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【資格マスター】な元社畜の現代ダンジョン攻略記  作者: SUN_RISE
第4章:そして始まる、現代ダンジョン探索元年

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4−80:鉄壁のヘビータートル戦……?


「……グォ」

――ザザァァ……ザザァァ……


 体長4メートルを超すヘビータートルが、湖の中を悠々と泳いでくる。その巨体はとても目立ち、湖面に大きな波を立てていた。


「でっかい亀だな。グリズリーベアよりも大きいんじゃないか?」

「守りが固そうね。物理攻撃よりも魔法攻撃の方が効き目がありそう」

「ウォーター、は効かなさそうネ。サンダー? ファイア? ワタシでは倒すの大変ソウ……」

「他のモンスターもそうなのですけど、この巨大亀も外見の主張が強いのです。『私は物理防御力が高いです!』って、見た目が言ってるのです」


 俺と朱音さんとヒナタは、試練の間でヘビータートルと戦っているから大体の特徴が分かっているが……他の人からすれば、初めて見るモンスターなのだろう。それぞれが、外見から受けた印象でもって推測を立てている。

 ……その推測がほぼ当たっているのは、ひとえにヘビータートルの見た目の分かりやすさゆえだろうな。九十九さんの『見た目が言ってる』ってのがまさに言い得て妙で、前情報無しからでも得意な戦法が一目で分かってしまうわけだ。


 もっとも、その推測が完璧ではない辺りにヘビータートルの恐ろしさはあるのだろうけど。


「アイツとは前に試練の間で戦ったことがある。大体はみんなの言う通りなんだが、口から水流ブレスを吐いてくるから、息を大きく吸い込むような予備動作を見せたら注意してくれ。

 あと、近接戦闘時は踏みつけ攻撃に要注意だ。見た目通り体重が重いから、威力が非常に高くなってる。雷属性が弱点なのは確定してるから、それを軸に攻めていこう」

「「「「了解」」」」

「というわけで、"エンチャント・ボルト・オール"っと」

――パチッ……


 雷属性エンチャントを皆に施す。ただし、"オール"とは言いつつ実際には嘉納さん、ハートリーさん、アキには付与していない。

 アキはサポート専門の仲間モンスターだから当然だとして、なぜ嘉納さんとハートリーさんを対象から外したのかについては……まあ、単純に雷属性エンチャントの扱いの難しさにある。特に前衛タイプの探索者にとっては、雷属性エンチャントはどうやら制御が非常に難しいようなのだ。

 1度、朱音さんが新武技を練習中に雷属性エンチャントを暴発させてしまい、手に火傷を負ったことがある。その時は九十九(つくも)さんも一緒に新魔法の練習をしていたのだが、『こういうのは慣れてるのですよ』と言いながら涼しげな表情で雷属性エンチャントを制御していた。属性エンチャントとは結局のところ魔力の塊なので、魔法を扱う後衛探索者としては親しみ慣れたものなのかもしれない。


「グッ!?」

――シュポンッ!


 俺が皆に雷属性エンチャントを施すと、ヘビータートルが慌てて甲羅の中に手足頭を引っ込めた。こうなると、ヘビータートルに近付かなければ攻撃は一切飛んでこないが……代わりに、雷属性攻撃でさえ通りが悪くなる。手足頭を引っ込めたところは塞がれていないので、そこを正確に狙えれば大ダメージを与えられるが、甲羅に当たった場合はダメージが大幅に軽減されてしまう。

 近付いて攻撃を加えようとしても、確かスピンアタック的な技があったような気がする。遠距離攻撃を正確に撃ち込めるかどうかが、この場合は非常に重要となってくるわけだ。


「………」


 ……ただ、俺と朱音さんとヒナタの3人で戦った時は、ヘビータートルから逃げれば試練の間の報酬が0になる場面だった。引き際を誤れば命を落としかねないが、それでも多少は無理をおして戦うべき場面だったが……今はそうじゃない。

 俺たちの目標は第20層に居ると思われるボスの討伐であり、ヘビータートルを倒すことじゃない。加えてヘビータートルはまだ湖の中におり、行く手を塞がれているわけでもない。後方の警戒は必要になるが、戦わなくても先には進めるのだ。


