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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

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孤軍の神と背水の駐屯地(2)

 そんな時、城壁の門が開き、4人の兵士が飛び出したのだ。

「開血開放!」

 4人の兵士たちは叫ぶ。

 それとともに、その身は黒き魔装装甲に包まれていく。

 女の周りを、4人の魔装騎兵が取り囲んだ。

 そして、女にめがけて一斉に剣を振る。

 その太刀筋に一切の躊躇なし。

 女であっても、たたっ切る!

 四方向から振り下ろされる鋭い斬撃。

 しかし、次の瞬間、その白刃は、跳ね返された。

 4振りの剣がまるで磁石で跳ね返されるかのようにはじけ飛んだ。

 女の周りを光の光球が包んでいる。

 そう、神の持つ神の盾である。

 その絶対防壁の前に、いかに魔装騎兵であったとしても、その攻撃は無力。

 だが、ここで、あきらめるわけにはいかぬ。

 魔装騎兵たちは、瞬時に態勢を立て直すと、二の太刀を入れる。

 思い思いの方向から、次々と斬撃が飛ぶ。

 だが、その太刀筋も光の粒を散らし跳ね返される。

 剣先すら女にまったく触れることもできない。

 4人が振るう剣の発する激しい金属音が、途切れることなく続く。

 光球の中で、マリアナが舞った。

 その手で、魔装騎兵の顔を一人一人なでるかのようくるりと回る。

 白きスカートが、まるでラッパ状の花のように広がり円を描く。

 まるでコダチチョウセンアサガオのように美しい。

 マリアナが動きを止めると、その花が急速にしぼんでいく。

 すでに使命を終えたかのように白きスカートの花は、マリアナの足へと絡みついた。

 次の瞬間、マリアナを包む光球に、赤き牡丹の花が乱れ咲く。

 だが、その花は咲いたかと思うと、すぐにその命を終えるかのように、光球の曲面に沿って垂れ落ちていった。

 次々と光球が赤く汚れていく。

 光球の周りには、4体の首がない魔装騎兵が血しぶきをあげて立っていた。

 そう、マリアナの誘惑によって、互いに互いの首をはねたのである。

 マリアナの足元には、黒き魔装騎兵の頭が四つ転がっていた。


 それは、一瞬のことだった。

 マリアナを攻撃していた魔装騎兵たちが、あっという間にやられたのだ。

 絶対防壁である神の盾で、攻撃を受けながら、神の恩恵で反撃。

 どれだけの生気を消費するのだろう。

 タカトたちの時代において、ソフィアと戦っていたミズイでさえ、その生気の消費量に耐えられないため、一旦、神の盾を解除したうえで神の恩恵を使っているのだ。

 同時使用、それは、尋常でない生気の消費なのである。

 だが、今のマリアナにそんなことをかまっている時間はなった。

 一刻でも早く! アリューシャのために……

 その気持ちが、無理をさせる。

 自分の体よりも、妹のことを思う気持ちが、後先を考えさせない。

「邪魔をするなぁぁぁぁぁぁ!」

 怒りに満ちたマリアナの瞳が、赤く染まり始めていた。



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