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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第三章「掃討戦/文化大虐殺」

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121/1003

魔法少女(わたし)にできること

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/一人称】


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/幼女》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女》

現地側呼称《妹分/ちいねえ様/お嬢様》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。



【登場人物/三人称】


地球側呼称《神父》

現地側呼称《道化》

?歳/男性

:合衆国海兵隊少尉。国連軍軍政監察官。カトリック神父。解放の神学を奉じる。


地球側呼称《三尉/マメシバ/ハナコ》

現地側呼称《マメシバ卿》

?歳/女性

:陸上自衛隊三尉。国際連合軍独立教導旅団副官。キラキラネームの本名をかたくなに拒み「ハナコ」を自称している。上官の元カノが勝手に「マメシバ」とあだ名をつけて呼んでいる。




――――――――――大きくなったら、なにになりたいの?――――――――――

――――――――――お嫁さん♪――――――――――


《本名(キラキラネーム/本人検閲削除)小学校5年生の当時の談話》

※当時はマメシバと他称されておらず、ハナコと自称もしていなかった




――――――――――将来どうすんの?――――――――――

――――――――――お嫁さん!!!――――――――――


《元カノ高校三年生防衛大学校合格時のコメント/鼻先1cmに誰かがいたという》




【太守領中央/太守府南街道/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


――――――――――ヤツが、目覚める――――


翌朝。

夜明け前。

俺は空を見上げた。

――――――――――――――――――明けぬ夜はない。


なんてこった。

朝なんか来なくていいのに。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いやいや。


まだ終わってない。

やらせはせん!!!!!!!!!!

やらせはせんぞ~~~~~~~~~~。



悪夢は目覚める瞬間がもっとも暗い。

だから死ぬ瞬間が辛いのか。

人生から醒める間際。


――――――――――――――――――――――――――――神は死んだ。見たこと無いが。

地獄の釜が蓋を開けていやがる。

何回目だコレ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いやいやいやいやいやいや。

まだ諦めるのは早い。

輝く朝陽に希望をのせよう。


上手く行けば、急げば、その前に太守府に着ける。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かも、しれない。


わざわざ時間を潰して時間調整したんだ。

成し遂げてみせる!!!!!!!!!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・違うデスヨ。

催涙ガスで壊滅した皆さんを、一日見守った、ダケデスヨ?




【太守領中央/太守府南街道/青龍の騎士団本陣/馬上/青龍の貴族の胸元】


さすがご主人様です!


結局、わたしたちは街で一晩過ごしました。


ご主人様の煙獣に侵された皆さん。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。


大変な苦しみよう。

そんな方々も正午には落ち着かれました。


ご主人様、ほんとうは優しい青龍の女将軍さん、癒しといえばのマメシバ卿。

そして皆様方に従った街の人たち。


手早く適切な手当て。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご主人様の配慮で、みなさん救われました。

やっぱり、ご主人様は、お優しい方。


わたしを救い続けていただけるのも、わたしが目についたから。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ですよね。


うぅ・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また、余計な欲がでてしまいました

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




【太守領中央/太守府南街道/青龍の騎士団本陣/馬上/エルフっ子の胸元】


昨日。

わたくしは、知りました。


素人の甲冑姿。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんて、みっともないのかしら。


場所が戦場ではない、から?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・違いますわね。



平和な街中でも、帝国騎士に違和感はなかったわ。

四周をにらみ据え、いつでも血溜まりを造る、帝国の象徴。背後を見透かせば、竜が見える。

――――――――――金貨を受け取る時も、偉そうにしてましたしね。



青龍の騎士、とりわけサトウさま、シバさまとは全く違う。青龍の騎士、方々は周りをほとんど見てらっしゃらない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と言うより、気に留めていらっしゃらない。

