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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

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裏切り(6)

 そのころ、ハトネンは一之祐と一対一で対峙していた。

「一之祐! お前! ここをどこだと思っているんだ」

「砂の上だろ?」

「バカか! 魔人国のフィールド内だよ!」

「そうだったのか! てっきり、ハトネン! お前の便所かと思ったぞ!」

「砂のトイレは猫だ! 猫! バカも休み休み言え! 大体、今のお前は、騎士の盾も使えないんだぞ! 分かっているのか」

「お前こそ、バカはたいがいにしとけよ。俺はな、これでもお前よりかは、ちぃとばかり賢いと思っているんだ」

「それなら、もの凄い賢いと言いたいみたいだな!」

「お前バカだろ! お前が賢いわけないだろうが! だが、そんなお前より、俺は、イチゴ一個分だけ賢い!」

「何がイチゴ一個分だ! お前の脳みそがイチゴ一個分だ! この脳筋バカが!」

「なら、お前の脳みそは干しブドウ一個分だな! まぁ、ネズミのウンコらしくていいではないか! ワハハハハハ」

「俺はネズミではない! ドブネズミだ!」

「一緒ではないか!」

「クマネズミなどと一緒にするな」

「どっちも害獣だ! ボケ! とっと地下のねぐらに帰れ!」

「アホか! 地下などスラムの巣窟で、そんなところに行ったら食べられて死んでしまうわ!」

「知るか!」

「一之祐! 犬のようにワンワン吠えていられるのも今の内だぞ!」

「どうするというのだ! 言ってみろ! ネズミ!」

「ネズミというな! フン! まぁ、いいだろう、俺の後ろを見てみろ、今、お前を従えるために女神がこっちに来ているのが見えるだろうが!」

「うーん、黒い女神?」

「一・之・祐! お前は色が分からんのか! 白だ! 白!」

「うーん、俺にはどう見ても黒にしか見えん……しかも、あれ、女神? いや、あまりにも醜すぎだろ!」

「馬鹿め! お前にとって女の顔など、どれも一緒に見えるのであろう! この脳筋バカが! ちっとは女に興味を持て! じゃないと繁殖できんぞ! 繁殖!」

「いやぁ……確かにハトネン……お前が言う通り、俺には、女の顔はどれも一緒に見えてしまうが、さすがに女と魔物ぐらいの区別はつくぞ……」

「ま・も・の? 一之祐! 今、お前! 魔物と言ったか?」

「おう! 魔物と言ったぞ!」

 振り向くハトネン

 そこには、怒涛の勢いで駆けてくる魔物群れ! 群れ! 群れ!

 ハトネンの全軍が、全速力で、一目散に駆けてくる姿があった。

 ハトネンは、思う。

 何で魔物の群れがこっちに戻ってくるのだ。

 俺は、ディシウスとソフィアを叩きつぶせと言ったはずなのに。

 そうか! もうあの二人を食べつくして、今度は俺の加勢に来てくれたのか。

 いままで、どいつもこいつも、俺の命令を適当に聞いていたもんだから、てっきり、俺の事なんて、どうでもいいと思っていた。

 違った……こんなに、俺を必死に助けようと思って……うっぅぅぅぅ

 うーん、なんという主人想いの部下たちなのであろうか。

「おーい、お前たち! 俺を助けに来てくれたのかぁぁぁぁ♡」

 ハトネンは嬉しそうに手を振った。

 アホを見るような目で一之祐、しかも、逃げ腰でハトネンに忠告する。

「おい、アイツらのあの目、どう見ても前を助けに来たようには見えんぞ……あれは、ちょっとやばいんじゃないか……」

 走りくる魔物たちの緑眼の瞳孔が完全に開いている。

 既に焦点が合っていない。

 にもかかわらず、ただひたすらに、こちらに向かって駆けてきているのだ。

 しかも、口からはよだれを引きながら、一心不乱に。


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