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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

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SSRなんて、たいしたことありません(2)

 価値なしって……お前……

「アホ言え! この剣は、カマキガルの刃とダンクロールの牙をじいちゃんが融合加工してくれた超絶の一品だぞ」

 リンはもう一度、タカトが持つ短剣へと視線を戻す。

 確かに、その輝きは通常の剣とはかなり違っていた。

 だが、所詮ただの短剣をベースに融合加工したものである。

 それが、万に一本の名刀であったとしても、所詮は無銘の刀……価値がない。

 リンはやはり首を振る。

「というか、タカトさん……あなた、レースに出る気なんですか!」

 リンはあきれたような声を出す。

「だって、俺、金ないし……出場者ならモノでいいなら、俺にもワンチャンあるかなって……」

 タカトは頭の後ろに手を回し、照れながら笑う。

 その姿は、まるで緊張感が感じられない。

「タカトさん……死にたいんですか……」

 リンは、バカにしたかのようにぼそっと呟いた。

 へっ? どいう事?

 リンは、仕方ない様子で話しをつづけた。

「聖人国のレースはスポーツかも知れませんが、ココは魔人国ですよ。スポーツなどと言う言葉は存在しません。有るのは殺し合いのみ」

 その言葉に、タカトの笑い顔が、どんどんと引きつっていた。

 なんか、俺、ものすごく都合のいいように考えていたのかな……

「へ……へぇ……で、魔物バトルってどういうものなのよ?」

 正直、魔物バトルが何たるかを知らずに、気持ちが高ぶったのが不味かった。

 これも先ほど飲んだヒマモロフの油の興奮作用の影響か。

 ここは、中身をよく検討してから、もう一度考えよう。

 そんなタカトを見ながらリンは意地悪そうに笑う。

「まぁ、グランドのコースを規定回数を回ってゴールするだけの簡単なレースですよ。ただし、何でもありですけどね」

「なんでもありとかって……殴るとかかな?」

「とんでもないです! 殴るだなんて!」

「そうだよね……そんな危ないこと……」

「殺すんですよ! 殺す! 噛みついて殺そうが、締め付けて殺そうが自由です! 何なら、その後食べてOKですよ」

「何それ……レースじゃないじゃん」

「そうですよ。レースなんて名ばかり、要は最後の一匹になったら勝ちです。まぁそのせいで、規定回数回ってゴールするより、皆殺しで優勝する方が圧倒的に多いですけどね」

 これ……あかんレースや。

 絶対に参加したらあかんレースや……

「まぁミーア姉さまが言うには、それが面白いんだそうですよ」

「ミ……ミーア……がね……」

「ミーア姉さま、勝負ごとになると性格変わりますよ。タカトさん知ってました?」

「いや……全然……」

 勝ち誇るようなリン。

 すでに戦意を喪失したタカトは、おびえる子猫のように目をそらした。



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