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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第三章「掃討戦/文化大虐殺」

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登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/三人称】


地球側呼称《神父》

現地側呼称《道化》

?歳/男性

:合衆国海兵隊少尉。国連軍軍政監察官。カトリック神父。解放の神学を奉じる。



地球側呼称《曹長》

現地側呼称《騎士長》

?歳/男性

:国際連合軍/陸上自衛隊曹長。



地球側呼称《坊さん/係長》

現地側呼称《僧侶》

?歳/男性

:国際連合出向中地方公務員。得度した僧侶。浄土真宗らしい。軍政司令部文官。


地球側呼称《官僚/財務官僚/役人》

現地側呼称《役人》

?歳/男性

:財務省官僚。高級官僚の一族に属するらしいが、異世界転移後の官僚機構一斉粛清で大半を失った。殺された者もいると信じている。



地球側呼称《三佐》

現地側呼称《青龍の公女》

?歳/女性

:陸上自衛隊三佐、国際連合軍事参謀委員会参謀、WHO防疫部隊班長、他いろいろな肩書を持つ。日本の政権与党を支配する幹事長の娘で、父親と連携して戦争指導に暗躍している。



地球側呼称《新議長》

現地側呼称《バカ女/新議長/議長》

?歳/女性

:太守府参事会議長。参事会を、すなわち太守領を経済的に牛耳る五大家、その当主の一人。先代の失策で没落中。



テルールとは「恐怖」を意味し、歴史用語として「恐怖政治」と訳される。

その「恐怖政治」には、本来、否定的な意味がなかった。


――――――――――と言えば、驚かれるだろうか。


だが、ロベスピエールやサン・ジュストは革命の敵に恐怖を与えることに胸を張っていた。


故に恐怖政治はその出生において、正義そのものだったのだ。

まったく対照的だ。

現代社会でデモクラティア(民主主義)を否定する者がいるだろうか?

それは衆愚政治と同じ意味を持ち、否定的な概念から始まったのに。




テロリズムの語源は言うまでもあるまい。




無作為な対象を殺傷することを、先進諸国では「無差別テロ」と呼ぶ。

とあるディストピアではそれを、「通り魔殺人」と呼ぶ。


テロリズムの原因は多かれ少なかれ社会構造の欠陥にある。

通り魔殺人の原因は何もかもすべて個人の精神的問題にできる。


社会に問題はない。

社会を検証する必要はない。

社会構造を変えることは許されない。


その結論から始まれば、ありとあらゆる問題は

「個々人の精神異常である」

「しなければならない」

のだ。


よって、ディストピアには特徴が生まれる。


自己責任。

利己主義。

差別主義。


個を孤立させ体制と直結させる、という幻想を抱かせること、でのみ破綻した社会は維持できる。


それは全体主義ではない。

もちろん民主主義でもない。

はたして社会でもなく、維持されてもおらず、これ以上破綻もしない。

既に終わっている。



ならば?


後はあくむから醒めるだけだ。

辛い目覚めか、永遠の眠りか。

早いか、遅いか。


――――――――――テルールからデモクラティアを始めよう。



《合衆国大統領覚書/20XX,8,15》




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


俺は覚悟を決めていた。

必殺技にはリスクとコストがかかるもの。軍政司令官たる俺の必殺技とはなにか。


シスターズのつぶらな上目遣い。

などという絶体絶命危急存亡な事態に対処可能な秘策とは。


陸上自衛隊内部にしか通じない、特殊な事務経験?

ねーよ!!!!!!!!!!

では、あーと、あれ、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いかん、俺って、他に何も無くない?



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無いよ、うん。

しってた。

でも、いーんだ。

一人一人が無能でも、それをカバーするのが組織。


自分自身なんか最初から当てにしてないし。

自分を信じたらなにも始まらない。


まずは俺が俺を見限る!!!!!!!!!!


そして

――――――――――困った時の部下たのみ。



俺は何も取り柄が無くて問題なし。

上司とは、優れている人間のことじゃない。社会に出ればきっとわかる。上に立つのに必要な資質。

それは、誰に助けを求めればいいか知ることだ!!!!!!!!!!



・・・・・・・・・いや、優れてるに越したことはないですけどね?

