沈黙は金/damage control.
史実、事実、物語の狭間について申し上げます。
本作品作成にあたり、お読みになっている方々の世界における事実史実を広く利用しております。
その中で未確定ないし不明な部分は、作者が確認済の事実から選択ないし推測し、それを事実として描写させていただきました。
事実、仮説、推測に創作。
敢えて別けておりませんが、それも含めてお楽しみください。
「以徳報怨」
(徳を以って怨みを報ず)
――――大日本帝国陸軍士官学校弟23期生 蒋介石――――――
内外戦争で荒廃した人心をまとめる為に。
憎みあう同胞を和解させるために。
「殴り返されない安全な外敵」
が絶対に必要だった。
それは誰にでも解ることだから。
民衆の支持を争う軍閥の首魁が恨み重なる外敵を
「赦すべきだ」
と公言したことは、彼の破滅を約束した。
彼の周りは誰も幸せにはならなかった。
彼の敵は幸せになったのだろう。
彼はふさわしい報いを受けた。
「以徳報怨、ですよね?団長?」
「そうよね♪ハナコ♪♪」
「ええ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
プシュ!
「撃ったな!パパにも撃たれたこと無いのに~~~~しかもサイレンサー!」
「チッ!!!!やっぱり幻!!!!!!」
「信じてたのに裏切られた!」
「何人の男にそう言ったのよ!!!!!!!!!!」
「言われたことすらありませんよ~~~~だ」
パシュ!パシュ!パシュ!
「幻術魔法をいくつ仕込ませた!!!!」
「だんちょーの残弾よりおーいでーす!」
『謀ったなマメシバ!!!!!!!!!!』
「Girl DAKARA、サ!!!!!!!!!!」
『割り込まないでくれます??????????』
―――――Cat fight!+1―――――
【太守領中央/太守府壁外門前/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】
俺が力を抜くと、崩れ落ちる橙。
あぶ
――――――――――俺が軽く支えるのを、Colorfulの3人が受け止めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3人?
白、翠、朱の3人が俺に目顔で合図。
盛んに頷き、手をふって。
いや、橙が大丈夫なのは判ったが
――――――――――よく頑張った!!
万座の中で羞恥プレイ!!!
俺の趣味じゃないけど!!!!
無理させて悪かった!!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・無理させたっていうレベルじゃないが、そのあたりは後でゆっくり、話し合おう。
意識は
・・・・・・・・・・・・・チラチラ見てくるぐらいだから、あるよね。
俺は橙に一言。
「後だ」
いや、作戦中に長話は出来ない。ギャラリーに作為を悟られてはいけない。
――――――――――と、マメシバ三尉が言ってた。
「・・・・・・・・・・・・あとで・・・・・・その・・・時間を・・・・・・・・・・・・・・・いただける・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そこ喰い付くの??????????
ヤバい。
間違いなく難航する。
――――――――――――――――――――いえいえいえいえ。
真摯に対応いたしますよ?
宥めて空かして謝って
――――――――――――――――――――じゃ、済まない、な。
Colorfulだから
・・・・・・・・・金で片が付く訳もなし。
女か子供ならともかく、女の子はどう扱うべきか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・思いつかん。
シスターズに相談し、坊さんを召集し、曹長に神父をつまみ出させて慎重に検討を
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いやそのしかし、日を改めて
「――――――――――今夜――――――――――じゃないんですか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
言わずに知れる読心術??????????
アイコンタクトは魔法翻訳対応済み??????????
なぜそこで世界が終わるのか橙の表情で!!!!!!!!!!
大丈夫大丈夫大丈夫!!!!!!!!!!
とりあえず、後ほど
「お待ちしております――――――――――」
なんて(都合が)良い子なんだ!!!
国家公務員流初手最終奥義!!!!!!
先送り不作為に偽装自己告発しないから犯罪認定セーフ!!!!!
「――――――――――いつまでも」
勝者、橙
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・勝てなかったよ。
満身創痍な俺。
橙はペタンと道に女の子座り。肢体を腕だけで支えているが、苦痛の色はない。まあ、異常があれば、マメシバ三尉が跳んでくるだろう。
シスターズ&Colorfulのバイタルチェックが趣味だからな。ともあれ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三尉は今、ソレどころじゃないくらい、大変に忙しそうだが。
いやいやそれより、点呼だ点呼。
決して話を逸らしたい訳だけじゃない。
辛うじて膝をついた橙に、付き添い気遣うみなを入れて、4人。
Colorfulは5人。
間違いなく、5人中4人。
つまり、もう一人は?
