、のは否定しないけれど。

青龍には女を見る時に、年齢制限みたいなものがある、ということも含めて。


マメシバ卿はからかっても、嘘はつかない。それに青龍の貴族、彼の

――――――――――気遣いを感じるから。



青龍の貴族、彼が気遣い?自分で言っていて、信じられない。でも、それだけ彼の気遣いには存在感があって、疑いようがない。


大陸にも、人々にも、青龍自身にすら何も感じない彼が、あたし、あたしたちを気遣うなんて、ね。

でも、判る。


それだけで、あたしの脚は軽くなる。


マメシバ卿に、志が低い!

惚れさせて溺れさせて一つになって増えたくないんですか!!

――――――――――って、言われたけれど。



「たいちょーさん♪」



――――――――――あたしは、奈落に落とされた。


まったく、何人目よ!





【太守領中央/太守府門内/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の左】


わたくしたちの、いえ、ご領主様の前に出てきたのは

――――――――――――――――――――――――――――――青龍の僧侶さま、騎士長様、役人。

そして、青龍の騎士さまたちは、護衛かしら。


そして


「はーい♪」


わたくしに手をふる、不敬にもご領主様との話を打ち捨てる、無礼者。

他の皆さまは無言でご領主様に黙礼されるだけなのに。


――――――――――――――――――――騎士様方はまだ、皆を、警戒して睨んでらっしゃる。


青龍にとって、ここ、太守府、太守領は、まだまだ敵地。

青龍の騎士さま方が、わたくしたち以外を味方以外として見張るのは仕方がないこと。


「ほ~らほ~ら」


そんな緊張に満ちた場所で、のんきに手を振っている乳魔人。



「うーん、嫉妬カワイイわ~~♪♪」


・・・・・・・・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

なんで抱きついてくるんですかこのひと??????????


「あ、ゴメン!」


なんて失礼なのよコイツは!!!!!!!!!!

ご領主様を無視して、わたくしに絡んでから、また無視して、またご領主様に

――――――――――しなだれかかるなんて!!!!!!!!!!


「シュリ」


ご領主様に名を呼ばれるなんて!!!!!!!!!!

ご領主様に見つめられるなんて!!!!!!!!!!

ご領主様に話しかけられるなんて!!!!!!!!!!




【太守領中央/太守府門内/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


俺の前に現れたのは見知った顔だった。

いや、知ってるだけで、ロクに話したこともないけど。

残念ながら。


アムネスティが誇る第一級のプロフェッショナル。

娼婦のシュリ。


緯度は北で日照量は少ないが、暖流の影響で気温は比較的高いこの邦。春も本番で、温かく過ごしやすい日差しに心地よい春風。


異世界は全体として、女が肌を露出することに寛容だ。

キリスト教の影響が無いからな。

湯浴み水浴びをする時に、わざわざ人目を避けたりしない。


江戸時代のように、人が行き交う道端で体を流している。むしろ人目を避けるなら、そーいう狙いかと思われる、そうだ。


富裕層になると子女の肌を隠す。上に上がれば上がるほどに、俺たちが言うところの貞節に近い傾向が強まる。血族組織を維持する為に血統管理が重んじられるからだ。



それがいいのか、悪いのか。



シュリの姿は大変職業意識に満ちている。

キリスト教の形式だけに、もろに染まった21世紀日本人。

俺には大変に目の保養になる姿。


胸、っていうか、乳房も露わなノースリーブタンクトップ。

尻肉がはみ出してるミニホットパンツ。キレイよりカワイイ感じのはっきりした目鼻立ちに、自然に肌を触れさせてくる仕草。


つーか、これこそまさに、生殺し。

よもやまさか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「普段着普段着!こっち来てからは、いつもこのカッコじゃないからさー安心してだいじょーぶ♪♪♪♪♪♪」


ケラケラ笑うシュリ。

なぜ普段着で出てきたのか

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ、踊り子にでも見えれば、かえって安全か?


この邦では単純な娼婦は使い捨て。

だが芸が仕込まれている高級娼婦は、盗賊ギルドの資産扱い。すくなくとも、人前でナニかされる心配はないそうだ。


「つーか、黒いから」


まあ、いい加減、黒髪黒瞳への畏怖は定着したしな。俺たち国連軍のせいで。この邦に限れば俺のせい?


「やはー」


シュリが気軽に手をふる先は

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・街娘?


「この間さ、いっしょ踊り明かした」


アムネスティが太守府に到着した夜か。


「やっはろー」


シュリは群衆の後ろにいる、子供に親指を突き立てた。

デタラメ過ぎないか?

友好的な笑顔の子供だが。


「城の中にもいる伝書ガキ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・メッセンジャー的な勤労少年か。

王城内には参事会がいるからな。

書類や人の出入りが激しいわけだが。



「野良ガキじゃないからへーき」


権力の殿堂、参事会中枢が使うなら、身元は確かだな。中堅層の出身がはっきりした丁稚か、参事会有力家系に代々仕える家臣の子供か。


「やー!」


シュリが両手を上げると、職人風のオッサンたちの、表情がほころんだ。

――――――――――ほんの数日で、ずいぶん馴染んでるな?


