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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第一部 4章 ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編

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こいつら……バカだろ……

 だが、そんなことは高斗には関係ない。

 玄武に乗った高斗は、ポーズを決めている6人めがけて機関銃をぶっ放した。


「仲間たちの仇!」


 ガガガガガガッ!


「うわっ!」

「ちょっと!」

「この人でなし!」


 慌てた“6つ子忍者戦隊ガッチャマンボ”は、デブの“とどマッチョ6”を盾にして背後へ一斉に隠れる。

 しかし――その盾役の巨漢は、紫色の魔血を盛大に噴き出していた。


 全身に蓮の種を埋め込まれたような、鳥肌モノのグロテスクな姿。

(想像できない読者はGoogle先生で画像検索www『蓮の種 人の体』と。確実にトラウマ確定でだから自己責任でね)

 そんなものだから、意識体のタカトですら言葉を失っていた。

(うぁぁ……)


 銃声が止むと同時に、ドシーン!と“とどマッチョ6”は前のめりに倒れる。

 登場からわずか数十秒で退場!残念!


 ……のはずだった。


 だが――

「おい、寝てる場合かデブ!」

“イマラッチョ1”が脇腹を蹴飛ばし、仰向けに転がす。

 すかさず股間めがけて――


「ソイヤッ!」


 ぼこっ!


 よだれを飛ばしてのけぞる“とどマッチョ6”。

 だが次の瞬間――ワカメの下から、約60センチの魚肉ソーセージがモッコリとそそり立つ!

 その勢いのまま、巨体は頭をかきながらむくりと起き上がった。


「痛いやないかい!」


 痛かったのは――銃弾の雨か? それとも股間への中段突きか?

 というのも、さっきまで全身を覆っていた銃創は……影も形もなく消えていた。


 高斗は唇をかみしめる。

 ――またか……こいつら、何者だ?

 一瞬で回復する仕組みがある。そうとしか思えない。


 赤い繭か?

 あの妙な被り物か?

 水生生物つながり……いや、ジュウシマツやサルは違う。


 考えても答えは出ない。

 これまでの魔物なら、あれだけ撃ち込めば確実に倒せた。

 生き返るなど、ありえない。


 ガイヤやマッシュですら、復活には時間がかかった。

 ――それなのに。


 高斗が思案している中、”ガッチャマンボ”たちは突然、高らかに笑い出した。


「わはははは! われら”ガッチャマンボ”は不死身!」

「そう、我らは6人で一体!」

「すごいだろ! 鬼滅の妓夫太郎(ぎゅうたろう)堕姫(だき)でさえ二人同時だったが、我らは6人同時だ!」

「すなわち! 我ら6人を同時に攻撃しなければ滅ぼせない!」

「そんなの無理だろwwwワハハハ!」

「シコシコしこ……」


 高斗は固まった。

 というか、目が点になっていた。


「こいつら……バカだろ……

 弱点を自分からペラペラしゃべるとか……絶対バカだろ」


 どうやらそれが聞こえたのか、”ガッチャマンボ”たちはさらに高らかに笑った。

「6人同時に殺してみな! ボーイwww」

 そして、“イマラッチョ1”が大声で「あ~~~!」と叫ぶやいなや、

「「うっ!」」と残り5人がその場で一斉に踊りだす!

 軽快なリズム!


 ジャッ♪ジャジャッジャ♪ ジャッジャジャジャ♪

 ジャッ♪ジャジャッジャ♪ ジャッジャジャジャ♪

 ジャッジャジャッ♪ ジャッジャジャッ♪

 ヘイ♪マンボウッ!


(いや……なぜ急にマンボ……しかも腰のソーセージがブルンブルン揺れてるし……)


 だが、高斗にはどうでもよかった。

 6人がキュッとまとまって踊っている――今こそチャンスだ!


「プラズマ火球(ジェット)ォォォッ!!!」


 高斗はレバーを一気に引き倒した。

 バキィィン──ッ!!

 顎部ブロックが軸ごと下がり、焼けただれた砲口が再びせり出す。

 まだ先ほどの射出で冷却が完了していないのか、砲口から熱気で空気が揺らめいていた。


 これを撃てば砲口は確実に溶けるだろう。

 だが、この瞬間を逃すわけにはいかない。


 機関銃では“とどマッチョ6”を盾にされる。

 超振動チタンブレードによる攻撃も、阿修羅システムのアームは一本欠損しているため5本しかもてない、とてもじゃないが同時6人切りは不可能。

 ――ならば、まとめて焼き尽くすまでだ!


 ズボオオオオオォォン──!!

 爆音が大気を裂き、巨大な火球がマンボ(?)を踊る6人へ一直線に襲いかかる。


 ズガァン!!!!


 炎が爆ぜ、”ガッチャマンボ”たちを飲み込んだ――はずだった。


「6つ子忍法! 変わり身の術!」


 次の瞬間、ホームのあちこちに転がっていた赤い繭がジジジと割れ、

 中から“ガッチャマンボ”たちがぞろぞろと這い出してきた。


(え……また繭から……?)

 炎の中で揺らめく物体が、ゆっくりと形を崩す。

 焦げた肉の匂い。

 油が焼け、黒煙が立ち上る。

 ――あれは……何を燃やした?

 それは確かに、生き物の名残だった。

 高斗の背筋を、冷たい汗がつうっと伝う。


「あららwwwボウヤwwwお友達燃やしちゃって大丈夫wwww」

“おそマッチョ3”が口元を押さえ、薄気味悪く笑う。


「じゃぁ、こいつはワイが食らわせてもらいまひょ!」

“とどマッチョ6”が玄武に向かって手を伸ばす。


「6つ子忍法! 糸縛りの術!」


 “とどマッチョ6”がくるりと背を向け、ケツを突き出す。

「プゥwww」

 あまりに滑稽な姿に吹き出しそうになるが――

 高斗の毛穴が総立ちになった。


 ――大体、白虎のコクピットの中の人間をどうやって赤い繭に変えたっていうのだ?


 先ほどの白虎は、高斗が外部から強制解除するまでコクピットは完全密閉だった。

 それなのに、中身は赤い繭と化していた。


 その時、玄武のセンサーが悲鳴のような警告音を上げる。

 装甲を何かが襲っている――だが、映像センサーには何も映らない。

 警告を発しているのは……臭気センサーだった。

 

 首筋に、ふわりと何かが触れる。

 無意識なら見逃すほどのかすかな感触。

 高斗は反射的に首元を払った。

 指に絡みつく、茶色がかった一本の細い糸。

 鼻先に近づけると――

「くせぇ!」

 酸味と獣臭の混ざった、生理的嫌悪感を呼ぶ匂い。

 間違いない、う〇この臭いだ。


 だが、問題はそこではない。

 その糸が……ぬらりと、這うように動いている。

 しかも一本ではなく、瞬く間に増殖し、首から肩、腕、胴へと侵食していく。

 まるで蜘蛛が獲物を包むように、高斗の全身をぐるぐると巻き取っていく。


 ――これだ! これが赤い繭の正体!


 おそらく、“とどマッチョ6”のケツの穴から伸び、玄武の装甲の隙間を探り当てて侵入してきたのだ。

 入り込んだ糸は獲物を絡め取り、そのまま体を溶かしていく。

 溶けた赤い体液を糸にしみこませながら。

 それが、赤い繭の正体。


 ――やべぇ、このままじゃ……!


 糸まみれのタカトは反射的にレバーを引いた。

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