そこに出てくる振り返る
――――――――――蒼が、俺の前に回る。
祈るように両手を組み合わせ、俺を見上げていた。まっすぐ、迷いのない視線を向けてくる。他の4人が無言の声援。
俺の胸元、その、真下。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・みんな、見てる。
市壁の上から門内から覗く、無数の眼。
伏せていた農民たちも、顔を上げていた。
あー、見たわ、この感じ。
誕生会にプレゼントをもってやってきたユダヤ人少女に、シンドラーが公然とキスするシーン。その後ゲシュタポに逮捕され、ナチス高官の口利きで無罪放免、どころか親衛隊の車で帰宅。
※映画「シンドラーのリスト」より。
蒼とキスする俺。こいつらから見ればどう見える?60年
代のアメリカ南部。連邦軍の戦車で乗り付けて、黒人と白人がいちゃついてみせるようなもんか。
なーに見てんだょくぉら!
「前列Set down!
――――――――――HEY!Back Stand Up!」
神父!
てめーは何をイベント整理しとるか!!!!!!!!!!
――――――――――――――――――――元カノとマメシバ三尉のガチバトルをよく抜け出したな??????????
【太守領中央/太守府壁外門前/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の横/観察最適地】
青龍の貴族が意図していることが、あたしにも伝わってくる。
男としてColorfulを楽しむ。
Colorfulを愛するモノとして、侮蔑する者を踏みにじる。
心の内奥を引きずり出して、抱きしめて、挽き潰し。
楽しみと怒りがない交ぜとなり、ただ愛でる、ただ殺す、より以上を極める青龍の貴族。
Colorfulはもう、青龍の貴族しか見ていない。
敢えて言えば
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彼に向き合う為にColorfulは一体になって互いを支えてている、かしらね。
そして青龍の貴族は、広く遠く、昨日から明日の先まで、全体を俯瞰。善かれ悪しかれ夢中にさせることがあっても、夢中になりはしない。
いつも通りの立ち位置は、誰も追随も許しはしない。
それと知りつつ、あたしは彼の視線を追いかける。
周りの農民千人ばかり、城壁上の市民数百は、気がついてる。
Colorfulがハーフエルフだって。
戸惑いが侮蔑に変わる前に、抱き寄せる青龍の貴族。
そして、淑女のように恥じらう蒼を導いて
――――――――――口づけ――――――――――
誰にでも一目で解る。
奴隷が所有者に従う様じゃない。
あえて、わざと、世界中に晒して見せる。
皆の目に映るのは?
美しくも卑しい奴隷ではなく、青龍の貴族に抱かれ
――――――――――――――――――――――――――――――身も心も許した女の姿。
ゆっくり、はっきり、あからさまに。
力が抜けて崩れ堕ちる蒼を、優しく抱きしめ、座らせる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは恋人か、愛人へのいたわり。
間違っても、性奴隷扱いには見えない。
直接見えていない、後ろの市民や農民にもそれが伝わっているでしょう。
見せ付けられた皆。
囁かれざわめかれ、後ろへ後ろへ伝わって行く。
見えない場所を含めて、今この時に居合わせた数万人。
皆が、この体験を共有しているわね。
彼らを媒介して数日後には、邦中津々浦々に浸透するでしょう。
ハーフエルフの恋、あるいは、愛。
領民が感じるのは?
――――――――――――――――――――嫌悪?憤り?侮蔑?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それもあるだろうけれど、今、この場で何が起きているか理解した者の顔に浮かぶ色
――――――――――陶酔。
客席から舞台上の名演をみるように。皆が取り込まれている。舞台と客席。隔絶されているからこそ、常識が容易く乗り越えられる。
もし、青龍の貴族以外ならば、こうはいかないでしょうね。
帝国太守、Colorfulを取り寄せた男が、Colorfulを連れて歩いたら?
邦中が嘲笑う。
陰でColorful、ハーフエルフを、それ以上に太守を。
ソレには世界の覇権を握る帝国の威信など、まったく影響しない。
帝国は支配者だから、下々の値踏みを受ける。
なら、青龍は?
