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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第三章「掃討戦/文化大虐殺」

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幕間:非殺傷兵器

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。


【登場人物/三人称】


地球側呼称《三佐》

現地側呼称《青龍の公女》

?歳/女性

:陸上自衛隊三佐、国際連合軍事参謀委員会参謀、WHO防疫部隊班長、他いろいろな肩書を持つ。日本の政権与党を支配する幹事長の娘で、父親と連携して戦争指導に暗躍している。


地球側呼称《マッチョ爺さん/インドネシアの老人》

現地側呼称《副長/黒副/おじいさん》

?歳/男性

:インドネシア国家戦略予備軍特務軍曹。国際連合軍少尉。国際連合軍独立教導旅団副長。真面目で善良で人類愛と正義感に満ち満ちた高潔な老人。


【ゲスト】


地球側呼称《機長》

現地側呼称チヌークさん

?歳/男性

:自衛隊三尉。チヌークのパイロットで機長。『俺』に対しては階級差を感じさせないぞんざいな態度と口ぶり。時々怒鳴りつける(任地派遣を嫌がって機から降りないときなど)。異世界転移後の実戦経験豊富なベテラン兵士。休暇配置で太守領と国連軍拠点の輸送任務に就いている。



敵か味方か。


―――――――――――ではない―――――――――――


味方か。

それ以外か。


―――――――――――だ。


《合衆国大統領訓示/異世界転移後最初の1月31日における海兵隊将校以上との会合にて》





スタングレネードを知っているだろうか?


国連軍が使っているのはM-84。在庫が山ほど在る非殺傷兵器。非殺傷だから余ってる。国連軍は暴動鎮圧なんかしないからね。



鎮圧は。



初手実包連射斉射。しかる後に地域全体を囲い込み追い込んで、街単位にてフィニッシュ。

最後は最低でも重砲、155mmでね。


それは暴動鎮圧じゃなくて暴動殲滅。


まあ暴動っても確認された限り、俺たち国連軍に対するモノじゃない。

今回の戦争、その過程で発生した経緯不明な騒乱。

――――――――――――――――――――――――――――――まあ支配体制崩壊で町や地域が不安定化したあげく、進軍する車両や航空機の轟音でパニックが起きたのだろう。


俺たちが港街でやらかしたのと同じ。



俺自身、体験するまで

「国連軍が接近/通過する」

ソレだけが中世準拠の世界では人々を恐慌状態にするほどの

「恐怖」

だって気がつかなかったけどね。



軍事参謀委員会は、気がついているのだろうか?暴徒が国連軍に向かって来なくても「作戦の邪魔だから」って理由で殲滅しているのは、解った上なのか。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・解る気なんぞ、はなからない、のか。

解っても解らなくても、殺ることは同じだからな。


住民が怖がるってだけで進軍速度やルートを変えたりはしない。それがたとえ死者負傷者を生んでも、国連軍には関係がない。配慮すべき障害物・・・・・・・・・民間人は、異世界に存在しないのだ。



まあだから、俺のところの軍政部隊でも、M-84がやたらとたくさん余ってる。

軍政派遣以前から、書類でよく見たおなじみの兵器。本土から山ほど運んだのに輸送力の無駄だったな、と。


だから俺はスタングレネードを知っている。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と思っていた頃がありました。

全然知りませんでした!!!!!!!!!!

すいません!!!!!!!!!!



この非殺傷兵器

――――――――――改めて考えると凄まじい威力だ。


数値はいろいろある。

威力の表現に使う単位系。デシベルが音でカンデラが光。だが、そんな数字を知っていても意味がない。俺が保証する。


だって最低単位が万だよ?


少年マンガのキャラクター?百万カンデラってなに?意味わかんないよ!瞼の裏にサーチライト突っ込まれた感じ?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わからないよね。




だから判りやすく言おう。



―――――――目が潰され耳が貫かれる―――――――




俺のブレーカーが落ちて走馬灯が全力疾走するのもしかたない、よね?




【走馬灯爆走中】


俺は野盗の出自、つまりは帝国から逃れた逃亡農民たちが南の森林地帯に潜伏している、を確認した後、機長に依頼しておいた。


つまり一昨日。


最初の村で野盗を殺させた日。

みんなが尋問やら拷問やら自白剤に忙しかった時。


俺も忙しかったのだ。

仕事をしてるフリで魔女っ子たちに見栄を張り

・・・・・・・・・あれ?なぜに仕事なんか???

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まだだ!!!

まだ!!!

終わらんよ!!!!!



