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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第三章「掃討戦/文化大虐殺」

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観測者/俯瞰と仰望

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)



【登場人物/一人称】


『僕』

地球側呼称/現地側呼称《若い参事、船主代表》

?歳/男性

:太守府参事会有力参事。貿易商人、船主の代表。年若く野心的。妹がいて妻の代わりに補佐役となっている。昔は相当な札付きであったようだが、今は特定の相手以外には紳士的。



【登場人物/三人称】


地球側呼称《新議長》

現地側呼称《バカ女/新議長/議長》

?歳/女性

:太守府参事会議長。参事会を、すなわち太守領を経済的に牛耳る五大家、その当主の一人。先代の失策で没落中。



Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country.


国があなたに何をできるのか、ではなく、あなたが国に何をできるのか、ソレを考えてほしい。


――――――――――J・F・ケネディ


考えた結果、ダラスにスナイパーたちが送り込まれたが、それはまた別の話。




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


「しばしお待ちを」


若い参事と更に若い新議長。若い参事は、平伏したまま俺に背を向けた。平伏させていた新議長の髪を掴み顔を上げさせた。


「アンタなにを」

「議長だまれ僕が説明いたしますお任せください話が混乱いたしますから黙っていてくださいわかったら頷く頷け速くしろよし頷いたなだまれよ」


聞こえてる聞こえてる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんか蒼白だぞ新議長。

若い参事は立ち上がり、俺に向き直った。




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の前】


僕は謹んで言上する。

青龍の貴族に、真っ先に伝えるべき事。


「配慮の足りぬ振る舞いをする者がおりましたことを、深くお詫び申し上げます」


かなう限り婉曲な表現で、かつ、僕に責めが回らず、そして参事会に響かぬように。

だが、嘘は禁物、バレるに決まっている。


参事会五大家の、当主だけの、信用おける手練れに守らせた、会議の内容。それが到着前の青龍に筒抜けだったくらいだ。

しかも十日以上前の密談が、市民の前で再現されたくらいに。



青龍は嘘を嫌うか?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうでもない、と、思う。

僕がみるに、青龍の貴族は手段に好悪がない。


目的と結果が気に障らなければ、嘘は無視される。

実質黙認、だ。



最初にこの邦に青龍がやってきたとき。


僕ら参事会は、総出で青龍を欺き魔女に危険を押し付けようとして失敗。

怒る青龍の貴族。

底冷えのする目つきで、太守府の街や市民ごと、僕ら参事会を皆殺しにしようとした。


では何を怒ったのか。


騙そうとしたこと?

魔女を生贄扱いしたこと?

両方?



――――――――――魔女に責任を負わせて、悪意を持って利用したこと。

僕はそれが青龍の貴族、その怒りを買ったと思っている。



青龍は嘘、といって悪ければ、虚構を容認する。

現に怒りをぶつけ太守府を焼き払う寸前、僕ら参事会の芝居に合わせてみせた。


あの時。


魔女が飛び出して青龍と僕らの間に入った。

皆殺し寸前で動きが止まった時。


振り上げられたままの青龍の貴族、その腕を前に、僕らは嘆願した。

魔女の、まあ、勇気に便乗したのだ。


罪は我々だけのもの。

我々の命と引き換えに、皆の、とりわけ魔女の命を助けてください。



――――――――――本気な訳がない。


まったく感動的だがね。

よく言ったものだよ全く、我ながら。



お嬢様の父、あの大先輩はあるいは本気だったかもしれない。最初から愛娘が大切にしている魔女を利用することに反対していたからな。


だが、参事は皆、打算と勢いと賭だったはずだ。


僕と同じ様に考えた。

魔女を使い捨てにする策略に怒った青龍の貴族。

それなのに魔女が身を捨てて、元凶たる僕らの助命を願う。


青龍の貴族は、それを無視したいだろうか?無視して大切な娘を傷つけたいか?

力ずくで連れ戻しても、あの繊細な魔女は傷ついていただろう。

青龍の貴族が望むことは、わかりきっている。


だからとっさに、僕らは考えを一歩進めた。

この流れに乗るべきだ。



魔女がその命で救うに値する、そんな僕らであるように見せれば、あるいは見逃してもらえるのでは?