――――――――――街中では、ですけれど。

ご領主様を守る時だけは、繰り返し繰り返し周りを見回しますし。



普段のシバさま、サトウさま、騎士長さま。

お三方は、ただ、周りを眺めておられる。


帝国騎士が周りを意識して、主に威圧、たまには警戒、時々かすかに愛想、でしたのに

――――――――――お三方の眼に浮かぶのは興味。


周りを気にかけない、と言う意味では、一方的に眺めるお三方も、やっぱり青龍ですわね。

でも、わたくしから見て肝心なこと。


青龍の騎士、ううん、ご領主様。


威圧感すらありません。わたくしたちにもわからない、何かのはずみが起これば、周りが血の海になりますのに。


・・・・・・・・・・・・・・・・・その背後には何もみえませんわ。

赤龍、帝国が竜や魔法使いを背にしていたように、青龍の背後どころか、その頭上には、たくさんの龍がいるはずですの。


飛龍。

土龍。

海龍。

大隼に煙獣、ねえ様は戦場で、もっと恐ろしい異形のモノをご覧になった、みたいですし。


青龍に属する力の数々。

でも、青龍の騎士さま方からは何も見えてこない。

――――――――――ああ。


わたくしはご領主様、その手をとってわかりました。


赤龍は背後に竜を立たせる。

青龍は内から龍を呼び出す。

竜に乗る赤龍。

龍になる青龍。


力を捕らえて使役するか、力を捉えて生み出すか。


その違い。

昨日から釈然としませんでしたが、ようやく、わかりました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?

なにか、忘れたような?


――――――――――って、ことは、些末なことね。

思い出すだけ無駄だわ。




【太守領中央/太守府南街道/青龍の騎士団本陣/馬上/青龍の貴族の乗騎後】


あたしは馬を走らせながら、彼、青龍の貴族の後ろ姿を見つめていた。


昨日の午前中。

青龍の貴族は、連中の始末を青龍の女将軍に丸投げ。

連中、つまりまあ、新議長の取り巻きたる仮装行列

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・の残骸処理。


まあ、始末自体は街の連中がやってたけれど。

青龍の貴族は、ソレも無視。


まあ、いつも通りではあるわね。

トンチンカンな仮面舞踏会をつぶさせたから、地べたでのたうつ間抜けが広場にあふれようが、誰が生きようが死のうが、彼が関心を持つわけがない。


水辺に追い払ったのは、用が済んだから追い払うのに効率が良かっただけ。

殺して片付けさせるんじゃ、一日で終わらないものね。


殺すだけなら青龍の騎士二人でゆっくりやって、半時とかからない。でも、住民に片づけさせようと思えば、おびえた連中を引っ張り出すのに一日かかる。

青龍なら、街ごと焼き払いそうね。幸い、彼、青龍の貴族は一番簡単な方法を選んだけれど。苦しむ連中を介抱させて川に追い出す。

死体処理よりもよほど街の人を納得させやすい。



そして弾と無駄が嫌いな青龍の貴族は、そのまま、広場から余計モノが引っ張り出され終わるのを待つことなく、次に取りかかる。



あたしと妹たちをそばに置き、若い参事(おまけの新議長)と話していた青龍の貴族。

話した、っていうより、参事会に命令、かしら。


若い参事が長々と嘆願。

手を変え品を替えて、最後は繰り言になるまで救済を訴えた。


でも青龍の貴族は、あっさり即答。


成立しないはずの命題は、実行済み検証済みな施策に置き換えられた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・みんな、唖然。

最初に状況を理解して、答えを出していたなら、繰り言を聴いていたのはなにかしら?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・繰り言を言われている、っていう発想がなかったのかも。


一応、話を最後まで聴こうとした?


ううん、あたしたちに聴かせようとしたのね。そもそも、あの娘と妹分に、興味があるか尋ねたし。

なら・・・・・・・・・まさか・・・・・・・我慢してたのかしら?

青龍が?

青龍の貴族が??