・・・・・・・・・・と言うわけで、機長である。


俺たちをこの邦、太守領に運んできたチヌーク隊の指揮官。そのあと、施設隊を運んできた。以後毎日、太守府王城に物資(M-84とか自白剤などなど)を運び込んでいる輸送ヘリ部隊指揮官。


一応、今もって俺たち軍政部隊の航空支援指定部隊。


支援を呼ぶと、彼らが来てくれる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よね?


俺は読み込んでいた。

マメシバ三尉の村人診療記(自白剤投与後の経過観察記録)。

元カノの野盗尋問調書(食事中の雑談)。

神父の異端審問告解(普通に拷問、未遂)。


――――――――――を港街にいるインドネシアのマッチョ爺さんがまとめた書類、を読んだので状況が頭に入った。



このたぐいは、俺たちみんなの不得意分野。

捕虜を尋問して拠点や兵力を聞き出すのはともかく、前歴を聞き出して村人たちに裏を取る、なんてのは軍隊の仕事じゃなくて、警察の役割な気がする。


だが得意な軍人もいる。

100km圏内で、不正規非統率な武装集団の狩り出しに手慣れた唯一の人材。

尋問やら拷問やら記録やらを読み解かせたら、あの爺さんの右にでる者はいない。直接現場にいないのに、話を聞かせ資料を送り、追加で言われたとおりに尋問するとあら不思議。


すべての事情がつまびらかに。

名探偵?

『いやいや、ただの大統領親衛隊みたいなものですよ』

※インドネシア国家戦略予備軍出身。反体制派の、いろいろな意味での、コントロールが職務の一つだったとか



・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて情報は得られた。


では、実際に潜伏地域はどうなっているのか?

対象がミニマム過ぎて、高空哨戒気球では、詳細がわからない。樹木の隙間からそれらしき影が見えただけ。

偵察ユニットでは対象地域が広すぎて捜索しきれない。所詮ラジコンだし。

だからヘリが必要だった。



そして照らし合わせるのは、軍政司令官の権限で得られる、太守領全域作戦スケジュール。

俺の権限では作戦内容はわからない。

だが、ヘリ部隊の運行スケジュールはわかった。


対空警戒や支援要請に備えて開示されていたからだ。

どこにいるかわからないと、帝国の飛竜と間違えかねない。

支援可能距離に可能装備の部隊がいるかどうかってのは、戦闘開始停止の判断にかかわる。


そして注目の飛行ルート。

毎日毎日、南の森林上空を通ってはるかに南の兵站基地まで往復するルート。


ヘリの通り道の真下に、と言ってもまあ通るんじゃないかな、と言えなくもない場所に帝国から逃亡した農民の生息地域があることが俺の目についた。


幸い、と言うか、チヌーク部隊指揮官は、いつもの機長。



まあ燃費安全性操作性が戦争に向かないオスプレイと違って、チヌークは余ってない。自然休戦状態だからこそ輸送や偵察で、ヘリとヘリパイロットは貴重。



太守府、その近郊で三佐がなにやら活動中。その為に手元で抑えたヘリとパイロットを手放す訳がない。

ワンマン関東軍な三佐は、また何をしでかしているやら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もちろん、気にしても無駄。


巻き込まれる。巻き込まれない。

痛い目を見させられるか、つらい目に逢わされるか。


決めるのは三佐だからな。


忘れていれば、それまで苦しまずに済む。これが三佐と付き合うコツ。まだ見ぬ運命を煩うよりも、具体的で有意義な事を考えよう。



ワンウーマン関東軍?

ワンパーソン関東軍?


はてさて、どちらが正しいのか。神父の英語は適当だからな。聞いても役にたたない。既に英語人口が怪しい合衆国らしいっちゃらしいが。


ああ!三佐。

汝は何処から至りて何処へ征く。出来れば独りでいってくれ。


――――――――――聴かれてないよね?




