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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

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魔の融合国(4)

 ゲロゲーロゲロ!


 目の前の一匹のカエルが、泣き声と共に大きくジャンプした。

 その気配に気づいたタカトは、咄嗟に正面に向き直す。

 上空を見上げるタカト。

 その顔に、カエルの影が落ちてくる。


 ――あかん! 俺死んだ!


 天から落ちてくるカエルの口が、大きく開いていた。

 口の中の赤色が妙に毒々しい。


 ――最後に見る風景が、カエルの口とは……


 走馬燈のように、タカトの過去がよみがえる。

 街にいるベッツをはじめとする少年たちにいじめられた思いで。

 権蔵じいちゃんに怒られる日々。

 お金が無くて、芋を掘る毎日。

 あと、記憶に残るは、作業台の道具たち。

 だが、どれも女の臭いがむせかえるような思い出なんてありもしない。

 あえてあるのは貧乳のビン子と戯れた記憶のみ。


 ――あっ、ベッドの下のムフフな本どうしよう…………


 この期に及んで、ムフフな本の事を心配した。

 すでにビン子にその存在がばれている。

 なら、いまさら隠したところでどうとなるものでない。

 諦めたタカタとは、剣を降ろす。


 ――カエルと口づけより、ムフフな本に出てくるような女の子と口づけしたかったな……


 このカエルの口の開け方は、口づけじゃなくて、丸のみですから。

 タカト君を頭からごっくんと丸のみですよ。

 目を閉じたタカトは天から降ってくるカエルに向かって、タコのように口を突き出した。

 最後のあがきで、せめて、この世との最後の想いでは、巨乳美女とのキスであったと思いたかったのであろう。

 脳内では、タカトが崖から落ちた時、助けてくれたあの金髪の巨乳女神に変換されていた。

 その女神が、天からふってきているかのように、都合よく妄想していた。

 まぁ、これで死の恐怖が和らぐなら、それでいいのではないだろうか。

 死ぬ直前ぐらい、本人の好きなようにさせてやろうではないか。

 やぶれかぶれのタカトがさらに唇を押し出した。


 ごっくん!


「ぶちゅー」ではなく、やはり、「ごっくん」だった。

 タカト君、やっぱり、食べられた。


 タカトの上半身は、生暖かいぬるぬるしたものに包まれた。


 ――安らぐぅ……


 傍から見ると、タカトの胸から上が、逆立ちしたカエルになっているのである。

 そして、その口をもごもごと動かしている。


 まぁ、不幸中の幸いと言うか、カエルには歯がなかった。

 そのため、頭をかみ砕かれることもなく、丸のみ状態だったのである。

 とはいえ、カエルの口は、どんどんとタカトの上半身を飲み込んでいく。


 その口の中のぬめぬめとした感触の中でタカトは悶えた。


 ――女の人のあそこって、こんな感じなのかしら?


 今だ見たことも、触ったこともない女性の聖域を、あれこれと妄想していた。

 もう、童貞の考えることなんて、こんなことばっかり。

 アホですか!

 いや、不潔です! 不潔!



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