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――なら、次は、あたしが遮らないと。

似た様なことが起きれば、だけれど。

気遣いは、まあ、嬉しいけれど・・・・・・・・ダメよね。



その結果、あたしたちは街で一泊する事に。


仮装行列の始末は昼過ぎには終わり。

青龍の貴族と参事会、命令と受領はお茶をそそぐ間もなく終了。

すぐに太守府に向かっても良いのだけれど。


・・・・・・・・・・・・・・・・敢えて、間をとった。



――――――――――青龍の貴族、その配慮。

こういうところは青龍らしい。

あたしたちの世界、とりわけ魔法使いを帝国に独占されたこの邦。意思の伝達には時間がかかる。とてもとても長く。

青龍の世界ならば、違う。一瞬でなにもかも伝わるわ。

彼、青龍の貴族が野盗と戦っている最中、あたしたちに、その声が届くように。青龍の世界では当たり前。そこでは青龍の貴族が命じれば、それがそのまま実現するんでしょうけれど。

――――――――――あたしが、この感覚に慣れ始めている?


拙いわね。彼が求めているのは、この邦の感覚なのに。




【太守領中央/太守府南街道/青龍の騎士団本陣/馬上/エルフっ子の胸元】


わたくしたち、そして、ご領主様は一晩待つこととされました。


参事会が、ご領主様のご帰還までに準備を整える、間。

ご領主様をお出迎えする参事達が、同じようにご領主様を迎える市民たちの前で、無知をさらさぬように。それは領民に恥をかかせないように、というご配慮。


若い参事とご領主様の間で話がついた以上、それは太守府の市民全体に及ぶ決定。

王城に詰めるだけではなく、当然、ご領主様のご帰還となれば参事たちは出迎えます。五大家当主のみならず、参事と名がつく者は全て。


みな、税の話で気が気じゃないでしょう。誰かが参事に尋ねるかもしれない。ご領主様に直截、声をかける者などいないでしょうけれど。

青龍の役人、僧侶さまなどには聞けるでしょう。参事同士で尋ねあうことを、ご領主様が耳に留めるかもしれない。

なにがしかの答えがあるかもしれない。


それを、五大家当主が知らなければ、たいへんな恥。


だから一晩。

正確に昨日の昼から今日の朝まで、ほとんど一日。

それだけの時間があれば、何が決まったのか、参事会に周知することができる。



できる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とお考えなのね。


お優しいわ。

それがどんな結果を招こうと、ご領主様はお優しい方です。わたくしは、知れば知るほど、染まってしまいます。



でも、これはご領主様だけの特徴ではないんでしょうけれど。



青龍の皆様は、殺し壊し、ついでに奪います。

――――――――――何の気なしに。


ただ、誇りや名誉を傷付けまいとされる。

――――――――――当たり前に。


誇りや価値観は大切、命や財貨に価値は無い。


これは、ご領主様のみならず、青龍の方々一般の感覚。

であればこの間の取り方、ご領主様の意は明白ですわ。若い参事さんにも伝わったことでしょう。時間があるのだから、準備万端整えよ、と。

――――――――――お可哀相に。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご期待が、胸に痛いですわ

あの若い参事さんは、キレる人よね。


でもご領主様の命令を実現するのに何ヶ月かかるかしら。

ご領主様の命令そのものを後に回して、命令がある、そうふれ回るのに数日。

命令の概略を伝えるのに1ヶ月。

調整が終わるのに

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・半年、くらい?

その後、すぐに実行出来ればたいしたモノ。



ご領主様は、一晩待たれた。

それで十分と疑っていない。


ここまで感覚がズレたら、一晩も一週間も変わらないのだけれど。

この街で、待たなくても構わないわよね。




でも、わたくしは、何も申しませんでした。

太守府に帰れば邪魔者がいっぱい。

今なら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・頬ずりしても誰も邪魔しませんもの。


おかげで旅先の狭い寝床でご一緒出来ましたし♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

朝の清涼な風が、肢体の火照りを冷まします。

うーん、爽快。




【太守領中央/太守府南街道/青龍の騎士団本陣/馬上/青龍の貴族の胸元】


わたしは昨日の成果を胸に抱き、ご主人様に肢体を寄せてつかまります。

――――――――――!!