「よけーなことしてないよ?ほんとだよ?」


笑いながらシュリは頸元を指差した。


「だぃじょーぶだぃじょーぶ♪」


いわゆるバイタルチェッカーを示すため。


「首輪に手錠に足枷」


チョーカーとブレスレットとアンクレットな。

首筋から胸元。

ノースリーブの肩口から指先。

腰からラインをなぞり足先まで左右手先でなぞらないでください。

大変目の毒です。

シスターズに視線を追われたらと思うとおちおち・・・・


「あや?」


シュリに詰め寄るシスターズ。

何故にキミらが食い付いた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・帰って寝ても良いかな?

――――――――――神父が釣れるならともかく!!!!!!!!!!



「あは、ソレ、たいちょーからプレゼントだ!」


シュリはシスターズのバイタルチェッカーを指差した。

監視用具をプレゼント扱いされると心が痛むんですけど。


三人とも、食い入るように、シュリのそれと自分たちのそれを見比べている。


もちろん、機能には差がない。

だが、デザインと利用目的は大違い。


現地協力者用。

目的は協力者の保護と監視。


地球協力者用。

目的は非専門家の監視と保護。


現地協力者は国連軍の円滑な作戦遂行の重要ツール。防衛優先順位はかなり高い。

地球協力者は国連軍の作戦疎外要素の可能性が高い。監視順位はそれほど低くはない。



もともとが地球協力者、アムネスティしか今のところいないが、は国連軍大規模拠点での活動しか想定していない。

なにがしかの非常事態で孤立する可能性は視野に入れてはいるが、万が一、というレベルだ。今回、俺らが展開している邦にやってきたのはそれこそテストケース。



今後、アムネスティの異世界活動を拡大してもいいのかどうか?

可否判断と、可とした場合の対策を含め、あらゆる不都合を洗い出すのが目的だ。



トラブルが起きて当たり前。



さりとて、トラブルを洗い出すためにしても許容限界がある。


アムネスティにしても、異世界活動拡大の試金石として最精鋭の要員を送ってきている。

娼婦として優秀なだけではなく、現地世界での慎重で適切なコミュニケーションをはかれるように選抜され訓練された人材。


・・・・・・そうは見えないが。


現地住民とのコミュニケーションでトラブルが起きることを視野に入れ、俺たちのような国連軍部隊との連携も密にするように考え抜かれているだろう。

・・・・・・・少なくとも企画段階では。


もちろん、敵も味方もそれ以外も信用しない安保理と軍事参謀委員会が、何もかもアムネスティ任せにするわけもなく。

・・・・・・・・・・・・余計なことをしでかすようならば、国連軍の手で始末する。




――――――――――作戦上の要請はあらゆるすべてに優先される――――――――――



それは伊達じゃない。


同朋だろうが。

民間人だろうが。

悪意があろうがなかろうが。


だから監視。

よって見張り。

最悪の場合に手を汚すのは

――――――――――――――――――――――――――――――俺だ。




「ヤってないからだいじょーぶだよ」


あ・た・り・ま・え・だ!!!!!!!!!!

殺させるんじゃねーぞ!!!!

・・・・・・・・・・・と言ってやれないのが辛い。


「ゴメゴメ!!!」


一応、本気で謝っている、のか?

涙目だし。

俺、そんなに怖いか?


「時々、人殺しより怖い、カンジするな~」


今は怖くない、っと。

ウソ涙か?????


それにしても

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・街娘、勤労少年、一般住民。

親しい、って程じゃないが、畏れられていない、あまり。

シュリにつられて俺が見ると

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・顔面蒼白全身痙攣。

涙目で地に伏して赦しをこう。

ガチですね。


おい。


「いや、あーしは好きだな~~~~~~そーいう強面」


うん、慰めてくれてありがとう。

優しさが心の傷に染みるよ。

泣いちゃうよ。


「そのテンションでさ、ごーいんにヤってみない?タダでいーよ?ケンキューと実益」


ガチかよ!!!!!!!!!!




【太守領中央/太守府門内/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の前中央】




――――――――――!!!!!!!!!!

なによなによなによ??????????


あたしは耳だけ向けていた。

なんとか文句をつけたくて、頭が空回り。


「用は」


・・・・・・いや、ちょっと可哀想じゃない?


装身具も、あたしたちに青龍の貴族が付けてくれたような細工はないし

・・・・・・・我ながら、嫉妬に駆られて、詰め寄って。

恥ずかしい――――――――――!!!!!!!!!!


そして青龍の貴族は、詰問口調、って、いつもか。

でも平気な青龍の娼婦、シュリ。


「要はさ、売春婦に緊張する奴なんか居ないんだよね?ここでもうちでも」


は?


