表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

381/644

運命の歯車は巡りだす(4)

 そのマリアナの必死の懇願をみたハトネンは、ふと、何かを考えた。

 目の前にいるのは二人の神。

 一人は荒神化しかけているが、もう一人は、金色の目をしている。

 そして、荒神化しかけている神を必死で助けようとしているではないか。

 と言うことは、この二人は肉親と言う事か?

 ならば、どんなことをしても、救いたいと思うのは人情と言うものよ。

 そう、いかなる提案も飲むだろう。

 どんな嫌なことでも進んでやるだろう。

 たとえそれが、人間を抹殺することであっても、肉親の命には代えられない。

 ハトネンは、疑念のダイスを投げた。

 サイコロの目は7

 自分の頭に浮かんだ一つの作戦の成功確率は70%と言うことだ。

 まんざら悪い数字ではない。

 これはイケるかもしれない。

 ハトネンの顔がいやらしくうすら笑いを浮かべた。

 そして、マリアナに快諾の返事をし、喜んで協力を申し出た。

 ハトネンが、アリューシャの荒神の気を払ってやると約束したのだ。

 それに安堵するマリアナ。

 だが、ハトネンは、続けてマリアナに提案する。

 その交換条件として、一つ手伝いをして欲しいと。

 マリアナは、アリューシャのためなら何でもすると答えた。

 ハトネンにとって、その反応も想定内である。

 だが、協力の内容をつたえれば、迷いが生じるかもしれない。

 ならば、それまで、このアリューシャを人質に取った方が、実効性を担保できるというものだ。

 ハトネンは、荒神の気を払うためと称し、アリューシャとマリアナを引き離した。

 マリアナを自分の居城で待機させ、アリューシャのみをどこかに連れて行ってしまったのだ。


 ハトネンの居城で待つマリアナは複雑な心境である。

 本当にハトネンは、約束を守るのであろうか。

 だが、今さら、荒神の気を払う儀式を知るものを探すには時間がかかりすぎる。

 ハトネンは、その儀式の事を知っている上に、気を払ってくれると約束したのだ。

 今は、それを信じるしかない。


 そんなマリアナの前にハトネンが戻ってきた。

 その傍らには一人の女魔人が付き従っていた。

 紫色の長い髪を持つ女である。

 だれ?

 マリアナは怪訝に思う。

 だが、今はアリューシャである。

「アリューシャは?」

 ハトネンは、その問いに答えず、マリアナに命令した。

「お前は、神の恩恵を使って、聖人国の第七の駐屯地をせん滅しろ!」

 ギョッとするマリアナ。

「そんな話は聞いてないわ」

 だが、ハトネンは続ける。

「お前が、人間どもを駆逐し、俺がキーストーンを手に入れた暁には、あの荒神の気を払ってやる」

「信用できない! アリューシャはどこ!」

 マリアナは叫んだ。

 すると、紫色の長い髪の女が、マリアナの前で膝まづいた。

「神様、お気をお沈めください。私は、荒神の気を払う能力を持っております。そのアリューシャ様とおっしゃる神さまの荒神の気、私が必ず払ってみせます……」

 それを聞いたマリアナは、叫ぶのをやめた。

 今、この膝まづく女は、確かに荒神の気を払えると言った。

 それが、嘘か本当かは分からない。

 だが、このハトネンと言う男が、荒神の気を払うことができると言い、そして、この女を連れてきたということは、まんざら嘘ではないかもしれない。

 そして、何よりも、ハトネンの目は、策謀に満ちたいやらしい目をしているが、この膝まづく女の目は、悲し気ながらもまっすぐだ。

 とても、嘘を言っているような目ではない。

 ハトネンは信じられなくとも、この女は信じられる。

 マリアナはそう、直感した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