・・・・・・・・・・・・・・つい、頬ずりしてしまいました。

ご主人様は、気がついて・・・・・・・・・らっしゃらない、ですね。

――――――――――――――――――――――――――――――うぅ。


ちがいますちがいます。


わたしは胸元の感触を確かめます。

青龍の皆さんが使う、保温けーす、というもの。いろんな形がありますが、スープを入れるのに適した形、円筒形です。


マメシバ卿にお借りしました。あげる、と言われましたが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたしは自分の物などありません。


いただけません、と言うべきなのですが言葉に迷ってしまいました。

ご好意も、わたしが受けるべきものではなくて

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うぅ?

昨日は、まずそれで困ってしまいました。




昨日――――――――――――――――――――




「――――――――――つまり、服も家も、肢体も心も、思い出も未来も、なにもかも、大尉殿のモノだと」



わたしは頷きました。

マメシバ卿は、わたしのようなものにも気を使われます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・卿だけではありませんね。


青龍の皆さんは皆様、お優しい。

それが、強い、ということなんでしょうか。ねえ様は、おっしゃいます。

相手より強ければ、衝動より自制が先に立つ。

何者よりも強ければ、腹立ちさえ覚えない。



だから、マメシバ卿は、私のつたない話を聴き続けてくださいます。


「気遣いは、貴女の所有者である大尉殿に向けて欲しい、ん?ああ、向けてくれたら貴女が嬉しい、的な」


だから、マメシバ卿は、わたしのたどたどしい説明を整理してくださいました。


「だから、何かを譲られても、受け取りようがない、と?」


決して決めつけない。

これも青龍の世界、その流儀。

物を得ることは忘れているのに、知ることには熱心な。


青い龍は知識を喰べる。


それに、はい、とお答え出来た時は嬉しかったです。わたしは、ほんとうにほんとうに、伝える、ということが苦手ですから。


その時――――――――――お二人が、空を仰がれました。

その時、空には・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・雲ですね。

今、思い返してもそれ以外、何も見えませんでした。


私が見えないものが見えるのは不思議ではないのですけれど。



「VUrrrrrrrrrrr!!!!!!!!!!」


その時、苦鳴を叫んだ青龍の道化さん。

硬直して地面をのたうち回り、胸、心臓に刺さったナニかを抜こうともがき跳ねられます。



「気をしっかり持つのよ!!!!!!!!!!!

ハナコ !!!!!!!!!!

愛の勝者は独りだけ!!!!!!!!!

乙女が幸せならハーレムでもいいじゃないなんて妥協はダメ!!!!!!!!!!

団長なら十日に一回くらいにの浮気は黙認してくれる言いくるめられるさせてみせる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダメダメダメ!!!!!!!!!!

残酷だけど最後に愛を得るのは独りだけ!!!!!!!!!!

くっついて途切れておいかけて!!!!!!!!!!

乙女の恋はバトルロワイアル!!!!!!!!!!」


その時のご様子は、いつものマメシバ卿とは全く異なり?????

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マメシバ卿は、額を抑えて、言い聞かせます?

わたしに?

何も見ていらっしゃらない、でも、わたしが青龍の道化さんに近づくと、道化さんを蹴飛ばします。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピチピチ跳ねながら戻ってこられますから、大丈夫、なんでしょう?