、と。



他に道はなく、何もしなくても、失敗しても殺されるだけだ。動かない手はない。

そして見事に成功した。


もちろん、青龍の貴族が僕らに騙された訳じゃない。

僕ら程度の心根、魔法が無くても世に慣れれば、容易く読める。

嘘を見抜きながら、あえて合わせてきたのだ。



魔女を助ける為に。

その願いをかなえる為に。

自分のモノである魔女を守るために。


僕らや太守府の市民は?オマケは二の次?

いや、眼中にもあるまい。


実際、その後すぐに五大家は王城に転居を強制され、しっかり鈴と首輪を付けられた。

――――――――――僕らを信じない、賢明な青龍。


僕らの嘘を、それと判ってなお合わせてくる青龍。

それは当然、魔女の今後の為。

よほど深く気に入ったのが解る。


魔女の何が気に入ったのか

・・・・・・・あの、奇妙な、ある種の美意識?


自らの意志で生贄の祭壇を上がる姿。

それは、真似などしたくないと思うからこそ、僕らから見ても美しい。

それを青龍の貴族が愛した。


魔女、魔女に続いたお嬢様、二人を庇うエルフ。

それが、青龍の心の琴線に触れ、僕たちの嘘を容認した。



――――――――――つまり、そういうこと。



行き着く場所がお気に召せば、路上の嘘など気にしない。

ここ半月に明らかになったではないか。


愛人のエルフを王城に、魔女のそばに置いていたこと。

港を仕切る盗賊ギルド頭目を愛妾にしておいたこと。


青龍は虚偽を嫌うどころか多用する。


嘘を巧みに操り、他者の嘘をたやすく喝破する。真っ向から勝負しても意味がない。だからこそ、僕は事実から離れぬように、振る舞う。

口上を続けた。



「一部の思慮が足りぬ若いもの達が、場を弁えぬ装束でお出迎えしてしまいました」


バカ女は青龍の貴族を迎えに来た

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・僕ら参事会が、来させた、のだが。



だから、バカ女についてきたオマケの取り巻きたちも、迎えに来た、の範疇と考えて良いだろう。

取り巻きは常にバカ女を助ける為にいる、と言い張っているしな。

助けられてはいないが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嘘にはならない。



そのバカ女の取り巻きたちが、よりによって選んだ衣装。

鎧甲に、剣に槍。


なんで支配者を出迎える装束がそうなる。


武具をまとう?

しかも集まる?

そして屋内に入る?


――――――――――待ち伏せ、不意打ち狙いにしか見えない。

無論、そんな考えはない。

いや、奴らに考えるなどできやしない。


武装したのは格好良かったから。

集まったのは寂しかったから。

旅籠に入ったのは疲れたがら。



――――――――――ありえん。

誰が信じる、この事実を。

叛乱を疑われて当たり前だ。



幸いにして疑われなかったようだが。

バカ共が、そして僕が生きているってことは、そういうことだ。


結局、すべてはお見通し。

まあ、千里眼をもつ、いや、既存のどの魔法とも違い、過去まで見通す青龍だ。

街に集まっているのが、どの程度の連中かわかってはいただろう。



どいつもこいつも、商人であって武人じゃない。

習うどころか我流でさえ武術を知らない。

馬は得意で体は丈夫。

だが荒事は用心棒任せ。

他人を殴ることすら、他人任せ。


まともに戦えやしない、どころか喧嘩も出来まい。


美々しく色を塗りたくり、飾り細工を整えた鎧。

羽根飾りで前が見えない兜。

槍に剣は金銀と安い宝石。


よりによって柄や束に散りばめて、振るうどころじゃない。

もちろん、刃の手入れがされたこともない。


どれもこれもみてくれだけの見栄張り装備。

もちろん、こんな玩具で見栄を張れるのは、仲間内のバカ相手だけだ。


世界最強の帝国を、今も駆逐し続けている、歴戦の青龍騎士。

ソレを率いる青龍の貴族が恐れるわけがない。


バカ女が格好良い装飾品、取り巻きの男どもを求める。


武具で飾り立てた美丈夫にチヤホヤされたい、と。

最近流行りの演目に影響されやがって。

僕も戯作者の尻を叩いて、そんな芝居を創らせている。


一人の女がなんやかんやで、美男美少年にチヤホヤされる高級芝居。

値段が高級なんだが。


バカ女一人の機嫌に一喜一憂するこいつ等が、一も二もなく従った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・認めよう。

他の有閑夫人が舞台で我慢するモノを、実現してしまう。


その非凡さ!!!!!!!!!

非凡なバカ!!!!!!!!!!


