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第二百七十一話・カード化していたあのアイテム


「......ふむ」


確かにあのアイテムならアーニャちゃんの怪我も治せるかも?


「だがしかしあのアイテムを手放したら、ルコールが怒りそうだしな...」


ルコールから危険でいっぱいなこの世界で生きていく、その保険として

このアイテムは大切にとって置けと、口酸っぱく言われてたからさ。


「もしそんなルコールのお言葉を無視でもしようものなら、あいつから

キツイお仕置きをされそうだしな......」


俺がルコールのお仕置きを想像し、躊躇した表情を浮かべていると、

ホノカが「えっ!?う、嘘でしょう、主!?あげないの!?」と言わん

ばかりの上目遣いの瞳でこちらをジィィィイッと見てきた。


「ちょ!?ホ、ホノカさん!?そんな純真無垢な(まなこ)でこっちを見るのは

やめて!?あ、あげるから!例えあいつにお仕置きされようともあげます

から、だ、だからそんな顔をしないでっ!?」


俺はホノカから放たれ続ける、悲しさウルウル全開なる目線攻撃に耐えら

れず、カード化して仕舞っておいた今話題にあがったアイテムを急いで

アイテムボックスから探し出す。


でもまぁ、翌々考えたらこんな絶好の......使わなきゃっていけないって

いうタイミングで使う事が出来る展開。


だったらあいつのお仕置きを嘆くよりも、いつケガするかわからない

状況の心配をよりも、目の前で悩み苦しみ、嘆きを見せる可愛い子を

助ける方が男として冥利でクールだよね!


俺はそう気持ちを切り替えると、アイテムボックスから取り出した一枚の

カードに向かって念を送る。


すると念を送ったカードがプレシアの宿屋でせっせと時間を掛けて作った

アイテム...【アルティメットポーション】へと変化し、俺の手のひらの上に

ボンッと言う音と共に出現した。


そして俺はアーニャの両手をゆっくりと手に取って、


「ではアーニャお嬢様。先程話題にあがりましたアイテムをどうぞ♪」


そう述べると同時に、アルティメットポーションをアーニャの両手に

持たせ、しっかりと握らせる。


「あ、あの、レンヤ様。こ、これは一体何なんでしょうか?手に持った

この感じを解くに、恐らくポーションの類いだと思うんですけれども?」


「はい。正解ですよ、アーニャお嬢様。それは私が錬金術にて作りました、

特製のポーションです!」


いきなり手に持たされた謎のアイテムに、アーニャちゃんが不安と戸惑いな

表情を見せているので、俺は安心させるような優しい口調で手に待たせた

物が何なのかを答える。


「私同様のしがない物ではありますが、然れどもそのポーション、自分で

言うのも烏滸がましいとは思いますが中々の傑作物と自負できる一品で

してね!」


「なるほど。これはレンヤ様のお作りになられたポーションなんですね?

確か錬金術といえば、レアスキルだったですよね?それを習得なされて

いらっしゃるなんて、レンヤ様ってスゴいお方なんですね!」


「はは、ありがとうございます。あ!因みにですが、アーニャお嬢様に

お渡ししましたそのポーションの名前は【アルティメットポーション】と

言います!」


「へぇ~アルティメットポーションっていうんですか、このポーション?

究極の名を冠しているポーションをお作り出来るなんて、レンヤ様って

やっぱりスゴいお方なんで―――ん?アルティメット...ポーショ......ン??

うえぇぇえっ!?ア、ア、アア、アアルティメット、ポ、ポーションッ!?

ア、アルティメットポーションと言えば、先程お話したオークションに

出品されると噂になっていた、希少アイテムではありませんかぁぁあっ!?」


自分の手に持たされたポーションが、オークションで何としてでもゲット

しようと目論んでいたアイテム...アルティメットポーションだと聞かされ、

アーニャは目を丸くして驚いてしまう。


「ああ...やっぱり、そうでしたか......」


そう...あれは遡る事、プレシアの宿屋で薬草の素材を元に錬金術のレベル

上げをするべく、せっせとせっせと融合させまくっていたあの日。


俺はその果ての結果、遂に究極アイテム......アルティメットポーションを

完成させた。


そしてその翌日。


俺はこの究極アイテム、アルティメットポーションの自慢をギルマスに

する為、冒険ギルドへ早足で向かった。


ギルドにいたギルマスに「どうだ見ろ、ハッピー!スゴいだろ、これっ!」

と、俺はアルティメットポーションをドヤ顔で見せると、俺の想像通りの

表情でギルマスが目を大きく見開いて喫驚していた。


そんなビックリしているギルマスの表情を見て、俺は満足したという表情を

浮かべていると、ハッと急に我に帰ったギルマスが目の色を変えて俺の肩を

力強くガバッと掴んでくる。


そして興奮気味した口調で、


「な、なぁレンヤ!いやレンヤさんっ!このアイテムを.....アルティメット

ポーションをオークションに出品してみないかっ?」


オークションにアルティメットポーションの出品をお薦めしてくるのだった。


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