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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

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スネークホイホイpart 2(3)

 ――頼むぜ……ハヤテ……

 離れていくハヤテの足音を背中で感じながらタカトは、小剣を構えた。


 ――おそらく、この蛇は俺を狙ってくるはず……

 そうである。先ほどのハヤテのスネークホイホイ作戦の時には、ゴールに向かうハヤテを狙うことなく、真っ先に人間であるタカトを狙ってきたのだ。

 だから今回もそうに違いない。

 だが、問題はここからである。

 ハヤテがゴールするまでの数秒。

 この数秒を持ちこたえることができるかどうかなのだ。


 しかし、そんなタカトの焦りなど関係ないかのように、どんどんと大きくなってくる大きな二つの蛇の口。

 ――やっぱ……格好つけすぎたかな……

 今さらながらタカトを後悔が襲った。


 一方、ダンディたちはというと、ハトネンに追いかけられていた。

 トラックの真ん中をハトネンの体が、あっちに行ったり、こっちに行ったり。

「これで終いだ!」

 頭にきているハトネンの手が力いっぱいに振りぬかれる。

 ダンディを掴もうとするその手。


「おっと!」

 それを身をかがめてかわすダンディは、遅れて宙に浮くカウボーイハットを手で押さえつけた。

 空を切るハトネンの手。

 その勢いのあまりハトネンの体の態勢が崩れた。

 ――チャンス!

 その様子を横目で確認したダンディは、空に向かって口笛を吹いた。


 口笛に反応するかのように、スタジアムの上段にとまっていた影が大きく翼を広げた。

 それは、緑色の目をした大きな鳥でる。

 その鳥が、いきなりトラックの中心に向かって滑空し始めたのだ。

 ダンディの後を追うハトネンの体の上に、大きな影が覆いかぶさった。

 その鳥は、ハトネンが魔獣回帰した大型のネズミと引けを取らないほどの大型種。

 ――なんだこんな大きな魔物の鳥は、この国では見たことないぞ!

 ハトネンは、上空を仰ぎ見る。

 鳥の足が、まるで着陸する飛行機の車輪のように迫る。

 その爪先がハトネンの鼻先をかすめた瞬間、ダンディがその鳥の足に飛びついた。

 舞い上がるダンディの体。

 ハトネンは勢いよくジャンプする。

「逃がすか! コソ泥!」

 しかし、今、少しのところで届かない。


「くそぉぉ!」

 飛び去る大型の鳥を見送りながら大声を上げる。

 あの鳥の姿は半魔ではない。

 半魔なら目は黒色なのだ。

 だが、あの鳥の目は明らかに緑色。すなわち、魔物なのである。

 あんな大きな鳥の魔物、この国では見たことが無い。

 いや、2羽いたことはいた。

 一羽は、クジャクの騎士魔人となり騎士の門を守っている。

 そして、もう一羽は、その騎士の門の中にあるキーストーンを抱え、どこかに消えた。

 だが、その消えた一羽と似てないこともない。

 だが、大きさがその鳥に比べて、小さいのだ。

 ということは、やはり別ものか。


 しかし、あんな大型の魔物を人間ごときが使役できるとは到底、思えない。

 おそらく、あの人間の背後には、どこぞの魔人がついているに違いないのだ。

 忌々しい!

 ――このハトネン様に立てつくとはいい度胸じゃないか!

「クソ魔人がぁ! 正体を見つけだしてきっと後悔させてやるからな!」

 去り行くダンディと大型の鳥を見送りながら苦虫をつぶすハトネンであった。


 タカトがグレストールに叫ぶ。

「来い! クソ蛇がぁぁぁぁ!」


 その誘いに応じるかのように、グレストールの二つの首がタカトに迫る

 だが、グレストールの二つの口に対して、タカトの体は一つしかない。

 という事は、どちらか一つの口しかタカトを食べることができないのだ。

 まぁ、どちらの口が食べようが、胃袋は一緒なので、同じことなのである。

 だが、知能が普通の蛇の三分の一しかないグレストールの頭。

 一つしかないタカトの体を奪い合い、互いに互いを押し合った。

 ガチン! ガチン! と頭がぶつかる。

 だが、一つの首はカマキガルに目を切られているせいか狙いがイマイチ定まらない。

 ぶつかるたびに目を閉じると、若干勢いが落ちていく。

 それをチャンスと見るや、別の頭が首を振り、その傷ついた頭を跳ね飛ばす。

 これで残った首がタカトを食うのことに決まったようだ。

 残った一つの首が大きく口を開けて落ちた。


 タカトは叫ぶ!

「ひぃぃぃぃぃぃ!」


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