人には向き不向きが

・・・・・・・・・・・・・・・・とにかく、俺には通信機さえ有ればいい。


そばに誰も居なくても、異世界の果てからだって知恵を借りられる。

返せないけどね。

まだ衛星ないから、高空中継気球の及ぶ範囲しか通じないけどね。



まだ上官に下駄を預けるのは早い。


ってか、三佐に連絡するのは世界が滅びてからでいい。

助けを求めたことを後悔しかできない。

そんな助けはいらない。

知られてはならない。

こっそりいこう。


なら部下だ。



部隊指揮なら曹長。

予算や人間関係や人生相談なら坊さん。

うちの部隊の二枚看板。


戦闘なら佐藤と芝。

うちの両翼。


八つ当たりするなら神父。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・コイツ、やっと話を伸ばせのジェスチャーを止めた。


歴史家も首をかしげているし、ドキュメンタリーではなさそうだ。

いったいなんだったのか?

あとあと。



さて、今回は税金のはなし。

誰にしようか?誰の助けを借りようか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・導き出される結論は?


『聴いてますか?』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、役人、いたね。




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の後】


「言え」


彼、青龍の貴族は若い参事に水を向けた。

――――――――――どうしたいのか、言ってみろ、ってこと?


若い参事は顔面蒼白。


どうすべきか、って考えはあるみたいね。ただし、自分が口にするのはばかられる、か。

つまり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・農村の免税を取り消せ、 と。


参事会、商人たちが考えそうなことね。

解ってない。



作付けの悪化は知っている。

農村の人手不足も知っている。

野盗の跳梁も知ってはいたのだろう。



――――――――――それだけ。



村々の人々が、何を想っているか、解ってない。

青龍が、青龍の貴族が、村人たち、各々に、何をしたか解ってない。

村々が、人々が、どうなっているのか解らない。


野盗と戦って見せ、村人に殺させた。

村人を癒して見せて、村人に治させた。

逃げ出した皆を引きずり出して、帰り道を創った。



村々は、もう転がり始めたわ。


誰も何もしなくても、結末に向かって止まらない。

青龍の息吹きに飛ばされて、青龍の影を刻まれて、過去の姿を失った村人たち。


税はいらない。

村々もいらない。

村人たちもいらない。



青龍は今の皆を捨て、カタチを強いた。



知恵を与え。

覚悟をねじ込み。

武器を押し付け。

村々を裏切った逃亡者をのみこませた。



斬り祓って絶ち斬って。

今とこれから、今からこれまで。

その果てに、青龍の民が産まれる。

――――――――――ううん、産みだそうとしている、のかしら。


彼、青龍の貴族が、望むカタチになるのかどうか。

きっと青龍の貴族もわかってはいない。

でも、その試みを彼は気に入っている。

ならば、それを止めさせる訳がない。



――――――――――あたしが面白くないのは、すべてが同じように、例外なく徹底された考え方。


彼、の不在。

・・・・・・・・青龍の貴族自身が居なくても、なにもかも進行するようにカタチ創られていること。

何故かと聞けば間違いなく、いつもの言葉。

だから聞かない。



――――――――――俺が殺されても何も問題ない――――――――――



徹頭徹尾、自分の事しか考えていないんだから!!!!!!!!!!





【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の前】


僕は必死に平静を装ったまま、それよりもっと必死に考える。


青龍の貴族は怒ってこそいない。

だからまだ僕は生きてる。


だがしかし、いつもの無表情じゃない。微かに笑い顔。明らかに、こちらの内心を見透かしている。

僕が、青龍の貴族に泥を被せようとしている、と知っている。


それを、僕らの企みをはじめとする洗いざらいを、あえて僕に言わせようとしている、のか?


――――――――――――――――――――狙いは判る。


こちらから言わせ、青龍が受け入れる。そうなれば責めの大半は僕、参事会にかかる。



圧倒的な強者、青龍。

相対的な強者、参事会。


村々の不平不満は参事会に向かう。


今までであれば村人が参事会に物申す、そんなことは有り得なかった。まとまりがない村々に対して、参事会は強大だったからだ。

参事会の力が弱まった訳じゃない。

むしろ、太守に掣肘されない分、強まっている。


青龍は無視が基本だからな。


だが、青龍が強すぎて、参事会が霞んでいる。村々は村人たちを、今までと同じように考えると危険だ。思わぬヤケドを負いかねない。



それを勘案する

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しても、免税取り消しの不平不満を、僕らも被るのは仕方ない、か。


