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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

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第290話

 ガキン!

 火花と共に、イサクの出刃包丁が弾かれた。

 ケテレツの頭の上で、イサクのものとは別の一振りの剣が地から天へと振りぬかれていたのだ。


「私の城で好き勝手にしてくれるじゃないか……」

 剣の主は、怪しく微笑むと、さっと剣を振った。

 それに伴って、剣の主である女の長い紫色の髪が揺れ動いた。

 揺れ動く髪の間から、赤き目がイサクをにらみつけている。


 ちっ! ソフィアか……


 咄嗟にイサクは後ろへと飛びのいた。

 3000号だけであれば、単なる力勝負で行けるかもしれない。それであれば、第三世代のイサクにも勝機の目は有ったかもしれない。しかし、今度の相手はソフィアである。あの赤き目、すなわち、荒神としての神の恩恵を持つ。そして、開血解放すれば、赤き魔装騎兵へと変貌する。さすがに3000号と赤き魔装騎兵の両方を相手にするのは、イサク一人だと荷が重い。さてさて、どうするか。イサクは考えた。お嬢を担いでとんずらこくか。正直、この状況、この方法が一番、生存率が高いだろう。イサクは起き上がった3000号をにらんだ。その体には、ビン子がしっかりと巻き付かれていた。コケたぐらいでは離れないらしい。

 頭をかくイサク。

 お嬢からはビン子さんを頼むと言われたしな……

 ここでケツをまくって逃げ帰ったら、真音子にどやされることは確実である。

 さてさて、どうしたモノか?


「イサク……お前は、あのデカ物をやれ……」

 イサクの背後で女の声がした。

 しかし、イサクは、振り向かない。

 そう、今、仮に振り向いていたら、ソフィアの剣が自分の首を飛ばしていただろう。

 ソフィアの動きを警戒しながらイサクは、呟く。

「お嬢、大丈夫なんですか……」

「あぁ……大丈夫だ。母様の鍛え方はこんなものではなかった……」

「まぁ、姉御は極道みたいなもんでしたからね……」

「いや、みたいではない……極道だ……」

「それ言ったら、お嬢といえども殺されますよ……」

「なら、殺されるために、生きて帰るぞ!」

「ヘイ! お嬢!」

 真音子とイサクの体が跳ねた。

 その瞬間、暗い部屋の中に火花が飛び散る。




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