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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第三章「掃討戦/文化大虐殺」

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123/1003

文化侵略(魔女っ娘スープ)/Dopage Consomme?

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)



【登場人物/三人称】


地球側呼称《元カノ/団長/だんちょー/一尉/一尉殿》

現地側呼称《青龍の女将軍/団長/主》

?歳/女性

:国際連合軍大尉/陸上自衛隊一尉。国際連合軍独立教導旅団団長。『俺』の元カノ。ドワーフやエルフに異世界人と地球人類が同じ戦列を組む、初の多世界複合部隊「黒旗団」指揮官。


地球側呼称《三尉/マメシバ/ハナコ》

現地側呼称《マメシバ卿》

?歳/女性

:陸上自衛隊三尉。国際連合軍独立教導旅団副官。キラキラネームの本名をかたくなに拒み「ハナコ」を自称している。上官の元カノが勝手に「マメシバ」とあだ名をつけて呼んでいる。


地球側呼称《三佐》

現地側呼称《青龍の公女》

?歳/女性

:陸上自衛隊三佐、国際連合軍事参謀委員会参謀、WHO防疫部隊班長、他いろいろな肩書を持つ。日本の政権与党を支配する幹事長の娘で、父親と連携して戦争指導に暗躍している。



筋力、持久力、瞬発力、視力、聴力、そして精力。


プログラム。

そう呼ばれたソレ。

人の持つありとあらゆる能力を強化できる手順。



倫理が許さないのか?

神様が許さないのか?

気分が許さないのか?



誰もが同じ道具を使えるのならば、使うか使わないか決めるのは、だれだろう?




ランス・アームストロングという人物がいる。


天が与えたもうたものを信じることなく、自らの努力と意思、そして人の産みだした科学を信じた人間。ステージ3の末期ガン直前から始め、世界最高のアスリートとしての体を創りだした。


化学の申し子。

奇跡の解析者。

人体の創造者。


もちろん、それは独りの成果ではない。


奇跡を実現するために禁忌を無視した人々がいる。

医学者、技術者、化学者、法律家、企業家。


彼らは無言で問いかけた。

スポーツが人体を壊し、我々は人体を創る。


人の力を極めて何が悪い。

稚拙なアマチュアはここにはいない。

最高のプロフェッショナルが最高の技術を尽くす。



だがしかし、一番犠牲を払ったのは彼だろう。


先駆的医学が常にそうあるように、彼も自身を、自分自身のすべてを人体実験に捧げた。

その結果、人体の持つ最高の能力を、同種のライバルが集う場所で証明した。

何年にもわたる徹底的な薬物利用の結果。



――――――――――とても健康で元気である。



医学の目的は、健康で幸福な人間生活。であればそれは、医学を尽くした必然だ。




スポーツ競技とは二つの顔を持つ。



表の顔。

人体の限界を突き抜け摩耗破壊することで発する、瞬間最大能力を鑑賞するサディズムの宴。


・・・・・・多くのスポーツ選手が絶頂期ですら苦しめられ、その後生涯に続く肉体的な後遺症を負う。


裏の顔。

最高の素材を集め医学薬学生理学の最先端を駆使して、人体機能の限界上限を延伸する科学実験。


実験の安全性、有用性、経済性は世界中のアスリートが立証している。もちろん、その過程では少なからぬ犠牲が出たものの、それは過去の話だ。

すでに被検体はあらゆる人種、あらゆるジャンル、幾多の事例を網羅した。これに統計学的立証と化学的解析が終わっている。


そしてなお先を望みえる。

副作用もなく、中毒性もなく、違法でない使い方。

それを許さぬ人もいるが。


健康な人体を蝕む競技スポーツの常習者、彼等でさえ悪影響を受けない。無論、競技から受ける健康被害を軽減しきれないことは余談だが。



それは科学がもたらした福音。


未だ肉体に頼る社会において、その有用性はどれほど高い事か。


極限に挑むレスキュー隊員。

殺して戦う軍人警察官。

負荷に耐える社会人。


医師の管理にしたがって、一人一人の体質に合わせて、無理のないプログラムを組めばいい。コストはかかるがリスクはない。大衆化すればコストは限りなく低くなる。


ならば、起きる、寝る、歩く、運ぶ

・・・・・・・・日常生活に生かしてもいいだろう。

そして様々なスポーツを楽しむ純然たる娯楽への応用はいくらでもできる。

それを許さぬ者もいるだろう。



化学と言う魔法。

医学と言う魔術。

科学という奇跡。





それをスポーツ競技の世界では


――――――――――ドーピング――――――――――


と呼ぶ。




【太守領中央/太守府南街道/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


俺は元カノのフォローをマメシバ三尉に任せた。


『だいじょーぶだいじょーぶ!人間適切な処方を施さない限り、芯の所は変わらないんです。だんちょーのこと、好きに決まってるじゃないですか。トモダチ?家族?やっだー!嫁入り一直線ですよ?元と今の差なんか、ちり紙一重。そこに全力を投じて一点集中全力斉射!360°回頭!!!!!!!!!!心も肢体もぶつけ合う、愛の戦いは一生モノ。嫁になり妻となり母となっても終わり無し!いつでも挑めて挑まれます。不詳ハナコ、恋し焦がれる乙女の味方!つまりだんちょーの味方!孔明ばりの罠で三分の刑を』


