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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

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スカートの中は乙女の秘密(1)

「ウニおんなぁぁぁぁぁぁあ!」

 タカトは勢いよくミーキアンの城門を飛び出した。

 そこは、一般街とミーキアンの城の境界線。

 目の前は一般魔人たちが暮らす一般街が広がっていた。


 辺りをきょろきょろと見回すタカト。

 あのウニ女どこ行きやがった!

 見つけたら、あの厚顔無恥の顔のカラを叩き割ってやる!


 きょろきょろとするタカトが珍しいのか、ぞろぞろと人が集まってきた。

 タカトは押し寄せる人の影を押しのける

 ――邪魔だどけ! あの女の姿が見えないだろうが!

 だが、その押しのけようとした体はモフモフしていた。

 ――きもちいぃぃ!

 タカトはさらに、モフモフした。

 魔人の頬が赤く染まった。

 ――きもちぃぃぃ!

 タカトの顔は引きつった。

 ――そうだった……ここは魔人国、魔人世界だったんだ。

 もしかして、タカトさん、今の今まで忘れていらっしゃたのでしょうか?

 取り囲む魔人たちがタカトを見下ろす。

「こいつ奴隷の刻印を表示してないんだけど……奴隷じゃないのかな?」

「でも、ミーキアンの城から出てきたぞ、もしかしたら、ミーキアンの新しい奴隷かも知れないぞ」

「オイ誰か、ちょっとコイツの服めくってみろよ」

 後ずさるタカト。

 ――まずい……

 今、服をめくられたら一巻の終わりである。

 だって、タカトの体にはなんの刻印も入っていないきれいな体。

 あっ、お尻には蒙古斑があったかも。

 って、そんなボケかましとる場合かぁ!

 一人の魔人の指がタカトの服の裾をつまんだ。

「イヤァ! えっちぃぃ!」

 タカトは、その手を払いのける。

 ――ヤバイ! ヤバイ! ヤバイ!

 焦るタカトの背後から、元気な女の子の声が響いた。

「タカトォ~」

 振り向くタカト。

 ビン子が手を振りながら追いかけてきていた。


 そんな駆け寄ってくるビン子を魔人たちが一斉に見る。

「おっ、もう一人いたのか?」

 魔人たちの口からよだれが垂れ落ちていた。


 ビン子が城門を潜り抜けようとした瞬間、その体が後ろに引っ張られた。

 尻もちをつくビン子。

「いたあぁぁぁぁい!」

 尻をさすりながら、後ろを睨むビン子。

 ――どこのどいつヨ! 後ろから引っ張るなんて!

 そこには、ビン子の肩を掴むエメラルダの姿があった。

 しかし、その顔は真顔。

 とても冗談で引っ張っているような顔ではなかった。

「ビン子ちゃん、今、この城から出たら、あなたも危ないわ!」

 とっさにタカトのほうへと視線を戻すビン子。

 タカトの泣き顔がこっちを見つめていた。

 今や、タカトは魔人たちに囲まれ、風前の灯火。

 ――タカト……


 ビン子はいま、ミーキアンの城門の内側にいる。

 すなわちミーキアンのテリトリーなのだ。

 そこに天然物の人間がいたとしても、さすがに一般の魔人たちが手を出せるわけがない。

 それに対してタカト君。

 なんで城門の外に出ちゃったかな……

 一般街の境界線上で震えるタカトは、エメラルダとビン子に乾いた笑顔を送っていた。

 ――ハハハハハ、どうしよう俺……

 その目から一筋の涙が零れ落ちる。

 ――助けて……ビン子ちゃん……


 ビン子はその思いに気づいたのか、気づかなかったのか……

 タカトから視線をそらすビン子。

 ――無理……



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