ともあれ支援枠に割り振られていた機長を召還

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、魔法じゃないけどね。


だが、魔法翻訳現地語だと支援要請が召還魔法扱いなのは本当だ。

まあ、通信機に呼びかけるか合図するとヘリや爆撃機がくるからね。砲撃支援あたりは隕石召還扱いか



ともあれ、本来、戦闘地域外での索敵なんぞ、支援とは言わない。


野盗を撃っているときに、撃ってる場所が戦闘地域。

太守領全体が作戦地域。


俺が機長と通信したときに、俺の現在地、太守領辺境の村、から遥か離れた南の森林地帯が目的地。

さて、作戦地域と言えるかどうかすらあやし・・・・・・いや、言えるわけがない。


まあ、頼むのはタダ。


しかも、毎日往復しているコース。その日その時に、ちょこっと心持ち風に流されてくれればればいい。言い訳が十分できる範囲。


元々、チヌークには輸送任務時の地上警戒&対地支援戦闘用に対地センサーはついている。外部吊り下げ型のユニットだ。


ガンシップとコンビを組む対地走査タイプじゃないから、一応、程度の機能。

だが捜索対象が上空警戒の意識すらない、狩猟採集まで退行せざるをえなかった野盗予備軍だから、まったく問題ない。


だが、部隊や機材の能力では問題ないだけ。



まあ、機長から良い返事をもらえるとは期待しなかった。


なぜって?

俺の権威がないからさ!



国際連合統治軍、軍政司令官は階級に下駄を履かされている。


国連軍は占領統治に人数を使う気がない。俺たちの少なさは例外だが。人数が増えれば現地住民との接触が増える。パンデミックの可能性が倍増。


もちろん、生物学的な危険性だけじゃない。むしろ、文化的な危険性を警戒しているのだ。



派遣前教育が時間的に徹底出来ない以上、兵士の大半が現代日本の価値観しか持てない。在日米軍だって日本化しているし、長期滞在者を中心とした在留外国人なんか日本人と変わらない。



マヌケが生け贄を助けたら?

トンマが難民を収容したら?

アホが奴隷を救ったら?



宗教戦争、戦争行動、窃盗強盗・・・・・・現地解釈では。


――――――――――何人を銃殺にしても追いつかない。



命や財貨を奪うより、相手の価値観を否定する方が危険だ。なにしろ力を失わせずに、恨みだけ積み増すのだから。


文化的摩擦が新たな殺し合いを産むくらいなら、占領せずに皆殺しにした方がマシ。




だから俺たち軍政官は少人数で行動し、現地住民とは短時間しか接触しない。だから、肩書きが重要になる。異世界でも、地球でも共通ルール。



重要なのは「何を言っているか」ではなく、「誰が言っているのか」だ。



まったく同じ内容を、まったく同じ人物が、まったく同じ言い回しで伝える

――――――――――階級が高いだけで相手は同意する。しやすくなる。



魔法翻訳の謎パワー。

肩書きが、現地語にまったく同じ語彙が無いとはいえ、おおざっぱながら、伝わる。


そんな訳で、陸上自衛隊三尉でしかない俺は、戦死する前から国連軍大尉なのだ。戦死したらどうなるかは聞いてない。怖いから聞きたくない。でも、聞いておいたほうがいいかもしれない。

・・・・・・・・・・シスターズやColorfulのその後が気になるからな。俺の判断で利用してばかりだし、遺族年金ぐらい回しておくべきだろう。



そんな俺の内情を知らなければ、偉そうに見える。



部下はたった13名/文官込み(監察官の神父は別枠)でも。

保護すべき民間人(アムネスティ26名)や、現地協力者(シスターズ3名)や、軍属(Colorful5名)の方が圧倒的に多いのに。


戦闘員13名(俺、神父こみ)/非戦闘員(34名)・・・・・・・・・おかしいよ!!



そんな内情を知っていれば、何に見えるか言うまでもありません。

あっはっは!


こんな俺が指揮系統を割り込んで、命令状況判断を拡大解釈して、させて、自衛隊三尉で実質的に階級が同じな、ヘリ部隊の指揮官を個人的に動かす?



ムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリ。



しかも、ただでさえ、実戦経験者は俺みたいな事務屋と肌が合わない。

しかも機長の三尉は、異世界転移後の、豊富な実戦経験者。竜を撃ち落としたり、竜に墜されたり。


・・・・・・・・なんちゃって自衛官の下駄履き大尉に好感を持つわけがない。


でもまあ、声をかけるのはタダ。

だから頼んでみた。


『了解した』




ホワッ??????????

ナンデ?

ドウシテ?





――――――――――世界は謎に満ちていた――――――――――




用意していた手練手管は無駄になり、普通に協力して貰えた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・正直、サボタージュを警戒していたが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっさり、逃亡農民達は発見。




帝国に追われ、帝国の撤退を知らずに森に潜む彼ら。


依頼した翌日、俺たちが神殿で死体を処分している間に確認完了。


はやっ!