饅頭じゃあるまいし、好きに分けるな。

だいたい何を分ける気だ何を

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・怖いから、考えるのは止めよう。



安全手綱、夜道に集中。


まあ正直、俺たちには夜の実感がないのだが。

俺たちはここに来てから、いや、来てなお日本と同じように夜を明るく過ごしているからだ。朝日とともに起きて夕日とともに寝たり、はできないのだよこれが。


忙しいからね?


うちの部隊でも兵士は8時間以上眠らせている。俺は8時間以上寝なくてもいいらしい。

さすがに、予備をのぞいてさえ数千名の部隊が常駐している出島拠点とは違って、強制睡眠はさせられないが。


ここ最前線だしね。

俺以外のみんなが覚えてるか心配だけどね。

無茶苦茶少数な零細部隊で無理やり占領ごっこしてるだけだしね。


だから兵士たちにはいつでも30秒以内に戦闘態勢に入れるようにしてもらう。肌身離さぬドックタグには緊急警報と連動している薬物が仕込んであるくらいだ。

使ったことはないが。


当然その分、24時間準待機だから、フルタイムで残業手当てが着く。


俺もだ。

士官だからといってサービス残業など有り得ない。

命がけのホワイト職場、国際連合軍は君を待っている!!!!!!!!!!



知らないうちに無能が作った死地(残業)に追い込まれ、バカな命令で戦死(過労死/療養解雇)させられたあげく、先日付け不名誉除隊(労災退職金慰労賠償無し)な社畜よりマシだよ?


国際連合軍は戦傷戦死受勲もあるしね。


やらかして三佐に処分されても、遺族には戦死告知と生活保証さ!

レッツ労働基準監督署!!!!!!!!!!

家畜から社畜にジョブチェンジした貴女にお勧め!!!!!!!!!!


まあ、いいや。



とにかく、明るい(物理)職場です。

今も。


夜明け前の薄暗がりを、煌々と照らしたライト。

作戦終了時には夜も明けているだろう。


次々と通過する村々。

もちろん、柵があり門が閉じている。近くの街道を通るだけだ。あくまでも馬だから、びっくりさせることもない。


あまり。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ、夜駆けの早馬に見えるから、何事かとは思うだろう。

すぐに本隊、HMMWVやトラックがライト全開で続くしね。


ただ、一日置いただけはある。若い参事の親切で、この先の村々には参事会や地元有力者から、ふれが回っているらしい。


竜の隊列が通ったら、その場を動くな。

通り過ぎるまで頭を低くしていろ。

領主様だ。動くと死ぬぞ。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・悲しくないから。




うん、まあ、アレだよね。

魔女っ子を撫でて癒やされよう。


な~みだが~~~~こ~~ぼれ~~ないよ~~うに・・・・。




【太守領中央/太守府南街道/青龍の騎士団本陣/馬上/青龍の貴族の胸元】


ご、ご、ご、ご、ご、ご主人様?

ど、ど、ど、ど、ど、ど、どうしたらいいですか??????????


嬉しいですけど困りますけどずっとして欲しいですけど困ります

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Colorfulの皆さんに教わった、えと、あれ、これ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!


そうです!

馬上ではどうしたらいいか判らない、って言ってました!


ええとえぇと最終奥義?

は?


何もかもご主人様にお任せ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・違いますぅ~~~~

こここころのじゅんび~~~~~~。




【太守領中央/太守府南街道/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


『髪が性感帯だってわかってませんね』

『いや、別にどこだって』

『だ、だんちょー』

『違うから違うから!うちの連中にお手玉されてもナンも感じないし!!!!!好きな男なら!!!!!だから!!!!!!!!!!』

『と言うことですがどーですか当事者として??????????』


俺の感想は簡単だ。

ドワーフはなぜ地球人を運ぶ時だけお手玉しようとするのか

・・・・・・・・じゃなくて。

Girls talkを通信にのせんな。士官しか聞いてないけどね?別に支障はないけどね任務には?

