第二百十二話・愚かな騎士共
「あは、あははは!おいおい、何だよそれはおっさんっ!魔法を
詠唱したかと思い、ついつい身構えてしまったじゃねぇかよっ!」
「ガハハハ!まさかと思うが、そのガキ共が魔法とか言わねぇよな?」
「だとしたら、最低極まる見下げ果てた野郎だぞ、貴様は!そんな子どもを
魔法と題し、俺達の攻撃を代わりに受けさせようとはっ!」
「ガハハハハッ!ホント、マジでクソダサなおっさんだぜ!良い歳をした
おっさんがそんな幼いガキ共を盾にし、自分の身を守ろうとするとはさっ♪」
「だがしかし残念だったな、おっさんよ~!俺達はなぁ~特訓や訓練にて
そういった子ども、老人、そして女性などを人質に取られようと屈しない精神、
躊躇しない精神を持たされているんだよ~っ!!」
レンヤにより召喚されたホノカとユキを見て、騎士達がケラケラ、ゲラゲラと
爆笑し、蔑んだ口調で次々と小馬鹿にしてくる。
だがそんな騎士達に対し、
「フン、今から我に屠られるというのに、呑気で滑稽な連中だな!」
「気持ち悪い笑顔で小馬鹿にしている所、大変申し訳ないんっすけど、
あいにく、ボクはあんたらみたいに徒等を組まないと威張る事も出来ない
弱い連中にやられちゃうほど、柔じゃないんすよねぇ~♪ホント、そんな
くだらない寝言は死んだ後に言えって感じっすよ~~くふふふ♪」
先程、レンヤ達を蔑み小馬鹿にしていた口調よりも、更に蔑んだ口調で
ホノカとユキが騎士達を小馬鹿にして失笑をこぼす。
「なっ!?こ、こいつらぁああぁっ!?な、なんてクソ生意気なガキ
なんだ!さっきも言ったがよ、例え貴様みたいな幼いガキだろうともなぁ、
一切合切の手加減なんぞ、してやらん主義だからなぁっ!」
「そして貴様らを捕縛した暁には...そうだなぁ、お前らは見てくれは良いし、
俺の知り合いの変態貴族様にでも高く売ってやるかぁ~♪」
「変態貴族?ああ、あいつの事か。そうだな、あいつならキットこいつらを
良い値で買ってくれるぜっ!」
「......おい、見てみろよ相棒。あいつらの持っているあの大剣をよ。
あの大剣、売れば結構高くで売れんじゃねぇか?」
「だな。あれはかなりのレア物と見たぜ。ぎししし♪おい、ガキどもぉっ!
ガキには不相応なその大剣、俺達がありがたく頂戴してやるから感謝に思え♪」
「そうそう。俺達がそいつを有効活用してやるからよぉ。だから安心して
その大剣を俺達にさっさと渡しやがれえぇぇやぁあぁぁぁっ!!」
ホノカとユキの放つ挑発言葉に、騎士達が激昂したり、罵ったり、
煽ったりといった感情を思いっきり吐き出した後、再びホノカとユキに
向かって襲い掛かっていく。
「......やれやれ。語るに堕ちるとはこの事だな。見るに堪えん。清廉
潔白を軸とした騎士とは到底思えん言動と態度だぞ。ああ、だからか?
だから相手の力量も測れない空け者なのか?ククク、愚かだな......。
全く以て、笑えん愚かな連中だ.........ならばっ!」
ホノカが嘆息を深く吐き、呟く様に呆れ口調でそうこぼすと、腰をスッと
落として大剣を真横に身構える。
そして、
「愚なる者共よ!我の炎に喰われ、身も心も焼け砕けるがよいっ!」
『激烈・爆円舞っ!』
真横に身構えた大剣を円を描く様、ブンッと力強いっぱい真一文字に
振りかぶった!