悪気は無かった、それは明白だ。


バカな飼い犬がそそうをしても、犬に悪意は無いだろう。

バカ犬ならぬバカ女は、遊んでいただけだ。


だから許される訳じゃないが。

だから俺が言い訳してるんだが。


「参事会の手が回りませぬ事を、お詫びいたします」


これも嘘はついてない。

参事会、他の参事は新議長の存在を僕に丸投げ。

主導権を握っている僕への牽制。


様々な方針について僕に従う代わりとばかりに、うんざりするしかない面倒事を押し付けてきやがった。

青龍の貴族、その動向を把握して手を打ち、バカの相手をする?


龍と珍獣の世話なんか出来るか!!!!!!!!!!


僕はバカ女の行動こそ抑えていたが、取り巻きのことは知らなかった。

社交を軽視したから、その手の話に疎かったのだ。


みなが妻を迎える理由がようやっとわかった。

適当な女、家柄がよく遊び好きな、を使って醜聞の類を集めさせる。それは決して無駄ではないのだ。

――――――――――今後の課題。


そして今。

青龍の貴族が、怒ってすらいないなら、その流れに乗って見せれば助かる。

・・・・・・・・かもしれない。



「どうか寛恕くださいますようお願い申し上げます」


僕は深々と頭を下げた。





【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の後】


あたしは若い参事の苦衷が理解出来た。だからどうって訳じゃないけれど。


安全の為に、許す、という言質をとろうと踏み込んでくる、若い参事。

無視して受け流す彼、青龍の貴族。


こういう時、彼は黙認しても承認はしない。あとから、いつでも相手を断罪出来る名分を確保する

・・・・・・・・・って思わせる。


それで相手を萎縮自制させておく。その方が扱いやすいから、でしょうね。


実際にはただの見せかけ。

そもそも青龍には、相手を排除する時に名分なんか必要ないし。


要不要だけで考える、青龍。

なにかと理由や大義、ありていに言えば言い訳が必要な、あたしたち。



わかっていても、慣れないわ。

若い参事の言い訳自体は良くできていた。筋も通り、嘘でもなく、責任を曖昧にしてる。


曰わく、川辺でのびている連中は自主的に集まった若者である。

――――――――――まあ、わざわざ取り巻きを呼んだりしないわね。

言わず仕掛けずチヤホヤされて当たり前、って女だし。


連中は無知無力無能無害であるから、気にしないで欲しい。

――――――――――――――――――――――――――――――見た目通り。

一見すれば屈強で立派な騎士たちだったけど、涙を流し、吐いてせき込み、平服の人々に介抱されているあの姿。



青龍の貴族は黙ったまま、先を促した。


青龍の煙獣。文字通り煙のバケモノ。形がない、ゴーレム、みたいな魔法生物?普段、空から見晴らせている使い魔とは、別系統よね。

あんな雑魚に、そんな魔法を使った。

しかも殺さなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・畏怖を広めたい、のね、きっと。


弱く無能なだけに、群れたがり口先だけは止まらない連中。ほうっておいても、煙獣の話は広げて回る。

尾鰭がどれだけつくかしら。

手もなく飲み込まれた、恥を粉塗する為に話を盛るのが目に見えている。


やられたこと自体は恥ではないのにね。

歴戦の兵士でも、あんなモノに対処出来ないのだから。



あんな種類の魔法生物、あたしだって初めて。


突然に詠唱も魔法陣もなく召喚される。

瞬く間に建物内を満たす。

そして、すばやく敵に襲いかかる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・青龍の貴族は、せいでんき、それで向かうって言ってたけれど?


そして、のみこんだ敵の目と鼻と口を奪う。

その牙は



――――――――――毒――――――――――



隠れることも、戦うことも、助けを呼ぶことも出来ない。

水で洗えば、半日程度で治る?


でも彼、青龍の貴族は、教えてくれた。

いや、あれは注意かしら。


水では治らない種類もある、と。


同じような煙獣でも、違う毒を使えるみたいね。水ではかえって悪くなる、そんな種類。

それは結局、煙獣に襲われれば誰にも対処出来ないということ。

前は水で手当てできたから、今回も・・・・・・・

そんなことを考えれば、かえって目鼻をつぶしてしまう。青龍は、魔獣を召喚するときでさえ、二手三手先を見据えている。


煙獣に襲われた者が初体験なら手の打ちようもない。

二回目以降なら、一か八かで経験に頼るか、青龍に膝をつくしかない。


彼、青龍の貴族に訊かれた。



おまえなら、どうする。



もし、あたしなら?

