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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

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ビン子しゃまぁぁぁ

 はぁーとため息をつくビン子。

「しょうがないわね……」

 ビン子は、自分のカバンの中をゴソゴソとあさる。

 この貯蔵室と言うところは、通常の牢獄とは違う。収容者の健康状態を気にしているのか、収容者の荷物は基本、全部一緒に放り込まれている。まぁ、一応、脱獄できないようにチェックはされてはいるが、脱獄に使えそうなものがない限りは、全部、持ち込み可なのだ。ノート参考書持ち込み可! めちゃめちゃ優遇されている大学の期末試験並みなのだ。

 ビン子は自分のカバンの中から、何やら一つの棒を取り出した。

「あっ! それは!」

 振り向いたタカトが驚いた。

「ははは! 聞いて驚け! これこそアンタが作った『錠前あけ開け君』だ!」

「ちがわーーーい! それは、『帰ってきた!お脱がせ上手や剣(棒)』じゃ!」

「バカね。名前なんてどうでもいいのよ」

 ビン子が開血解放すると、棒を檻から外にだし、錠前の穴へと突っ込んだ。

 穴の中で、『帰ってきた!お脱がせ上手や剣(棒)』の細い腕が広がると、カチャカチャと中をいじくりまわしている。

 ガチャリ

 ギーーーッ

 ほどなくすると檻のドアが開いた。

 キョトンとするタカト。

 ――俺の『帰ってきた!お脱がせ上手や剣(棒)』にあんなことができるなんて。

『帰ってきた!お脱がせ上手や剣(棒)』の繊細な動きは、どんな微細な動きでも可能であった。そして、タカトは知ってか知るまいか、使用者の意思を読み取り、その動きを制御していたのである。この機構は、どこをどう伝わったのか分からないが、融合加工院のクロトに伝わる。そして、アルテラ専用魔装装甲アルテミスのバックパックに応用された。アルテミスの『裸にメガネー』などのセンサーから得られた情報を読み取り、白竜の盾を制御していたのである。

 ――ブラのホックを外す以外に、鍵を開けることができるだなんて……

 タカトの表情が徐々ににやけていく。

「俺は天才だぁぁぁぁぁ!」

 タカトは、牢の中でガッツポーズを取り、天を仰いだ。

 ガチャリ!

 へっ?

 タカトは牢の入り口を見た。

 そこには、檻の外に出たビン子が、牢のカギをかけていた。

 はい?

 訳が分からないタカト

「はははっは。ビン子、冗談が過ぎるな……」

 タカトは頭に手をやり、半ば格好をつけながら、牢の入口へと歩み寄る。

「はぁ? あんたが先に帰ったらムフフな隠すでしょ」

 えぇえぇぇぇ! まだ、そこ根に持っているんですか?

 タカトは瞬時にこびた。

「ビン子しゃまぁぁぁぁぁ! 全部捨てます! 自分で捨てます。だからお慈悲を!」

 もう、見るに堪えない。プライドもくそもあったものではなかった。



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