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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第五部 第二章 第七駐屯地

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ガイヤ! オツ!

 そんなガンエンの体が、前方にはねた。

 奇声をあげながら突っ込んでくるガイヤに向かって突進したのである。

 奴が、スーパーレーザー砲ですらぁ~♡を発射する前にたたく必要があるのだ。


 勢いよく踏み込まれた左足が石畳の上に強く叩きつけられると激しい土埃が舞い上げた。その渦巻く風の中、ガンエンの体が大きく沈み込む。


 そう、ガンエンには勝算があったのだ。

 奴のゴールデンボールがデススターであるならば、どこかにコアへとつながる換気口があるはずなのだ。

 その一点を狙えば確実にコアを破壊できる。

 そう、某映画の中で穴の中に無理やりXウィン●を突っ込ませたというやつだ。

 いやぁ~ん♡

 だが、目の前のゴールデンボールはデススターと違って握りこぶし一個分。

 換気口があったとしても、おそらくそれは針の孔よりも小さいかもしれない。


 突如、観衆の叫び声が勝利の雄たけびを上げていた。

look(ルゥック)! sky(スカイ)!」

 そんな中、

「うぉぉぉ~! がぁぁっぁぁぁ!」

 悲鳴を上げるガイヤの体が、まっすぐに突き出されたガンエンの右腕の先を飛んでいく。


アナキン●! がなんぼのモンじゃぁぁぁぁ! ウィンナー、もといウイナーパンチ!」

 そう、ガンエンのこぶしがガイヤのゴールデンボールいや、その上にあるはずのウィンナーの小さな換気口に向けて降りぬかれていたのだった。

 だが、その小さな換気口にガンエンのこぶしが入るわけもなく……

 ガイヤのゴールデンボールもろとも叩き潰していたのであった。


 どびゅ――――――!

 暗い空が一瞬、白く明るく輝いた。

 そう、天空に飛ぶガイヤの体が、まるで花火のように爆発したのである。

 おそらくゴールデンボールのコアに蓄えられていた生気が殴られた衝撃で暴発したのだろう。

 それはまるで、思春期の男の子用のウインナーが、夢の中で思い浮かべる女の子用のお饅頭にビシビシ殴られて、だんだんと我慢できなくなり、そして、そして、ついにその思いをパンツの中で爆発させたかのようでもあった。

 そんな光がはかない花火のように力なく弱まっていく。

 そして、花火の星が作る菊のごとき残り汁が尾を引いて地面へと落ちてくる。

 べちょ……

 足元に落ちたそんな液体を見ながらガンエンは自分のこぶしのにおいをかいでいた。

 ――なんかソーセーシの匂いがするの……?

(あれ?……どこに句点をつけたらいいんだったっけ?)


 べちょ……

 そして、今まさに閉じようとしている城門に向かって走っているアイナの目の前にも、そのソーセーシが落ちてきた。

 だが、それはソーセーシの液体ではなく、ソーセージ本体そのものだった。

 そう、アイナの目の前には死にかけのガイヤが転がっていたのであった。


 どうやら今度は確実に瀕死の状態であるようだ。

 いまや、ガイヤの体から緑の煙のようなものが立ち上っていた。

 おそらくこの状態、オレテガやマッシュのようにガイヤの体もまた限界を迎えたようであった。

 

 地に伏せるガイヤの手がアイナに向かってゆっくりと伸びていく。

 だが、その手は震えるたびにどんどんと崩れていくのだ。

「アイナ……アダムを殺すんや……そして、自由を……」

「いや……もう……いや……」

 一方、それを見るアイナはひどくおびえていた。

 それも仕方ない、いきなり目の前に空からガイヤが降ってきたのだ。

 しかもその体からは、つぶれたゴキブリのように白い液体が石畳の上に広がっているのである。

 キモイ!


 だが、ガイヤは残る力でアイナに懇願する。

 それは、もうおのが命が尽きることが分かっているかのようであった。

「アダムの生気がこの世に戻ってきたと思ったら……今度は二つ現れたや……だが、今ならば……今ならば、どちらもまだ小さいままなんや……」

 後ずさるアイナに向かって懸命に這いずるガイヤ。

 引きずられる体が崩れてちぎれていく。

 だが、ガイヤは止まらない。

「もう……俺は……俺らは……アイツの言いなりにはなりたくないんや……俺は生きてるんや……こんな姿でも生きてるんや……」


 瞬間、先ほどまでひどくおびえていたアイナの表情がガラリと変わった。

 ケケケケケ……

 不気味な笑い声とともにアイナの瞳に緑の光が増していく。

 もしかして、また変なアイナになってしまったのだろうか。

 だが、先ほどまでの変なアイナと違うのは、その緑の瞳に涙が浮かんでいるのだった。

「ケケケケケ……分かった……あとは……私が……また、しばらくの間、静かに眠れ……ガイヤ……」

 おそらくそれは恐怖の涙ではない。

 消えゆくガイヤを憐れんでの涙だったのかもしれない。


 だが、そのアイナの言葉が終わるよりも先に、ガイヤの体が緑の煙とともに崩れ去っていた。

 今やアイナの目の前には、変なにおいを発さする緑の液体が広がっているだけだった。

 しかし、アイナは見えたのだ。

 一瞬だけ消えゆくガイヤの目に真の微笑みが戻ったのを。

 おそらく、ガイヤはアイナに託して安心して消えたのだろう……

 今、ここにガイヤつ!




 


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