「……どうする? 無視して先に進んでもいいが」

「あ〜……確かにそうね」

「1度は戦っておきたいが、別に帰り道でもいいしな」

「賛成なのです。戦わなくても進めるなら、さっさと進むのです」


 あっちが動かないのなら、別に無理して戦う必要もない。雷属性エンチャントに使った魔法分の消費は、はヘビータートル避けのための必要経費とでも割り切ればいい。他のモンスターが出てきたら使えるしな。

 ……というわけで、甲羅に立てこもったヘビータートルを横目に見つつ、さっさと道なりに進んでいく。


「グォ!?」


 まさか無視されるとは思わなかったのか、離れていく俺たちをヘビータートルが甲羅から出ながら見ているようだ。ヘビータートルに感情があるのかは不明だが、どうにも驚いているように見える。


「……まあ、これだけ距離を取ればヘビータートルも追い付けな――」






――ブシャァァァァッ!!

――ドンッ!

「グォ!」


 なんと、水流ブレスを推進剤にしてヘビータートルが文字通り飛んできた。そうして道の真ん中に立ち、俺たちの行く手を塞いでしまう。

 ……ただ、その勢いのまま俺たちに突進してこればよかったのに、ヘビータートルは行く手を遮るだけに留めている。速度を攻撃力に変換しようと考えられるだけの知能は、残念ながらヘビータートルには無かったようだ。


「仕方ないか。みんな、戦闘用意――」




「――ぐぉぅっ!!」

――ググググググ……


 俺がみんなに指示を出そうとすると、一鳴きしたフェルの体がグングン大きくなっていく。どうやら【サイズ変化】のスキルを使ったようだ。

 ……やがて、フェルがフルサイズになった。真っ黒な体を持つ、体長10メートルを超える巨大なドラゴンが俺たちの目の前に現れる。


「いやデカいな!? ヘビータートルの何倍あるんだ!?」

「えっ、深い階層だとこんなモンスターが普通に出てくるの!?」

「グォ!?」


 嘉納さんと菅沼さんは、フェルのフルサイズを初めて見たからかかなり驚いている。ついでにヘビータートルも驚いているが、自分よりデカい相手を見たことが無いから当然だろうな。

 ……ちなみに、朱音さんたちには事前に紹介してフルサイズも見せているので、特に驚いてはいないようだ。


「ぐぉぉぉぅっっ!!」

――ガシッ!

「グォ!?」


 フルサイズになったフェルが、おもむろにヘビータートルの甲羅を両手で掴む。

 ……え、まさか!?


「ぐぉぉぉぉぉっっ!!」

――グググ……

「グォ!? グォ!?!?」

「ぐぉぉぉぅっっ!!!」

――ブォンッ!


 なんと、確実に数トンはあるであろうヘビータートルを持ち上げ、そして軽々と投げ飛ばしてしまった。砲丸投げやハンマー投げの選手のように体を回転させたりなどもせず、ただ腕の力だけで豪快に投げ飛ばしている。

 ……にも関わらず、宙を舞うヘビータートルの飛距離はとても長かった。広い湖のど真ん中目掛けて、放物線を描きながら飛んでいき……。


――バシャアァァン……


 激しい水しぶきを立てながら着水した。さすがに倒せるほどのダメージは与えられていないだろうが、着水の衝撃で目を回している可能性は高い。あそこから俺たちに追い付いてくるのは不可能だろう。


「……や、やるな、フェル」

「ぐぉぉぉっっ!!」


 嘉納さんが顔を引きつらせている。最大サイズになったフェルのパワーは、もはや規格外以外の何者でもなかった。これで弱体化していると言うのだから、あの時インフェルノワイバーンと戦闘にならなくて本当に良かったと思う。


「ぐぁぅっ!」


 ……雷属性エンチャントの存在も大きかったってか? それでヘビータートルがビビってたから、抵抗無く簡単に投げ飛ばせたと。

 まあ、そういうことにしておこうかな。どのみち、フェルの圧倒的なパワーが無ければ成立しなかったことだし。


「よし、今のうちだ!」


 実は、さっきまではステルスネークやフォレストスパイダーの気配をおぼろげながら感じていたのだが……今は全く無い。おそらくはフェルの威圧感に負けて、森の中に逃げてしまったのだろう。

 ここはフェルを先頭に、またヘビータートルが飛んでくる前に湖畔を抜けてしまおう。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~

まだ始めたばかりですが、こちらもよろしくお願いいたします。
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