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第二百六十四話・ブルーメタルリング


「あれ?まだ信じてないんだ?もっと証拠が欲しいの?ん~そうだねぇ~

だったら、この証拠なんてどうかな?」


ルコールはニカッっと微笑み、ミナルの耳元にソッと顔を持っていく。


そして誰にも聞こえないくらいのか細い声で、


「あんたのおケツ、青い星型のアザが左右にそれぞれ一個ずつあるでしょ♪」


ミナルの秘密ごとを囁く。


「―――――なぁぁあああぁぁぁあぁあっ!?!?ななな、何でそれを知って

いるのですかあぁあぁぁぁああっ!?」


ルコールから告げられた発言は図星だったのか、ミナルは顔中を真っ赤に

染めあげると、咄嗟的に自分のお尻に両手をバッと持っていき、隠す動作を

見せる。


「どう正解でしょう♪」


「そ、そんな...でも確かに、このアザの事を知っているのは両親と私の妹の

アーニャだけです......」


戸惑いと困惑した表情でミナルが呟く。


「それともうひとつの証拠。あんたがつけているそのネックレス。阻害魔法を

かけられていて紋章が隠れているけど、そのネックレスの紋章、これと一緒で

しょう♪」


ルコールはそう言うと、ミナルが首にかけているネックレス、それと同じ紋章の

刻まれた青い宝石がキラリと輝く、銀の指輪をミナルに見せる。


「な、ななっ!?そ、その指輪はぁぁあ!?それはグランディール帝国の王が

信頼と実力をお認めになられたお方にのみ渡すとされているアイテム、

【ブルーメタルリング】ではありませんか!?」


ルコールの指に嵌めてある銀の指輪を見て、ミナルが目を大きく見開く。


「ハッ!?そ、そういえば、お父様から聞いた事があります!?お父様が若かり頃、

メチャクチャ強き女性と戦った事があると!?そしてその強き女性とは戦いの後、

友となって友好の義を交わしたとか。その時にお父様が友好の証として

【ブルーメタルリング】をその女性に贈ったとか!?も、もしかして、それが

あなたなのですかっ!?」


「お、やっと信じてくれたのかな♪」


ルコールはそう言うと、ニコッと微笑む。


「は、はい。正直言うと、未だに信じがたい事実ではありますけど、ここまで

証拠を突きつけられてしまっては、もはや信じるしかありませんね...」


ルコールの口から次々と出てくる証拠の数々に、ミナルはまだ少し納得しては

いないものの、諦めるようにルコールの証言を認める。


「ふふ♪やっと認めてくれたようで何よりだよ!そんじゃま、そういう事なので

改めて頼むけど、グランディールまでよろしくねぇ~ミナディール♪」


ルコールはニカッと笑ってミナルにそう言うと、


「は、はい。こちらこそ、よろしくお願いしますわ......はは」


予想外の情報の数々に、ミナルがもう疲れたと言わんばかりの表情をしつつ

ニガ笑いをこぼし、頭を小さく下げる。


「どうやらお話が上手く纏まったようですね。おっと、申し遅れました。

私は『レンヤ・シロカワ』と申す者です。以後お見知りおき下さい、お嬢様♪」


「あたしは『ルコール・アジョッキン』だよ。よろしくね、ミディナール♪」


「レンヤ様にルコール様ですね!自己紹介を有り難う御座います。改めて私の

自己紹介もしておきますね。私はミナディール...『ミディナール・S・バロント』と

申します。みなさん、私の事はミナルとお呼びしたしますので、どうかレンヤ様も

ルコール様も、私の事は気楽にミナル...そうお呼び下さいませ!」


「ああ。そういえば、カルナドの奴もそんな感じであんたを呼んでいたわね?

うん了解したよ、ミナル♪」


「わかりました。私もこれからはそう呼ばせてもらいますね、ミナルお嬢様」


レンヤとルコール、そしてミナルが、お互いの自己紹介を交わしいく。


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