軍政官訓練教官だった鬼軍曹も、言っていた。




~~~~ハート○ン軍曹のテーマ~~~~~



敵を見つけるまでは笑ってろ。

引き金を引くまではふざけてろ。

脳と心臓が止まるまでは笑わせろ。


真面目と几帳面と真剣は、戦場の邪魔だ!!!

作文通りの演習場から一歩も出るな!!!!!


女の(Pi――――――――――)か、男の(Ki――――――――――)でも眺めて、合間合間にぶ(Bo――――――――――)ろ!!!!!

ああ?

解ったのか将校殿???

セクハラかまされて泣いてんじゃねーぞ!!!




いや、泣かないけどね。

どちらかというと啼かせ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――いかんいかん。


いろいろと頭をよぎったぞ。どこに向かってるのか俺は。どうも方向性がおかしい。やばい薬でドーピングされてるのか?


魔女っ子のスープを味わいながら考察。セルフチェックは兵士の基本。俺はダブルチェックも欠かさない。

作戦終了後、マメシバ三尉にお医者さんごっ

・・・・・・神父じゃあるまいに何処まで行くのか俺!!!!!!!



エルフっ子は王道として、元カノは邪道、だがマメシバ三尉を意識するようになったら、俺もお終いだ。

いや、女ぶりは悪く、いやいや、良い女だと思うけどね。



スタイルはエルフっ子や元カノが特殊なだけ。


頭が良く、利きすぎるくらい気が利いて、可愛い系の容姿に付き合い易いコミカルな性格。

歌って踊れて奏でて人殺して


『惚れました?お断りします』


だから避けてんだよ!!!!!!!!!!

口説くとすれば気軽なお付き合いにならないからな??????????


いかん!!!!!!!!!!

周りのラインナップをなぜ考えた??????????

今、女の事を考えるのは危険だ。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ここは馬上。



俺は馬に跨り、横座り魔女っ子は俺に密着。スープを勧めてくれる。旨いな。だが、気がそれない。魔女っ子にナニかを気がつかれると


『セプク!!or馬上Fuck You!!!』


同じく罵倒だろ!!!!!!!!!!

神父!!!!!!!!!!


いやいや、神父に絡むと間違いなくハーレムエンド。


『胸?ハート??ソコジャネーダロ??God is Watching You!!!!』


この胸の高ぶりを鎮めるには??????????


読経?

知らねー!


数学?

忘れた!


素数を数える?

――――――――――そうか!嫌いな事を考えよう!!!!!!!!!!



俺は魔女っ子の頭をいっそうカイグリしながら、作戦(仕事)に思いを馳せた。


問題の焦点は距離。

後でネチネチ爪を研がれないように、極、極めて、究極の作為のない、自然な動きが必要だ。

つまりは迂回なし、停止なし、到着時間から逆算して街を出発。



ここから太守府までの距離。


帝国の度量衡を使っても俺にはわからないから地球基準。


直線10km。

行程20km。


太守府まで一日、てのは、このあたりではこの距離だ。


現地表現の「○○まで(徒歩)1日」ってのがある。まあ距離にもいろいろあるのだが、直線距離、行程距離、移動時間が主なところ。


実は直線距離以外、ここ異世界では、地域でまちまちだったりする。


行程距離は道なりの距離。

俺たちが実際に考慮すべきはだいたいこちら。



直線距離と行程距離はまるで違う。



地勢により、まっすぐ道を延ばせない。むしろ中世っぽい異世界に、直線街道なんかない。ブルドーザーもパワーシャベルもない。トラックもチェーンソーもない。手足にツルハシ、スコップで作業をする。


ならば、森も丘も池も迂回が基本。


当然、直線距離より行程距離は長くなる。起点となる場所から直線距離が同じ場所でも、「○○まで徒歩X日」の日数Xは全く違う数字になる。

そもそも移動距離が延びるんだから自然ではあるが。


さらにややこしいのが、移動時間。


同じ人間が一定のコンディションで歩く。

そう考えただけでも整備された街道と脇道裏道で、踏破するために必要な時間はまるで違う。


地域ごとに起伏の差があり、川の有無橋の有無がある。そうなれば更に、道なりの距離が等しくても、移動時間は全く違ってくる。


例えば坂と平地、砂利道と石畳、未舗装の道、同じ人間が歩いても進行速度が違う。


例えば渡し船を待たなくてはいけない場合。

すぐ乗れるかもしれないし、待たされるかもしれない。ならばそこで時間を余分にを見込む。


地図上の距離感覚は全く通用しない。


だが、現地で一番用いられる距離の単位はこの融通無碍な、いって悪けりゃ適当過ぎる移動時間。ある街について現地住民に尋ねれば、ここから何日かかり、と必ず言われる。


他の街や地域をしりたがるのは旅人で、旅人に必要なのはそれだからだ。


だからこそ、移動手段が違う俺たちにはあまり役にたたない。速度と時間の概念が違いすぎる。