青龍の貴族とて泥を被るのだ。

分担しろと言われるのは、妥当なところだ。


新議長を連れて来たのが生きる。参事会全体で責任を引き受け分担すれば、損害は最小限に出来る。僕だけに背負わせやしない。



脅すか宥めるか。


参事たちを。

村々を。


盗賊ギルドに金を出せば、千やそこらの頭数は揃う。うちの船乗りは使わなくて済む。村々の十分の一に金を撒き、村の長と大人たちに握らせれば。


――――――――――いける。



切り崩して、村々に差をつけ憎み合わせれば、殺し合いにはなるまい。費用は参事会が立て替えて、年末に街々から精算させる。

今年を凌ぎさえすれば、どうとでもなる。


馬鹿が剣を抜きそうなら、こちらからしかけてもいい。


平参事を殺して放り出し、相応しい犯人を吊せばいい。ただの商人には負えない生贄。参事がたくさんいて助かった。


「考えはまとまったか」


!!!!

疑問じゃない。


読まれてる。青龍の魔法か。繕えないように、考えがまとまった瞬間に声掛け。だから僕は答える。

「なんのことですの?」


――――――――――バカ女!!!!!!!!!!




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の左】


わたくしは、笑い出しそうになってしまいました。


新議長さん。なんといいますか、素朴なお顔に濡れてほぐれた金髪の縦巻き、もう巻いてませんけれど、それがまた素朴。もともとまっすぐな御髪おぐしですのね。背丈は、背丈だけは、ねえ様くらいありますのに、子供みたい。


ご領主様も、あら、珍しくお笑いです。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと、面白くありません。

あのように笑われたいか、と言われたら、ヤですけれど。

ご領主様が、まるで独り言のようにつぶやかれます。


「わかった」

「なにが?」


なにが、って。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご領主様に、畏れおおくも応えた新議長。

ぞんざいすぎ

・・・・・・・・・・・・・・・・なんにも、解っていないのね。

それどころか、話に付いてきていないわ。


ううん、何かが話されている、と気が付いていない?


ご領主様は参事会の二人に付き合う気を無くされました。


「俺から言えばいいのだな」


若い参事は蒼白です。口を塞がれた新議長も、蒼白ですけれど。

・・・・・・・・・・呼吸、ですわね。


「街々から集めた税は、港街の基金と同じように扱う」


――――――――――あら。




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の前


僕は反射的に、バカ女、いや、新議長の口を塞ぎ首を締めていた。が、顔色に気が付き、手を――――――――――時が止まった。


街々から集めた税は、港街の基金と同じように扱う。


青龍の貴族、その言葉。



――――――――――基金――――――――――



半壊した港街を復興する為に、参事会/盗賊ギルド/青龍が資金を出し合った、基金。復興後は運用しながら、同種の緊急時に備えた資金として維持し続ける。


アレを街々で個々に運営する?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・可能、だな。


災害や大火、あるいは戦災で街が被害を受ける可能性はある。

一年分の徴収資金を運用して利子配当を受ける。街自体の日々必要な費用、公の支出の大半が基金の利益で賄えるかもしれない。

よほど下手をうたない限り、基金は永続的に続けられる。


普通なら商工会の馬鹿が投機バクチに手をだすか、帳簿をごまかそうとして破産する。

だが、拠出金の所有者を青龍にすれば、権威がつき乱用出来ない。管理を商工会に任せて参事会が監査する程度で、充分だろう。


街で集めた資金を街の為に使う、なら、徴収を続けることへの不満は愚痴程度に抑えられる。

青龍自身は金貨一枚受け取らないのだから、免税の一種と言い張れる。


村々と比べて、不公平だのなんだの言う奴はいるだろう。それを潰しても、大方は納得させられる。

万一を考えればキリがない。



――――――――――税を集めながら、税を取らない――――――――――



これしかない

――――――――――――――――――――乗るべきだ。

これなら資金の流れを阻害しない。


それどころか、増やして勢いをつけることになる。新しい商機でもあり、野心がある、つまり商人はみんな乗る。




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


若い参事は一発回答。

・・・・・・・・・・・・新議長を投げ捨てた。


「承りました、そのように致します」


役人スゲー!!!!!!!!!!


俺はちょっと感動。

当事者の賛同も得て、見事に辻褄があっている。

感謝賞賛ほめたたえ

・・・・・・・・・・・・・・と思ったら、通信切れてたけど。



――――――――――――――――――――なるほど。

これじゃあ、任せたぞ、って言えないな。


敢えて俺に言わせたのはそれか。

仕事を回されたくなかったんだな?

