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第九十九話・空中三段ジャンプ


「きき、貴様ァァアッ!よくも相棒をやりやがったなぁぁあっ!

もう絶対に許さんぞぉぉぉっ!!」


相棒が無惨にやられた事で、怒り心頭なもう片方の厳つい顔の男が、

震える怒りの手で腰に下げていた鞘から剣を引き抜くと、叫声を

荒らげながらそれを大きく振りかぶる。


「ええぇぇ...絶対に許さんって...」


お前達の方からちょっかいかけてきたんじゃねぇか。


「......それに、なんであんた、ルコールにではなく、俺に向かって剣を

身構えているんだ?」


「うう、うるせぇぇいやいっ!き、貴様の女がやった事だろうがっ!

つまりはてめぇの罪でもあるんだよっ!ど、同罪なんだよぉぉおっ!!」


「うわ!なんて理不尽で言い訳苦しい事を!?」


......さてはこいつ、


ルコールの圧倒的パワーにビビりやがったな。


こんな強面してる癖に、なんてしょっぱい小悪党なんだよ。


「......ハァ」


「な、何だぁあ、その憐れみを含んだ顔はぁぁあっ!ぐぬぬぬぬっ!

俺をそんな顔で見やがってぇぇぇえっ!もう許さんぞぉぉおおっ!

絶っ対に許してやらんからなぁぁぁあっ!!」


レンヤの見せる呆れと憐れの入り混じった表情に、厳つい顔の男の苛立ちが

最上点になったのか、身体中が真っ赤へと染まっていく。


「覚悟しろ!このクソ野郎がぁぁあっ!冒険者Cランクの俺様の力を

その身体に味わわせてくれるわぁぁぁあっ!!」


そして厳つい顔の男が怒りを吹き出すかの様に、叫声を天に向かって

大きく咆哮すると、足音をドタドタ響かせながら、レンヤを叩き斬ろうと

猛突撃してきた!


「やれやれ......ホント自分勝手な奴だな......」


俺は厳つい顔の男の道理の通らない、理不尽極まりない行動に嘆息を

吐いて肩を窄めた後、足に装備していた【天使のブーツ】の力を

発動させる。


そして、


「ハッ!トウッ!ウイしょ......っとっ!」


怒りを露にしながら俺に猛突撃してくる厳つい顔の男の攻撃を躱すべく、

俺は空中をぴょんぴょんと駆け上がって、三段ジャンプで上空高くへと

昇って行く。


「うおお!?た、高けぇぇえっ!?」


初めて三段目までジャンプしてみたけど、これは中々の高さだな。


目線下に映る地面と俺との距離のあまりの遠さに、高所恐怖症である俺は

股間がキュッとなって縮こまってしまう。


「ハァッ!?どど、どういう事だ!?空中を駆け上がっただとぉぉっ!?

な、なんでぇぇえっ!?」


空中を華麗にジャンプしていくレンヤの姿に、厳つい顔の男は目を大きく

見開き、動揺で動きが止まってしまう。


よし、頭上がら空きだっ!


『瞬歩っ!』


俺はその止まった隙を逃さず、ギフト技...『瞬歩』を発動させる。


「はえっ!?う、嘘!?何で?い、いつの間にそんなところにっ!?」


瞬歩を発動させた俺は、厳つい顔の男の頭上近くまで一気に間合いを

詰めて接近すると、


「取り敢えず、おねんねしていろ、この酔っぱらいがっ!」


「――アギャッ!!」


力を込めた拳を厳つい顔の男の頭のてっぺんを目掛け、思いっきり

垂直に叩き落とし、厳つい顔の男の意識を刈り取った。


そして厳つい顔の男がその場にバタンと大きく音を鳴らして

崩れ落ちると、


「よっこらしょ......っと!」


俺は天使のブーツの効果を解き、地面に足をふわりと付けて

静かに着地する。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすい文章でスラスラ読める。 [気になる点] 無駄な話が多すぎて、疲れてしまう。特にAランク冒険者とのやり取りも必要なの?と思ってしまいます。 [一言] 物語上の設定も面白いし、文章が…
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