もちろん、現地の感覚に注意していないと軍政なんかできやしない。

それは太守領全体を把握する為。


曖昧な概念を見誤れば?

俺たちと現地住民がすれ違う。


だから俺はシスターズに常に確認。

まあ、幸運にもまったく勘違いが生じていない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今のところは。




それにしても徒歩で、路面が悪いとはいえ一日かけて移動距離が20kmって

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と思ったのが俺の間違いでした。


結局、夜の暗さが理由だ。


コストパフォーマンスを考えたら、活動困難な夜は寝る。

生活時間が昼間の半日。

季節によってとかは忘れて、昼間は12時間だとしよう。



旅人が移動に使える時間は?


明け方夕方2時間見当は使えない。薄暗いからだ。街灯もアスファルト道路もない旅路。十分に明るくなってからでないと、事故の元。

そして事件の元。


一般的な野盗がでるのもこの時間帯。主要街道なら危険を犯して速度をとる商人は必ずおり、狙う野盗も常駐している。



普通の旅人は明け方の時間帯を、朝食を含む出発準備にあてる。

食事付きの宿もあるが、大半が自炊だ。


旅人用の井戸で順番を待って水を汲む。

前日か朝に買った食材を持ち寄る。

宿屋か近所で燃料を買い調理器具借りる。


薪一つタダではないし、器具も貴重品だ。


森や林は街や村の共有財産。

薪を拾って集めたら、殺される。


鍋や刃物が百円ショップで投げ売りされずに、すべて手作業職人造り。

しかも消耗品で、使えば減る。


なにもかも必要な物は街や村で買わなくてはならない。

なにもかも自ら買いに行かねば、値を比べ値を切らねば、破産する。


見てまわり値切ってまわり買ってまわり、それが終わって準備万端、更に更に。

火をおこし。

調理し。


食べるまで小一時間で済めば良い方だ。


ちなみに宿の朝食も明け方から準備開始。

自炊せずとも、食事を開始する時間に差はない。


つまり出発時間は変わらない。



朝の出発時間は概ね8~9時見当。

夕方は宿探しのラストスパート。宿か見知った相手との野営が出来なければ、命がけ。

泊まらなければ、街の柵外壁外へ追い出される。

野外で就寝込みで一晩過ごすなら、夜盗より獣が危ない。


だから宿や野営を準備すること自体は明るいうちから始める。


時間切れたる夕闇が迫る、夕方からこの命がかかった大作業を始めるような大冒険は誰もしない。


宿を見比べて、野営地を吟味して。

安く妥当なサービス、人数に合う安全と広さ。


場所や宿に当たりを付け、予備の宿か地を確認。


それが終われば早めに夕食の支度に入る。

夕方は予備時間。

予備選力に手を付ける前にすべて終わらせておくのが定石。


タイムオーバーは人生のゲームセット。

常識があれば夕方前にすべて終わらせる。


つまり普通ならば15~16時当たりから夜に備える。


よって、旅人の移動可能時間帯は9時~15時くらいか。6時間?いや、休憩を入れたら5時間がいいところ。

人間の平均歩行速度、時速4km。


ならば5時間で20kmは普通?

いやいや。


ならば移動速度はどうか。

旅慣れた行商人なら、徒歩であれ馬車であれ、ことさらゆっくり進む。

決して全力を出さない。


道行きを急がない。


整備責任が曖昧な路面を確認しながらゆっくり進む。行き過ぎすれ違う旅人は、必ず声を掛け合う。

互いの行き先に異常有り無しや?

確かめながら進む。


しかも、この世界の旅人は目一杯荷物を背負う。

歩く、ということ以外の配慮を山ほど重ねるのだ。


だから、一日かけて20km進むというのは凄いことだ。

俺なら、有り得ない。


――――――――――地球の中世ヨーロッパ、村から一歩も出ないで人生を送るのが一般的。

異世界に来て、初めて理由が理解出来た。




もちろん、俺たちはそれに縛られない。


今日。

ってか、今朝。

港街を出てから五日目。

今朝のうちに


現現地住民の旅人が徒歩で最短距離をいけば、1週間。

馬車で3~4日。

俺たちは南に大きく迂回して、いろいろ寄り道をして、倍くらい道のりを経て5日目。


まあ、何もしないで進めば一日かからないの距離だけどさ。

沿道住民を驚かせないように配慮しつつ、途中の厄介ごとに遭遇しつつ、太守府の三佐の様子を探りつつ、大変だった。


かくして今朝。

三佐不在の太守府に、ヒット&アウェイ!

惰眠をむさぼる三佐が戻ってくる前に、太守府への帰還命令を達成し、出撃する。


帰還報告ができないのは仕方がない。

上官不在なんだから仕方がない。

仕方がないったら仕方ない。


含み笑う元カノ。


「怒られるのが怖いから家によりつかない、って感じね♪」


ノーコメント!!!



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