先行して、もう太守府だよね。本業が忙しいのか。資産接収は終わってる筈だが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ、最近は、本業以外で忙しいからな。


無理やり通信をつなぐのもはばかられる。権限的にはできるけれど、それじゃあパワハラだ。いかんいかん。

しばらく、そっとしておこう。


港街の基金だけでも、まだ処理が終わってないしな。

これから十指に余る街々と、基金を創るのか。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・がんばれ。


それにしても、なんにも説明してないのに、あっと言う間に答えが出るって!しかも俺の拙い説明、ってか、一文で理解出来るんか。

いつの間にか状況を把握、いや、以前から予想してたのかな?

免税の話は一昨日には出た話だしな。

言ってないけど聞いてたのか。


いやーツいてるツいてる。

持つべきは優秀な部下。

みんなスゴいな。


・・・・・・・・・・・・・・・・・ところで、新議長、娘さん、生きてる???

マメシバ三尉よぼうか????




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の右】


「御慧眼、恐れ入りました」

「皆が優秀で結構」


一礼する若い参事さん。鷹揚に応えられるご主人様。わたしは興奮していました。さすがはご主人様。何が起きたのかは、正直、わからないのですが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご主人様が、大変な問題を、あっさり解決したことは、わかりました。


スゴいです♪♪

凄いです♪♪♪♪

素敵です♪♪♪♪♪♪


でも、どんどん距離が離れてしまわれます

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うぅ


――――――――――内容は、ちいねえ様に教えていただかないと、わかりません。


このままでは、ご主人様に申し訳が立ちません。

ご主人様は、わたしが役に立たなくとも、気にされないですけれど

・・・・・・・・・・・・・・・・・・せめて内容がわかれば、ご主人様を退屈させてしまわずに済みますし。


うぅ

・・・・・・・・・・・・わたしに出来ることが、何か無いでしょうか。


「後は好きにやれ」


若い参事さんは、お務めをまかされてますのに

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の前】


僕は凍りついた。

――――――――――僕が、やるのか?

十指に余る街々、一つ一つ、すべて同時に、青龍と調整しながら??????????



――――――――――全部!!!!!!!!!!



・・・・・・・・・・・青龍の貴族は、もう、こちらを見ていない。

決定断定絶対決済。


あはははは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

チクショー!!!!!!!!!!

僕は陸のことなんか興味ないんだ!!!!!!!!!!

なんでこんなめに!!!!!!!!!!

絶対に巻き込んでやる!!!!!!!!!!

参事会も村の長も一人残らず!!!!!!!!!!


「がーんば」


僕は、おそらく、盗賊ギルドの愚連隊すら地に伏して謝るだろう眼で、バカ女、いや、バカ女を睨んだ。

他人事、よその話、無関心事。

・・・・・・・・がんばれ、と?


「ん?」


――――――――――このアマ。

キョトンとした眼で見ている。

化粧っ気がないから、よけいに恍けている。

危機感というモノが全くない。虐殺の真ん中に居て泣きわめいていても、自分が傷つけられるなんて全く思わないタマだ。


「新議長にも手伝っていただきます」

「あーら、アタクシに助けて欲しいのね?カワイイとこ、あるじゃない」


悟りすまして知ったかぶり。ガキっぽくて余計にムカつく。


「ええ、新議長にしか出来ない役割です」

「ふふん♪おっしゃいな♪♪♪」


見えない鼻が天に届いているな。


「――――――――――夜明けと共に起床してください」

「ムチャ言わないでよ!!!!!!!!!!

なに考えてるの!!!!!!!!!!

出来る訳ないじゃない!!!!!!!!!!」


なんでだ!!!!!!!!!




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


仲良きことは美しきかな。

俺はほほえましい二人にほっこり。


「夜明けに叩き起こすからな!」

「アタクシのベッドに入るのにその態度?どーいうコトかしら!」

「何の話しだ!明け方に寝室の扉を蹴破ってやるだけだ!」

「後朝の別れ方がそれ?一生にいちどなのよ!雰囲気を創りなさいよ!最初くらい!次も次も!最後まで!たまになら合わせてあげるから、手順を草紙になさいね!」

「バカ女、いや、バカ女、ほんとーにバカなんだな!」


言いなおしてないぞ?




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