走れば逃げられる、かしら?




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ばれてる、かな。

あたしが、あの娘を守るためなら、貴男とも戦うことを。




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の前】


「御領主様」


僕が頭を下げている、目を離したすきに、止める間もなくバカ女が前に出る。

堂々と青龍の貴族、その前に立つ。


恐れ知らずなら感動モノだが、実際は恐れ判らず。

自殺モノだ。


まだ痛い目が足りないか。

すぐに忘れて動き出し、事前に止める隙がない。


――――――――――予備動作もなければ、常識も無いからな。

かくして、やらかしてから躾る(殴る蹴る怒鳴る)流れが定着。

・・・・・・・・・・・・・・・・一別以来、ガキの頃とまったくかわってねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!



「コレは普段、もう少し気が利くのですが」

コレ?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・僕、か!?


貴様の執事じゃないぞ!


「申し訳ありません。お許してあげてください」


自分の顔に免じて、という調子。

――――――――――祖父がなぜ失脚したかわかってない!


そもそもやらかしたのはオマエだ!

代わりに謝ってやってるんだろ――――――――――が!!!!!!!!!!!

いつもいつも!!!!!!!

ほんとに変わってないな!!!!!!!!!!

十年間変化なしか!!!!!!


「あらためてご挨拶を」


まっすぐに右手を差し出すバカ女。

話し聞いてたのかバカ女!!!!!!!!!!

聴いても解らないかバカ女!!!!!!!!!!!!




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の右】


わたしは前に出ました。

ご主人様は、青龍の方々は肌を触れあわせる習慣がありません。



握手、手の甲や足に接吻する/させる事、みな嫌いです。



わたしたちには許されます。

ですが、それは、あの、ご主人様曰わく、触れるのを許すのは好ましい異性か親しい子供だけだと

・・・・・・・・好ましい、わたしもその中にいるわけで・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・もちろん、程度は有るのでしょうけれど・・・・・・・・・・・・・・

お側に置いていただくから、お仕えするを目指す、なんて、贅沢でしょうか

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いえ、ともかく。


「ご主人様は、肌を触れ合わせる習慣が、お嫌いです」

「あら」


新議長さんは、わたしを見ました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたしの、手を。


ご主人様の手を握った、わたしを。



――――――――――え?――――――――――



だってだって!

ズルいですか?

ズルいですよね?

でもダメです!!!!!!!!!!

離しませんから!!!!!!!!!!


――――――――――うぅ――――――――――




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/青龍の騎士団本陣/青龍の貴族の前】


「それは残念でしたわね」


バカ女は肩をすくめた。

アタクシの手を取れないのは辛いでしょうね、と言う視線。

青龍の貴族の、僕を見る視線が、心なしか暖かくなっているのが悲しい。いままでは、普通に無視されたり耳だけ傾けられたりしていたのに。


「アタクシの手を握れないとはぶひゃ!」


僕が顔面を片手で掴む。バカ女の顔は片手で足りる。

思った事を口に出すな!

相手が青龍じゃなくても無しだろ!


オマエ、本当にこれから商家を切り盛りできるのか????????????




【太守領中央/太守府南馬乗一日程/大きな街の広場/軍政・黒旗団混成戦闘部隊本部(前衛)】


「本題は」


俺は話を変えた。


異世界にもアイアン・クローは在ったんだ!!!

・・・・・・・若い参事の右手をペチペチ叩いているのは、ギブアップかな?



何というか、憎めない娘だね、新議長さんは。

遠くから見ている分には。

お近づきになりたくないタイプ。


元カノから特殊能力を全部取って趣味を女性向にしたらこんな感じ?

・・・・・・・・・・・うん。

まあ、交渉相手は若い参事にしよう。


「王城へのご帰還前に新議長とともにお待ちしておりました」


おお!

しっかり参事会代表の同席を明言する当たり抜け目ないね。

おっけーおっけー。


「お耳に入れさせていただくべきことがございます」


ココから先は参事会としてのお話か。


「村々の年貢を免除されたことです」


おお、また、税の話しか。


「街々も運上金、冥加金を納めております」


そりゃ気になるよね。

自分たちだけ支払ってちゃ。

税は公平に、平等に。

でないと一揆が起こるって、軍政官教科書に書いてあった。



「いらん」

「困ります!」


また納税希望??????????



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