今朝もお元気でしたし。

わたしは、その時、マメシバ卿に質されて答え続けました。それをマメシバ卿がまとめて確認されます。


「つまり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

大尉殿にお料理を差し上げたい、とそれが貴女にできる事、今後も、と」


わたしは頷きました。

身の回りのお世話。

お茶は、ちいねえ様がなさいます。


すべてをお渡しするには、ご主人様はお忙しいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つらい、です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・恥ずかしながら、料理を差し上げる為に、お側を離れることには耐えられません。


スープを作る半日ほどでも、厨房にいたら、ご主人様がいらっしゃらないと

――――――――――苦しいんです

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


やっぱり、まだ、ご主人様のモノとなった実感が薄いのでしょうか。


「OK、OK!Girl?愛する人に尽くしたい!Very Nice!」


あ、あいする、だだ、だいそれて、

――――――――――でも、はい。


「ダイジョーフ?ダイジョーフ!オトコなんかヤラせてやりゃ言いなりよ?ヤラレ逃げにちゅー」

「なにをダークサイドに招いてますか!!!!!!!!!!」


そうです!

それじゃ、わたしがいただいているだけじゃないですか!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――沈黙。




マメシバ卿の脚がお腹に喰い込んだまま、の道化さん。

喰い込ませたままのマメシバ卿。


あ、あの?



「清められるぅぅぅぅぅuuuuuurrrrrRRAaaaaa!!!!!!!!!!」


その時、わたしは固まってしまいました。青龍の道化さんが、まるで熱湯を浴びたかのように、大地を跳ね転がってましたから。


「団長なら週一でも大丈夫だよねみんな仲良く○Pでもいいんじゃないかな誰を捨てて誰をとるなんて人として許されないし乙女の恋は地球より異世界より大切ようは大尉殿の精力

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちがうちがうちがう

!!!!!!!!!!」



――――――――――マメシバ卿は、ご自分に、魔法を処方されました。首筋に、何かを当てて、圧すだけ。心が落ち着いて、前に踏み出せるそうです。青龍の道化さんにはなにか青い稲光のするお薬?を当てておられます。



「つまり途中のファンタジーは後ほど検討しつつ結論は」


とマメシバ卿。


「大尉殿の食事を、貴女が一生、創るんですね」


はい。

――――――――――あ、あの、許していただけたら、で、わたし、家庭料理しか作れませんし!!!!!!!!!!




――――――――――わたしに出来ること――――――――――



あ、あら?


「主よ!我が罪を聴かれよ。我、赦しを求めるに非ず。道行きを主に委ねたまう。我、肉欲を御心と偽り吹聴せん。我、肉の喜びを忘れ、偽りの人形を我と人にいざない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


??????????


「・・・大きくなったらお嫁さんになる・・・・・・

・・・・愛する人に甘え甘えられて過ごす・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな、簡単なことだったのね」


あ、あの?


跪いて両手を上げ、一心に祈る道化さん。澄んだ、とても澄んだ眼差しをすべてに向けるマメシバ卿。




――――――――――お二人が動き出されるまで、夜までかかりました。


そしてお二人の御協力で照明や調理器具をお借りして、特製スープが出来ました。

凄い火力と繊細な操作ができるので、ほとんどご主人様のそばを離れなくても大丈夫でした。魔法ってすごいです♪

あ、青龍の魔法って、すごいです♪♪♪♪♪♪♪♪


こんな魔法の使い方があるなんて♪♪♪

これでたくさん時間を節約できます♪♪♪♪♪♪

一緒にいる為に、たいせつな人の側に居るために、魔法を工夫するなんてすごいです♪♪♪♪♪♪♪



・・・・・・・・・・・・・道化さんが、なにか、縦横に手を動かされています。

なにをなさ・・・・・・・・・・・マメシバ卿?目頭を押さえておられますが??


気にしなくて、気にしてほしくない、ですか?

はい。

では、スープを詰めますね。





そして、今日。


紫色の輝きが、筒の中では見えないのが残念です。

動くから、馬上では安定しません。

けれど、ご主人様に、その、強く抱かれるから嬉しいです。


ご主人様。

すとろーで、このまま飲めるんですよ?




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