「だから、馴染みやすいってのかな。舐められてるわけでもあるけどさ。でも、限界はあるよ。たいちょー強面過ぎるし」


青龍の貴族に比べて圧倒的に領民と馴染んでいる理由を説明する

・・・・・・その、要は、じゃなくて、用件は、よ。


街の連中が街の娼婦をどう扱っているか、知ったらそんな呑気な感想出ないから。

・・・・・・・・・・・黒髪を一緒にするバカはいないだろうけれど。


「でも大丈夫だよ?強面カッコいいし。スキだな♪♪♪」


あむねすてぃを束ねる女は別にいた。

でもこのシュリが、彼女が娼婦たちの中心だ。


だからこそ青龍の貴族、権力者に媚びを売るならわかるけど

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・単に、単純に、口説きにきてる、わね。


娼婦というより、奔放な金持ちの放蕩娘。

自分の肢体を見せつけて、男の体を味わって、愉しみたいだけ。

青龍の娼婦って、みんなこうなの??????????


青龍の貴族も、誘惑を受け止めながら受け入れない

――――――――――でも、嫌いじゃないみたい、ね。


・・・・・・・・・奥方が出てくるより、マシかしら?

でも、やっぱり・・・・・・・・・。


「そだそだ、忘れてた、いっとけっていわれて来たんだった!」


ぞんざい過ぎない??????????




【太守領中央/太守府門内/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


「うち来て♪」


ガタッ!

落ち着けおちつけシスターズ。


ウィンクするシュリ。

ご丁寧に口づけせんばかりに俺に迫って、上目遣い。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺はだまされないぞ。


慌てて俺とシュリの間に入るシスターズ。

小さい二人が威嚇モード。


「わーミーちゃんみたい!♪!」


だれミーちゃん?

シスターズの毛が逆立ったような?



「あ、あ、ちがうよ?ウチの店に来て、だから」


客引きかよ!!!!!!!!!!

全力で飛びつきそうになったじゃねーか!!!!!!!!!!

サービスタイムある??



「プライベートな部屋は今度ね」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

火に油注ぐのやめてくんない?



「お店は最初にさ、たいちょーに見せるんだって」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・がっかりしてなんか、ないよ?

軍政司令官による、審査、ね。

そりゃ、必要だよな。




兵隊に娼婦はつきもの。


「娼婦の管理に軍が関与しないなら、阿呆な将官を全員銃殺にしろ」


俺の言葉じゃないよ?

大統領の言葉。


転移後初代合衆国大統領(女性)は、トラウマをお持ちのようで、絶対に民間に一任しない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・合衆国が得た、ベトナムの戦訓。


「高貴な実験(The Noble Experiment)のために戦争をしているのではない!!」


と断言している。

The Noble Experimentってーのは、禁酒法時代を皮肉った悪罵だが。


とりあえず、戦争って公言するのやめよ―か。

国連執行活動とか武力制裁とか、そう、平和のための努力!これだよ!!



さておき、国連軍を仕切る軍事指導者が断言する以上に、俺だって管理職として部下の健康を放置できない。

まあ、常識ある社会人として、禁欲が役に立つことはあり得ない、と知っているだけだが。


でまあ、司令官が娼婦の管理に呼びつけられるのはなぜかといえば、みんな忙しいから。

うちみたいな小所帯じゃ、俺が一番暇だしね。



「みんな、たーっぷりサービスするからさ!一人一人、隅々まで視察して確かめてね♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪もちろん、一晩中タダ!!!!!!!!!!」




【太守領中央/太守府門内/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の前右】


わたしたちが間に入るのも構わずに、ご主人様の手を胸に挟みこむ、シュリさん

――――――――――キライです!!!!!!!!!!


ゼッタイにキライ!!!!!!!!!!


「あんっ♪」


――――――――――ア――――――――――ご、ご、ご主人様が、その胸を掴んで。


「買われる気はない」


――――――――――うぅ




【太守領中央/太守府門内/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


俺は国家公務員の倫理規定を反芻。権限が及ぶ範囲の法人個人から便宜を受けちゃいけません。

いや、言い訳はヤメヤメ。


例えDカップに巧みに誘導されて逆らえなくとも、男には負けてはいけない戦いがある。

誘導には負けたが、最終防衛ライン死守!!!!!!!!!!


あらゆる職権乱用は慣れているが、女がらみはゴメンである。


つまらぬ見栄と笑うがいいさ。

女がからむ限り、それが職業的なお付き合いでも

――――――――――おごりなど、格好がつかない。


自分で出すか、近づかないか、どちらかだ。


もちろん、三佐(性別女)がらみならゼッタイに領収書を落とすが。



「あははは♪」


シュリは、なにやらはしゃぎ始めた。


「いーわいーわ!ウケルー!」


何がウケたにせよ、シュリは踊るようにターンしてシスターズに向き直る。

俺は無視ですか?



「順番はまもるけど、後でヤっちゃうね?」

「「「させません!!!!!!!!!!」」」


「あ、そーだ、三佐さんからも伝言」


人の話、聴かねーなおい!




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