依頼して丸一日。

チヌークは輸送ついでに上空を二回飛んだだけ。



まあ、俺が知らなかっただけで、こんなものらしい。



人間一人なら、上空から遮蔽物の陰に隠れ熱源探知だけになれば動物と見分けがつかない。

だから、むしろ厄介。


だが、訓練ないし経験を積んだ戦闘員じゃない、ただの疲弊した農民崩れ多数。

強い獣がはびこる森林深部を避け、人里との境界線にいる。


これだけで範囲は狭まる。

そして、広い森林外周をくまなく探す必要もない。


人間が長期間まとまった数で暮らすには、条件がある。

水辺であること。

植生が緩く地形が穏やか、つまり移動可能、踏破し易いこと。

帝国軍を警戒しているなら、人里か人里へ続く道を監視しやすい場所につながっていること。


原生林の中でそんな場所はとてもとても・・・・・・・少ない。狭い。限られている。


OK!

OK!

俺にはよくわからないルールに従った狭い範囲をヘリで走査すれば簡単だ、と。

ルール無用な遭難者。生存できない地域、つまりは自然界の最大多数領域に紛れ込んだ一人。それを、生存タイムリミットに追われ虱潰しに探すのとは次元が違う、と。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ、いいや。



そして俺は、次こそ断られると思った。

いちど譲ると調子に乗るのは世の常、人の常。

逃亡農民を追い立てるのに、協力してくれないか、と。


『作戦送れ』


なーに、一度は規律違反をしたんだ、毒を喰らわばなんとやら。相身互い、いずれ礼はする。

俺は役に立つからそこを何とか

了解ですかそうですか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いよいよ、死期が近づいたか、俺の。





機長??

中にだれが入ってるの???

宇宙人???????????





『ガキどもはいますか司令官閣下』


幸いにして、この話をしているときにはいなかった。


『つまりな、あんたの手伝いは楽しいんだよ』


であれば、おれの本土逃亡の手引きはだめですかそうですか。


『ガンシップもどき(ACH-47Aの類似品)で騎兵や槍兵を殺して楽しいと思うか?竜に出くわして命がけの戦いをするのが楽しいわけじゃないけどな』


いやーやったことないんで。


『この戦争に不満はないさ。安全確実一方的にこっちが優勢。上官や参謀連中をほめたくなるのは初めてだね。いや、これが組織の、あるべき姿なんだろうな』


そりゃそうだな。

上が無能以外な、せめて自覚がある無能なら、後ろから撃つ必要もなくなるわな。三佐は別だけど。先に俺が撃たれるから。


『だが面白くない』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そりゃそうだな。

ただただ殺しつくす作業が楽しいわけがない。


『あんたの遊びは簡単で、わかりやすく、人に自慢できる』


やめて――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ないしょにして!!!!!!!!!!!!!!!!!


『言わないさ。知られたら、10倍の費用と手間をかけて、風上から焼夷攻撃だろう。最後は爆破消化で環境評価Aだな』


逃亡農民。

まつろわぬ民。

それは不穏分子。


危険かどうか見極める必要はない。消滅させれば安全だ。


位置を特定した後、包囲して焼き尽くす。焼けた森は焼き畑農業の要領で何年かすれば再生する。繰り返さなければ異世界環境には影響しない。



『戦場で人助けしようとするような、寒いバカなら後ろから撃ち殺すところだが。あんたのソレは費用も手間も十分の一以下、作戦として理に適ってる』


人には言えないが。


『軍政司令官では随一の人殺しなのに、なんでかねぇ』


うわ――――――――――人が忘れていたことをサラッと。普通の任地なら、軍政司令官は殲滅対象と目を合わせるようなことはないんだよ!あんまり!!


『だから、こういう遊びには付き合ってやるよ。あんたしか見せてくれないからな』


仕事なんです・・・・・・・と言えないのがなんとも。

仕事じゃないならなんなんだ?趣味?娯楽??ついうっかり???


『誰にでもできるが誰もやらないこと』


かくして俺は瞬きをした。




【太守領南端/森林境界線/軍政司令部戦闘部隊本陣】


音が聞こえ始め、目に光が戻る。

まあ、さっきまでずっと耳鳴りしていたけどね。目もずっとチカチカしていたけどね。頭もかなりぼーっとしてるよ。

目の前には死屍累々・・・・に見えなくもない何十人もの人々がうめき声をあげている。俺と同じく、聴覚と視覚が回復し始めたんだろう。

異世界でも人間の丈夫さに大差はないらしい。



俺は立ち上がり、挨拶した。友好的かつ穏便に誠実に常識的に。第一印象が大切だよね。

え?手遅れ??

取り返しがつかないなんてことはない!

・・・・・って偉い人が言ってた。

三佐じゃないけど。



「ようこそ、こちら側へ」



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