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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第一部 4章 ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編

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ハーレム・ナイト・フィーバー! フォウォォォ!!

 一瞬、この光景を目にしたタカトは、メイドカフェにでも踏み込んだのかと錯覚した。

 だが、奥へと伸びる廊下の両側には、えんじ色の壁紙と金色の装飾。

 落ち着きの中に、どこかゴージャスな香りが漂っている。

 鼻をくすぐるのはフローラルの香り……これは、どちらかといえば高級クラブだろう。


 しかしタカトは十六歳。そんな場所に行った経験などあるはずがない。

 そもそも赤貧の身で、通う金もない。

 ではなぜ、彼はそんな場所を思い描けたのだろうか?


 理由は簡単。ベッドの下に隠した「ムフフな本」である。

 そこには店の紹介広告がびっしり。

 バスタオル一枚の巨乳のお姉さんが湯船で手招きしていたり……。

 薄いネグリジェの美少女がベッドで横たわっていたり……。

 泡まみれのお姉さんがエアマットの上で上目遣いしていたり……。


 だが、この店の雰囲気……お登勢が働く「ワンナイト/ワンコイン」の奴隷宿とはまるで別物。

 むしろ90分で6万円を超えるような、ハイグレード極まりない場所だ。

 その広告も、当然のようにフルカラー。

 女の子のレベルもまた、桁違いなのである。


 そして実際──廊下の脇に並ぶ美女たち。

 豊満な胸を誇る女から、透き通るような清楚系、あどけなさを残す少女風、さらに熟れた色香を漂わせる大人の女まで……よりどりみどりの艶姿。

 視線を送るだけで、白い肌や微笑みに心臓が跳ね、喉が渇く。

 タカトの股間では、魚肉ソーセージの先端が熱を帯び、布越しに脈打ちながら……

 いまにも昇天の十字架の光をほとばらせそうであった。


 って、歩けるんかい!

 さっきまで体が動かんかったんと違うんかい!


 そう、ついさっきまでは高斗という男の中にいたはずなのだ。

 だが今は、なぜか自由に歩ける。

 手を伸ばせばオッパイだって……


「いやですわ……アダム様……」

 美女メイドは身をよじり、胸元のレースがわずかに乱れる。白い肌が覗き、熱を帯びた吐息が唇から漏れる。上目遣いに潤んだ瞳、頬は火照りで紅潮していた。


「よいではないか……よいではないか……」

 タカトは悪代官さながら、にやつきながらメイドの腰へと手を伸ばす。指先がスカートの布をかすめただけで、彼女の身体が小さく震えた。


 というか……

 ――アダムって誰?


 そう、このメイドはさきほどからタカトを「アダム」と呼んでいるのだ。

 ――まさか、俺のことをどこぞの社長さんと間違えている?

 あるいは、そのアダムとかいう社長が俺に似ているのか……?


 だが、俺はアダムじゃない。タカトだ。

 もしバレたら……どうなる?

 ――「お遊び代を払え」って詰め寄られる?

 六万どころか、六百円だって怪しい俺が……?


 ヤバい、マズい、これはとんでもない勘違いかもしれない。

 いまは夢心地でも、ひとたび正体がバレたら地獄行き確定だ。


 その想像が脳裏をよぎった瞬間、タカトの下腹部に集まっていた熱が、

 氷水をぶっかけられたように一気に冷めていった。


 だが、ものは考えよう!

 金を払えと言われたって……無いものは無い!

 ――そもそも間違えたのは向こうだし!

 最悪、そのアダム社長のツケにして逃げりゃいいだけの話じゃないか!


 こんなチャンス、めったに転がってくるもんか。

 いや、むしろ二度と来ない、奇跡といっても過言ではない!


 ならば! 迷う理由などどこにもない!

 遊べ! 楽しめ! オッパイは世界を救うんだ!


 廊下の脇にアイナにどこか似たような雰囲気を持つ美少女と、ビン子に似た活発な黒髪の女の子が並んで立っていた。


 そんな彼女らの前で足を止めたタカトは、なぜか大声で叫びながら頭を下げた!

「おっぱい揉ませてくださいッ!」


 頭を深々と下げたその姿は、必死の祈りか、それとも欲望に塗れた犬のよう。


 もちろん、彼の人生において、この一言で胸を触らせてもらえたことなど一度としてなかった。

 返ってくるのは決まって、下種を見るような氷の視線。

 それは、彼に「敗北者」の烙印を押しつけ続けてきた、冷酷な現実そのものだった。


 ――だが、今回は違う!

 アダム社長という後光が、俺の背後にそびえ立っている!

 もし断られたとしても……その威光をかさにきて脅し半分で押し切れば……

 ワンチャン、夢の扉は──開かれる!!


 そんなタカトの前に立つ二人の女は、互いに意味ありげに視線を交わし、唇の端をわずかに吊り上げて妖しく微笑んだ。頬は紅潮し、淡い光の中で肌が艶めいて輝く。

 その視線と仕草だけで、タカトの胸はぎゅうっと締めつけられ、息が詰まりそうになった。


 そして、二人のうちの一人が、つややかなピンク色の唇をそっと耳もとに寄せる。

 吐息は甘く、濡れた香りすら含んで、タカトの背筋をぞくぞくと駆け抜けた。

 耳朶をかすめるその温もりと官能的な熱気に、全身の血が沸き立つ──


「アダム様……今宵は、私たちが伽を務めさせていただきます」


 いきなり、その場に押し倒されたタカト。

 アイナに似た女は迷いなく彼の股間に顔をうずめ、妖しく舌を這わせ始める。


 チロチロ……。

 ――ん? チロチロ……まぁ、いいかぁwww


 身体は硬直し、頭の中はパニック寸前。

 だが下腹部は否応なく熱を帯び、理性のブレーキがどんどん緩んでいく。


 ビン子似のメイドも、いつの間にか胸元をはだけさせ、タカトの胸に押し付けながら、指先で滑るようにマッサージをしては、執拗になめ回す。

 ――というか……ビン子にこんな胸あったっけ? あの貧乳娘が、こんな……!?


 気づけば、タカトは無数の美女たちに取り囲まれていた。


「ウヒヨォ! 気持ちいい! 生きててよかった!」

「アダム様ぁ~、なんで私たちをこんな姿にしたんですか♥」

「アダムさまぁ~、絶対に許しませんよぉ♥」


 ――こんな姿?

 どう見ても美少女や美女なのに……こんな姿って、これイカに?


 タカトは頭をひねる。

 でも……


 ――まぁいいかぁwww

 すでに顔はだらしなく歪み、よだれを垂らし、笑いが止まらない。


「来たよ来たよ! 来ましたよ! ついにハーレム! これで俺も童貞卒業や!」


 ハーレム・ナイト・フィーバー! フォウォォォ!!


 身体も頭も完全に吹っ飛び、理性はどこか遠くへ。

 歓喜と興奮の渦に、タカトはただひたすら身を任せるしかなかった。

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