――――――――――睥睨する超越者――――――――――
その旗印と同じように皆の魂に灼きつけられた、青龍の刻印。
領民に何も求めない、領民を必要としない。
――――――――――無税の通告。
一瞬で頭上に、触れられるほどに上に、現れた飛龍。
――――――――――力の誇示。
産まれて初めて読んだ文字。
――――――――――それは、読めた感触は、何度繰り返しても頭から消えはしない。一人一人の頭の中に、見たことも無い文字が灼き付けられた。
飛龍が消えてなお、皆の手には薄いナニかが握られて、夢ではないと叫んでいる。
だから、皆は、青龍という異界に魅せられる
――――――――――青龍の貴族は基準なのだ。
まるで、昔からそうであったかのように。
それは、Colorfulの為に、領民すべての魂を切り刻んだ、彼の意思。
あたしは、あたしたちは、納得している。
マメシバ卿が言い出したのだけれど、あたしも賛成したし。
きっと、大成功。
Colorfulを蔑む者はいなくなる、公然とは。
ハーフエルフが辛くなくなるわけではないけれど、殺されにくくはなるだろう。そのまま時を重ねていけば、それが当たり前な子供たちが育っていけば、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたしは素敵な世界を見るかもしれない。
でも
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――口づけするとは想像もしていなかったけれど。
橙、蒼、翠、朱、白
・・・・・立て続けに。
あたしたちに見せつけながら。
それすら楽しみながら。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。
あたしは自分でもわかるほど、無表情だったろう。
【太守領中央/太守府壁外門前/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】
俺は、Colorfulの中で一番お姉さんな白を支えていた。息も絶え絶え、白い髪から覗く肌が赤く火照っている。
いや、いろんな意味で翻弄された俺の方が、絶え絶えだけどね?
そうは見せないけどね?
将校たる者、核の閃光を浴びても伏さざるべし。
よく頑張れた俺!
年端もいかない女の子に圧倒されてましたことを認めるのに吝かではない!
男として大人としての自負がある部分で亡くなりました。
――――――――――まあ、実戦経験がすべてじゃないけどね?
シュミレーションで先人の知識を叩き込まれたプロフェッショナル、Colorful。
うん、勝てない。
手を離し、白の肢体をColorfulたちに任せると、5人とも俺を哀しそうに見つめる。
ヤバい。
思わず惚れられてると思い込む、そう思って一生過ごしたら幸せに感じる俺。
チョロいな!!!!!
我ながら!!!!!
いかんいかん。
黒歴史が再生されて泣きそうだ。
あれは中学二年の夏・・・・・・・・・・・うん。まあ、いいや。
慌てて過去から視線を逸らすと、目を丸くした現地住民の皆さん。
視線を戻すと、俺だけを見続けるColorful。
前門のColorful、後門のギャラリー。
みんなの注目は馬事集まり続けたらしい。
効果も大いに期待できる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大変、大成功ですね。
――――――――――国連軍にとって。
ハーフエルフ、ここではColorful、が殺されにくくなればいい。そうなれば未発見なハーフエルフを国連軍が、その末端の俺たちが、保護する可能性も上がる。
軍事参謀委員会もご満悦。
俺個人としても、万々歳。
Colorfulたちが自分で生きて行く、第一歩になれば
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少しは償いになる、よね?
いや、Colorfulの様子を見る限り、赦してはくれているけどさ。赦されれば良いというわけでもなく、だからと言って、何が出来るわけでもなく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは後ほど検討しよう。
今は更に優先すべきことがある。
いや、話を逸らしたい訳じゃない。
必殺先送りでもない。
むしろ、先送りして話を逸らすために、Colorfulに集中したいくらいだ。
――――――――――――――――――――――――――――――アレはナンだ?
蔑まれても、神父と同じ世界に目覚めてしまうかもしれないが。それでもあれはないと思うんだ。鬼気迫る色気が圧倒的な存在感を醸し出していますが全身が委縮してしまいそうです。
きっと気のせいだ。
そうに決まっている。
ウソだと言ってよ!!!!!!
だからしかし、視界の隅にずっと在る、般若の姿。
よもやのまさかなありえない。
うちのエルフっ子がこんなに般若な訳がない。
【太守領中央/太守府壁外門前/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の横/観察最適地】
「銃剣で支配する事は出来ない――――――――――よくわかってるじゃない?」
誰にともなくつぶやく、青龍の公女。あたしを振り向いた。
「あなたたちは?」
あたし?
