表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

224/644

ピンクのおっさん(4)

 カルロスは、なだめるように伝えた。

「正式の名前を書いておかないと、いざっと言う時に困るだろう。なんせ、失敗は許されないんだから。分かるよな」

 うつむくピンクのオッサンは、小さくうなずいた。

 ここにいる皆のために、頑張ろうっという健気な気持ちがにじみ出ていた。

 意外とかわいいと思ったのは、作者だけではないはずだ。

 これって恋?

 違うわーーい!

 なんか、デジャブ!


 ピンクのオッさんは、小さい声でつぶやいた。

「私の……本当の……名前は……です」

 牢に座る皆が、耳に手を当てた。

 だが、聞こえない。

 そのが体の大きさの割に、声があまりにも小さい。

 カルロスは、聞こえたかどうかをコウスケに確認するために目をやった。

 コウスケは、首を振る。

 コウスケにも全く聞こえていなかったようだ。


 仕方なく、カルロスは、再度、お願いした。

「すまん。よく聞こえんかった。もう少し大きな声で、言ってくれんか」

 ピンクのオッサンは、スカートを握りしめながら、小さくうなずいた。

 そのスカートを握る手は、ごつごつと角ばっている。

 まぁ、ピンクのオッサンなんだから仕方ないよね。

 だがしかし、その手はよく見ると、傷だらけ。過去、幾度も痛めつけられたかのように無数の傷が走っていた。そして、両手の甲にある本来ゴツゴツは、平らにつぶれて形を失っていた。


 よほど、自分の本名を明かすことが嫌なのだろうか。

 もしかして、ものすごく変な名前とか。

 聞いた瞬間に大爆笑!

 でも、大丈夫、そんな空気の読めないタカトは、今はいない。廊下でタマを探しているんだから。安心していいぞ! ピンクのオッサン!


 意を決したピンクのオッサンは、固く目を閉じて声を張り上げた。


「私の名前は! ゴンカレエ=バーモンド=カラクチニコフでず!」


 はて、この名前どこかで聞いたことがあるような……

 人々は笑うどころか、しばらく考えた。

 あれれ……

 ……


「なんだと!」

 とっさにカルロスが立ち上がった。その表情は、まさに、驚天動地の驚いた表情。いや、そんな生易しいものではない、驚きのあまり、そのあとの言葉をまさに失っているような感じであった。


 皆が、そんなカルロスの様子に驚いた。

 一体なんだというのだ。

 もしかして、このピンクのオッサンは、名が知れたオカマ! キング・オブ・オカァマ! いや、クイーン・オブ・オカァマなのか!


 徐々に落ち着きを取り戻したカルロスがつぶやいた。

「本当にゴンカレエ=バーモンド=カラクチニコフなのか……あの、地下格闘界、無敗チャンピオンにして、唯一奴隷の身分から一般国民に自ら返り咲いたという伝説の男、ゴンカレエ=バーモンド=カラクチニコフなのか……」

 小さくうなずくゴンカレエ、いや、ピンクのオッサンでいいや。


「こんなに頼りになるお方が、いてくれるとは……」

 カルロスは、ピンクのオッサンの手を取った。


 えっ……まじで凄い人なの?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