――――――――――――――――――――別に。
青龍の貴族が、Colorfulを護る為に手段を選ぶ訳がないし。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5人と口づけするのは、仕方ない。
ゆっくり、じっくり、深く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕方ない、わよね。
Colorfulは失神してるけれど、青龍の貴族は意外に冷静だったし。
――――――――――彼が、楽しんでいない、とは、言わないけれど。
「行かないの?」
あたしたちに囁きかける、青龍の公女、サンサ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・止めなさいよ。
青龍の貴族で試しているのは判るけれど、建て前は違うハズでしょう。
あの娘が反駁した。
「わたしは、ご主人様に、わたしをいただきました。
――――――――――――――――――――なにかを望む身ではありません」
あの娘は毅然として答える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・涙目じゃなければ、ね。
「わたくし、わきまえておりますの
――――――――――今は、わたくしたちがいただく刻ではありませんわ」
妹分は、澄まし顔、で、肩を震わせている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・当たり前、かしらね。
なんだかんだと建て前はあっても、二人は青龍の貴族から目を離せない。青龍の公女はあたしを見た。
「聞くまでもないわね」
は?
「怖い顔」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――え!
【太守領中央/太守府壁外門前/地球人向け特設伝道会演壇前】
ハーレムを夢見る諸君。
主は断言する。
――――――――――やめておけ――――――――――
それは苦しい。
とても苦しい。
ひどく苦しい。
美少女との心と体の触れ合いが愉しくない、とは、言わない。具体的には言わないが、苦痛ではないし、逆だろう。
だがしかし。
・・・・・・・・・・・・・・・・寸止めだ。
リア充爆発しろなどと言っている場合かね??
触れて触って見て想い!!
そこで終わりってドウヨ?
むしろ哀れみたまえ!!
多いに同情したまえ!!
己が清い体に感謝せよ!!!
だが、先に進めない天国への階段を、なんと名付けようか?
それは!!!!!!!!!!
煉獄。
――――――――――異世界伝道中の神父、説法より。
※地球人向けの宗教活動は禁止されておりません。今は。
【太守領中央/太守府壁外門前/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・メディック!!!!!!!!!
戦争神経症患者が出たぞ!!!!!!
俺が知ってるハーレムとコイツがイッてるハーレムは、違うらしい。
俺はシスターズ&Colorfulに手振りで指示。
見ちゃいけません。
「ヤらぬ後悔よりヤって後悔!免罪符は懺悔付き回数券発売中?????
改宗割引も3回まで適用OK!!!!!!!!!!」
ヤれっかボケ!!!!!!
美女だったら免罪符いらんし!!!!
『ハーレム主人公って、R-18以外のフィクションでは悲惨な立ち位置なんですね』
『あー男は辛いよね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
何の話だ何の。
「フィクションでもリアルでも正しいハーレムなんか見たことねーよ!!!
生殺し嫌がらせ何が楽しいのかわからんよーなんばっかりだ!!!」
なんのトラウマ刺激されてるんだお前は?
・・・・・・・・・・いや、神父は放っておくべきだ。
だから俺は元カノとマメシバ三尉に話を戻す。
さっきまで、目立たぬようにガチバトルしていた二人がこちらに戻ってきた。
マメシバ三尉と元カノ。
何故に目立たぬようにかといえば、Colorfulに向かう注意を引くわけにいかないから。今日の演目のメイン、俺とColorfulのコミュニケーションの印象操作。元カノvsマメシバ三尉のガチンコバトルは、銃や剣やナイフや手榴弾が飛び交うために、メインイベントを食いかねない。
それは軍事参謀委員会の意志に反して粛正フラグ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・元カノは、そこまで考えない、か。
ただColorfulの立場が破綻するのは、元カノも望まない。いろんなところが破綻している元カノだが、ギリギリ壊れてないところがある。恋敵を殺すのは平気でも、自分の知る範囲で子供がいじめられるのは我慢できない。
あれはそーいう女だ。
うむ。
壊れてるな。
マメシバ三尉そもそもの企画立案者。
気質としては元カノに近いし、入れ込んでいるColorfulを不幸にする騒ぎを起こすほど短絡的じゃない。
ただ、二人とも、主に元カノは、それで矛を収めるほど正常動作はしないわけで
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうバトっていたのかと言えば、Knife Death Match、in車両隊列内。
軽装甲機動車、HMMWV、トラックを縫うように、逃げるマメシバ追う元カノ。銃声罵声撃剣無し。静かに人間を超えた超速バトルが展開していた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・らしい。
つまり、神父の戯言に毒気を抜かれて、戻ってきたからだが。
「ではとりあえず」
「あたしでいーじゃんあたしで!!!!!」
やかましーわ!!!!
欲に負けて手を出しても、誰かの代わりになんかするか!!!!!!
俺は元カノのほっぺたを思い切り左右に広げつつ、命令。
「行くぞ」
・・・・・・・・・・・・・・・シスターズをごまかせた、かな?




